中国へのドア閉じ「日本も米に付随」米報道。世界中で強化、対中の新型コロナ水際対策

新型コロナの感染急拡大に歯止めがきかないながらも、ここに来てゼロコロナ政策の劇的な緩和を打ち出すなど、大きな方向転換をした中国。 それに伴い日本政府は8日から、中国からの入国者に対しさらなる水際措置を強化した。 先月30日より(香港・マカオを除く)中国に7日以内に渡航歴のある入国者全員に対して、日本到着時の検査を実施しているが、今月8日からはより精度の高い抗原定量またはPCR検査に切り替えた。また出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書の提出も中国からの入国者に対して求めている。 中国のゼロコロナ政策の大幅緩和 アメリカと世界の受け止めは? このような厳しい対中措置は日本だけではない。 アメリカではニューヨークなど北東部などでオミクロン株の1つ、XBB.1.5への感染がこの1ヵ月で急速に拡大していると報じられている。医療従事者などが変異株の流行に戦々恐々とする中、アメリカは新年早々、中国からの入国者に対して陰性証明書の提示を義務付けるなど、水際措置の強化に乗り出した。 この対中政策の音頭を取っているのはアメリカのようで、日本政府の水際措置の強化について、8日米CBSニュースなどが「日本もアメリカの方針に追随し、中国からの入国者に対する水際対策を強化した」と報じた。 対中の水際対策は、日本やアメリカのみならず世界的に行われているムーブメントだ。 7日付の米ブルームバーグは、「変異株が広がる中、中国での新型コロナの感染急拡大(の脅威)から人々を守るため、世界の国々が中国人渡航者に対して、コロナ検査を実施するなど水際対策を強化している」と報じた。 記事によれば、ポルトガルが中国からの入国者に新型コロナの陰性証明を求める欧州の仲間入りをし、ドイツが国民に対して中国への不要不急の渡航を止めるように伝達した。タイは中国人観光客の大量入国に備え、空の便で到着する外国人の入国要件を再導入している。 2日付の米タイムも、このように報じた。春節を前に「中国人観光客が再び海外旅行への準備を進める中、いくつかの国は扉を閉じている」。 「新型コロナの感染が拡大する中、中国の報告と症例の順序立ての信頼性への懸念が高まっている。よって十数ヵ国が中国からの渡航者に対して入国制限を発表」と報じた。中国からの渡航者に対してコロナ検査を再び実施する米国、英国、フランス、スペイン、スウェーデン、オーストラリアなどの国々、到着時の検査で陽性者を隔離する日本やイタリア、到着時の検査に加え中国人に対する短期ビザの発給を制限する韓国、そして中国からの全渡航者の入国禁止を発表したモロッコなどを事例に挙げた。 これら世界中で手綱が締められている対中措置は、中国で感染状況の透明性が欠如してしまっていること、中国国内で変異株の追跡が適切にできていないことなどに対する懸念の高まりがあってのこと。そんな中でも中国国内では2億5000万人以上の人々(過半数は80代以上の高齢者)が、新型コロナワクチンの3回目の接種を受けていないとタイムは報じている。このような理由から、中国は世界中からフルボッコのような措置を取られてしまったようだ。 アメリカの水際対策 関連記事 2022å¹´ 2021å¹´ 2020å¹´ Photo(Top) : ãƒ‹ãƒ¥ãƒ¼ãƒ¨ãƒ¼ã‚¯ã®JFK国際空港 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

