001ミシュラン二つ星、 新たな食の冒険ができる店 「Aska」

ブルックリンのガイドブックの著者が、ガイドブックで書ききれなかったことやまだまだあるブルックリンのお気に入りスポットをナビゲートします。今週の私のとっておきスポットは、ウィリアムズバーグにある「Aska」です。   ニューヨークに住んでいると、居酒屋、ラーメン、寿司など日本食はもちろん、ハンバーガーにメキシカン、中華にシシカバブetc…と、世界旅行ができるくらい、どこの国の料理も気軽にアクセスできますよね。 ニューヨーク在住歴が長くなってしまった私も、だいたいのものはこの街で食べてきましたが、世界はやっぱり広かった!まだまだ食べたことがない料理もたくさんあります。「おそらく皆さんもあまり馴染みがないのでは?」と思う料理が、ここ「Aska」でいただけます。 開店4ヵ月でミシュラン2星獲得   アスカはスウェーデン出身のフレドリック・バーセリウス(Fredrik Berselius)が手がける、北欧料理にルーツを持つニューヨーク・スタイルのレストランです。2016年のオープンからたったの4ヵ月で、ミシュラン二つ星を獲得したすごい店なのです(二つ星は現在まで更新中)。 そんな才能を放つイケメンシェフ、フレドリックですが、かつてはプロのスノーボーダーになることを夢見ながら実現できず、将来の自分に不安を抱えていたどこにでもいるような若者でした。 建築やデザインの勉強をしたり、バイクメッセンジャーやモデルの仕事をしながら、マンハッタンの某高級レストランにレジュメを直接持参して働き始めたことから、調理の基礎を築き、セレブシェフとして開花した大変な努力家です。   新たな食の冒険ができる店   アスカに行くとまず苦手な食材を聞かれます。アボカドが嫌いな友人は「大丈夫。うちでは使ってない食材です」とサーバーに言われました。 ここでは、ビーフ、カタツムリ、魚介類、海藻、キノコ類、ベリー類など、フレドリックが食べて育った馴染みのある故郷の食材を使った料理がまるで芸術品のようにクリエートされます。 中には、アップステートにあるセカンドハウスや店に併設したガーデンで栽培した食材も。 「新たな食の冒険」がコンセプトで、Lichenという地衣類(コケの一種で磯のような独特の香りが特徴。キャラメルクリームやスプルース酢など甘酸っぱい出汁入り)や、Mignardisesという豚の血を使った生チョコなど、「わぁ〜これ何!?」と何度言ったことか。 チップ込みで185ドルか265ドルの2種類のコースは、これぞという特別な日に超おすすめ(要予約)。地下スペースとガーデンは予約なしで、ドリンクだけでも利用できますよ。   Aska 47 S. 5th St. Brooklyn, NY 11249 (929) 337-6792   地下鉄J・M・Z線Marcy Av駅から徒歩11分、フェリーSouth Williamsburg乗り場から徒歩8分   時間があれば、ここにも立ち寄ってみて Domino Park   (Text by Kasumi Abe) 本稿は、Weekly NY Japionのコラム Brooklyn本著者が案内する「古くて新しい、とっておきのブルックリンへ」を転載した。無断転載禁止©️ Kasumi Abe    

【留学情報】ニューヨークの語学学校の特徴が一目でわかるリスト(取材まとめ:保存版)

私は元留学生です。 ニューヨークにやって来たもともとの理由は、英語を勉強するためでした。 貯金だけで来たので2年ぐらいの滞在予定でした。 帰るころに仕事が決まり、それから16年もこちらに住むことになるとはつゆ知らず…。 学校選びは大変だった記憶があります。 当時ネットでの情報に限りがあり、学校を選ぶためにアメリカンセンターなどにリサーチに出向いたりしてとても時間がかかりました。だから学校選びの苦労や、留学中の大変さなど、とーても気持ちがわかります。 (つづきを読む)     (Text by Kasumi Abe) 無断転載禁止

