NY TOUGH

Under Covid-19 crisis By CONVICTS @convictsnyc

新型コロナウイルスに関するNY最新現地事情まとめ(3)ロックダウンまでのタイムライン篇

日本でも緊急事態宣言が出され、都市封鎖かと心配されている方が多いと思います。ニューヨークでの緊急事態宣言が発令されてからロックダウン(外出制限、ニューヨークでは – ON PAUSE – ポーズ=静止という言葉が使われています)までのタイムラインを、ここでまとめてみました。 3月1日 NY州で初の新型コロナウイルス感染者を確認 (筆者が、街中のマスク着用者を初めて見かけたのは1月末だが、3月上旬の時点でマスク着用者は全体の0.5~1%くらい) 3月7日 NY州知事が緊急事態宣言を発令 3月13日 5pm 市内の全ブロードウェイが閉鎖 収容人数500人以上の集会禁止 (この前後から、スーパーでは水やトイレットペーパーなどが売り切れ) 3月16日 8pm バー、クラブ、映画館、カジノ、スポーツジムなどが閉店 レストランは持ち帰りとデリバリーのみ許可 500人以下の場合は収容率50%以下に 職場で働く人の数を50%以下に削減 この週から、学校、図書館、博物館、美術館、デパート、ショップなども次々とクローズ。また職場で在宅勤務が増え始める。 (筆者の感覚で、マスク着用者は5%くらいに増えたことを実感) 3月19日 8pm ショッピングモール、遊園地、ボウリング場などがクローズ 職場で働く人の数を25%以下への削減を要請 3月21日 8pm 美容室、理髪店、ネイルサロン、タトゥーパーラーが閉店 (筆者の感覚で、マスク着用者は10%以上に増えたことを実感) 3月22日 8pm エッセンシャルサービス* (生活に必要なもの)以外、すべて閉鎖。人々は自宅待機、在宅勤務へ (* 医療従事者、救急隊員や警察、消防隊、スーパー、デリ、薬局、公共交通機関、郵便局、銀行、電話、電気、水道、ガス、WIFIなど) [All photos and video by Kasumi Abe] All images and text are copyrighted. 本稿はYahoo! Japan News個人からの転載。無断転載禁止

フランク・シナトラの曲「New York, New York」歌詞の和訳

Start spreadin’ the news, I’m leavin’ today  朝になりニュースが騒ぎ出す 今日は出発の日だI want to be a part of it 私はこの街の一部になりたいNew York, New York ニューヨークニューヨークThese vagabond on shoes, how longing to stray さすらいの旅人たちは彷徨うRight through the very heart of it  この街のど真ん中をNew York, New York  ニューヨークニューヨーク I wanna wake up, in a city that doesn’t sleep 眠らない街で、私は再出発したいAnd find I’m king of the hill そうして私は丘の上の王者になるTop of the heap この街のナンバーワンにのぼり詰める…

新型コロナで死者千人超えでも希望を捨てない人々(ニューヨーク今日の風景)