米国で囁かれているメーガン夫人とオノ・ヨーコの「意外な共通点」

昨年12月のネットフリックスの『ハリー&メーガン』公開に続き、ハリー王子の回顧録『SPARE(スペア)』が今月10日に発売されるにあたり、アメリカでは連日、ハリー王子とメーガン・マークル氏(サセックス公爵夫人)の報道が過熱している。 回顧録ではウィリアム皇太子の暴行疑惑やハリー王子が軍隊在籍時に25人の敵兵を殺害したことなどショッキングな暴露の連続で、報道は過熱する一方だ。普段ならゴシップを取り扱わないCNNやCBSのニュース番組までもがハリー王子夫妻と英王室のスキャンダルを取り上げる始末。 筆者の周りでも、女性の友人との会話で、英王室スキャンダルの渦中にいる同夫妻の話題が少しずつ上るようになってきた。 筆者の実感としては、イギリス人はこの話題に熱い。一方で一般のアメリカ人は割とクールに捉えているようだ。例えば先日、あるホームパーティーで、このゴシップネタが話題に上がった時のこと。イギリス出身で長年アメリカに住む知人は夫妻が次々に投下する爆弾発言に不快感を示し、このように言った。 「(メーガン夫人は)何でも人種差別問題にリンクさせるから、いけ好かない。被害妄想が大き過ぎる!」 一方アメリカでは、#ShutupMeghan #ShutUpHarry(黙れ、言葉を慎め)がツイッターのトレンドワードになる一方で、実際に人々に話を聞くと「あまり気にならない」「メーガンは嫌いではない」という意見が目立つ。王室制の国とそうでない国、また人種差別問題が身近にあって敏感であるかどうかなど、国民性が大いに反映されるトピックだと感じる。 そんな中、ABC局のトーク番組『The View(ザ・ビュー)』でも、同夫妻と英王室のスキャンダルの話題で持ち切りとなった。コメディアンのジョイ・べハー氏はメーガン夫人を擁護する立場で、このように口火を切った。 「王室の誰もがメーガンをヨーコ・オノのように扱っているように見えます」 さらにこのようにコメントを続ける。 「ビートルズを解散させたと言われたヨーコ・オノは一瞬にしてのけ者になった。今起こっている(ハリー&メーガン夫妻の)騒動と似ています。言われていることがすべて本当ならの話だけど、ウィリアム(皇太子)はなぜメーガンにそんなに腹を立て、ハリーをも追い立てているのか、奇妙ですね」 オノ・ヨーコ(小野洋子)氏と言えば、日本出身の前衛芸術家で今もニューヨークのダコタハウスに住む。一世を風靡したビートルズのジョン・レノンの妻だ。ヨーコ氏はビートルズを全盛期に解散に持ち込んだ人物として、全世界のファンを敵に回したことでも知られる。当時はファンの間で「いけ好かない女」の代表格とされていた。 御年80歳になるべハー氏は、ビートルズが解散した1970年、28歳だった。言うなればちょうど「ビートルズ世代」ということになる。 関連記事 ビートルズ解散から10年後の1980年12月8日、当時40歳だったジョンは、ニューヨークの住居、ダコタハウス前でファンに射殺された。 ヨーコ氏が60年代、70年代、世界に及ぼした影響がどのくらい大きなものだったか想像できるだろうか? きっと若い世代の人にとってその想像は容易ではないだろう。