眞子さまNY移住で噂される3つの「就職先候補」ってどんなところ? 現地在住目線でその「魅力」を紹介

眞子さまの結婚後の移住先として注目されるニューヨーク。日本のメディアによれば、早くもいくつかの就職先候補が浮上している。 その就職先候補はどんなところか気になるだろうが、まず始めに、日本人を含む外国人が「アメリカで働くこと」について説明したい。 アメリカで外国人が就労するには、就労ビザやOPT(実践的経験を積むことを目的に与えられる就労許可)、就労許可証、またはグリーンカード(永住権)の中からいずれかが必要だ。また外国人が就労するということは現地の雇用を奪うことにもなりかねないため、その人の専門性や、その人でなければ業務が成り立たないというような雇用主からの証明書などが求められる。 また、一口に就労ビザと言っても職種や役職によってさまざまな種類が存在する。ニューヨークの一部の報道では、ロースクールを卒業した小室圭さんが今後取得するだろうとされているビザは、OPT(もしくは就労許可証)の後にH1-Bと呼ばれるタイプのもので、来春以降にH1-Bを申請するのではないかと言われている。 就労ビザやグリーンカードは通常、移民法専門の弁護士に依頼し申請する(移民法の専門知識があれば自分で行うことも可)。申請と取得には、時間とお金がかかる。筆者も以前ニューヨークの出版社に勤務していた際、H1-Bビザ保持者だったので、外国人がアメリカで就労するための苦労や労力を身を以て実感してきた。しかもH1-Bビザの新規年間発行数は6万5000件と決まっている。その枠内に入らなければアメリカでの就労は認められない。仕事があるにも拘らずこの枠内から洩れたため、泣く泣く帰国して行った人を筆者は何人も見てきた。この国で、自分が希望する職種や会社で合法的に就労することは、決して狭き門とも思わないが、限られた門であることは間違いないだろう。そしてビザ保持者の配偶者にとっても同様だ。 参照 オーサーコメント 一方でアメリカというところは、秀でた才能の持ち主や高額納税者を喜んで迎え入れ、グリーンカードや市民権を寛容的に与える国でもある。それがひいては国力に繋がることを考えれば納得だ。そして眞子さまは小室圭さんと結婚して小室眞子さんになっても、いわゆる一般の人ではない。アメリカ人は王族や皇室のロイヤルの称号を崇める傾向があり、「元プリンセス」「元ロイヤルファミリーの一員」「天皇陛下の親戚」という言葉の響きに弱い。よってそのような肩書きのある人を仕事仲間やコミュニティの一員として迎え入れたい気持ちになるのは、わからなくはない。一般人にとって容易くはない就労ビザやグリーンカード、市民権の取得でも、ロイヤルブランドで難無く可能になってしまうかもしれない。 そんな前知識を踏まえ、(あくまでも噂の段階ではあるが)眞子さまの就職が囁かれているニューヨークの3つの候補地がどんなところか紹介していきたい。 メトロポリタン美術館(MET) 現時点で米メディアにはそれらしき情報は出ていないが、日本の女性週刊誌により「就職先として急浮上」と紹介されたのが、マンハッタンの高級住宅地、アッパーイーストサイドに位置するメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)、通称メットだ。 ここは世界三大美術館の1つと呼ばれ、アメリカの美術館としては最高峰だ。世界各地からコレクションされた5000年以上にわたる文化・芸術遺産200万点以上を収蔵、展示している。アート業界に身を置けば、一度は働いてみたい職場かもしれない。 筆者は10年以上前、この美術館のペーパーコンサベーション(紙の修復・保存)部でコンサバター(修復・保存家)として勤務する日本人女性を取材したことがある。現在全部で何人の日本人や日系人が勤務しているかは不明だが、ウェブサイトを見る限り日本画のコンサバターとして日本人男性が勤務していることを確認できる。競争が激しいニューヨークのアート業界ではあるが、同館で眞子さまの「専門性」が求められれば、日本人であっても雇用される可能性は充分にある。 