ニューヨーカーの希望の光 「我々が必要としていたものが今、ここに到着した。我々の仲間、海軍兵士によるこの病院船は、ただベッドや医療物資を届けるためだけにやって来たのではない。これは私たちの希望(Hope)なのだ」 現地時間3月30日午前、アメリカ海軍の病院船「USNSコンフォート」(以下コンフォート)がニューヨーク市マンハッタン区のピア90に到着し、ビル・デブラシオ市長はメディア向けのプレスカンファレンスで、力強くこのように語った。 ニューヨーク州内ではこの日、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染者が6万6497人、死者が1218人(前日965人)となった。コンフォートはこれらの事態を受け、州内にある医療施設のキャパシティを増やすために派遣された。 船内には1000床のベッド、12の手術室、80の集中治療室、医療ラボなどを備えており、ここでは新型コロナウイルス感染症以外の救急患者の治療が行われる。医療関係者1200人が任務にあたる。 Updated April 6: ニュージャージー州も含む新型コロナ患者の受け入れに転換しました(最大500床)。 コンフォートの船内の写真 バズフィードニュース コンフォートは通常、国外でのハリケーンや大地震の救済に使われているもので、ニューヨークにやって来たのは2001年の同時多発テロ以来だ。 実はこの日、ほかにジャビッツセンター(Javits Center)が仮設病棟としてオープンした。ジャビッツセンターは平常時、コミコンやNY NOWなどが行われる大型展示会場だ。ここには2500のベッドが設置され、新型コロナ感染症以外の患者が搬送される。 Updated April 3: 新型コロナ患者の受け入れに転換しました。 州内ではほかにも、大学のキャンパスやセントラルパークの屋外テントを仮設病棟とする計画が急ピッチで進められている。 コンフォートを一目見ようと多くの人々が集まったが、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)の確保がされておらず、警官が出てくる一幕も。 取材帰りの非現実的な光景 in タイムズスクエア ニューヨークでは今、エッセンシャルワーカー(医療現場や交通、スーパーや薬局などで働く人々)以外、自宅待機が求められている。筆者は前夜遅く、コンフォートのプレス用カンファレンスの知らせを急遽受け取り、この日約2週間ぶりに取材に出かけた。 カンファレンス終了後、地下鉄へ向かう途中、ニューヨークの中心地、タイムズスクエアがある。 いつもは全米そして世界中からやって来た観光客でごった返し、なかなか前に進めないくらい人が多いタイムズスクエアが、新型コロナの影響でガランとしている。 どの店もシャッターが降り、店内が暗い。人もまばら。いつもならうるさいほどのクラクション音もない。 感謝祭やクリスマスなど一連のホリデーがすべて終わり、年末最後の大騒ぎをする大晦日の翌朝、つまり静まり返った元旦のようだ。 この街とは1990年代からの付き合いだが、こんなに寂しいニューヨークを初めて見た。 駅に向かって歩いていると、タイムズスクエアの顔なじみの人と遭遇した。 年中パンツ一丁でギターを弾くネイキッド・カウボーイこと、パフォーマーのロバート・バーク氏だ。筆者は15年ほど前、彼に同じ場所でインタビューをしたことがある。まさかこんな誰もいない日にも彼がここに出没しているとは思わなかった(しかも気温は10℃ちょっと。まだコートが必要) 今日だけいつもと違うのは、オリジナルマスクを着けていることだ。 久しぶりに日本語の歌を目の前で歌ってくれたので、チップを出そうとしたところ、ロバートが「いらない、いらない」と言う。「なぜ?」と聞くと「今はソーシャル・ディスタンシングが叫ばれているからいらない。それより経済が早く回復してもらうことを願っている」とクールに言い放ち、次の通行人のもとへと去って行った。 さらに駅に向かって歩を進めると、今度はさっきまでシーンとしていたのに、突然大音量の音楽が聞こえてきた。派手な三輪のスポーツカー、スリングショットが信号待ちをしている。音楽はそのスピーカーからだ。 曲は、フランク・シナトラの『ニューヨーク・ニューヨーク』。 田舎からやって来た男性がこの街で一旗揚げるぞ、と意気込む希望の曲だ。この曲はニューヨークでは、イベントやエンターテインメントが終わった後、成功を記念してかかるお決まりで、毎年大晦日のタイムズスクエアのカウントダウン後の定番曲でもある。 筆者が最後にこれを聴いたのは、ちょうど同じ場所で2019年の大晦日のカウントダウンだ。 このスリングショットを走らせるのは、ニューヨーク州ロングアイランドから運転してきたマットさん。景気付けにやって来たようだ。 人のいないタイムズスクエアで、偶然出くわした『ニューヨーク・ニューヨーク』。 たった2、3人の通行人と共に聴く。 映画みたいなことが、いいことも悪いことも、 今ここニューヨークで起こっている。 [All photos and video by Kasumi Abe] All images and text are copyrighted. 本稿はYahoo! Japan News個人からの転載。無断転載禁止