現代版であえて例えるならば、「BTSの中心メンバーの1人がどこか遠い国の女性アーティストと恋に落ち、その女性がBTSの音楽活動に次第に首をつっこむようになり、グループの今後の活動に影響を与えてしまうほどの存在に成り上がり、最終的にその女性の存在や活動がきっかけでBTSが解散してしまう」くらいの衝撃だったと説明すれば、わかり易いだろうか。当時のヨーコ氏はそれくらいの激震を世界にもたらした人物だった。 今でも、アメリカの年配者に「ヨーコ・オノ=日本人の魔女的なイメージ」は残っており、「日本人」というワードからジョン&ヨーコを連想する、なんていうのも決して珍しいことではないのだ。 つまり、英王室を英国出身のビートルズとなぞらえ、そのグループを引っ掻き回す存在を、外野からやって来た外国人女性、メーガン氏をヨーコ氏となぞらえたべハー氏なりの比喩であった。 ところでヨーコ氏と言えば、筆者はこれまで2度見かけたことがある。1度目は講演会、2度目は個展だった。2015年9月、MoMA(近代美術館)での個展の最終日、突如来場者の前に姿を見せたヨーコ氏。小柄で可愛らしい印象だった。筆者は近くまで寄ることができたので日本語で話しかけたところ、英語で返答された。アメリカに移住しすでに長い年月が過ぎており、日本語をいっさい使わない生活なのかもしれない。 そして、ヨーコ氏が本当にビートルズを解散させた人物であるのか否かについては議論が分かれるところだが、筆者が聴講した2007年の講演会で、ヨーコ氏はこのように自身の言葉で語っていたのが印象的だった。 「ジョンのことをムリやり手繰り寄せてもいないし、何を言ってもメディアはでっち上げるから悲しい」 真意のほどはわからないが、騒動についてはメーガン夫人も同じような心境にあるのかもしれない。 関連記事 筆者は以前、ニューヨークでオノ・ヨーコ氏の講演に行ったことがある。また美術館で偶然彼女に会い、握手をしてもらったことも。 トーク番組『ザ・ビュー』の話に戻るが、べハー氏は共演者に「マークルが英王室騒動の責任を負う人物と思うか?」と尋ねると、コメンテーターのアナ・ナヴァロ氏は「あらゆることがゴシップとして取り上げられている。現実はより暗く悲しいものだろう」と語った。また「悲惨な家族単位の崩壊が目の前に見えている。ネタ、エンタメとして取り上げられるゴシップで、王室のことだけどそれは家族の話題でもある。これだけ世の中に騒がれてしまい、傷(家族関係の亀裂)が癒えるのは難しいのではないか」との見解も示した。 べハー氏は「彼女に対する暴言は鼻持ちならない。信じがたいほどの虫酸が走る」と、番組内では終始、メーガン夫人を擁護する姿勢を崩さなかった。筆者が感じる一般的なアメリカ人のリアクションと通じるものがある。 ハリー王子の回顧録の発売まであと数日。発売後、夫妻と英王室を取り巻くゴシップの炎がさらに過熱することは必至だ。 関連記事 関連動画 ジョン・レノンが殺されたダコタハウス周辺の「今」 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

