妖艶に腰落とすポーズが全米で話題 お笑い芸人アツコ・オカツカさんって誰?

大谷翔平選手、大坂なおみ選手、BTSなどアメリカでアジア系の人々が話題になる中、エンタメ界ではある女性が大注目されている。 スタンドアップコメディアンのアツコ・オカツカ(Atsuko Okatsuka)さん。アメリカのショウビジネスの表舞台に彗星の如く現れ、頭角を現している。 オカツカさんは昨年、ニューヨークタイムズに「コメディ部門の2022年ベストデビュー」として選ばれた。 最近の話題作は、先月10日にオンエアが開始したHBO MAXオリジナル『Atsuko Okatsuka: The Intruder(ザ・イントゥルーダー)』だ。彼女は、HBOでコメディ番組を持った2人目のアジア系女性となった。 彼女の芸風は、自分のルーツに絡んだネタを笑いにしたものが多い。 ちなみにアメリカのコメディアンは、黒人が黒人を、アジア系がアジア系の特徴を笑いにするなど人種ネタを取り入れることは割と多い。そしてほかの人種がそれを大笑いするのも許される。 オカツカさんもこの国のマイノリティであるアジア系を逆手に取り、「親は自分にアツコ・オカツカと(アメリカでは聞きなれない名前を)つけたのに、自分たちの名前は英語名なんだよね。ご丁寧にありがとう、母さん」と自虐ネタを披露し、会場は大爆笑。「食べろ、食べろ」と年配のアジア系の人がよく言うセリフを使ったネタも、面白おかしく披露している。 彼女はちょうど1年前、ビヨンセの曲『パーティション』と共に艶めかしく腰を下ろすドロップチャレンジ(Drop Challenge)を披露し、ソーシャルメディア上で瞬く間に広がった。俳優のテリー・クルーズやテニスのセリーナ・ウィリアムズ選手などセレブが次々に真似をし、さらに話題となった。 つい最近、CBS局の人気番組『ザ・レイトショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』にもフィーチャーされ、ドロップチャレンジのことを話している。この番組のゲストにブッキングされることがどれほどすごいかは、ここ1、2ヵ月でゲスト出演したヘンリー王子や大坂なおみさんなどの錚々たるネーミングを見ればわかる。過去に近藤麻理恵(こんまり)さんも出演している。 アツコ・オカツカさんは日本にルーツを持つ日系人? 彼女の英語を聞く限り100%アメリカ人だが、名前は100%日本人だ。 彼女のルーツについて、ウィキペディアには「日本人と台湾人のハーフで、台湾で生まれ日本で10歳まで育ち、母親と祖母とアメリカに移住した」とある。自身も過去の動画で「私は日系と台湾系のアメリカ人コメディアンです」と自己紹介している。 また動画の中で、幼少期についてこのようにも告白。「ある日祖母に『2カ月、アメリカ旅行に行くわよ』と言われて渡米。そのうち滞在ビザが切れ、7年間オーバーステイ(不法滞在)となった」。 無名時代のお笑いのステージ(2016年) 5年前の映像で、「スタンドアップを始めて8年になる」と言っていることから、2010年ごろからスタンドアップ・コメディアンとして活動をしているようだ。以前より、日本の文化(アメリカでは聞き慣れない自分の名前や日本の変わったクリスマスなど)もネタにしている。最近は、祖母や夫をフィーチャーしたネタやダンスネタを取り入れたり、たまにセミヌードになり超セクシーな格好でSNS上に現れる。これらも話題作りの1つだろう。 筆者は彼女のインスタグラムやツイッターの中からいくつかのイメージを見て、一時期のブルゾンちえみさんをよりセクシーなアメリカ版にした印象を持ったが、どうだろうか。 志村けんさんが亡くなった時のインスタに、「日本にいた時、自分にとってのアイドルだった」と追悼していた。オカツカさんが日本のお笑いに影響を受けた芸人であることは間違いなさそうだ。 現在は3月中旬まで、コメディショウで全米ツアー中のオカツカさん。今年はさらに、アメリカ中を笑いの渦に巻き込んでいくことだろう。 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

写真美術館ICPでポートフォリオ展 NYで明日より開催

写真とビジュアル作品に特化したニューヨークの美術館、ICP(International Center of Photography ã€å›½éš›å†™çœŸã‚»ãƒ³ã‚¿ãƒ¼ï¼‰ã§ã€æ˜Žæ—¥ã‚ˆã‚Š2つの新たな展覧会がスタートする。 「Face to Face」展は、現代アメリカのポートレート撮影界では外せない3人の著名フォトグラファー、ブリジット・ラコンブ(Brigitte Lacombe)氏、タシタ・ディーン(Tacita Dean)氏、キャサリン・オピエ(Catherine Opie)氏による作品が並ぶ。 オーガナイズは、作家のヘレン・モールスワース(Helen Molesworth)氏が担当した。 もう1つの「Between Friends」展では、アンディ・ウォーホルが撮影した友人の小説家、トルーマン・カポーティの写真など、20万点に及ぶICPのコレクションの中から厳選された作品が展示されている。 ポートレート撮影と言えば、スマホが浸透した昨今、撮る方も撮られる方も、その難しさを感じている人は多いのではないだろうか。 筆者は新人だった頃、日本でプロ・ミュージシャンインタビューをしていた。撮影もその多くは、私が担当していた。その時代に使っていたのはフィルムカメラ。デジタルと違って、出来上がりは焼き上がるまでわからない。相手は東京からやって来たミュージシャンで再撮できないから、当然失敗は許されない。慣れないもんだからもたもたしたり、念には念を入れ多すぎるほど撮影して時間がかかったりで、誰もが知るミュージシャンをイライラさせてしまったことがある。 また旅先の街角で素敵な人を見かけたとき、写真に収めたい!と思っても、相手が見知らぬ自分にレンズを向けられどう思うか不安で躊躇したり、恐る恐るレンズを向けたことも。せっかく撮影した千載一遇のベストショットを誤ってデリートしてしまったのも忘れられない記憶。そんな数々の失敗を経て今に至るのだが、その葛藤は今も続く。 実は今日の取材も撮影ありだった。被写体は不動産ブローカーのセールスの方でノリが良く見た目も絵になるので救われたが、それでも未だ簡単なこととは思えない。毎回試行錯誤しながら、自分にとってのベストショットを手探りする日々。 フォトグラファーが撮りたいイメージと被写体が撮られたいイメージに乖離があったりするし、私自身もそうだがレンズを向けられると急に表情が強張ってしまうことがある。良い表情をもらうには、何よりフォトグラファーと被写体との信頼関係が大切だ。 相手との距離感を乗り越え、プロのフォトグラファーはどのように被写体に向かっているのか。この展覧会で、自分の目で確かめてみてほしい。 この特別企画展は、5月1日まで。 Info ICP Text and photos by Kasumi Abe (ノアドット「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