NYから「文化」が消えた日 ブロードウェイ全公演が今日から閉館【新型コロナ】

トランプ大統領が国家非常事態を宣言 アメリカ国内のCOVID-19(新型コロナウイルス)感染者数は13日の時点で18752110人、死者4148人となった。 ニューヨークタイムズ紙による、現在の症例数がわかるアメリカおよび世界のマップ(アップデート中) トランプ大統領は同日、COVID-19(新型コロナウイルス)対策として、国家非常事態を宣言した。これにより支援金として、連邦資金から最大500億ドル(約5兆4200万億円)の予算を確保できるという。 また大統領は同日から、UKを除くヨーロッパ諸国からアメリカ市民以外の入国を30日間禁止するという大胆な入国禁止措置を取り、ヨーロッパから旅行や仕事でアメリカ行きを予定していた人々や帰国を予定していたアメリカ人の間で大混乱が生じている。 ニューヨーク州の感染者421人に ニューヨーク州でも同日、感染者は328421人(ウエストチェスター郡148158人、ニューヨーク市95154人、ナッソー郡51人、サフォーク郡28人など)となった。(詳細) 12日、ビル・デブラシオ市長もニューヨーク市の非常事態を宣言した。この宣言により、市は公共交通機関の運休や道路の閉鎖、夜間外出禁止令など人々の移動規制、必要な物資の供給などが行えるようになる。市長は、感染者増加により混乱を招く異常事態や一般生活への打撃は半年以上続くかもしれないことを示唆した。 ブロードウェイやメットオペラが休演に すでに非常事態を宣言している州全体では13日から、人の密度を減らす新しい施策が取られ始めた。 具体的には、収容人数が500人以上の施設で行われる州内の集会やイベント、ライブなどは禁止され、収容人数が500人以下の場合は、収容率を50%以下に削減することが開催の条件となっている。 この施策は同日の午後5時からスタートし、約1ヵ月(ブロードウェイの劇場は4月12日まで)行われる。 これにより、ニューヨーク市の人気観光スポットであるブロードウェイ・ミュージカルの41の劇場すべて、メトロポリタンオペラ、カーネギーホールはすべての公演の中止を発表した。また閉館施設には、メトロポリタン博物館も含まれる。 ニューヨークタイムズ紙によると、ブロードウェイの昨シーズンの集客は1480万人で売り上げは18億ドル(約1940億円)にも上るといい、1ヵ月もの休演は、経済的にも相当な打撃をもたらすことが予想される。 新型コロナウイルスの影響により失業、アパートの立ち退き、事業閉鎖、食糧不足になる可能性が懸念されている。クオモ知事は13日、このような緊急事態において新型コロナの影響で失業した場合、失業保険の7日間の待機期間の廃止や、光熱費を払えなくなった場合でも電気やガスなどを止めることがないよう担当機関へ要請した。 