永遠の歌姫、映画『ホイットニー・ヒューストン』公開に米紙が酷評 ボヘミアン・ラプソディの再来なるか?

永遠の歌姫、ホイットニー・ヒューストンが、映画で蘇った。 没後10年となる今年、ホイットニーの生涯を描いた伝記映画、I Wanna Dance with Somebody(邦題『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』)が本国アメリカ、そして日本全国の映画館で、23日から一斉公開される。 が行われた。会場には、歴史に語り継がれるほどの感動を与えた1991年のスーパーボウルでの国歌斉唱シーン(ABCニュースでの映像)を再現したパネルが設置され、参加者は記念撮影などを楽しんだ。 また13日にはワールドプレミアムも開かれ、ホイットニーを演じた主演のナオミ・アッキーやホイットニーをスターダムにのし上げた音楽プロデューサー、クライヴ・デイヴィス役のスタンリー・トゥッチなどが姿を見せた。 48歳で突然散ったホイットニーの栄光と複雑な生涯 6回のグラミー賞受賞経歴を持ち、映画『ボディガード』(1992年)に主演、数々のヒット曲を放った人気歌手、ホイットニー。そんな栄光の影で、彼女は2012年2月、グラミー賞の授賞式の前日に48歳の若さで生涯を閉じ、世界は唯一無二の才能を突然失った。 その死後も、元夫ボビー・ブラウンとの一人娘、ボビー・クリスティーナ・ブラウンさんが2015年に22歳の若さで、また12歳で孤児院から引き取り育て上げたニック・ゴードンさんも2020年、30歳で亡くなるなど、家族に不幸が続いた。 映画の脚本家は、過去にイギリスの伝説のバンド、クイーンとフレディ・マーキュリー(vo.)の生涯を描いた大ヒット作『ボヘミアン・ラプソディ』の脚本を手がけたアンソニー・マッカーテンだ。『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』への期待は否応なしに高まる。 しかし米主要紙のレビューは手厳しい。 ワシントンポストは、「当たり障りのない伝記映画。ベスト盤を聴いているようで、物語にはほとんど一貫性がない」とした。 ニューヨークポストは「マッカーテン氏の脚本には芸術性がない」「いつの日かヒューストンの超越した才能と複雑な人生を蘇らせる映画が作られるだろうが、残念ながら本作ではない」という評価だ。『Whitney』というドキュメンタリーが2018年に発表済みだが、この記事は別の作品を期待しているようだ。 低評価がある中でも観たい、ホイットニーの世界観に没入し刺激を受けたいと思うのがファン心理だろう。ボヘミアン・ラプソディ公開時のような、音楽界のレジェンドブームが再びやって来るだろうか。 関連動画1 『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』 関連動画2 関連動画3 ホイットニーがどれほどの歌唱力を持っていたか。彼女の歌声を聴いて、鳥肌が出たという経験は一度や二度はあるだろう。アメリカでも話題になり拡散された、ホイットニーの歌声に感動する赤ちゃんの動画。 Text and some photos by Kasumi Abe 安部かすみ(Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