今年既に100件超。6歳児や飼い犬の発砲〜春節のアジア系乱射事件…米で止まない銃暴力

春節の祝祭中、アジア系による乱射事件相次ぐ カリフォルニア州サンフランシスコ近郊のハーフムーンベイで23日、乱射事件が起き、2箇所で計7人が死亡、1人が負傷した。 その2日前には、ロサンゼルス近郊のモントレーパークのダンスホールでも乱射事件が起き、11人が死亡、9人が負傷したばかりだった。 23日の事件の容疑者、チュンリー・ジャオ(Chunli Zhao、66)が襲ったのは、同僚や元同僚だった。容疑者は逮捕され、事件の動機について取り調べが進められている。 21日の事件で、フー・キャン・トラン(Huu Can Tran、72)容疑者が発砲したのは、余暇に行っていたダンスホールだった。容疑者は事件後、別のダンスホールにも銃を持ち込んでいたが、20代の男性客ともみ合いになり銃を取り上げられ、逃走した。その後、警官が逃走車を包囲する中、容疑者は車内で銃で自殺した。事件の動機は不明だが、容疑者がダンスホールで悪口を言われ、それを恨んでいたという情報もある。 これら2つの乱射事件にはいくつか共通点がある。春節の祝祭の最中で、共に容疑者がアジア系の高齢の男による犯行だった。犯行場所やターゲットは、容疑者がよく知るもの。使用されたのは、全米で最も広く携帯されている半自動小銃だった。 6歳児が口論の末、教師を撃つ 今月は乱射事件のほかに、不可解な銃撃事件も相次いでいる。 バージニア州の小学校ではなんと、6歳の少年が故意に教師を撃つ事件も発生した。 今月6日、担任のアビゲイル・ズワルナー(Abigail Zwerner、26)さんと小1の生徒が教室で口論の末、銃撃事件に至った。少年はバックパックから銃を取り出し発砲。銃弾はズワルナーさんの胸部に当たり重傷を負ったが、一命を取り留めた。児童は母親が合法的に購入した9ミリのトーラスピストルを自宅から勝手に持ち出し、登校していた。 児童は障害があり、保護者と通学し共に授業に出席する「ケアプラン」という特別保護下にあった。しかし事件が起こった週は、初めて保護者なしで登校していた。 事件を起こした児童の保護者は、弁護士を通じて「責任を持って銃を所有し、子どもの手の届かない場所に保管してきた」「息子が手にした銃器は現在、安全が確保されている場所に保管されている」と、声明を出した。 事件発生現場となった教室では、ほかの児童は机の下に隠れて怯えていたという。学校現場であってはならないことが起こり、教師も生徒もどれほどの恐怖に苛まれただろうか。今後小学校には金属探知機が設置されるという。しかし、空港にあるあのような金属探知機が教育現場にまでとは、小首を傾げることだ。  飼い犬によるアクシデントで発砲 カンザス州では21日、犬が車内の後部座席でライフルを踏み、弾が誤って発射され、飼い主の男性が死亡する事件も起こった。 亡くなったのは、ジョセフ・オースティン・スミス(Joseph Austin Smith、30)さん。警察の調べでは、スミスさんはピックアップトラックの助手席に座っており、後部座席に狩猟用具とライフル、そして飼い犬を乗せていた。銃弾はスミスさんの背中に命中した。スミスさんの隣に座っていた運転手にけがはなかった。 地元警察は事件後、銃の所有者を対象に、車内では銃器を適切に保管するよう注意を促したが、不注意から起こるこの手の事件は銃が身近にあるからこそ、もはや特別感がなく粗放に扱った結果、起こるべくして起こってしまった出来事のように思えてならない。 銃による死者、今年すでに2940人超 銃暴力の統計サイトのGun Violence Archive(ガン・バイオレンス・アーカイブ)やピープル誌などの報告によると、昨年1年間で全米で発生した意図しない銃撃事件は1600件以上で、年が明け今年に入ってからも、すでに108件発生している。乱射事件は40件だ。 銃で死亡した人数は今年はすでに2941人で、うち他殺(殺人)は1291人、銃を使った自殺は1650人となっている。 過去記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