ニューヨーク市は1970年代の財政危機を引き金に犯罪数が激増し治安が悪くなった暗黒の歴史がある。失業や社会不安などにより人々や街の雰囲気が荒んでくると、治安の悪化も十分ありえるので、注意が必要だ。 自粛傾向は公立図書館、学校から一般の生活まで 13日午前中の段階で規制の対象外だったのは学校、図書館、病院、養護施設、公共交通機関だったが、同日午後になって、92の全図書館や学校の一部もクローズされると発表があった。筆者の友人Vが教師として勤務するブルックリンの小学校はまだ休校になっていない。友人曰く「休校になってしまうと貴重なバケーション日数が削られてしまうから、休校になってほしくない」と呟いているが、休校も時間の問題かもしれない。 さらに小規模のイベントでも少しずつ「自粛」傾向にあり、12日には私もよく利用する図書館でのイベントが4月末まで中止になることが告げられた。また、13日夜に予定していた久しぶりに会う別の友人とのディナーも、友人曰く「further noticeまで」、つまり政府から事態回復の発表があるまで、取りやめようということになってしまった。 17日には、ニューヨーク市の春の風物詩であるアイルランド発祥の大イベント「セントパトリックス・デー・パレード」が予定されていたが、これも取りやめに。この日は通常なら衣装から髪やヒゲ、ビールの色まであらゆるものが緑色に染まり、三つ葉が散りばめられる。これは、アイルランド系のみならず多くのニューヨーカーが長かった冬の終わりとこれから始まるもっとも美しい季節の到来を喜ぶ日なのだ。しかし258年の歴史で初めて中止が発表された。楽しみにしていた人々にもたらした失望は相当なものだ。 全米規模では、NBA、NHL、MLSなどのメジャースポーツもシーズンを中断、MLBではシーズンの開始の遅延も発表された。 情報が輻輳する中、この日もMTA(市営地下鉄)の運休や道路封鎖、はたまた国外の大統領の感染まで、さまざまな「フェイクニュース」が飛び交い、人々を混乱させた。人はパニックになり、一部のスーパーでは朝から長蛇の列ができ、買い占めによる在庫不足も起こっている。 人気スーパー、トレーダージョーズの様子。 デブラシオ市長は、これまで連邦政府が、市がウイルス検査を迅速に行うための能力に制限をもたらしたとして、12日の記者会見で不満をあらわにし、このように語った。「我々は十分な弾薬なしで戦争をしているようなものだ」。 芸術やスポーツなど文化的なものがなくなってしまうと、人々の心も荒んでくる。市民の頭の中は連日の報道やソーシャルメディアの情報などですでに「新型コロナ疲れ」気味だが、この騒動(戦い)は信じられないことに、当地ではまだ始まったばかりなのだ。 (Text and photos by Kasumi Abe) 本稿はYahoo! Japan News個人からの転載。無断転載禁止