訪問するなら…筆者のおすすめ ゴッホやピカソ、フェルメールなどの中世ヨーロッパの名画、そしてエジプトからそのまま移転させた巨大な古代芸術は特に見応えあり。また館内には(日本から訪れた人にはあまり関心を持たれないが)葛飾北斎など日本の芸術展示室もあり、地元の人々に高く評価されている。 館内は1日では周り切れないほど、とにかく広い。名作ぞろいと言えども1作1作見きれない。訪れる際は事前にどんなジャンルの美術を中心に鑑賞したいのか的を絞って臨むといい。 屋上にはルーフトップカフェ&バーもある。アートの鑑賞後、そこでの休憩は最高に気持ちが良いはず。 アメリカ自然史博物館 マンハッタンの高級住宅地、アッパーウェストサイドに位置するアメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History)も話題の1つになっている。こちらも現時点で米メディアにはそれらしき情報は出ていないが、別の日本の女性週刊誌で「眞子さまが数年前にお忍びで視察したことがある」として、就職先の候補の1つではないかと紹介された。 場所は真ん中のセントラルパークを軸に、前述のメットからはちょうど真反対側の西側に位置。館内では動植物、鉱物など自然科学・博物学にかかわる標本や資料を所蔵・展示している。創立は1869年と、こちらも長い歴史を持つ。 以前は大人向けにお泊まり会を開催したり、パンデミック以降は同館の一部を予約不要の新型コロナワクチン接種会場とするなど、斬新なアイデアも地元で評価を得ている。 過去記事 アメリカ自然史博物館で行われたイベント アポロ11号月面着陸から50年 記念展で「次に月に行く人は?」との問いに・・・ 訪問するなら…筆者のおすすめ 恐竜の標本や化石、プラネタリウム、動物や海洋生物のコーナーなどが見応えがあり、大人から子どもまで楽しめる。 海洋生物コーナーに展示されている、長さ29m近くの等身大の巨大クジラの模型は圧巻。1925年に南米の最南端沖で死骸として発見された雌のシロナガスクジラをモデルにしたもので、これまで存在した動物の中で最大のものとして知られる。クジラの模型の下は昼間でも薄暗くて静かなので、地元では密かに昼寝や休憩の名所として親しまれている。 ギャラリー 米ウェブニュースのPageSixは9月、眞子さまについて「留学先の英国レスター大大学院の博物館学で修士号を取得し、東大博物館で働いてきた実績やコネクションを買われ、ニューヨークのトップギャラリーは(眞子さまを)雇用しようと動いている」とする、アート業界の関係者の声を紹介した。 同サイトによると、イギリス王室のユージェニー王女もニューヨークのギャラリー関係の仕事に就いたことがあるという。同王女は2013年ニューヨークに移り、オンラインオークションハウスのPaddle8で働き、15年にロンドンに戻って、アートギャラリーHauser & Wirthに勤務したそうだ。 タイムアウトニューヨークによると、この街にはブロードウェイ劇場が40箇所、書店が100店あるのに比べ、ギャラリーの数はなんと1500にも上るという。働き口はいくらでもあるということだ。 その多くは以前は、ソーホー地区やローワーイーストサイド地区、ブルックリンのダンボ地区に、現在はチェルシー地区に集まっているが、近年はブルックリンのほかの地区やマンハッタンのハーレム地区、クイーンズなどニューヨーク中に広がっている。 毎日どこかでオープニングイベントが行われ、シャンパン片手にアート好きが集まって談笑をしている。 ニューヨークにはこのほかにも素晴らしい美術館や博物館、個性的なギャラリーが点在しており、アート好きにはたまらなく魅力的な街だ。眞子さまが移住されたら、公私共にきっと気に入られるに違いない。 ギャラリー関連 過去記事 ハーレムのギャラリーで行われたイベント NYのアート発信地をチェルシー→ハーレムに企てる男 ある茶会での出会いと学び(武漢アートも) Text and photo by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