【まとめ】 人種差別 – 黒人差別&アジア人差別関連記事

オーサーの安部かすみが記事で発信してきた有色人種差別(黒人差別、アジア人差別など)を中心に、ここにリストでまとめます。 1. 人々の証言 実際に差別を受けた人、周りで見た人に話を聞きまとめました。 日系人強制収容から80å¹´ 強制収容所生まれ、被爆後の広島育ち、ベトナム戦でPTSD、3つのアジア系差別を経験 ─ 日系人・古本武司さんが伝えたいこと (前編) (後編)  NYで多発するアジア人差別 暴行受けた日本人ミュージシャン、その後ハーレムで突然暴行を受けたジャズピアニスト、海野雅威さんの証言 日系三世女性の見た、故郷「アメリカ」シカゴ生まれの日系三世のジュリー・アヅマさんの証言 日本人に間違われ「動物以下の扱いで」殺されたヴィンセント・チン事件ミシガン州弁護士、日系三世のジェームズ・シモウラさんの証言 日本人には決して語れない「黒人としてアメリカで育ち、生きること」ニューヨーカーのリアルな声 2001年米同時多発テロ。ニューヨークに住む人々にとって9/11はどんな日だったのか 2. 人種差別関連の事件、出来事 2022å¹´ 警官に“60発”撃たれた黒人男性ジェイランド・ウォーカーと過去の類似事件。警察は今後追いかけない? ホワイトハウス記者会見、直後の視聴190万回!BTSがもたらすアジア系差別問題への効果は? 生中継で中国の「ジェノサイド」複数回触れられる …【北京五輪 開会式】米メディアはどう報じたか NY地下鉄線路に突き落とされたアジア女性の悲劇 ホームドア設置が急務も「なかなか進まない」事情とは 2021å¹´ 黒人が投票しにくい?新たな投票法が米メジャーリーグやコカコーラも巻き込む騒ぎに 容疑者は性依存症との報道も 8人死亡の米アジア系マッサージ・スパ連続銃撃事件 アジア系へのヘイトクライム急増、女性誌編集長のアジア人侮辱ツイートが大問題に Newsweek Japan 2020å¹´ 「日本には差別がある」ナイキ広告が炎上し世界に波及 本国アメリカではどう映った? 大坂なおみ優勝 黒人差別に対するメッセージも含め米メディアはどのように報じたか 「黒人差別は“個人”でなく“構造”の問題」をあらわにしたブレオナ・テイラー射殺事件を今一度解説 NY市警察に殺された日本人留学生事件 この機会に思い出してほしい7年前の悲劇 アジア系米国人記者に「中国に聞け」と激怒し会見打ち切ったトランプ その一部始終 白人警官への怒り全米各地に飛び火 NYでも最大規模の抗議活動「息ができない!」と叫び続ける人々 至近距離から7発!子連れ黒人男性に警官発砲、一命取り留めるも半身不随に ── 終わらないBLM 殺人犯の白人は撃たれず、黒人は簡単に撃たれるという米国の矛盾 ── 自警団とは? 17歳少年ライフル乱射に発展、3人殺傷 ── 警官に7発撃たれたジェイコブ・ブレーク事件その後 至近距離から7発!子連れ黒人男性に警官発砲、一命取り留めるも半身不随に ── 終わらないBLM 破壊、略奪、デモ(市長の娘も逮捕)そしてコロナ禍・・・終わらないNYの悲痛と苦悩 殺意を持って丸腰の黒人を殺した白人警官 実はフロイドさんのことを以前から知っていた? NY外出制限中もバーにビーチに人が殺到 警官の暴力的な取り締まりに市民の不満さらに NY 犬の散歩の口論で人種差別問題に発展 SNSで女性への執拗な死の脅迫が続々と…

物価高、インフレ進む米国 思わぬ食品、卵が「高級品」の仲間入りのワケ

先日、ニューヨークの友人とこのような会話になった。 「何でも値上がりで嫌になるわよね」 「卵が9ドルよ、9ドル!牛肉が7ドル。牛肉より卵が高いって、一体どうなってるのよ!?」 厳密に言うと、牛肉も卵も重量や質によって価格はマチマチだが、それでもここ1年の卵価格の上昇率は尋常ではないと感じていたので、友人の指摘はごもっともだと思った。 日本でも日々価格高騰が伝えられるが、アメリカ、特にニューヨークやロサンゼルスなどの大都市での価格高騰は日本の比でないほど顕著だ。今やラーメンはチップも含めると20ドル(約2600円)以上は当たり前。並みのレストランやフードホールで軽くサンドイッチを食べても、だいたいそのくらい。観光客が行ったファミレスでちょっとしたパンケーキセットの朝ごはんが2人で8000円だったとも伝えられている。 観光客が行く店は、地元の人が普段使いするそれより一般的に価格が高い傾向があるが、それでも地元民が普段使いする飲食店やスーパーでも価格が上昇したことは日々実感中だ。 ここで特に気になるのは、冒頭に書いた尋常でない卵の価格高騰である。 スーパーでは肉や魚、パン、バター、シリアル、スナック菓子など食料品全体の価格が跳ね上がっているが、上昇率が尋常でないのが「卵」なのだ。 インフレ前は一般的なスーパーで、1ダース(12個入り)2~3ドル台(約300円前後)の商品が主流だったと記憶している。しかしここにきて、主流商品は5~7ドル(約642~899円)に、中には9ドル~12ドル(約1155~1540円)近くする高級品のようなものまである。今やアメリカでは、卵そして卵を使った料理は歴とした「高級品」である。 昭和時代の戦後間もない時、アメリカでも昔は高級品だっただろう。しかし時代は21世紀。卵は卵である。筆者は今の所最安値から1つ上のランクの5、6ドル台の商品を選ぶことが多く、それで満足している。1600円近くする卵には到底手が届かない。一体どんな飼育方法で生まれ、どんな味だろうかと思いを馳せる。 「なぜ卵の価格がこんなに高いのか」米誌が解説 なぜ卵の価格がここまで上がってしまったのだろうか? カリフォルニア州で12個入りの卵が7.37ドル(約946円)に値上がりしたとして、食関連のマガジン『フード&ワイン』は13日、「なぜ卵の価格がこんなにも高いのか」という記事を発表した。 アメリカ労働省の今月の消費者物価指数によると、家庭の食料品価格の上昇を示す波は横ばいに落ち着いているが、卵1ダースの価格だけが上がり続けており、前年比で59.9%上昇したという。昨年11月から12月にかけての上昇率は著しく、11.1%も跳ね上がった。平均価格は2021年12月の時点で1.79ドルだったのが、昨年11月の時点で3.59ドル、12月で4.25ドルになった。 卵の価格を押し上げる要因はいくつかあるが、最大の要因は進行中の鳥インフルエンザの流行だという。アメリカ農務省の発表では、46州で約5800万羽のニワトリや七面鳥が鳥インフルエンザに感染し殺処分されたことで、産卵鶏の数は5%減少した。これが供給に影響しているようだ。 また卵の価格高騰の理由はほかにも、燃料費、鶏の飼料費、卵のパッケージの包装費などの上昇が関係している。 ニューヨーク市内のスーパーの卵売り場では、このような張り紙も見るようになった。 「現在、全米で卵不足による価格高騰が続いています。これらの供給の課題に対処するためできる限りのことを行っています。ご理解に感謝します」 また卵の価格高騰の影響を受けているのは一般の消費者だけではない。飲食業界の経営者にも頭が痛い問題だ。 同誌は、「卵のコストが週750ドルから2500ドルに跳ね上がった」と頭を抱える飲食店の経営者や、メニューの値上げを踏みとどまっている別の経営者のコメントなどを紹介している。値上げの踏みとどまりの理由は、「消費者が、この価格高騰の裏でいったい何が起こっているのかをどこまで理解しているかわからないため、闇雲にメニュー表の値上げに踏み切ることをためらう。新規客に気軽に店に来てもらいたいから」。 飲食業界の悲鳴は、日本もアメリカも同じようだ。 インフレ 関連記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