夜になっても「Japan」が米ツイッターのトレンド入り PK敗戦の余韻続く…。W杯日本対クロアチア

サッカーのFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会の決勝トーナメント1回戦。5日、クロアチアと対戦した日本代表は1―1で延長戦となり、延長戦でも決着がつかず、PK戦で1―3で敗れた。 アメリカ東部時間(EST)で午前10時からスタートしたこの試合。結果が出たのが午後1時前だった。午後2時からのブラジル対韓国戦ではブラジルが4―1で圧勝。それぞれの試合後、この日戦った4つの国がアメリカのツイッターでトレンド入りしたが、陽が暮れても2つの国がトレンド入りをしたままだった。 その2つの国は、ブラジルと日本。 ブラジルの勝利後、アメリカのトレンド1位は「Brazil」となった。 (「Neymar」「Richarlison」と共に) 試合に負けた日本だったが、「Japan」も試合中からトレンド入り。試合終了後6時間が経っても、未だ堂々のベスト10入り。(「Croatia」と共に)。 同時刻で、上位30位内にクロアチア単体と、ブラジルに負けた韓国の名前は見られず。韓国の「Korea」は午後8時ごろになって21位に入っているのを確認できた。 筆者は日本とクロアチア戦の試合中もツイッターを確認したが、試合中は「LETS GO JAPAN」がトレンド入りしており、日本戦への注目度を実感した。 日本の敗北後、アメリカでは各界のさまざまな著名人やメディアがこの試合についてツイートした。 米女子サッカーのアビー・ワンバック元選手 女子サッカーのアビー・ワンバック元選手は、作家である伴侶のグレノン・ドイル氏が、PK戦で敗れた日本の試合に衝撃を受けている動画をツイッターにアップした。「あぁなんてこと。あなたに勧められ毎日試合をチェックしているけど、これは耐えられない。悲しすぎる…。PK戦はジュネーブ会議で禁止されるべき」とドイル氏。 CNNやESPNなどで活動するフットボール・ジャーナリスト、Usher Komugisha氏 ESPN FC ラーム・エマニュエル駐日米国大使 作家のKhaled Beydoun氏 ツイッター上ではほかにも、大会中に話題に上った日本人サポーターの清掃風景を惜しむつぶやきも見られた。 最後に、アトランティック誌のアダム・シューワー記者が試合後にアップした、このPK戦の分析が興味深かったので、ここで紹介する。 シューワー記者は、この試合が長引くにつれ、2018年のファイナリスト(クロアチア)が勝つことになるだろうと確信したという。それはクロアチアの方が優れているからといった理由ではなく「試合が確実にPK戦になるように見えたから」という。 「PK戦で点を入れるには試合そのものとは異なるスキルが必要であり、それは運動能力よりも精神面でのテスト(試されること)である」 シューワー記者は、優れた選手が必ずしもPK戦で優れた結果を出すとは限らないと述べ、「中年の引退した元サッカー選手の方が、20歳のフィールドで大活躍する現役選手よりPK戦でうまく蹴ることは可能」。 PK戦で得点できる選手とは「プレッシャーに負けない(跳ね除ける力がある)こと」。だからどんなに技術があり運動能力に長けた若手の選手より、年配の選手がPK戦では成功率が高くなることはあるという。 「集中力が何より試されるため、PK戦を成功させることは多くの場合、経験の問題である」 日本のゴールキーパー、権田修一選手はクロアチアのドミニク・リヴァコヴィッチ選手よりもペナルティキックのセーブ率が高いとされているが、PK戦では日本選手のボールを次々にリヴァコヴィッチ選手が止めた。「リヴァコヴィッチ選手がボールを止めることを予測していた、とは言わない。しかしクロアチアの選手の方が、より多くのチャンスを物にするだろうという確信があった。なぜなら彼らはこれまでの試合で何度か同じ経験をしてきたからだ」。 前回のW杯でも、死闘の末にPK戦で2勝してきた経験を持つクロアチアに軍配が上がったということのようだ。 「しかしながら、サムライブルーはここまでの試合を誇りに思うべきだ。ヨーロッパのトップクラブの選手が多く在籍する2つの元世界チャンピオンを打ち負かしたのだから」と同記事は結ばれた。 筆者も、世界における日本のプレゼンスを久しぶりに高めてくれた若き日本の侍たちに、労いを込めて心から感謝の意を伝えたい。感動をありがとう。そしてお疲れ様でした! Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

