Clubhouse「アメリカでも」爆発的ブレイク、主要紙認める。中国に情報漏洩の指摘も

多言語が並ぶタイムライン。(スクリーンショットは筆者が作成)

筆者は先週(現地時間の2月8日)、以下の記事を通して、クラブハウス(Clubhouse)の本国アメリカでの利用状況や認知度について紹介した。

その後も周囲の知人に引き続き聞いたり、実際の利用状況をアプリ上で確認したりしている。実感として、アメリカでは一般の利用者は1月末から動き始め、2月2日の週以降に増え続けているようだ。招待待ちの人も多く、招待枠はeBayで89ドル(約9000円)前後で販売されている。

ツイッターやYouTubeがアメリカの政治家により積極的に活用されている一方、クラブハウスでは今のところ、バイデン大統領やトランプ元大統領ほどの大物政治家の登録は確認できない。筆者が確認できた中では、次期ニューヨーク市長選に望むアンドリュー・ヤン氏やバージニア州ティム・ケイン上院議員などのアカウントはある。またパリス・ヒルトン氏、アレクシス・オハニアン氏など、セレブや起業家などさまざまな著名人が、早くから積極的にアカウントを作っていたようだ。

パリス・ヒルトンのアカウントとされるページ。公式マーク制度がないので、本人かどうか慎重に判断する必要がある。(スクリーンショットは筆者が作成)
パリス・ヒルトンのアカウントとされるページ。公式マーク制度がないので、本人かどうか慎重に判断する必要がある。(スクリーンショットは筆者が作成)

積極的な利用者として見逃せないのは、イーロン・マスク氏だ。彼はカニエ・ウェスト氏と登壇を示し合せたり、ツイッターを通してロシアのプーチン大統領にクラブハウスでのトークを持ちかけるなど、話題に事欠かない。

米主要紙NYTも認めた「爆発的人気」

このように利用者数が日々「増殖」する中、現地時間2月15日になり、いよいよアメリカの主要紙ニューヨークタイムズが、このように大きく報じた。

記事にはラッパーのヴァニラ・アイス氏が登場しファンと交流した事例を上げ、このように紹介している。

「誕生からわずか11ヵ月のこのアプリは、嫌がらせ、誤情報、プライバシー問題などの課題が残っているものの、テクノロジーや大衆文化をいち早く試したい人々の間で、急速に人気が爆発している」

昨年5月の時点では数千人のユーザーしかいなかったスモールサークルが、先月になると400万回近くダウンロードされるほどのアプリに大成長した。クラブハウスの企業アカウントをすでに作り、専門の発信担当者を採用する動きも出はじめたという。

脆弱なサーバー、不安なセキュリティ

今のところ、正式バージョン前のベータ版なので、依然iPhoneでしか利用できない。そんな中でも利用者が激増するあまり、今月10日にはサーバーが落ちるなど、構造的な脆弱さが指摘されている。

セキュリティ面でも、気になる報道がある。スタンフォード大学の研究者が、クラブハウスのインフラストラクチャの脆弱性を見つけ、中国への情報漏洩など、危険に晒されうる可能性を指摘した。

アプリのバックエンド・インフラストラクチャの開発に、中国・上海拠点のAgora(アゴラ)社が関わっていることがわかっている。アゴラのトラフィックをチェックする技術者であれば誰でもクラブハウスで誰が話しているかを確認した上で、国家安全保障上の脅威があると判断されれば、音声データを中国政府に明け渡すことも法的に可能だという。

これに対して、クラブハウス側はサーバー面やセキュリティ面の強化と改善を約束している。またアゴラ側は研究者の指摘内容について、自分たちにそのようなことはできないと否定している。

どちらにせよ生まれたばかりで成長過程にあるアプリ故に、個人情報の保護など利用者側の安全・安心面は、現時点でしっかり確証されているものではないようだ。

(Text and photo by Kasumi Abe  Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

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