「独身おじさん友達いない問題」 アメリカの場合は?

日本では少し前、中年男性について書いた記事が話題になっていた。

また最近になって、独身女性という別の視点で書かれた記事も目にした。

筆者はどちらも興味深く読んだ。アメリカでもたまにこの手の話が聞こえてくるからだ。

筆者の耳に入る限り、友だちに関しては「中年」や「独身」に限った問題というより、あらゆる年齢層やステータスで共通する悩みなのかもしれない。(もちろん人によるが)

アメリカではあらゆる層の悩み?

例えばつい数週間前、あるパーティーで出会った20代前半の日本人女性が、会話の流れで「アメリカ人の友人ができにくい」という悩みを筆者に漏らしたことがある。

渡米して1、2年足らずの彼女。大学生で英語はうまい方だと思うが、「友人になるのは、特に女子は難しいですね。なかなか仲間に入れてもらえないです」と愚痴った。

「向こうから擦り寄って来るまで待つのがいいかも?」。アメリカで多感な時期〜大学時代を過ごしていない筆者は、これ以上の的確な助言が浮かばなかったが、異性の友人はできやすくても、同性となると話が異なるから、彼女の言わんとしている状況はなんとなく想像ができた。

「友人作り」の難しさ。学生時代もそうなのかもしれない。しかしそれ以上に、アメリカでは成人以降、社会人になってからが顕著だと感じる。

既婚者は家族が最優先

アメリカ社会では独身であっても、慣習的に職場の同僚と頻繁に飲みに行ったり、休日まで会って出かけたりなんてことは比較的少ない。結婚すると誰もが家族との時間を最優先するので、家族ぐるみの付き合いは続いても、平日の夜や週末に友人と飲み明かしたり、旅行に行ったりすることは激減する。

独身や離婚経験者で友人がいない場合は?つい先日、とある会合の立食パーティーで立ち話になったある中年男性が、まさにそのようなケースだった。彼はその会合の会員になった理由として「時間があるから」とし、頻繁に会員イベントに参加しているそうだ。離婚をした後は独身貴族を満喫中のようで、イベントは基本的に1人で参加するという。バーに好きなお酒を飲みに行くのも、セントラルパークに散歩に行くのも1人だと言った。恥ずかしげに告白っていう感じでもなく、さらっと「おひとりさまを楽しんでいる日常」を明かしてくれた。

フレンドリーなアメリカ人。でも生涯の友情となると……

当地に長年住んでいる筆者の所感だが、一般的にアメリカ人はフレンドリーで、知らない人ともすぐに打ち解けて心を開き、会ってすぐでも身の上話や家族の話をしたりする。だからといって友人が無数にいるかといえばそうでもなく、どっぷり浸かる友情や一生ものの友となると、数はかなり限られるようだ。

(一方日本人は、知らない人とはあまり話さないが、一度心を開いて友情を築けば、深く長い付き合いを続ける傾向があるのではないだろうか)

そもそもアメリカ人が長い友情を持続しにくい理由の1つに、引越しが多い国民性が関係しているというのは、昔からよく言われていることだ。彼らは他の街や州外へ頻繁に引越すものだから、せっかく友だちになっても友情が持続しにくいというわけだ。ただこの問題もここ15年ほど、フェイスブックの台頭により(オンライン上に限って)解決されつつあるが。

アメリカ人の友人作りの難しさについて書かれたある記事が興味深かった。2000人を対象にした統計で、一般的なアメリカ人の友人・知人の数が書かれている。

  • 一生涯の親友 … 3人
  • 本当に好きで1対1でも会う友人 … 5人
  • 何かの集まりで会う(1対1では会わない)友人 … 8人
  • 知り合い程度 … 50人
  • ソーシャルメディアの繋がり … 91人

多くの人は前職の同僚、学生時代の友人、近所の幼馴染みと今も親密な関係を継続させている。

一方、新たな友人作りの難しさも浮き彫りになっている。

新しい友人を作ることについて、成人の45%が「難しい」と答えた。また直近5年間、新しい友だちは1人もできていない。その理由として、内向的で恥ずかしがり屋という性格が関係している。この国ではそのような性格は短所と見られるが、友人作りとなると、自分の殻を破るだけでなく、サークルやコミュニティに自ら入っていく自信や勇気が求められる。このハードルの高さが新たな突破口を破るネックになっているようだ。

また友人作りの障壁はほかにも、「社交の場であるバー文化(飲み会)への嫌悪」「仲良しグループがすでに存在し新参者が入りづらい」「家族が優先」「出会いの可能性のある趣味がない」などが挙げられた。

さらに、せっかく友人になっても関係を持続させるのも難しい。

その理由は、「別の街への引越し」「成長するにつれて(なんとなく)」「多忙」「秘密についての裏切り行為、ゴシップ好き」「困難な時にサポートしてくれなかった」などだ。

中年以降の友人観

今月7日付の地元紙は、中年以降の交友関係の実情について報じた。

市場調査会社のOnePollが、55歳以上の2000人を対象に行った調査によると、37%が1人行動は孤独に繋がりかねないと認め、20%が実際に週の半分以上を孤独に感じている。そして、4分の3の人が、年齢を重ねるにつれて社交の輪が小さくなっていると感じ、48%が過去2年間で3人の友人と関係を解消したと回答した。

一方、年齢が上がるにつれ、52%が「友人と過ごすことに集中したい」と考え、40%が「旅行をしたい」とした。83%は新しい交友関係について楽観的に考え、何歳になろうと充実した関係を築くのに遅すぎることはないと答えた。

筆者が考える「アメリカの友達いないおじさん」への助言

– 教会に通う

– ボランティア活動に参加

– 釣りやダンスなど1人でできる趣味から始める

– 犬を飼う(外出する理由ができ、散歩中やドッグパークで知り合いが増える)

– バーでは近くの人に1杯ご馳走する

– ご近所さんと波風を立てず散歩の時にいつもニコニコしておく(アメリカではホームパーティーは隣人も招くため、いずれ招待されるかも)

– もしくは、本文中に出てきた男性のように徹底的におひとりさまを楽しむ

新たな友人を作ることに興味があると答えた70%は、友人になるのは「好きなことに共通点がある人」「人生経験が似ている人」で、共にアクティブに行動することを望んでいる。64%が一緒にする人がいればウォーキング、ハイキング、スポーツ、クラス受講などもっとアクティブに活動すると答え、46%がアクティブに活動するうちに新しい友人ができたとした。

アメリカ人は家族最優先だと前述したが、つまるところ人生の後半以降は友人の存在の意義を再確認するということなのか。

そしてこの記事でも「『良い友人を見つけるのは難しく、友情を維持させるのはさらに難しい』ことがこの調査からわかった」とある。年齢に拘らず、良い友人と交友関係の持続は努力なしでは叶わないというのは、世界共通のテーマのようだ。

Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

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