大坂なおみ帰国会見「自身のアイデンティティについてどうお考えですか」。インタビュアーとして思うこと

私は普段、インタビューをする仕事がメインだ。通訳もたまにしている。インタビュアーとして、日本の出版社時代は日に2、3組、4年間でトータル400組ぐらい、来る日も来る日もプロのミュージシャンを相手にインタビューしてきた。 ニューヨークに来た今、インタビュイーの対象がミュージシャンからアメリカ人の起業家やショップオーナー、アーティストなどへ変われど、今でも丁寧にインタビューし、そこから得た情報をもとに記事をおこすことは、私の仕事の大切な軸だ。 9/13、大坂なおみ選手が凱旋帰国し、記者会見を開いた。マスコミの質問について「どんな写真をインスタに載せたいですか?」「好物の抹茶アイスは食べましたか?」など、テニスと無関係の質問が続出したと、否定的な意見があるようだ。 (続きを読む) (Text by Kasumi Abe) 本稿は「Yahoo!ニュース個人」の記事を転載した。無断転載禁止

3ヵ月で4店舗が次々にオープン。ニューヨークでも「いきなり!ステーキ」の勢いが止まらない

私が日本で子どものころ慣れ親しんだステーキは、大きさはあれど薄い肉だった。だからアメリカに来て、ステーキハウスで初めて熟成肉のTボーンステーキをオーダーしたときに、その大きさ、厚さ、噛み応え、舌触り、香りに驚いたものだ。 アメリカ人はステーキハウスを接待やイベントでよく使うが、普段使いも比較的多く、肉の消費量は日本の比ではない。そんなステーキ王国ともいえるアメリカ、ニューヨークで、「安くて、スピーディーで、おいしい」の三拍子で勝負をかけている日本の飲食チェーンがある。「いきなり!ステーキ」だ。 いきなり!ステーキが、海外初出店のニューヨークに第1号店を出店したのは、ちょうど昨年の今ごろだった。 (1号店オープン時の記事)   1号店オープン時の2017年2月、創業者であり代表取締役社長の一瀬邦夫氏は「年内に10店舗オープンする」と明言していた。しかし同年11月までに新規オープニング情報は入ってこなかった。 ところが、12月に入って堰を切ったように2号店がマンハッタンのチェルシー地区にオープン。続いて2018年1月に3号店がタイムズスクエアに、2月に入ってからもその勢いは続き、4号店、5号店が同じくチェルシーとタイムズスクエアの別の場所に連続オープンしている。 2月16日(金)、タイムズスクエア近くの「5th アベニュー店」がグランドオープンした。元ニューヨークヤンキースの松井秀喜氏をゲストに招き、午前10時30分より華々しくオープニングセレモニーが行われた。