螺旋を歩きながら生涯を辿る ワシリー・カンディンスキー展@NYグッゲンハイム美術館

Vasily Kandinsky: Around the Circle 新型コロナのパンデミックで元気のなかったアートシーンもやっと活気が出てきた。最近は新たな展覧会の開催に向けプレスプレビューの招待も増えている。 ニューヨークのグッゲンハイム美術館では、明日10月8日から来年の9月まで、円や直線などのモチーフや構成のユニークさで知られる抽象画家、ワシリー・カンディンスキー展が開催される。 1866年モスクワで生まれ、ドイツやイタリアなどヨーロッパを転々とし、1944年にフランスで生涯を閉じたカンディンスキー。1922年にはバウハウス(ヴァイマール)で美術を教え始めたものの、ナチスにより閉校に追い込まれ(33年)、57の作品をdegenerate art(退廃芸術)の追放として没収(37年)されたり波乱に満ちたアート人生だった。 彼の作品は時代の移り変わりと共に変わっていく。時代やその土地のコミュニティとの結びつきに強く影響されたものだそう。 展示会自体は、言わずもがな、フランク・ロイド・ライトが設計したグッゲンハイム美術館の螺旋状の展示ルームにおいて、螺旋状の上に向かって時系列が逆戻りする構成だ。3階の晩年の作品(1930〜40年代)からスタートし、4階の1920年代、5階のミュンヘン(ドイツ)周辺に住んでいた初期の作品に続く。 2階では今年96歳で現役のエテル・アドナンの作品も展示。アドナンは、生涯にわたってカンディンスキーの画風を勉強してきたそうだ。 広報スタッフによると、2階のアドナン展からスタートし、3→5階のカンディンスキー展を楽しめるとのことだが、特に決まりごとはなく、本来の「グッゲンハイムの歩き方」つまり、エレベーターで5階まで登り、螺旋を歩いて降りながら展示を見るパターンでももちろん楽しめるとのこと。お好きな方法でどうぞ。 Vasily Kandinsky: Around the Circle ï¼ˆãƒ¯ã‚·ãƒªãƒ¼ãƒ»ã‚«ãƒ³ãƒ‡ã‚£ãƒ³ã‚¹ã‚­ãƒ¼å±•ï¼‰ 10.08.2021–09.05.2022 Etel Adnan: Light’s New Measure(エテル・アドナン展) 10.08.2021–01.10.2022 Solomon R. Guggenheim Museum1071 5th Ave., New York, NY 10128 Text and photos by Kasumi Abe 安部かすみ(ノアドットより一部転載)無断転載禁止

人種差別、リンチのトラウマをアートに。ウィンフレッド・レンバート展 Winfred Rembert: 1945-2021

ニューヨーク、ミートパッキングにある3階建のギャラリー「フォート・ギャンズヴート」では、10/8から12/18まで「Winfred Rembert: 1945-2021 」(ウィンフレッド・レンバート展)が開催される。 ウィンフレッド・レンバートさんの作品は、革をキャンバスに、レザーカーヴィングと靴の染料を使って仕上げられている。 革に描かれているものは、鎖で繋がれた囚人たち(チェーンギャング)、首を吊られている姿、殴られて血が噴き出しているイメージ、警官から追われているイメージ…。 彼がなぜそのような作品を作るようになったか。 人種差別が色濃く残っていた南部ジョージア州で1960年代、公民権運動の最中に逮捕状もなく拘束され、7年間も投獄させられた。刑務所内では監守からのリンチ、拷問は日常茶飯事に行われ、出所後もトラウマになる程だった。奥様のパッツィーさん曰く、彼は亡くなるまで悪夢にうなされた。 つまり、彼の記憶から抜け切れなかった悲惨な記憶が、時に色鮮やかにアートとして表現されている。その原動力は、奥様のパッツィーさんが「あなたならできる」と励ましたことによる。刑務所内で覚えた皮製品やデザインなどを生かし、ウィンフレッドさんは作品を次々に生み出した。 彼の作品は目を覆いたくなるほど悲惨記憶の中に生活があり、時にカラフルである。 そんなウィンフレッドさんだが、今年の3月に75歳で亡くなった。この日のプレスプレビューにはパッツィーさんだけが出席して、彼の替わりにそれぞれの作品を解説してくれた。 3階スペースの奥には、首を吊られた黒人男性の絵があり、このようなメッセージが添えられている。 「あぁ神様、私はまだ生きている。生き残った。そして私はリンチを受けてサバイブした生き証人として、絵や本に残し、後世に何が起こったかを伝えることができる。もし死ぬことがあっても老衰であり、ロープで(吊られて)死ぬことはない」 Winfred Rembert: 1945-2021 (ウィンフレッド・レンバート展) 10/8~12/18, 2021 Fort Gansevoort New York5 Ninth AvenueNew York, NY, 10014 Text and photos by Kasumi Abe 安部かすみ(ノアドットより一部転載)無断転載禁止