新型コロナウイルスに関するNY最新現地事情まとめ(2)ニューヨークにアジア人差別はある?篇

旅行、もしくは仕事や留学でニューヨークを訪れる方も多いと思います。いくつか関連記事を書いているので、ここでまとめたいと思います。 第2回目は、日本人として気になる「アジア人への差別はありますか?」について。 これはコロナ以前から、日本から視察や観光で来られた方にたまに受ける質問でした。 私の答えは「人の心の中までは知る由がありませんが、実際に私が直接感じたあからさまな差別はニューヨークでは特に思い出しません」ということです。 私が住むニューヨークとは違いますが、ロンドンやパリではびっくりする出来事が、たったの数日の滞在でいくつかありました。 例えば、2018年に訪れたロンドンのハイエンドなアフタヌーンティの店で、テーブル待ちをしていた時のこと。謂れ無き理由で白人の年配のカップルに待合室の椅子を強制的に譲るように、スタッフに言われてびっくりしたことがありました。ニューヨークでは感じたことがない経験でした。この時に移民の国と、王族・貴族の由緒ある国でのアジア人(観光客)の扱い方の違いを身近に感じました。 フランス、パリでもちょっとした意地悪をお店のスタッフにされたことがあります。 ただ、ロンドンでもパリでも差別をする人は「一部の心ない人」だと思うので、私はそれくらいでその国の人々を嫌いになったりはしません。ただ「この国ではそういうことが起こるんだ…」っていう程度の感想です。 またアメリカでも15年以上前のことになりますが、中西部でこんなことがありました。 その街では白人がほとんどで、アジア人は滅多に見かけません。友人(白人)とダイナーでご飯を食べていた時、隣のテーブルに2人組の女性が座りました。うち1人が私をチラッと見て「そう言えば、私最近、中国人に仕事を取られたのよねぇ〜」と話しはじめました。私を中国人と思って言った言葉であることは間違いありませんでした。 18年間、海外に住んでいますが、今思い出す差別はこれくらいです。 (細かいこと言えば〜の対応が悪かった、などはありますが、社会的立場の高い教養のある方から差別や失礼な態度を取られたことは一度もありません) 今回、新型コロナウイルスが中国から発生したということで、私もアジア人として嫌がらせを受けたりしないかと初めのころは身構えていたのですが、特に何も起こっていません。 ただ1月末に1度だけ、ちょっと嫌な気持ちになったことはあります。 電車に乗っていた時、向かいに東欧系の言葉を話す白人の女性2人が座っていました。チャイナタウンの駅で中国系の女性が乗車し2人の女性の隣に座った時、そのうち1人が笑いながらタートルネックを鼻の上まで引き上げました。私はその瞬間、眠ったふりをしました。見ていられなかったのです。しばらくするとタートルネックは降ろされていたのでほんの冗談のつもりだったとは思うのですが、同じアジア人としてまったく良い気はしませんでした。 でもこの出来事も後でよく考えてみると、差別をしたのは「ニューヨークの人ではない」というのがポイントかと思います。ニューヨーカー(ここに長く住む人々を含む)は、多様性の中で生きているので「普通の人」は差別などしないです。 それでもたまに差別や憎悪犯罪が起こるとしたら、それはもう「事故」にあったようなものでしょう。 (以下は、Tabizineに寄稿した記事の一部を抜粋します) ヨーロッパなどでは言われなき差別をアジア人が被ったというような話がよく聞こえてきます。 ニューヨークは移民の街であること、アジア人がもとから多いことなどから、私自身も、周りの友人も特に目立って大きな差別を受けていません。 クオモ知事も、このようにツイッターで発信しています。 「ニューヨークの街の強さは多様性だ。ここにはヘイトなんて起こるスペースは1mmもない」#NoHateInOurState マスクをしていることで「病気を移さないで」とからかわれたことがある人もたまにいるようなので、病気でなければニューヨークではマスクを着けない方がいいでしょう。 正気でない人が、アジア人に向かって嫌がらせをしている様子がたまにソーシャルネットワークなどに上がってきますが、そのような正気でない人はきっと全人口の一部だと思いますので、それを気にしてニューヨーク行きを諦めるのはもったいないです。 【新型コロナウイルス:速報】感染者急増のニューヨーク最新現地事情と渡航情報 3.11.2020 Coronavirus is NO excuse for racism. This assault is disgusting & I am directing the State Police Hate Crimes Task Force to assist in the investigation to make sure…

セリーヌ・ディオンのカバー曲「All By Myself」歌詞の和訳

When I was young 若い時I never needed anyone 誰かを必要とは決して思わなかったAnd making love was just for fun 体を重ね合わせるのはただのお楽しみだっただけThose days are gone このような日々は過ぎ去りLivin’ alone  1人で生きているI think of all the friends I’ve known  私が知る友人たちを思うBut when I dial the telephone でも電話をかけたところでNobody’s home 誰もいやしない All by myself 1人で生きていくのはDon’t wanna be いやだわAll by myself 1人で生きていくのはAnymore もういや Hard to be sure そうだと確信するのは難しいSometimes I feel so insecure 時々不安に思うAnd love so distant and obscure 愛はとても遠く、あいまいなものRemains the cure 回復に向かってこのまま (repeat…) Translated…