アニメ、漫画、ゲーム…日本サブカルの祭典にファン集合。「進撃の巨人」諫山創に会場沸く

日本のサブカルチャーの祭典、アニメNYC(ANIME NYC)が今年も18〜20日の3日間、ニューヨークのジャヴィッツ・センターで開催された。 アニメ、漫画、コスプレ、ゲームなどのポップカルチャーファンが大集結し、開催事務局の発表では3日間で5万人を超える来場者があったという。 コロナ禍3年目の今年は、入場者全員に新型コロナのワクチン接種証明書か陰性証明書の提示が義務付けられたが、マスク着用は任意となった。 個別の会場で行われた講談社USAのトークショーには『進撃の巨人』の漫画家の諫山創氏が登場し、場内は大歓声に包まれた。 同作は特にアメリカでもっとも売れている漫画の1つで、世界累計発行部数の1億部突破が伝えられている。うち販売部数は全体のシリーズを通して約100万部と言われる人気作だ。 ステージに現れた諫山氏は「初めて地球の裏側まで来ました」と通訳を通して挨拶し、冒頭から「オォ〜!」とファンから大歓声が上がった。 小学校の授業の一環で参加した廃品回収で少年漫画に出合ったという諫山氏。人喰い巨人が現れ人類が絶滅寸前というストーリー作りで影響を受けたものとして「山下清の怪獣がやりたかったんです」と言う。「子どもの頃見た怪獣の絵が怖い記憶として残っていた。進撃の巨人はこれに影響を受けたのだと描き終わった後に思い出しました」。 絵が下手だと自覚し、作品を東京の出版社に持ち込んだ時、まさか漫画家になれるともこんなに売れるとも思っていなかったと振り返る。諦めようとしていた矢先、担当者に生まれて初めて面白いと言われた。しかしその時でさえ「嬉しかったけど懐疑的だった」。漫画の世界では「連載が始まっても80%が打ち切りになる」。自分の作品も難しいだろうと思い、当初は「とにかく打ち切りにならない」が最大の目標だった。 ストーリー展開について「なんてひどいことするんだ」とか「もっとやれ」「スカッとした」など読者の意見が分かれるのが良かったと言う。結末は最初から決まっていたが、主人公のエレンについては決めていなかった。「描きながらエレンて思っていたよりいい奴ってなって、エレンがここまでやるのに説得力を持たせるためにストーリーを変えていき、結果うまくいかなくなった。ラストは自分でも難しいなと思いながら描いていました。すみません…」と詫びた。これに対してファンからは笑いと同時に「We love you」という声援と大拍手が沸き起こった。感激した諫山氏は「泣かないように…」と俯き、さらに会場が沸いた。 これから挑戦したい人へのメッセージとして、「何をやってもどうせ80%はダメなので、だったらデカく失敗した方がいいくらいに思い切りやって欲しい」と語った。 最前列で時々笑い声を上げながら聞いていたジョージ・ブラムさんは、母親が噛み砕かれるシーンが強烈で通常の漫画と違うと思い『進撃の巨人』にのめり込んだ。「ストーリー全体がダークだが、今日は作品の裏側にある人となりを見て、才能があるだけでなく地に足がついた人だと知りもっと好きになった。カリフォルニアにいる10代の息子はもっとファンなので私のことを羨ましがっています」と感想を述べた。 テキサス在住のメグ・ソレンセンさんは大学で日本語を学び、日本人のクライアントや友人が多く日頃から日本語に触れ合っている。「日本語で理解できたのは良かった。自分の言葉で話してくれ、幼少期の友人の話や自分は昔は貧乏だったとかお金を稼ぐことができて感謝しているなど、フランクに包み隠さず直球的だったので面白かった」。 3日間の開催中はこのほかにも、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の村瀬修功監督の登壇、『トライガン・スタンピード』『SPY×FAMILY』『モブサイコ100』やアニメ制作会社のパネルディスカッション、声優や漫画家によるサイン会などがあった。 日本人イラストレーター、Acky Bright(アッキーブライト)氏は、来場者を前にライブドローイングを披露した。グラフィックアーティストや漫画家にSNSで取り上げられて海外で知名度が増し、インスタのフォロワー数は今年10万人を突破。それと共にDCコミック、ハズブロ、BMWなど海外案件の仕事も増えている。 今年はLAやNYのイベントに出てみて、海外のアニメ熱の盛り上がりを直に感じたという。「ライブドローイング中の観客の反響やノリも良く、アメリカ最高です」。 彼の描くイラストは白黒の女の子とメカやツノなどの対比が特徴で、繊細で可愛くかつ豪快で力強さもある。この日の来場者も、イラストが描かれる過程をじっと興味深く見守っていた。 「ネットで世界にアピールできる時代になったが、日本で伝えられている情報と現地で実際に得られるものが違うと感じる。せっかく日本の文化が注目されているので、日本のアーティストはもっと外に出て行って現地に触れ、ファンと交流するともっと広がりが出ると思う」 今月25〜27日、幕張メッセの「東京コミコン2022」にも参加し、DCコミックのブースでライブドローイングを行うそうだ。 会場ではこのほか、ガンダムエキスポUSA、東映アニメーション、バンダイナムコ、クランチロール、原神などの展示販売、お好み焼きや弁当、カレーなど日本食の販売などもあった。 来場者はそれぞれのコスチュームで、思い思いの3日間を楽しんだ。 Anime NYC 2022 Attack on Titan Hajime Isayama’s panel highlights 『進撃の巨人』諫山創トークショーハイライト 過去記事 Text, photos and video by Kasumi Abe(Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

