「女盛りは40代まで」大炎上したCNN司会者 性差別発言の顛末

Photo by Viktoria Slowikowska on Pexels.com

米テレビ局の著名司会者が番組で「女性の全盛期は40代まで」などとコメントして大炎上し、「辞めさせろ」とキャンセルカルチャーが起こっていた。

事の発端は今月15日。次期大統領選に出馬を表明した共和党の女性候補、ニッキー・ヘイリー氏(51)が演説で「(既存の)政治家は全盛期を過ぎている」と発言した。政権の世代交代を訴えている同氏は「75歳以上の政治家に知能テストを求める」とも言及。

これらを受け、CNNのドン・レモン氏(56)が翌朝、自身の番組で「ヘイリー氏こそ全盛期ではない。ごめんなさいね。でも女性の全盛期は20代、30代そしてせいぜい40代とされています」と発言した。

別の司会者が苛立った口調で「出産年齢の話をしているの?」と問いただすと、レモン氏は「私を責めないで。事実だからそう言っているのです。グーグル検索すればわかること」「政治家について『全盛期でない』という発言には注意すべきだと言っているんです。彼女だって全盛期ではないのですから」と平然と語った。

メディアやSNS上では、さまざまな意見が飛び交った。中には「レモン氏は間違ったことを言っていない」と擁護する声も上がったが、大半は性差別や女性蔑視な発言だとし、非難囂囂となった。

レモン氏は翌日から番組を欠席し、ツイッター上で「年齢は個人的にも職業的にも女性を定義するものではない。後悔している」と反省と謝罪を表明した。しかし波紋はやまなかった。

ローカル紙の社説では、「グーグル検索以外の根拠のないいい加減な発言」「ヘイリー氏より年上の彼こそ全盛期ではなく、全盛期がいつだったかもわからない」などと書かれ、「過去にも性差別があった。今こそ解雇すべき」という辛辣な意見が見られた。

平等を重んじるアメリカの企業は、一般的に差別発言に厳しい。社員や関係者がそのような発言をしたり問題行動を起こすと、自社ブランドに傷が付く前に即解雇する。特にIT企業などは決断が早い。

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過去には解雇された有名司会者もいた

しかし本人が猛省し今後の成長が見込まれたり、その社員がそれほどの地位ではなく会社に与える影響力が少ないと判断した場合、何らかの利権が絡んでいる場合などは、失言や問題行動を今後に生かして欲しいと、もう一度チャンスを与えることもある。

筆者はCNNがこの問題発言を発端にレモン氏の進退についてどう判断を下すか窺っていた。その判断こそが企業姿勢を表す羅針盤のようなものだから。

そして今回のレモン氏のケースでは、もう一度チャンスが与えらる形になった。問題発言から1週間後の今朝、ツイッターで謝罪と感謝を表明し、レモン氏は番組に復帰した(SNSではまだ怒りが収まらない人が多いのだが)。

CNNによると、チャンスを与える判断をした同局のCEO、クリス・リヒト氏は、レモン氏の問題発言は「容認できない」としていたが、この1週間レモン氏と話し合い、差別問題についてしっかりと社員教育を受けさせたようで、彼の反省する姿を評価したようだ。

リヒト氏が今週初め、従業員へ送ったメールには「CNNでは社員が過ちを受け止め、そこから学び、成長できる文化と説明責任とのバランスが重要である」と書かれてあったという。

人々の思想とはなかなか変えることが難しいが、いかなる差別発言も許されるものではない。影響力のある人のそれは特に注意が必要だ。レモン氏は自身の発言で多くの人を傷つけてしまったことに気づいたようだ。

Text and photos by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

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