
ブルックリンのガイドブック『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ』の著者、安部かすみが、本で書ききれなかったことや、まだあるお気に入りスポットを紹介します。「大切な友人に紹介するとしたら?」という目線で選んだとっておき。今週はウィリアムズバーグにある「Porteñas Yerba Mate」(ポルテニアス・イェルバ・マテ)です。
「飲むサラダ」として日本で認知されつつあるマテ茶。ビタミンやミネラルが豊富で、疲労回復などさまざまな健康効果があるとされています(カフェインは微量)。
2月9日、市内初のマテ茶専用カフェがオープンしたので、初「マテ茶体験」してきました。
アルゼンチン人の生活に密接したドリンク
店内は無垢な白と緑と木目が基調のクリーンな空間で、リラックスした空気が流れています。
「私たちアルゼンチン人にとって、マテ茶はインティメイト(生活に密接したもの)です」と言うのは、共同経営者で、アーモリーショーなどで美術キュレーターを務めるカルメン。朝はマテ茶で始まり、仕事や勉強の合間に欠かせないそう。
「家族や友人との話し合いの時に『まずはマテ茶を飲みましょう』となります」と、共同経営者でカルメンの妻、歯科医のグレテル。
マテ茶は本来自宅で飲むものだけど、「私たちの茶文化を紹介したい」と、2人はシェフのフェルナンダとともに店をオープン。「港町(ブエノスアイレス)出身者」という意味の店名は、つまりこの3人のことです。
家族や友人とシェアして飲むのが本場の流儀
同店のマテ茶は主に2種ー伝統的なスタイルと、同店オリジナルのスタイルでガラス容器入り「ニューヨークスタイル」です。
伝統スタイルは、「Gourd(ゴード、グァンパ)」という専用カップに、茶葉と専用ストロー「Bombilla(ボンビア、ボンビージャ)」を入れ、お湯を少しずつ注ぎながらいただきます。「ストローの先端で茶葉をこし取るため、飲むときに動かしたりかき混ぜたりしないで!」とカルメン。
一つの「Gourd」を家族や友人とシェアしながらいただくのがアルゼンチンの流儀。茶席の亭主のような役割の「Cebador(セバドール)」が湯を足します。みんなで囲んでおしゃべりしながら回し飲みします。
マテ茶は深みとコクがあり、ホッとするお味でした。ペーストリー類は全部手作り。マテ茶とすごく合うので、ぜひ試してみて。



(Text & Photo by Kasumi Abe 安部かすみ)
本稿はWeekly NY JapionのP.9に掲載のコラム 、安部かすみ(Brooklyn本著者)が案内する「古くて新しい、とっておきのブルックリンへ」からの転載。無断転載禁止
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