ハリー王子はなぜここまで暴露するのか?米テレビ番組で本人が語った「告白の真意」

アメリカで本の売れ行き絶好調 10日に発売したハリー王子の回顧録『SPARE(スペア)』。 本の中でハリー王子は、兄のウィリアム皇太子や父チャールズ国王との確執から、コカインなどの麻薬使用、年上女性との初体験の具体的な描写、アフガニスタンでの敵兵25人の殺害など、数々のショッキングな内容を事細かに暴露し、世間を驚かせている。 英王室のあるイギリス国内の世論は辛辣だ。ハリー王子の支持率急落も伝えられる。英国民にとって、自分たちの愛する英王室一家が、ハリー王子夫妻により虐げられているのだ。これ以上の屈辱はないだろう。 王室がなく、王室に嫁いだ妻(メーガン夫人)の出身国で、夫妻の受け入れ(移住)先となっているアメリカでの、この本の受け止めは非常に良い。 売り上げは、発売初日の10日だけで、アメリカ国内で40万部が売れたと発表され、11日付のニューヨークタイムズによると、予約注文も含め米国、カナダ、英国の初日の売り上げは143万部にも上るという。この数字は、大手出版社ペンギン・ランダム・ハウスがこれまでに出版したノンフィクション本の中で、初日売上高の最高記録だそうだ。 アメリカの世論からは同情を買っているハリー王子夫妻であるから、本の内容に対する評価もかなり良い。米アマゾンのレビューは今のところ、総合4.5で圧倒的に5星が多い。 筆者もニューヨーク市内の本屋を覗いてみた。ちょうど新年のセール中のため、大多数の割引対象商品がフロア全体を占領している中、『スペア』はレジ周りに陳列されていた。店員によると、この店でも売れ行きは良いという。 市の公共図書館はどうなっているか探ると、ブルックリンの図書館だけで179部が入荷しているが、発売日当日ですでに1219人が待ちの状態だった。 本の発売を前に、ハリー王子はアメリカでいくつかのテレビ番組に出演した。 CBS局の長者番組、『60ミニッツ』と『ザ・レイトショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』などだ。前者はベテランキャスターのアンダーソン・クーパー氏によるインタビューで、後者はベテラン司会者スティーヴン・コルベア氏によるトークショー。どちらも人気番組だ。 前者の番組は、クーパー氏による真剣なインタビューとなった。ちなみに番組側が放送前、英王室報道官にコメントを求めたところ、英王室から放送前に番組内容の開示を求められたという。番組は公平で対等なジャーナリズムの見地から開示要求に応じなかったことが伝えられた。 後者の番組の司会者、コルベア氏はコメディアンだ。“スペア”(予備)の椅子も用意され、この日は特別にテキーラを飲みながらリラックスした状態で終始笑いに包まれトークが進んだ。王子はお酒を呑んでいるせいかテンションが高めで、トーク内容は(おそらくイギリスでは許されないだろう)下ネタとピー音も交えた。(男性器や下着の呼び方のイギリス英語とアメリカ英語の違いと双方のリアクションも興味深く、笑いを誘った) それらのテレビ番組に本人が出演し直接コメントしたことで、いくつかの疑問が本人により解き明かされた。 疑問1 王子はなぜここまで英王室や自身の人生を暴露するのか? 王子によると、米カリフォルニア州に移住した2020年はロックダウン中で、静かに暮らすことができた。「自分を取り巻く社会やコントロールからの解放を味わうことができた。できれば今後も静かに暮らしていきたかった」と本音を漏らすも、妻(メーガン夫人)についてのリークや偽情報を好き勝手にメディアに書かれ続けたことから「匿名のソース(情報源)からの情報はタブロイドの餌食となり読者を過熱させ、妻と子を傷つけることになりかねない」と危機感を覚えた。そのため「腰を据えて、真実を自分の口から直接話す必要があると感じた」と言う。 「この本に書いてある情報は、匿名のソースによる情報ではない。すべて自分の口から出たものだ。ソースは自分(だから偽情報はない)」と述べた。 クーパー氏は「(英王室はあなたによって)『会話がリークされ、どうやって信じられる?』と言っているが」と食い下がると、王子は「事の始まりは妻に対する日々のでっち上げからで、その結果我々は国を追われるに至った」と、自分たちはあくまでも被害者という姿勢を崩さなかった。 疑問2 なぜアフガニスタンでの敵兵殺害を詳細まで書いたのか? 嘘偽りのない情報を自らの口で言うにしても、アフガニスタンで殺害した25人のタリバン兵の話など、告白が過ぎるのではという意見が上がっている。アフガニスタンでは抗議運動も起こっていると伝えられる。 王子自身はまず「この会場に元兵士はいますか?」と視聴者に問いかけた。会場からは拍手と歓声が上がった。 (注:アメリカでは国を守る兵士、元兵士=退役軍人は崇められ、ヒーロー扱いされる) 王子はこのように述懐した。「殺害人数も含めこれらの告白は、聞く側にとって居心地が悪いものであることは承知です。自分にとっても執筆内容でもっとも危険でチャンンジングなことの1つだった。自分を危険に晒すことになるのは疑いの余地はない」。 コルベア氏が「自分と自分の周りの愛する人たちが標的になる可能性が高まるということですね」と問うと「そうです」と答え、「それでもあえて書くことを自ら選択した」と言った。 ではそのような危険を覚悟の上で、なぜ書いたか? 「この事実を恥と思わずに、詳細に至るまで正直に本でシェアすることで、(PTSDに苦しむ世界中の元兵士の)自殺者を減らすためだ。これが本で伝えたかった自分の目標だ」 会場は大きな拍手と歓声に包まれた。 番組の中では、このように述べたハリー王子も印象的だ。 「この美しいアメリカは素晴らしい所です」 新天地アメリカが心から気に入っている様子のハリー王子。アメリカ人にとってはこの上ない褒め言葉である。ハリー王子とコルベア氏は2杯目の杯を交わす。 王室のある英国と比べ、米国では夫妻を擁護する声が多く上がっている。行く先々で温かく迎え入れられているだろう。 一方で王子は、父とも兄ともしばらくやりとりをしていないと言う。「間違ったことをしたのであれば謝りたいと言っているけれど、相手は何も言ってこない」「しかしながら、心の中では家族であることは今後も変わらないし、もう一度家族としての要素が戻るといいなと思っている」。このように、仲違いしている家族に対する思いを寄せることも忘れなかった。英王室メンバーにはもう戻るつもりはないことも明かした。 Photo (Top): 英国の書店(イメージ)。Photo by Tuur Tisseghem on Pexels.com ハリー王子夫妻 関連記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