クリスチャン・ディオール展@ブルックリン美術館 Christian Dior: Designer of Dreams

クリスチャン・ディオールをテーマにした展覧会、Christian Dior: Designer of Dreams ï¼ˆã‚¯ãƒªã‚¹ãƒãƒ£ãƒ³ãƒ»ãƒ‡ã‚£ã‚ªãƒ¼ãƒ«:夢のデザイナー)がいよいよ9月10日から来年2月20日まで、ニューヨークのブルックリン美術館で開催されます。 1957年に52歳の若さで亡くなったディオール氏ですが、生前、様々な名作を世に残しました。パリでブランドを設立した当初からアメリカ(ニューヨーク)への華やかな上陸時の歴史、ディオールの後継者(イヴ・サンローラン、ジョン・ガリアーノなど)の作品、セレブがアカデミーなどで着用した衣装など、ディオールがファッション界に築いたあらゆるレガシーが展示され、見応えたっぷり。 素人が見ても明らかに違うハイファッションの上質な生地、計算高く精巧に作られたシルエットと仕立て、細やかな刺繍が目を引きました。明らかにファストファッションとは一線を画します。 同展はパリを皮切りに、上海、ロンドンでも開催されています。以前、ロンドン展も見たというフランスのTV関係者は、「ロンドンより規模は縮小されていたが、ニューヨークのみの展示もあって、素晴らしかった」と言っていました。 コロナ禍で久しくなかったプレスプレビューもこうやって再開。おしゃれなマダム、マドモアゼルっぽい人も多かったです。 入場は時間予約制で、12歳以上の来場者はワクチン接種証明とIDの提示が求められる。 Christian Dior: Designer of Dreams2021å¹´9月10日(金)〜2022å¹´2月20日(日)Brooklyn Museum, Beaux-Arts Court, 3rd Fl.200 Eastern Parkway, Brooklyn NY Tickets  $25

056 Black Lives Matter 巨大路上アート出現

白人警官に殺されたジョージ・フロイドさんの死をきっかけに、全米に広がった、BLMことBlack Lives Matter(黒人の命は大切)ムーブメント。ごく一部の過激派や犯罪者により、暴動や略奪にも発展しましたが、現在は沈静化し、平和的にデモが続けられています。そんな中で現れたのがこの路上アートです。 DCに続きNYにも 6月5日、ワシントンDCでBLM関連の巨大ミューラル(=ミューロ、市公認の路上アート)が完成し、話題になりました。ニューヨークのデブラシオ市長も「われわれも、力強く叫ばれているBLMパワーを(市民に)感じてほしい。市は全面的にバックアップする」と言い、市内5区全てでのミューラルの完成を約束しました。 DCでの完成の1週間後、ブルックリンに市内初のミューラルが完成しました。場所は、人口の65%を黒人が占めるというベッドフォードスタイヴサント地区。この一角のフルトン通りに完成したのは、ビビッドな黄色で描かれた「Black Lives Matter」の巨大文字。早くも街並みにとけ込んでいます。約1ブロックいっぱいに描かれ、全長約114メートル、幅約8.5メートルもの大きさです。 アーティスト30人参加 プロジェクトを指揮したのは、ビリーホリデー・シアターのエグゼクティブ・アートディレクター、インディラ・エトゥワルーさん。著名アーティストのセイ・アダムスさんとダウッド・ウエストさんらがリードし、ブルックリンで活躍する約30人のビジュアルアーティストが共同で作業。13日に開始し、1日で完成しました。 またミューラルの傍には、人の形をした像もあります。フロイドさんの他に、NYPDに殺された黒人の犠牲者の名前がグラフィティー調のフォントで刻まれています。人々の記憶にいつまでもBLMの理念が残り、コミュニテーィの士気を高めてくれそうです。 ミューラルは、全米では他にもロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトル、オースティン、シャーロットなど多数の街で誕生中です。マンハッタンでは、五番街のトランプタワー前の道路も予定されています。2020年を代表するBLMのシンボルとして残されていくでしょう。 フルトン通りに面した雑貨店、ニコラス・ブルックリンに入ってみました。お香やアロマオイルが充実していました (c) Kasumi Abe ミューラルのそばには、フロイドさんをはじめとする犠牲者の名前が描かれた像も展示されています (c) Kasumi Abe [by Kasumi Abe]All images and text are copyrighted. 本稿はWeekly NY Japionのコラム ã€å®‰éƒ¨ã‹ã™ã¿ï¼ˆBrooklyn本著者)が案内する「古くて新しい、とっておきのブルックリンへ」からの転載。無断転載禁止