新型コロナウイルスに関するNY最新現地事情まとめ(1)マスク篇

旅行、もしくは仕事や留学でニューヨークを訪れる方も多いと思います。いくつか関連記事を書いているので、ここでまとめたいと思います。 第1回目は日本でも品切れの「マスク」事情について。   2月3日(月)の週になって、ドラッグストアにマスクを買いに行ってみたところ、見事に売り切れ状態でした。 マスク姿は「ウイルス持ち」「病気」のようなイメージを人々に与えかねないため、滞在中に予防用マスクをする際は十分気をつけましょう。 【新型コロナウイルス:速報】ニューヨークの最新現地事情とアメリカ人のウイルス防止対策 (2.8.2020) これについては、マスク姿のアジア人女性と男性が地下鉄の駅でいざこざになり、女性が男性に暴行されているところがSNS上で拡散され話題になりました。2人の間に何が起こったかは知る由がありませんが、中にはピリピリしている人もいるのは間違いないでしょう。 また私の知り合いの女性も先日地下鉄の駅で、防止用のためにマスクをしていたところ、通りすがりの女性に「病気を移さないで」と言われたそうです…。   街中や電車内でマスクをしている人はほんの一部(筆者の感覚では0.5〜1%ほどの割合)なので、おそらく転売業者などが買い占めているか、華僑が自身で使用したり、中国の家族や親戚に送るなどしているのかもしれない。 価格はやや高いが(2枚で5ドル=約500円)、路上などでは現在このように販売されていたりもする。 NYで初の感染者、全米で死者6人 パニックで水や米の買い占め騒動に? (3.3.2020) マスク不足と言っても、あるところにはあるんですよね。(箱から出されたマスクの衛生面が気になるところですが…) ちなみに私は、2月上旬に薬局でスタッフに尋ねたところ、始めは「売り切れ」と言われたのですが、後で倉庫の隅に残っていた「最後の1個が残っていた」と持って来てもらいゲットでました(上写真)。 アメリカ国内には需要に応じて、4,300万枚のマスクの供給準備があり、今後もさらに製造、入手可能の予定。 (その後、マイク・ペンス副大統領が「医療関係者や感染の疑いがある人以外は、マスク着用の必要性はまったくない」とフォローし釘を刺した) 新型コロナで初の死者も専門家により封じ込めに自信 「パニックになることは何もない」トランプ大統領 (3.1.2020) CDC(アメリカ疾病管理予防センター)では「マスクは健康な人には必要ない」と発表されています。そういう事情で、感染者が出たニューヨークでもいまだにマスク率は低いです。私もまだ、マスクは着けたことはありません。 以上、旅行や滞在の際の参考になれば幸いです。 (Photos and text by Kasumi Abe) 無断転載禁止

美食家が唸る名実共に世界一 NY最高級のニューアメリカン料理を体験「Eleven Madison Park」

水曜日の午後9時半すぎだというのに、店内は満席です。「ホンモノ」だけを知っている世界中の美食家の社交場的な存在である最高級レストラン、Eleven Madison Park(イレブン・マディソン・パーク)。 料理界のアカデミー賞と言われるJames Beard Foundation Awardで「アウトスタンディング・シェフ」にも選ばれた奇才、ダニエル・ハム氏が腕を振るう店。2017年には世界のトップレストランを決める毎年恒例のWorld’s 50 Best Restaurantsで、世界1位の名誉を獲得。またミシュランガイドのニューヨーク版でも、最高の三つ星を毎年取り続けています。 8-10品のテースティングメニュー ここで提供されるのはコンテンポラリー・アメリカ料理。季節や新鮮な食材の調達具合に応じて内容が変わる、8-10品のテースティングメニュー(1人335ドル。バーは5品コースで1人175ドル。税別、ドリンク別、チップ込み)を楽しめます。 この日(1月末)のメニューの中から私が選んだのは、 新鮮なキャビアと甘くないセイボリー・チーズケーキ(チョウザメ燻製入り、写真上、テーブルサイドで盛り付けてくれます) フォアグラのコールラビと生姜添え、ロブスターとマテ貝(ウニソース添え) その場で作ってくれる新鮮な自家製豆腐(写真上、黒トリュフをふんだんにかけてくれます) 仔牛の柔らか〜い頬肉 など、デザートも含め目にも舌にも楽しい全9品でした。 どれもが芸術品とも言える素晴らしい味と香りと盛り付けで、ペアリングのワインとの相性も完璧です。(ドリンクはオプショナル。ワインペアリングは2種類 – 1人175ドルと315ドル – から選択) 食事後、スタッフがこの日のメニュー表と、朝ごはん用の手作りグラノーラ(同店オリジナルの専用保存ケース入り)、そして同店オリジナルボトルのアップルブランデーのLaird’sを丸々1本を持って来てくれました。 心からのサービスに感激しきり。 通常の店はおもてなしと言えども、顧客が話をしている所に割って入るサーバーがいるところも珍しくない中、このお店は味、食材の品質、ホスピタリティー(おもてなしと心配り)、エンターテイニング、すべてが二重丸でした。 翌朝、手作りグラノーラがまた何て美味しかったことか! それをいただきながら、前夜の「夢」に改めて浸ったのでした。 予約について:(ウェブサイトによる完全予約制で、フード料金は予約時に支払う) [All photos by Kasumi Abe]All images and text are copyrighted. 本稿はTabizineに寄稿したものを一部加筆修正したもの。無断転載禁止