中国へのドア閉じ「日本も米に付随」米報道。世界中で強化、対中の新型コロナ水際対策

新型コロナの感染急拡大に歯止めがきかないながらも、ここに来てゼロコロナ政策の劇的な緩和を打ち出すなど、大きな方向転換をした中国。 それに伴い日本政府は8日から、中国からの入国者に対しさらなる水際措置を強化した。 先月30日より(香港・マカオを除く)中国に7日以内に渡航歴のある入国者全員に対して、日本到着時の検査を実施しているが、今月8日からはより精度の高い抗原定量またはPCR検査に切り替えた。また出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書の提出も中国からの入国者に対して求めている。 中国のゼロコロナ政策の大幅緩和 アメリカと世界の受け止めは? このような厳しい対中措置は日本だけではない。 アメリカではニューヨークなど北東部などでオミクロン株の1つ、XBB.1.5への感染がこの1ヵ月で急速に拡大していると報じられている。医療従事者などが変異株の流行に戦々恐々とする中、アメリカは新年早々、中国からの入国者に対して陰性証明書の提示を義務付けるなど、水際措置の強化に乗り出した。 この対中政策の音頭を取っているのはアメリカのようで、日本政府の水際措置の強化について、8日米CBSニュースなどが「日本もアメリカの方針に追随し、中国からの入国者に対する水際対策を強化した」と報じた。 対中の水際対策は、日本やアメリカのみならず世界的に行われているムーブメントだ。 7日付の米ブルームバーグは、「変異株が広がる中、中国での新型コロナの感染急拡大(の脅威)から人々を守るため、世界の国々が中国人渡航者に対して、コロナ検査を実施するなど水際対策を強化している」と報じた。 記事によれば、ポルトガルが中国からの入国者に新型コロナの陰性証明を求める欧州の仲間入りをし、ドイツが国民に対して中国への不要不急の渡航を止めるように伝達した。タイは中国人観光客の大量入国に備え、空の便で到着する外国人の入国要件を再導入している。 2日付の米タイムも、このように報じた。春節を前に「中国人観光客が再び海外旅行への準備を進める中、いくつかの国は扉を閉じている」。 「新型コロナの感染が拡大する中、中国の報告と症例の順序立ての信頼性への懸念が高まっている。よって十数ヵ国が中国からの渡航者に対して入国制限を発表」と報じた。中国からの渡航者に対してコロナ検査を再び実施する米国、英国、フランス、スペイン、スウェーデン、オーストラリアなどの国々、到着時の検査で陽性者を隔離する日本やイタリア、到着時の検査に加え中国人に対する短期ビザの発給を制限する韓国、そして中国からの全渡航者の入国禁止を発表したモロッコなどを事例に挙げた。 これら世界中で手綱が締められている対中措置は、中国で感染状況の透明性が欠如してしまっていること、中国国内で変異株の追跡が適切にできていないことなどに対する懸念の高まりがあってのこと。そんな中でも中国国内では2億5000万人以上の人々(過半数は80代以上の高齢者)が、新型コロナワクチンの3回目の接種を受けていないとタイムは報じている。このような理由から、中国は世界中からフルボッコのような措置を取られてしまったようだ。 アメリカの水際対策 関連記事 2022å¹´ 2021å¹´ 2020å¹´ Photo(Top) : ãƒ‹ãƒ¥ãƒ¼ãƒ¨ãƒ¼ã‚¯ã®JFK国際空港 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