NYから「文化」が消えた日 ブロードウェイ全公演が今日から閉館【新型コロナ】

トランプ大統領が国家非常事態を宣言 アメリカ国内のCOVID-19(新型コロナウイルス)感染者数は13日の時点で18752110人、死者4148人となった。 ニューヨークタイムズ紙による、現在の症例数がわかるアメリカおよび世界のマップ(アップデート中) トランプ大統領は同日、COVID-19(新型コロナウイルス)対策として、国家非常事態を宣言した。これにより支援金として、連邦資金から最大500億ドル(約5兆4200万億円)の予算を確保できるという。 また大統領は同日から、UKを除くヨーロッパ諸国からアメリカ市民以外の入国を30日間禁止するという大胆な入国禁止措置を取り、ヨーロッパから旅行や仕事でアメリカ行きを予定していた人々や帰国を予定していたアメリカ人の間で大混乱が生じている。 ニューヨーク州の感染者421人に ニューヨーク州でも同日、感染者は328421人(ウエストチェスター郡148158人、ニューヨーク市95154人、ナッソー郡51人、サフォーク郡28人など)となった。(詳細) 12日、ビル・デブラシオ市長もニューヨーク市の非常事態を宣言した。この宣言により、市は公共交通機関の運休や道路の閉鎖、夜間外出禁止令など人々の移動規制、必要な物資の供給などが行えるようになる。市長は、感染者増加により混乱を招く異常事態や一般生活への打撃は半年以上続くかもしれないことを示唆した。 ブロードウェイやメットオペラが休演に すでに非常事態を宣言している州全体では13日から、人の密度を減らす新しい施策が取られ始めた。 具体的には、収容人数が500人以上の施設で行われる州内の集会やイベント、ライブなどは禁止され、収容人数が500人以下の場合は、収容率を50%以下に削減することが開催の条件となっている。 この施策は同日の午後5時からスタートし、約1ヵ月(ブロードウェイの劇場は4月12日まで)行われる。 これにより、ニューヨーク市の人気観光スポットであるブロードウェイ・ミュージカルの41の劇場すべて、メトロポリタンオペラ、カーネギーホールはすべての公演の中止を発表した。また閉館施設には、メトロポリタン博物館も含まれる。 ニューヨークタイムズ紙によると、ブロードウェイの昨シーズンの集客は1480万人で売り上げは18億ドル(約1940億円)にも上るといい、1ヵ月もの休演は、経済的にも相当な打撃をもたらすことが予想される。 新型コロナウイルスの影響により失業、アパートの立ち退き、事業閉鎖、食糧不足になる可能性が懸念されている。クオモ知事は13日、このような緊急事態において新型コロナの影響で失業した場合、失業保険の7日間の待機期間の廃止や、光熱費を払えなくなった場合でも電気やガスなどを止めることがないよう担当機関へ要請した。 ニューヨーク市は1970年代の財政危機を引き金に犯罪数が激増し治安が悪くなった暗黒の歴史がある。失業や社会不安などにより人々や街の雰囲気が荒んでくると、治安の悪化も十分ありえるので、注意が必要だ。 自粛傾向は公立図書館、学校から一般の生活まで 13日午前中の段階で規制の対象外だったのは学校、図書館、病院、養護施設、公共交通機関だったが、同日午後になって、92の全図書館や学校の一部もクローズされると発表があった。筆者の友人Vが教師として勤務するブルックリンの小学校はまだ休校になっていない。友人曰く「休校になってしまうと貴重なバケーション日数が削られてしまうから、休校になってほしくない」と呟いているが、休校も時間の問題かもしれない。 さらに小規模のイベントでも少しずつ「自粛」傾向にあり、12日には私もよく利用する図書館でのイベントが4月末まで中止になることが告げられた。また、13日夜に予定していた久しぶりに会う別の友人とのディナーも、友人曰く「further noticeまで」、つまり政府から事態回復の発表があるまで、取りやめようということになってしまった。 17日には、ニューヨーク市の春の風物詩であるアイルランド発祥の大イベント「セントパトリックス・デー・パレード」が予定されていたが、これも取りやめに。この日は通常なら衣装から髪やヒゲ、ビールの色まであらゆるものが緑色に染まり、三つ葉が散りばめられる。これは、アイルランド系のみならず多くのニューヨーカーが長かった冬の終わりとこれから始まるもっとも美しい季節の到来を喜ぶ日なのだ。しかし258年の歴史で初めて中止が発表された。楽しみにしていた人々にもたらした失望は相当なものだ。 全米規模では、NBA、NHL、MLSなどのメジャースポーツもシーズンを中断、MLBではシーズンの開始の遅延も発表された。 情報が輻輳する中、この日もMTA(市営地下鉄)の運休や道路封鎖、はたまた国外の大統領の感染まで、さまざまな「フェイクニュース」が飛び交い、人々を混乱させた。人はパニックになり、一部のスーパーでは朝から長蛇の列ができ、買い占めによる在庫不足も起こっている。 人気スーパー、トレーダージョーズの様子。 デブラシオ市長は、これまで連邦政府が、市がウイルス検査を迅速に行うための能力に制限をもたらしたとして、12日の記者会見で不満をあらわにし、このように語った。「我々は十分な弾薬なしで戦争をしているようなものだ」。 芸術やスポーツなど文化的なものがなくなってしまうと、人々の心も荒んでくる。市民の頭の中は連日の報道やソーシャルメディアの情報などですでに「新型コロナ疲れ」気味だが、この騒動(戦い)は信じられないことに、当地ではまだ始まったばかりなのだ。 参照記事: Coronavirus Live Updates: Trump Declares National Emergency De Blasio Declares State of Emergency in N.Y.C., and Large Gatherings Are Banned The Tickets Home Were $5,000. They Paid It….