NYハロウィンパレードが渋谷の「仮装どんちゃん騒ぎ」とは根本的に違うと思うこれだけの理由

さまざまな年齢、人種、性別が入り混じるニューヨークのハロウィンイベントとパレードは、歴としたこの街の文化である。 近年、渋谷の若者がコスプレ姿で、表面だけを真似たドンチャン騒ぎをして物議を醸しているが、それとは似て非なるもの ── 久しぶりに本場のパレードを取材して、そう思った。 ハロウィンパレードと言えば、ニューヨークの10月の風物詩である。31日、世界最大規模のパレード、New York City’s 49th Annual Village Halloween Paradeが、今年も開催された。 ただの仮装パレードと侮ることなかれ。 1974年以降、新型コロナの感染拡大でパレードを行うことができなかった年を除き、半世紀の長い歴史と伝統を誇る大イベントだ。 文化や経済面でも、市に大きな功績を残している。 公式サイトによれば、都市生活を豊かにし街や文化を保存するための非営利団体、ニューヨーク芸術協会(Municipal Arts Society of New York)より、人々の文化的な生活に大きな貢献をしたとして賞を贈られている。 また国立芸術基金(National Endowment for the Arts)、市長観光助成金(Mayor’s Tourism Grant)、マンハッタン区長観光イニシアティブ(Manhattan Borough President’s Tourism Initiative)から、多額の助成金が出ている。これはひとえに、長年にわたる芸術的功績や経済にもたらす貢献が認められたからだ。 当地は観光都市であるから、観光客誘致のためにパレードが利用されているのも事実だ。このパレードは「何十万人もの観光客、および推定9000万ドル(約133億円)の観光収入をもたらす」と公式サイトで発表されている。よってこの規模のパレードは、市が一丸となって実施する意味合いが強い。 そもそも収穫祭や悪霊払いに由来しているハロウィンは、アイルランド系移民がアメリカに風習をもたらしてからは、子どもが楽しめるイベントへと変化していった。よってアメリカでは、毎年ハロウィンが近くなると、街中で子どもが「トリック・オア・トリート」(菓子をもらえないとイタズラするぞ)と言いながら、菓子をもらうために練り歩く微笑ましい光景を目にする。 よって当地で半世紀にわたって開催されているパレードも、家族向けを意識して構成される。仮装、出し物、山車も子どもが喜びそうな仕掛けのものが多い。 (写真)不動の人気「スリラー」のパフォーマンスは子どもにも人気。ハロウィンパレードにて。 今年のテーマは「フリーダム」 パレードには毎年テーマが設けられており、今年のテーマは「フリーダム」だった。 パレード参加者はただ行進しているだけではなく、見に来た人々にそれぞれの主張をする。 今年はフリーダムというテーマに沿い、以下のようなメッセージを掲げている参加者を目にした。 etc… (写真)家賃が高すぎると主張をする人。 仮装以上にそれぞれの主張は興味深く、パレードを見ていて飽きることはない。 このように社会問題への関心が高いことも、ハロウィンパレードの参加者の特徴の1つだが、日本のハロウィンパレードに参加した人から何か主張のようなものはあっただろうか。コスプレ姿で酒を煽って馬鹿騒ぎをしている人は、一体どのようなメッセージを社会に伝えているだろうか。 ソウルの事故を踏まえ警戒が高まった今年のパレード パレードでは、グランドマーシャル(先頭に立つ人)の1人として、NYPD警察本部長のキーチャント・スウェル氏が参加し、行進しながら市民と触れ合う場面も見られた。 今年は直前に、韓国ソウル市の梨泰院で起きた雑踏事故により、当地でのパレードには警戒感が一層強まっていた。当然このような大規模イベントには、NYPD(ニューヨーク市警察)がその威信をかけて、全力で警備にあたる。この日も多くの観客がパレードを見に集まったが、不測の事態に備え多くの警官が配備され警備にあたっていた。おかげで今年のパレードも大きな事件や事故はなく、成功裏に終わった。 もちろん多種多様な人がいるから、参加者の中には仮装して酒やドラッグを楽しんでいるだけの人も存在するのは事実だ。文化的背景がわからず参加している人がいるのも否定しない。 また都市の汚点としては、残念なことに治安悪化の一途を辿るこの街ではこの日もパレード終了後の深夜、同じ地域で21歳の男性が何者かに複数回銃で撃たれるという凶悪事件も発生した。(注:当地はコロナ禍以降治安が悪化している) しかし、この歴史あるハロウィンパレードに限って言えば、主催者側にイベント開催の意図や思いがあり、渋谷で近年模倣されているコスプレパーティーやお祭り騒ぎとは、本質的に異なる。 筆者が本場ニューヨークのハロウィンパレードを見て「いい大人が仮装して恥ずかしい」と思うことがないのは、そういうわけである。 ハロウィン関連記事 Text and some…