米国で囁かれているメーガン夫人とオノ・ヨーコの「意外な共通点」

昨年12月のネットフリックスの『ハリー&メーガン』公開に続き、ハリー王子の回顧録『SPARE(スペア)』が今月10日に発売されるにあたり、アメリカでは連日、ハリー王子とメーガン・マークル氏(サセックス公爵夫人)の報道が過熱している。 回顧録ではウィリアム皇太子の暴行疑惑やハリー王子が軍隊在籍時に25人の敵兵を殺害したことなどショッキングな暴露の連続で、報道は過熱する一方だ。普段ならゴシップを取り扱わないCNNやCBSのニュース番組までもがハリー王子夫妻と英王室のスキャンダルを取り上げる始末。 筆者の周りでも、女性の友人との会話で、英王室スキャンダルの渦中にいる同夫妻の話題が少しずつ上るようになってきた。 筆者の実感としては、イギリス人はこの話題に熱い。一方で一般のアメリカ人は割とクールに捉えているようだ。例えば先日、あるホームパーティーで、このゴシップネタが話題に上がった時のこと。イギリス出身で長年アメリカに住む知人は夫妻が次々に投下する爆弾発言に不快感を示し、このように言った。 「(メーガン夫人は)何でも人種差別問題にリンクさせるから、いけ好かない。被害妄想が大き過ぎる!」 一方アメリカでは、#ShutupMeghan #ShutUpHarry(黙れ、言葉を慎め)がツイッターのトレンドワードになる一方で、実際に人々に話を聞くと「あまり気にならない」「メーガンは嫌いではない」という意見が目立つ。王室制の国とそうでない国、また人種差別問題が身近にあって敏感であるかどうかなど、国民性が大いに反映されるトピックだと感じる。 そんな中、ABC局のトーク番組『The View(ザ・ビュー)』でも、同夫妻と英王室のスキャンダルの話題で持ち切りとなった。コメディアンのジョイ・べハー氏はメーガン夫人を擁護する立場で、このように口火を切った。 「王室の誰もがメーガンをヨーコ・オノのように扱っているように見えます」 さらにこのようにコメントを続ける。 「ビートルズを解散させたと言われたヨーコ・オノは一瞬にしてのけ者になった。今起こっている(ハリー&メーガン夫妻の)騒動と似ています。言われていることがすべて本当ならの話だけど、ウィリアム(皇太子)はなぜメーガンにそんなに腹を立て、ハリーをも追い立てているのか、奇妙ですね」 オノ・ヨーコ(小野洋子)氏と言えば、日本出身の前衛芸術家で今もニューヨークのダコタハウスに住む。一世を風靡したビートルズのジョン・レノンの妻だ。ヨーコ氏はビートルズを全盛期に解散に持ち込んだ人物として、全世界のファンを敵に回したことでも知られる。当時はファンの間で「いけ好かない女」の代表格とされていた。 御年80歳になるべハー氏は、ビートルズが解散した1970年、28歳だった。言うなればちょうど「ビートルズ世代」ということになる。 関連記事 ビートルズ解散から10年後の1980年12月8日、当時40歳だったジョンは、ニューヨークの住居、ダコタハウス前でファンに射殺された。 ヨーコ氏が60年代、70年代、世界に及ぼした影響がどのくらい大きなものだったか想像できるだろうか? きっと若い世代の人にとってその想像は容易ではないだろう。現代版であえて例えるならば、「BTSの中心メンバーの1人がどこか遠い国の女性アーティストと恋に落ち、その女性がBTSの音楽活動に次第に首をつっこむようになり、グループの今後の活動に影響を与えてしまうほどの存在に成り上がり、最終的にその女性の存在や活動がきっかけでBTSが解散してしまう」くらいの衝撃だったと説明すれば、わかり易いだろうか。当時のヨーコ氏はそれくらいの激震を世界にもたらした人物だった。 今でも、アメリカの年配者に「ヨーコ・オノ=日本人の魔女的なイメージ」は残っており、「日本人」というワードからジョン&ヨーコを連想する、なんていうのも決して珍しいことではないのだ。 つまり、英王室を英国出身のビートルズとなぞらえ、そのグループを引っ掻き回す存在を、外野からやって来た外国人女性、メーガン氏をヨーコ氏となぞらえたべハー氏なりの比喩であった。 ところでヨーコ氏と言えば、筆者はこれまで2度見かけたことがある。1度目は講演会、2度目は個展だった。2015年9月、MoMA(近代美術館)での個展の最終日、突如来場者の前に姿を見せたヨーコ氏。小柄で可愛らしい印象だった。筆者は近くまで寄ることができたので日本語で話しかけたところ、英語で返答された。アメリカに移住しすでに長い年月が過ぎており、日本語をいっさい使わない生活なのかもしれない。 そして、ヨーコ氏が本当にビートルズを解散させた人物であるのか否かについては議論が分かれるところだが、筆者が聴講した2007年の講演会で、ヨーコ氏はこのように自身の言葉で語っていたのが印象的だった。 「ジョンのことをムリやり手繰り寄せてもいないし、何を言ってもメディアはでっち上げるから悲しい」 真意のほどはわからないが、騒動についてはメーガン夫人も同じような心境にあるのかもしれない。 関連記事 筆者は以前、ニューヨークでオノ・ヨーコ氏の講演に行ったことがある。また美術館で偶然彼女に会い、握手をしてもらったことも。 トーク番組『ザ・ビュー』の話に戻るが、べハー氏は共演者に「マークルが英王室騒動の責任を負う人物と思うか?」と尋ねると、コメンテーターのアナ・ナヴァロ氏は「あらゆることがゴシップとして取り上げられている。現実はより暗く悲しいものだろう」と語った。また「悲惨な家族単位の崩壊が目の前に見えている。ネタ、エンタメとして取り上げられるゴシップで、王室のことだけどそれは家族の話題でもある。これだけ世の中に騒がれてしまい、傷(家族関係の亀裂)が癒えるのは難しいのではないか」との見解も示した。 べハー氏は「彼女に対する暴言は鼻持ちならない。信じがたいほどの虫酸が走る」と、番組内では終始、メーガン夫人を擁護する姿勢を崩さなかった。筆者が感じる一般的なアメリカ人のリアクションと通じるものがある。 ハリー王子の回顧録の発売まであと数日。発売後、夫妻と英王室を取り巻くゴシップの炎がさらに過熱することは必至だ。 関連記事 関連動画 ジョン・レノンが殺されたダコタハウス周辺の「今」 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