アート発信地をチェルシーからハーレムにする男 WhiteBox, ニューヨーク

NYのハーレムで行われた茶会 日本の茶会が、ハーレムのアートスペースで開催されると聞いて驚いた。 ハーレムと言っても最近キラキラした大型商業施設が立ち並ぶ都会の方ではなく、東側の「スパニッシュハーレム」だ。スパニッシュハーレムと言えば、ニューヨークにいる(いた)人はわかるが、治安が良くない地区としてのイメージが今でもある。そこで本格的な茶会が今晩行われるという。 何だか刑務所?のような大きくて重い鉄格子をゆっくりと開ける。 だだっ広いアートスペースが目の前いっぱいに広がった。 冷たい無機質な床に、温かみのある手触りのよい畳が敷かれている。茶の講師が座り、彼女を取り囲むように3人が畳に、別の3人が椅子に座り、お点前をちょうだいしていた。(そのほかにも多くの人が立って見物) 静寂の中、きちんと正座した女の子もいて可愛い! ここにいる誰もが茶の世界に敬意を表し、中には熱心に質問をする人も。ハーレムがこんなことになっているとは誰が想像したか。 場所はWhiteBox Harlem(ホワイトボックス・ハーレム)。2月1日から29日まで「Painter was called outlaw」というテーマで行われている展示会の中での1コマだ。 ここで日本の芸術を中心にキュレーションを行なっている佐藤恭子さんによると、期間中、日本人芸術家(長谷川利行、松本竣介、麻生三郎、宮崎進)の戦時中に日の目を見ることがなかった作品を展示し、その一環として茶会イベントを催したそう。これらの芸術家は、昔の日本では「アウトロー」(無法者)扱いされてきた。皆他界されているが、自分たちの作品が時を経て外国でお披露目とは、きっと誇らしげに思われていることだろう。 最近私は茶会のご縁が多い。この日も改めて茶やアートを含む日本文化の奥深さは、アメリカ人の興味を引くものだと実感した。 NYマンハッタンの中心地にあるお茶室と、そこで定期開催される本格茶会【ニューヨーク】 あるアートの専門家との興味深い会話 さて茶会が終わり、せっかくなので展示されているアート作品を見て帰ることに。 そこに来ていた、ニューヨークのブロンクス区でアート関連の仕事を長年しているという年配のルイスさんと、ある作品の前で立ち話になった。 ルイスさんと作品の前でお互いが感想を言い合ったのだが、会話の中で政治という意味のpoliticsという言葉が彼の口から幾度となく出てきた。私はこのアートの場でまったく予期しなかった言葉が出てきたので一瞬思考が止まり、彼が何の話をしているのか混乱するほどだった。 しかし彼はアートの長年の専門家だ。彼の言っていることは、おそらく「正しい」のだろう。だが私は昔から思ってもみないことを言ったり同意するのが苦手である。正直に理解できていないことを恐る恐る伝えてみた。 そうしたらルイスさん、「この前〜〜で出会った女性が」とさらに混乱する話をし始めるではないか。私の脳内はさらに「???」。ついに「話の腰を折るようで申し訳ありませんが、ちょっと話に着いていけていないかもです…」と伝えたところ、ルイスさんは「私はあなたから今、違う見方を学んでいます。これがアートの面白いところです」と言った。 同じ1つのオブジェクトを見ても、それまで生きてきた経験や知識をもとに、ある人は「政治的」だと感じ、またある人はまったく別のことを感じる。