アート発信地をチェルシーからハーレムにする男 WhiteBox, ニューヨーク

NYのハーレムで行われた茶会 日本の茶会が、ハーレムのアートスペースで開催されると聞いて驚いた。 ハーレムと言っても最近キラキラした大型商業施設が立ち並ぶ都会の方ではなく、東側の「スパニッシュハーレム」だ。スパニッシュハーレムと言えば、ニューヨークにいる(いた)人はわかるが、治安が良くない地区としてのイメージが今でもある。そこで本格的な茶会が今晩行われるという。 何だか刑務所?のような大きくて重い鉄格子をゆっくりと開ける。 だだっ広いアートスペースが目の前いっぱいに広がった。 冷たい無機質な床に、温かみのある手触りのよい畳が敷かれている。茶の講師が座り、彼女を取り囲むように3人が畳に、別の3人が椅子に座り、お点前をちょうだいしていた。(そのほかにも多くの人が立って見物) 静寂の中、きちんと正座した女の子もいて可愛い! ここにいる誰もが茶の世界に敬意を表し、中には熱心に質問をする人も。ハーレムがこんなことになっているとは誰が想像したか。 場所はWhiteBox Harlem(ホワイトボックス・ハーレム)。2月1日から29日まで「Painter was called outlaw」というテーマで行われている展示会の中での1コマだ。 ここで日本の芸術を中心にキュレーションを行なっている佐藤恭子さんによると、期間中、日本人芸術家(長谷川利行、松本竣介、麻生三郎、宮崎進)の戦時中に日の目を見ることがなかった作品を展示し、その一環として茶会イベントを催したそう。これらの芸術家は、昔の日本では「アウトロー」(無法者)扱いされてきた。皆他界されているが、自分たちの作品が時を経て外国でお披露目とは、きっと誇らしげに思われていることだろう。 最近私は茶会のご縁が多い。この日も改めて茶やアートを含む日本文化の奥深さは、アメリカ人の興味を引くものだと実感した。 NYマンハッタンの中心地にあるお茶室と、そこで定期開催される本格茶会【ニューヨーク】 あるアートの専門家との興味深い会話 さて茶会が終わり、せっかくなので展示されているアート作品を見て帰ることに。 そこに来ていた、ニューヨークのブロンクス区でアート関連の仕事を長年しているという年配のルイスさんと、ある作品の前で立ち話になった。 ルイスさんと作品の前でお互いが感想を言い合ったのだが、会話の中で政治という意味のpoliticsという言葉が彼の口から幾度となく出てきた。私はこのアートの場でまったく予期しなかった言葉が出てきたので一瞬思考が止まり、彼が何の話をしているのか混乱するほどだった。 しかし彼はアートの長年の専門家だ。彼の言っていることは、おそらく「正しい」のだろう。だが私は昔から思ってもみないことを言ったり同意するのが苦手である。正直に理解できていないことを恐る恐る伝えてみた。 そうしたらルイスさん、「この前〜〜で出会った女性が」とさらに混乱する話をし始めるではないか。私の脳内はさらに「???」。ついに「話の腰を折るようで申し訳ありませんが、ちょっと話に着いていけていないかもです…」と伝えたところ、ルイスさんは「私はあなたから今、違う見方を学んでいます。これがアートの面白いところです」と言った。 同じ1つのオブジェクトを見ても、それまで生きてきた経験や知識をもとに、ある人は「政治的」だと感じ、またある人はまったく別のことを感じる。