「経歴詐称」米紙はどのような方法で暴いた? 嘘で固めた人生、ジョージ・サントス米議員のスキャンダル

昨年11月の米中間選挙で、ニューヨーク州の選挙区(ナッソー郡)から下院議員に立候補し当選した共和党のジョージ・サントス氏。まだ34歳で、同性愛者を公言し、これからの世代を背負っていく新進気鋭の政治家として注目されていた。 南米出身の両親の下、ニューヨーク市内の地下アパートで育ち、有名私立大に進学。金融系の大企業で経験を積み政治家に上り詰めるという、移民一家出身ながら誰もが羨むような人生を一代で築き、アメリカンドリームを体現してきた人物である。 しかし先月19日、それらの輝かしい学歴や経歴が「詐称」であることが米有力紙ニューヨークタイムズによって暴かれ、一気に信用を失ってしまった。 スキャンダルの渦中にある同議員は3日に初登院したが、ほかの議員からそっぽを向かれ、孤立している様子が伝えられた。 バレた数々の嘘とは? 多くの米メディアがこの件を報じている。デイリービーストは「サントス氏の数々の嘘」をリスト化して紹介した。 ◆学歴 (虚偽の情報) これらの学校に通った、または卒業した記録は「確認できなかった」と報道された。その後サントス氏自身が記者会見に応じ、これらの大学を卒業していないことを認めた。 ◆職歴 (虚偽の情報) シティグループの不動産部門アソシエイト・アセット・マネージャーとして勤務していたと主張していたが、そのような事実はなくそのような役職も存在しないと、ニューヨークタイムズが報じた。また、ゴールドマン・サックスで働いた事実もないと暴かれた。 その後サントス氏は記者会見で「履歴書を飾り立て捏造してしまった」と謝罪。職歴詐称も認めたものの「罪の意識はない。なぜなら自分はこの分野で大変豊富な職務経験を持つからだ」と開き直りとも取れるコメントをし、有権者に「こんな自分を許し、政治家としてのこれからの行いを信じてほしい」と懇“““““““`願した。`その後サントス氏は記者会見で「履歴書を飾り立て捏造してしまった」と謝罪。職歴詐称も認めたものの「罪の意識はない。なぜなら自分はこの分野で大変豊富な職務経験を持つからだ」と開き直りとも取れるコメントをし、有権者に「こんな自分を許し、政治家としてのこれからの行いを信じてほしい」と懇願した。 ◆生い立ち、家族など (虚偽の情報) ブラジルから移住した両親の下クイーンズ区で生まれ育ったとされる。宗教はカトリック教だが、自身はユダヤ系とウクライナ系の子孫だと発言。しかしCNNなどに「それらのルーツを持つ証拠は確認できず」と報じられた。 そのような主張の背景には、サントス氏が立候補した選挙区が関係ありそうだ。その選挙区では人口の20%がユダヤ系を占め、またホロコーストの迫害を受けてきたユダヤ系やロシアによる軍事侵攻下にあるウクライナ系を名乗ることで、政治家として有権者に、移民二世がそのような弱い立場のリーダーとしてこの国で成し遂げたと訴求する要素として利用してきたと、米メディアは見ている。 その後同氏は記者会見で「私はユダヤ人と主張したことはない」と語ったと報じられた。「母方の家系がユダヤ系にルーツがあるということだったので、Jew-ishと言った」というのが、同氏の言い分だ(Jewish『ユダヤ人』ではなくJew-ishとは『ややユダヤ人』『ユダヤ人みたい』のような曖昧な表現)。 また同氏によると、母親は大手金融機関の初の女性幹部で世界貿易センター南棟で働いており、2001年の同時テロ関連の病気で亡くなったという発言についても、でっち上げだと報じられている。 以上は分かっている「嘘」のほんの一部であり、ほかにも同氏が発表してきた財政状況や慈善活動などさまざまな分野で、数々の虚偽情報が伝えられている。こうなると一事が万事そうなのだろう。つまり彼の人生そのものが「フェイク」「でっち上げ」に見えてくる。本人に罪の意識はそれほどなく、まるで息を吐くように嘘をつく虚言癖がある人物の可能性は非常に高い。 どのような経緯で嘘がバレてしまったか? ニューヨークタイムズは5日、数々の「詐称」がどのような方法で暴かれたかを、ポッドキャストを通じて伝えた。 担当記者によると、端緒を開いたのは中間選挙のタイミングだった。「サントス氏が非常に興味深い経歴を歩んできたので、どのような苦労をしてきた人物かもっと知りたいと思った」。取っ掛かりとして、同氏が主張していたペット救済の慈善事業についてまず調べたところ、いくら調べても実際に行われた形跡が見つからなかった。それで同氏が発表していた機関に問い合わせたところ、それらの機関でも記録が見つからなかった。記者は「この時点で大きな問題とは言えないが、記事化するにあたり懐疑心が湧いた」と言う。 次に、同氏の元同僚に話を聞くため、同氏が公開しているプロフィールを確認した。職歴に「いつ」が記載されていないことを不審に思い、何年に働いていたかを把握するために、シティグループとゴールドマン・サックスに直接問い合わせをした。そうしたら驚くことに、2社の回答は「同氏が働いた記録はない」ということだった。同様に2つの大学に問い合わせたところ、卒業生としての確認ができなかった。 この時点で「彼の人生そのものが嘘の塊なのではないかという懐疑心に変わった」ようだ。 同氏の経歴について、現在ナッソー郡やニューヨーク州が捜査を進めている。 思いの外ある学歴詐称疑惑(筆者の体験から) 学歴詐称や経歴詐称について、アメリカに住む筆者はそれほど驚かない。なぜなら、身分証明書をはじめとし、大学卒業証明書、運転免許証、新型コロナのワクチン接種証明書に至るまでさまざまな偽のID(身分証明書)や証書がこの世に出回っているからだ。ある大学の夏期講習を受講しただけで「卒業」と豪語し大風呂敷を広げる輩もたまにいると聞く。世知辛い世の中には、驚くほど「偽」が出回っているのだ。 有名大学の学歴の件で思い出した逸話がある。ニューヨークタイムズの記者同様に、筆者の取材活動中に「慎重に事を進めた」経験だ。 それは数年前、専門家のコメントが必要で、ある人物に取材依頼をした時のこと。その人物からある条件を提示され、取材が許可された。その条件とは「〜〜大学卒業とプロフィールに書く」というものだった。 この時点で筆者は引っかかった。なぜか。 まず、そのような条件を提示されたのは初めてのことだった、というのが1つ。 またその依頼の背景に、何があるのかと考えた。その大学は誰もが知るアイビーリーグ(アメリカの超名門大学)の1校だった。もちろん優秀な人物がアイビーリーグ卒業なのは、何ら不思議なことではない。 ただ「能ある鷹は爪を隠す」という諺もあるように、有能な人ならわざわざ言わなくても自然と伝わるものをあえて明文化してほしいという依頼に違和感を感じずにはいられなかった。どちらにせよ、事実であるのであれば一言記事に含めるのはやぶさかではない。筆者は(前述のニューヨークタイムズの記者と同様に)裏を取るため、「卒業証明書を見せてもらえないか」と丁重にお願いした。その人物は快諾し、メールの添付ファイルで卒業証明書のコピーのようなものをすぐに送ってきた。 英語を読むことができる筆者だが、残念ながらその卒業証明書を「読んで理解する」ことはできなかった。なぜかというと、その証明書とされるものはラテン語で書かれていたからだ。英語とスペイン語がネイティブの同僚にその証明書を(個人情報の観点から名前の箇所を隠し)解読してもらおうとしたが、やはり理解できないという。アメリカの大学の証書のはずだが、アメリカ人でさえ解読できない紙切れに一体何の意味があるというのだろうかと疑念に変わった。調査のため検索をしてみると、オンライン上で似たような偽の卒業証明書がたくさん販売されていることに気づいた。少なくとも裏を取れない情報を記事に含めることはできないと、筆者は丁重にお断りをした。その人物は怒りを露わにし、取材自体を断ってきた。結局、後味が悪い結末となってしまったが、記者として納得できない以上致し方ない。 オンライン上では数多の偽りID、証明書、免許証が、また道端では偽のブランドバッグや香水が販売されており、悲しきかなそれが現実世界である。しかし、あらゆる物について、本物か否かの判断基準として「自分の目で(心で)確かめたものを信じる」という軸を改めて確認した貴重な経験となった。 (写真)3日に初登院した米議会にて。右上の青いトップスがサントス下院議員。 (写真)ニューヨークタイムズ紙にfraud(詐欺師、ペテン師)の烙印を押されたサントス議員。ルーツのあるブラジルでは詐欺容疑も浮上している。 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