ブルックリン名物「スモーガスバーグ大阪」開催! 【創業者インタビュー】

ニューヨークの週末の昼下がり、香ばしいグリルの香りに誘われて辿りつくのは── 「Smorgasburg(スモーガスバーグ)」。ニューヨーク・ブルックリンの公園や広場、空き地などを利用した屋外フードマーケットだ。地元ブルックリンはもとより全米、世界中からも人々が訪れる、アメリカ最大規模の食の青空屋台市場として2011年にスタート。以来「週末のお楽しみ」として人々に親しまれてきた。 そんな週末の定番イベント、スモーガスバーグがブルックリンでのスタートから6年、いよいよ今秋、大阪に上陸することが決まった。 「Smorgasburg(スモーガスバーグ)」とは? 時期によって参加する店(ベンダー)のラインナップは違うが、平均100店前後が参加し、食の競演が繰り広げられる。BBQ、ハンバーガー、ホットドッグ、ロブスターロールなどアメリカンフードから、フィリピンやタイ、中国など世界各地の軽食もそろう。中にはたこ焼き、お好み焼き、焼き鳥、おにぎり、味噌汁、ラーメンなどといった、日本の軽食を見かけることも。屋外で食べるとどんどん食が進んで、あれもこれも食べたくなる。 また、ベンダー側にとってこのイベントは、新メニューを試験的に出して客のリアクションを知ることができるポップアップ的なショーケースとしての意味合いも大きい。スモーガスバーグからスタートし、実店舗を持つまでになった店は数多い。 10月27日(金)~29日(日)大阪で開催。その理由は? 2017年10月27(金)・28(土)・29日(日)、大阪で開催されるにあたり、共同創業者のエリック・デンビー氏に、日本進出のきっかけやイベント開催に向けての抱負を聞いてみた。 ── 大阪でスタートさせるきっかけになったのは? 3年前に長年の友人ハリー・ローズンブラム(料理学校、Brooklyn Kitchenの共同オーナー)が、大阪で貿易関係やマーケティングの仕事をしているユウコ・スズキを紹介してくれたんだ。みんなでマンハッタンでラーメンをすすりながら、大阪とブルックリンのベンダーを交換できたらいいねという話になった。大阪とブルックリンは共通点が結構あるからね。例えば両都市とも、歴史的に食べ物がおいしい街だし、マンハッタンや東京とは違う「第2の都市」として異彩を放つ存在だし、両市ともアントレプレナーががんばっている街でもあるからね。 その後ユウコが阪急電鉄を紹介してくれて、今年の3月、阪急電鉄を訪問する機会に恵まれた。企画をプレゼンテーションしたところ、スモーガスバーグに興味を持ってくれて、ぜひ大阪でやりましょう!となったんだ。 ── スモーガスバーグ大阪に期待していることは? 大阪のすばらしい食文化のショーケースになり、スモーガスを披露するめでたい場になるだろう。才能あるシェフが作り上げた特別なフードにたくさん出合えるはずだ。そしてブルックリンの食ベンダーも参加するから、海を超えて彼らのスキルをどう日本のみんなに披露できるか、僕も楽しみにしている。たくさんのハッピーな笑顔が溢れるイベントになるのは間違いないよ。(SNSも)食べ物の絵文字で溢れるだろうね(笑)。 ── 次の展開としてほかの都市への出店の可能性は? 大阪のイベントがうまくいったら、もちろん今後も日本で継続していきたいと思っているよ。ただ2018年いっぱいは、大阪での開催にフォーカスしていきたいと思っている。 ── 日本での開催を楽しみにしている読者にメッセージを。 スモーガスバーグ初の国外開催を、大阪というすばらしい食文化と歴史を持つ街で開催でき、とてもうれしく思っている。今年3月に大阪を訪問した際、たくさん美味しいものを食べ、人々から心の温まるすばらしいおもてなしを受けた。ブルックリン同様、大阪でも人々に楽しんでもらえるイベントになればうれしい。 日本初のスモーガスバーグの開催は、2017年10月27日(金)~29日(日)の11:00~22:00、大阪市北区、阪急・中津の高架下にて。入場無料。 (写真・文:安部かすみ fromニューヨーク) ■開催情報 「スモーガスバーグ大阪」 開催日/2017年10月27日(金)~29日(日) 開催時間/11:00~22:00 会場名/阪急中津(梅田方) 高架下区画 Smorgasburg 世界の素敵な暮らしをお届け。『Global Lifestyle』 ■取材国・都市:アメリカ・ニューヨーク 安部かすみ(あべ・かすみ) 2002年に渡米し、在ニューヨークの新聞社でのシニアエディター職を経て、2014年からフリーの編集者、ライターに。ニューヨークから食やエンタメ、テック系などのトレンドを発信中。編集者歴は日米で20年。 HP Global Press Blog Twitter   TSUTAYA T-SITE(2017.10.13)「ブルックリン名物「スモーガスバーグ大阪」10月開催! 創業者インタビュー」より転載(無断転載禁止)ウェブサイトのコピー    