彼が以前出会った女性との会話は、それを彼に気づかせてくれた最初の出来事として、いつもこのようなシチュエーションで思い出すそうだ。 ルイスさんとの会話は私にも学びをもたらしてくれる興味深いものだった。わからないことはわからないと正直に伝える大切さ、そして正解というものがないアートの奥深さや面白さを改めて気づかせてくれた。 ハーレムを次のチェルシーにする男 ここにはもう1人興味深い人物がいた。 このスペースのオーナーで、スペイン出身のファン・プンテス(Juan Puntes)さんだ。彼はその昔、現代アートの発信地、チェルシーにWhiteboxを構えていた。そこが飽和状態になりローワーイーストサイドにスペースを移し、1年前にこのスパニッシュハーレムに引っ越してきた。 聞けば、このだだっ広いスペースは以前は消防署で、大昔は馬車の倉庫だったそう。道理でだだっ広く、ドアも重く、室内奥にも大きな倉庫っぽいドア跡が残っているわけだ。 実はこのWhiteBox Harlemの隣も、別のアートスペースなんだとか。 チェルシーに未だ集まる多くのギャラリーの賃貸契約の更新の時期が今から約10年前で、それ以降はローワーマンハッタンやブルックリンが次のチェルシーになるだろうと言われて久しい。「なぜこのギャラリーはブルックリンを選ばなかったのか?」と聞くと、彼はこのように答えた。 「ブルックリンは若すぎる。もっと成熟した市場が欲しかった。まさかハーレムのしかもスパニッシュハーレムとは、誰もが驚くけど、次(のムーブメント)はここさ」 「ついでに言っておくと」と彼は続ける。 「ここはギャラリーではなく、オルタナティブ(代替的)なアートボックスと僕らは呼んでいる」とあえて、ギャラリーという言葉を否定した。 NPO形態で運営し、ニューヨークの通常のギャラリーのように作品を販売しているわけではなく、grant(企業などからの補助金)で賄っていると言う。 地下フロアでは2月8日から3月1日まで、中国・武漢在住のアーティスト、ケ・ミン(Ke Ming)さんによる作品展もちょうど行われている。 すごいタイミングだが、これはまったくの「偶然」だそうだ。新型コロナウイルス騒動から随分と前に企画されたもので、そして残念なことに、ケさんは今回の騒動で来米できず、展示会に来れなくなってしまった。(ファンさんは武漢の人々を助けるべく、期間中は会場で募金活動も行なっている) ここではほかにも、中国北部出身のアーティストで来月この地下で自身の展覧会をするタンさんや、2ヵ月前にニューヨークに活動拠点を移したばかりの芸術家、野村在さん、そして千住博さんのところで10年ほど働いていたという原田隆志さんらにもお会いした。 アートはまったく専門外で普段はあまりご縁がないが、たまにはそういう所にも足を運んでみるものだ。こんな面白い人々との出会いが待っているのだから。 ちなみにルイスさんとの会話のその後だが、私もルイスさんも作品を見ながらしばらく別の人々と会話を楽しんでいた。そのうち彼は「またどこかで会いましょう」と軽く挨拶し去っていった。 連絡先も交換せず、ご縁があればまたどこかで。何とも後腐れのないニューヨークらしい出会いだ。 [All photos by Kasumi Abe]All images and text are copyrighted.