彼が以前出会った女性との会話は、それを彼に気づかせてくれた最初の出来事として、いつもこのようなシチュエーションで思い出すそうだ。 ルイスさんとの会話は私にも学びをもたらしてくれる興味深いものだった。わからないことはわからないと正直に伝える大切さ、そして正解というものがないアートの奥深さや面白さを改めて気づかせてくれた。 ハーレムを次のチェルシーにする男 ここにはもう1人興味深い人物がいた。 このスペースのオーナーで、スペイン出身のファン・プンテス(Juan Puntes)さんだ。彼はその昔、現代アートの発信地、チェルシーにWhiteboxを構えていた。そこが飽和状態になりローワーイーストサイドにスペースを移し、1年前にこのスパニッシュハーレムに引っ越してきた。 聞けば、このだだっ広いスペースは以前は消防署で、大昔は馬車の倉庫だったそう。道理でだだっ広く、ドアも重く、室内奥にも大きな倉庫っぽいドア跡が残っているわけだ。 実はこのWhiteBox Harlemの隣も、別のアートスペースなんだとか。 チェルシーに未だ集まる多くのギャラリーの賃貸契約の更新の時期が今から約10年前で、それ以降はローワーマンハッタンやブルックリンが次のチェルシーになるだろうと言われて久しい。「なぜこのギャラリーはブルックリンを選ばなかったのか?」と聞くと、彼はこのように答えた。 「ブルックリンは若すぎる。もっと成熟した市場が欲しかった。まさかハーレムのしかもスパニッシュハーレムとは、誰もが驚くけど、次(のムーブメント)はここさ」 「ついでに言っておくと」と彼は続ける。 「ここはギャラリーではなく、オルタナティブ(代替的)なアートボックスと僕らは呼んでいる」とあえて、ギャラリーという言葉を否定した。 NPO形態で運営し、ニューヨークの通常のギャラリーのように作品を販売しているわけではなく、grant(企業などからの補助金)で賄っていると言う。 地下フロアでは2月8日から3月1日まで、中国・武漢在住のアーティスト、ケ・ミン(Ke Ming)さんによる作品展もちょうど行われている。 すごいタイミングだが、これはまったくの「偶然」だそうだ。新型コロナウイルス騒動から随分と前に企画されたもので、そして残念なことに、ケさんは今回の騒動で来米できず、展示会に来れなくなってしまった。(ファンさんは武漢の人々を助けるべく、期間中は会場で募金活動も行なっている) ここではほかにも、中国北部出身のアーティストで来月この地下で自身の展覧会をするタンさんや、2ヵ月前にニューヨークに活動拠点を移したばかりの芸術家、野村在さん、そして千住博さんのところで10年ほど働いていたという原田隆志さんらにもお会いした。 アートはまったく専門外で普段はあまりご縁がないが、たまにはそういう所にも足を運んでみるものだ。こんな面白い人々との出会いが待っているのだから。 ちなみにルイスさんとの会話のその後だが、私もルイスさんも作品を見ながらしばらく別の人々と会話を楽しんでいた。そのうち彼は「またどこかで会いましょう」と軽く挨拶し去っていった。 連絡先も交換せず、ご縁があればまたどこかで。何とも後腐れのないニューヨークらしい出会いだ。 [All photos by Kasumi Abe]All images and text are copyrighted.