NYで急増する「混合店」企業生き残り、話題作り

    ニューヨークでは近年、業種が混合したお店が増えている。日本で業種が混合といって頭に浮かぶのは、カフェと本屋だろうか。ニューヨークでは、カフェと本屋の混合はもちろんのこと、カフェと洋服屋、カフェと銀行、カフェとボクシングクラス、バーと花屋、靴屋とアイスクリーム、質屋とレストランバー、レストランとコワーキングスペースと雑貨店など、実にユニークで種類もさまざま。混合店が増えている背景を探った。 ▽ここ数年のトレンド 「混合店がニューヨークのここ数年のトレンドになっているのは確かだね」 そう語るのは、流行の発信地、ブルックリンにある「Upstate Stock」のオーナー、ブラム・ロビンソンさん。ブラムさんの店は、キルティング倉庫だった古い建物を改造して作った、クリエーティブで個性的なアパレルとカフェの混合店だ。アパレルコーナーには、ローカル産の雑貨も置いている。 ブラムさんがオリジナルブランド「Upstate Stock」を立ち上げたのは、今から5年前。今ではアメリカはもとより日本でも販売されるほど人気となった。そんな中、店の手前入り口側に、カフェスペースを併設したのは昨年のことだった。 ▽高騰する賃料 なぜカフェを併設したのか、理由を聞いてみた。 「主な理由はレンタル(賃料)だよ」とブラムさん。アパレルだけの売り上げでは、ブルックリンの高い賃料を賄うのが難しいのだという。 ニューヨークでは不動産価格が高騰し続けている。ブルックリンも例外ではなく、賃料の高さは、経営者には頭の痛い問題だ。 ブラムさんの店の賃料を尋ねることはできなかったが、「LoopNet.com」という、店舗用空き物件情報を調べられるウェブサイトによると、ブラムさんの店から徒歩5分圏内にある、角に面した、同じようなロフトタイプの店舗用リース物件は、1スクエアフィート(約0.093平方メートル)につき月5ドル。その物件の実際の広さは1400スクエアフィート(約130平方メートル)だから、月の賃料は約7千ドル(約79万円)だ。今のブルックリンの賃料のだいたいの相場が分かってもらえたと思う。 ▽頭ひねる経営陣 混合店には、個人店と大手企業の2種類が存在する。ブラムさんの店のような個人経営の店ではファイナンシャル的な理由が主なようだが、大手企業が混合店を開く場合、そのほとんどは、企業の生き残りをかけたマーケティング戦略と話題作りが理由にあるようだ。 例えば昨年、マンハッタンの14丁目に米大手銀行「Capital One」がカフェを併設し、「Capital One bank Cafe」としてリニューアルオープンし話題になった。 また、表向きは質屋だが、店の奥にあるドアを開くと豪華なレストランバーになっている人気店「Beauty & Essex」も、飲食とナイトライフ事業を全米展開する大手の「TAO Group」が経営している。 賃料が高く、競合店も多いニューヨーク。混合店は、経営陣が頭をひねって生み出した、この街で生き残るための試行錯誤のカタチなのだ。(ニューヨーク在住ジャーナリスト、安部かすみ=共同通信特約) Kyodo 47 News(2017.7.25)【世界から】「NYで急増する「混合店」企業生き残り、話題作り」より転載(無断転載禁止) 類似記事: TSUTAYA T-SITE(2017.7.29)「質屋レストランに銀行カフェ? NYで話題の混合店がおもしろい」より転載(無断転載禁止)ウェブサイトのコピー   ウェブサイトのPDF