Zero Waste Danielのランウェーのないショーfrom NY ファッションウィーク2020

2月3日から12日まで開催中の「ニューヨーク・ファッションウィーク」。市内ではさまざまなファッションショーが催され、ファッション関係者やモデルなど世界中のおしゃれピープルが一堂に集まっている。 (続きを読む)「使い捨て文化でしたか?」21世紀最先端のファッション哲学がNYファッションウィークで開花 [All photos by Kasumi Abe]All images and text are copyrighted. 本稿はYahoo! Japan News個人からの転載。無断転載禁止

051ファッショニスタに支持されるブルックリンの古着屋「Antoinette Brooklyn」

上質の「一点モノ」が見つかる! 「元気〜?」と近所の人々が次々に訪れ、オーナーのレキシィにあいさつします。2011年のオープンから9年。「(常連の)彼女は子供の頃から知っていて、親のような気持ちよ」とレキシィ。 世界中のファッショニスタに支持される「Antoinette Brooklyn」では、何十年も前に生産されたアルマーニ、ヴァレンティノ、ミッソーニ、バーバリー、アン・クラインなど、質と価値の高い1点モノの衣類や小物が並びます。 バイヤーでもある彼女の審美眼でセレクトされるのは、1940年代モノから98年モノまで。彼女いわく「ヴィンテージの定義には最低20年必要」で、2000年モノも入りそうですが、98年までと決めているのは訳があります。「ファストファッションは買わないの」。 おおよそ90年代後期から世界中に拡大していったファストファッションですが、環境に与える汚染問題や生産地の劣悪な労働環境は深刻です。「中国で大量生産された衣類は繊維の質が悪いから、すぐ毛玉ができて耐久性がないの。それ以前のアメリカ産の衣類は毛玉などできなかった」。確かにそうですね! 目からうろこでした。 接客中によく聞こえてくるのは「これは日本のデザイナーによるものよ」という会話。日本ブランドも彼女に認められています。 セレブの来店も多い 彼女は以前GAPジャパンで働いていたこともあり、日本が好きで、スタッフも日本人です。HBOのドラマ『ザ・デウス』の衣装スタッフが番組用に、また有名ブランドのデザイナーが昔のデザインを参考にするために、購入したりするそうです。 「日本人の顧客も多いわよ。ローラさん、米倉涼子さん、大島美幸さん、舟山久美子さん、松岡モナさん、植野有砂さんたちも来てくれたわ」 招き猫の影響は絶大のようですね! [by Kasumi Abe]All images and text are copyrighted. 本稿はWeekly NY Japionのコラム ã€å®‰éƒ¨ã‹ã™ã¿ï¼ˆBrooklyn本著者)が案内する「古くて新しい、とっておきのブルックリンへ」からの転載。無断転載禁止