2023年元日

明けましておめでとうございます!平和で愛にあふれた健やかな1年になりますように。 この写真は年末のパピーミル犬の写真ですが、ずっと暗くて狭い所にうずくまっていたのに、飼い主から愛情をたっぷり受けたら、明るいところに出てきてこんなに体を広げてリラックスできるようになりました。 愛の力ってすごい!って改めて思ったところです。 今日はニューヨークは元日。お天気が良く、お散歩が気持ちいい1日でした。野良猫が擦り寄ってきたので可愛かったです。野良猫と思っていたら…飼い主さんがいたみたいで(隣のグロッサリーの店員さんが)出てきたのでお話しました。ルナちゃんていう名前だそう。犬も猫も言語はないですが、人間が言っていることをよく理解しているなと感じます。 なんでも最初が肝心、ということで、今年1年を超絶最強のパフォーマンスにできるよう、今年取り組もうと思っていることを元日から始めました(サンサンと降り注ぐ朝日を浴びながらの朝のお散歩、TO DO LISTの見直し、体重測定&エクササイズ(→ただ痩せたいのではなくカーヴィーを保ち引き締めるべきところだけ引き締める)、こまめな掃除やものを増やさないなど快適な住居環境など)。また私の人生に不要だと思うもの(お酒やタバコ、SNSの使い過ぎ、下らないことに執着したり時間を割くこと、など)は引き続き今年も避けます。やるべきことをコツコツ積み上げ、やらなくていいものをやらないのは、とても気分が良いものです。またお日様からもらうパワーもなかなか侮れないです〜。 新しいことをするのも気分が良いです。今年も新たなことに取り組みます。チャレンジすることを忘れない。ダメだと自分で勝手に決めつけない、諦めない。 今年も必要と思う人やところに惜しみなく「与える」人でありたいなと思います。与えるのは別にお金や物のみならず、親切や思いやり、愛情などそういうことも含めてです。 ということで、今年も1年よろしくお願いいたします! 安部かすみ(2023年元日)