NY人気店「ベンジャミンステーキ」が六本木に6月30日オープン。味や雰囲気はどうなる?【現地レポート】

ニューヨークの人気ステーキハウス「ベンジャミンステーキ」が、2017年6月30日(金)に日本第1号店となる「ベンジャミンステーキハウス六本木」店をオープンする。 現地ライターも太鼓判。NYの人気ステーキハウス「ベンジャミンステーキ」とは ニューヨーク店の共同創業者は、ブルックリンの老舗ステーキハウス「ピータールーガー」でマネージャーとして10年の経験を積み、義理の兄弟および同店で20年間シェフをしていた同僚らと共に、2006年、自分たちの店「ベンジャミン」をマンハッタンにオープン。 現在はニューヨークエリアに、全3店舗展開している。 安定した味とボリューム、上質のサービスを誇り、オープン以来、連日のように周辺のビジネスマンや観光客らで満席になるなど大盛況。2014年には安倍首相もニューヨーク訪問の際、この店で食事をしている。 筆者もビジネス関連で個人的によく利用する店だが、どんなクライアントを連れて行っても食事を楽しんでもらえる、誰に紹介しても恥ずかしくない店の一つだ。 海外初進出。NYの味と雰囲気そのままに 海外初進出となるベンジャミン六本木店は、ニューヨーク本店そのままの味と雰囲気を楽しんでもらえるように、まったく同じメニューを提供する。 サーロインステーキ(9,000円)やリブアイステーキ(11,000円)、フィレミニョン(9,000円)なども見逃せないが、初回はまずいわゆるTボーンステーキと言われる「ポーターハウス」から試してみてはいかがだろう?(2人前16,000円、3人前24,000円、4人前32,000円)。 熱々の大皿でサーブされるポーターハウスは、骨を挟んでサーロインとテンダーロイン(フィレ)の2つの味が楽しめる。ボリュームがあるので、3人で行った場合でも2人前(ポーターハウス・フォー・トゥー)の注文で十分なはず。 ステーキハウスの楽しみ方は個々でさまざま。最初はおしゃれにマティーニグラスを傾けるもよし、シーフードやベーコンなどからスタートするもよし、いきなりステーキと赤ワインを注文するもよし、とにかくお堅いルールなどはいっさいない。 先述のように、特にマンハッタンのビジネス街にあるステーキハウスは接待や同僚との食事会、記念日などによく利用されているが、皆どの人もワイワイガヤガヤとカジュアルに楽しんでいる様子がうかがえる。 ステーキハウス=格式高い、と身構えず、ニューヨーカーのように気取らずに食事を楽しんでみよう。 予約受付は2017年6月5日(月)より。 ■店舗詳細 Benjamin Tokyo Benjamin New York (文:安部かすみ fromニューヨーク) ■取材国:アメリカ 安部かすみ(あべ・かすみ) 2002年に渡米し、在ニューヨークの新聞社でのシニアエディター職を経て、2014年からフリーの編集者、ライターに。ニューヨークから食やエンタメ、テック系などのトレンドを発信中。編集者歴は日米で20年。 HP Global Press Blog Twitter TSUTAYA T-SITE(2017.6.1)「NY人気店「ベンジャミンステーキ」が六本木に6月30日オープン。味や雰囲気はどうなる?【現地レポート】」より転載(無断転載禁止) ウェブサイトのコピー

アマゾンがリアル書店をニューヨークにオープン【初日レポート】

シアトルで2015年スタートした、アマゾンのリアル書店「Amazon Books(アマゾンブックス)」が、5月25日(木)ニューヨークにもオープンした。同社はこれまで、数々の個人経営店を閉店に追い込んできた存在だとも言われているが、今度は自社の実店舗をオープンさせた形だ。

飲む万能薬「ボーンブロス」って? NYの流行はコーヒーやコールドプレスジュースだけじゃない

ヘルスコンシャスなニューヨーカーが注目 ニューヨーカーといえばその特徴の一つとして、歩きスマホならぬ「歩きコーヒー」というのがある。 おしゃれなコーヒータンブラーを持っている人も中にはいるが、主流は使い捨て紙コップ。せっかちなニューヨーカーは、ストリートで電車でオフィスで、いつでもどこでも片手にコーヒーカップを握りしめ、飲みながらスタスタ歩いている。 しかし最近(この寒い時期は特に)、紙コップの中身が「あるもの」にシフトしつつある。 その中身はというと、ここ数年ニューヨークで話題のボーン(骨)ブロスだ。牛や鶏などの骨をグツグツ煮込んだ、あれである。日本だったら、豚骨ラーメンや水炊きのベースとしてよく使われるだろう。それがここ数年ニューヨーカーの間で話題なのだ。 なぜボーンブロスなのか? 注目されているわけを聞くために、昨年5月にオープンしたボーンブロスカフェ「Springbone Kitchen」(スプリングボーン・キッチン)を訪ねた。 ボーンブロスの健康効果 「ボーンブロスは、コラーゲン、ゼラチン、アミノ酸、ヒアルロン酸などが豊富に含まれています。美肌効果があり、関節や筋肉を強化し、腸の調子を整えて消化を助けたり、免疫力を上げてくれたりするんですよ」と説明するのは、同店のオーナー、ジョーダン・フェルドマンさん。 ジョーダンさんは説明を続ける。 「美肌によいものとしてコールドプレスジュースも話題ですが、それと比べても、ボーンブロスはカロリーや糖分が低く、プロテインが豊富に含まれ、そして値段も安いんですよ!」 これこそが、ボーンブロスが「万能の美容液」と言われている所以(ゆえん)だろう。   店のオープンにおいてボーンブロスに着目したきっかけを聞くと、「健康になれることを自ら実感したから」。 「テニスで膝の関節を傷め理学療法士のもとに6ヵ月間通ったが、一向に治らず焦っていました。2年前、友人に勧められてボーンブロスを寝る前に飲み始めたところ、ほんの数週間で膝の調子がよくなったんです。『店をするならこれだ!』と思いました」 ボーンブロスのお味は? 早速、一番人気のチキンブロスの「Liquid Gold」(小6ドル)をいただいた。 オーガニックチキンのボーンブロスにタマネギやニンジン、セロリなどの各野菜、ココナッツミルク、ターメリック、リンゴ酢などが入っている。コクがあり、味わい深くまろやか。フーフーしながら飲み終わると、プハ~ッとほっこりする。極寒のニューヨークで、体の芯から温まった。 自宅で作ってみる? そもそも、ボーンブロスは誰でも自宅で手作りできるもの。ジョーダンさんに、うまく作るコツを聞いた。 「特に初心者は、簡単な鶏肉のブロスから始めるといいでしょう。フレーバーが豊かなので、どのように調理してもおいしく作れます。フレーバーは少ないけど健康の利点から考えると、ゼラチンの豊富な首もしくは足の部位は必ず入れること。見た目は気持ち悪いけど、そこはがんばるしかないです(笑)」 もしくは、チキンの丸焼きを食べた後の骨を捨てずに使うのもいいそうだ。どちらにせよ、煮込んだりして約1日がかりの作業になる。 「いい食材(骨)を調達することも大切です。作るのが面倒という方は…ぜひうちのカフェに寄ってください! 」 ニューヨークを訪れることがあれば、温か~いブロス・カップ片手に、ニューヨーカーよろしく街を闊歩してみてはいかがだろうか。   Brodo Broth Shop Marlow & Daughters (文・写真:安部かすみ fromニューヨーク) 世界の素敵な暮らしをお届け。『Global Lifestyle』 「ニューヨーク」の記事をもっと読む ■取材国:アメリカ・ニューヨーク 安部かすみ(あべ・かすみ) 2002年に渡米し、在ニューヨークの新聞社でのシニアエディター職を経て、2014年からフリーの編集者、ライターに。ニューヨークから食やエンタメ、テック系などのトレンドを発信中。編集者歴は日米で20年。 HP Global Press Blog Twitter TSUTAYA T-SITE(2017.1.11)「飲む万能薬「ボーンブロス」って? NYの流行はコーヒーやコールドプレスジュースだけじゃない」より転載(無断転載禁止) ウェブサイトのコピー

「醜い農産物」を救え? アメリカ全土が本気で取り組む食プロジェクトとは

    「Ugly Produce. Delivered.(醜い農産物。配達されます)」   アメリカ西海岸を拠点とするデリバリー系スタートアップ「Imperfect Produce」「Imperfect Produce」(インパーフェクト・プロデュース)のウェブサイトを開くと、このメッセージがまず目に飛び込んでくる。   スタートアップが大型スーパーと提携し、醜い農産物を救う 何ごとにおいても醜いものを好む人は世の中そんなに多くないだろうから、このスタートアップが誕生した背景を知らない人には、なかなか衝撃的なキャッチコピーだろう。 インパーフェクト・プロデュースのサービスは“Ugly”(見た目の悪い)野菜やフルーツをリーズナブルな価格でデリバリーすること。もちろん形の悪い野菜やフルーツでも、言わずもがな味や栄養面で何ら問題ないが、一般市場では売り物にならないため農場で廃棄されているのが現状だ。   例えばアメリカの食品廃棄に関するあるリサーチ発表では、全米における食品の年間廃棄量は約30万パウンド(13万6,077キログラム)、所帯ごとの平均食品廃棄量は年間で640ドル分にも上るらしい。これは1970年代と比べると1.5倍も増えており、何らかの対策を講じなければ今後さらに廃棄量が増えていくことが懸念されている。 この問題に目をつけたのが、このインパーフェクト・プロデュースだった。彼らは、自然食品を中心にセレクト販売する全米展開の大型スーパー、Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)とパートナーシップを組み、4月下旬から見た目の悪い野菜やフルーツ(オーガニック含む)を販売すると発表した。現在は北カリフォルニアだけの取り組みだが、今後は全米展開も視野に入れられている。       食品廃棄問題、アメリカ東海岸の取り組み 食品廃棄問題に取り組んでいるのは、何もアメリカ西海岸の話だけではない。 東海岸のメリーランド州に本社を置く「Hungry Harvest」も、食品廃棄を減らすことをミッションに掲げたデリバリー系のスタートアップだ。 2014年創業で、すでに600世帯が利用している。同社の発表によれば計50万パウンド(22万6,796キログラム)の食品を廃棄せずに有効活用したとしている。そして、このスタートアップにはもう一つ特徴がある。 同社は顧客を「ヒーロー」と呼んでおり、ヒーローからのオーダー1箱ごとに契約農場を通して、新鮮な野菜やフルーツをフードバンクや教会、低所得者層らに無料で提供している。 同社の発表では全米の生活困窮者は5000万人で、これまでに寄付された野菜やフルーツは18万5,000パウンド(8万3,914キログラム)。そして今年1月、同社のCEO、エヴァン・ラッツさんがABC局のリアリティーショー『Shark Tank』に出演し、同社が希望していた投資額の倍である10万ドル(約1千万円弱)の投資を受けたことでも話題になった。   人気のテレビ番組が彼らの活動をフィーチャーし投資を決めたことから、この取り組みも今後さらに広がっていくことは容易に予想される。   「廃棄ゼロ」を取り組むレストランも さて、ニューヨークでは前述のデリバリーサービスとはまた違うユニークな店が注目されている。 昨年9月にブルックリンにオープンしたレストラン「Saucy by Nature 」(ソース・バイ・ネイチャー)」。地元の農家でとれたオーガニックの食材を出すFarm-to-tableの店で、「Zero Waste(廃棄ゼロ)」をスローガンに掲げている。 もともとオーナーのパシェミック・アドルフさんは結婚式やイベントなどで料理を提供するケータリング会社を経営していた。しかし、店をやっているとどうしても食材が残ってしまう。パシェミックさんが頭を抱えて考えた結果、あるアイデアが浮かんだ。   「残った食材を活かすために、レストランも開こう」。 それがこのSaucy by Natureだった。   例えば、ケータリングで余ったレタスをレストランではハンバーガーやサンドイッチなどに使うといった具合に、両店でうまく食材を使い切る工夫をしている。そしてそれでも余ってしまった食材は……? これはフードバンクに寄付しているそうなので、実質的にZero Waste(廃棄ゼロ)を実行しているレストランだ。   食品を救済するためならごみ集めツアー 食品廃棄に関する記事ということで、最後にもう一つ、私のニューヨークでの経験をつけ加えておきたい。 皆さんはFreegan(フリーガン)という言葉を聞いたことがあるだろうか? スーパーから廃棄された賞味期限が切れたばかりの(まだ食べられる)食べ物を、ゴミ山の中から拾う活動をしている団体だ。 このTrash Tour(ごみ集めツアー)は定期的に開催されており、私は10年ぐらい前に取材で参加したことがあるのだが、いろんな意味で予想を遥かに越えた体験だった。…