NYの飲食店で「焼酎」メニューが今後増えていくかもしれない…その理由

アメリカでは一般的に日本酒の「Sake」(サキと発音されることが多い)は知られていても、「Shochu」になるとまだ日本酒ほどの認知度には至っていない。 しかし今後、焼酎にもスポットライトが当たっていくかもしれない。 ニューヨーク州では6月30日、アルコール飲料管理法が改正された。これにより、ビールやワインなどと同類で、アルコール度数24%以下の焼酎もソフトリカーライセンスで販売することが可能になった。 つまりこれまで焼酎は、ハードリカーライセンスのある店(バーなど)でしか取り扱いができなかったが、度数24%以下であれば、ソフトリカーライセンスを持つ一般のレストランでもメニューとして置くことができるようになったというわけだ。 そこで10月3日、九州から蔵元11社を招き、日本酒造組合中央会(JSS)が主催してセミナーと試飲会が行われた。 参加した蔵元: ① 霧島酒造 ② 薩摩酒造 ③ 宝酒造 黒壁蔵 ④ 繊月酒造 ⑤ 高橋酒造 ⑥ 三和酒類 ⑦ 八鹿酒造 ⑧ 京屋酒造 ⑨ 赤嶺酒造場 ⑩ 玄海酒造 ⑪ 山の守酒造場 セミナーや試飲会では、お湯割りや酎ハイ、カクテルなどさまざまな楽しみ方ができる日本の焼酎の魅力が、飲食店関係者やメディアを対象に紹介された。 登壇者の一人、ビル・ガンサー(Bill Gunther)氏は、当地の日系のバーで焼酎に出合って以来焼酎にのめり込み、焼酎オタクを自称する。ガンサー氏は焼酎の魅力を発信するウェブサイトKANPAIの寄稿者でもあり、実際に九州の蒸留所を訪問するなどして、アメリカで焼酎の魅力を伝える活動をしている。焼酎のどこに魅力を感じたかについては「フレーバーがたっぷりで、飲みやすいこと」と話す。 参加者の1人も「焼酎カクテルを初めて試したが、飲みやすくて美味しかった」と感想を語った。また「ニューヨークは、新しいものにオープンで味に偏見のない人が多いので、今後広まっていくのではないか」と期待を寄せた。 関連記事 Text and photos by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

「分断した日本」安倍氏国葬。米英メディアは「反対派」をどう報じたか?

27日、安倍晋三元首相の国葬が執り行われた。アメリカをはじめとする海外メディアも、この国葬について報じた。 国葬の時間はアメリカ東部時間(EST)の真夜中だったため、国葬を取り巻くさまざまな報道が行き交ったのは翌朝だった。ニュースには、国葬を巡る「日本の分断」の問題が散見された。 「日本社会を真っ二つにした日」BBC 英BBCはShinzo Abe: A divided Japan bids farewell to its slain ex-PM(安倍晋三:分断された日本が殺害された元首相に別れを告げる)という見出しで、着物の喪服姿の昭恵夫人がお辞儀をしている写真と共に報じた。 「安倍元首相は国外で高く賞賛されたが国内では(評価が)分かれる人物で、国葬は大きな論争を巻き起こした」とし、会場の外での「騒々しい怒りのデモ」を引き起こしたとした。 「安倍氏の死後、多くの国民は安倍氏が日本に安定と安心を与えてくれたことに気付いた」「献花台に並ぶ人の列は3kmをはるかに超えた」と説明しながら、16億6000万円の国葬費用に激怒し「安倍氏はその栄誉に値しない」というデモ隊の声を拾い、「日本社会を真っ二つに切り裂いたような日だった」「複雑でしばしば分断的とされる安倍氏の遺産の象徴のようだった」と説明。 また、「国葬反対派の多くは年配の人々」「安倍氏の支持者の多くは若い世代」とも紹介している。 「年配の人々は『平和主義』憲法を支持し、多額の軍事費に反対してきた。それを憲法で変えようとしたのが安倍氏であり、戦争の記憶に悩まされていない世代は、日本の領土に対する中国の攻撃的な主張に反応している」 海外の要人については、「アメリカやオーストラリアなど世界の要人が参列したことや、エリザベス女王の国葬を欠席したインドのナレンドラ・モディ首相も参列したことは(安倍氏がそれほどの人物だったことを表し)驚きに値しない」とした。また「安倍氏は常に中国からの脅威の高まりを警戒していた。それは同盟国が抱いている懸念でもあり、(国葬に参列したこれらの要人は)安倍氏が時代をはるかに先取りしていたことを認識しているだろう」と分析した。 「生前と死後、日本の世論を二極化させた」ワシントンポスト 米ワシントンポストもA divided Japan sends off Shinzo Abe, its polarizing former leader(分断された日本が世論を二分した元指導者、安倍晋三を見送る)と、BBC同様に「分断」という単語を使った見出しで、安倍氏について「生前と死後、日本の世論を二極化させた人物」と報じた。 反対派の動きとして、「何千人もの人々がデモ行進し、16億6000万円の国葬費 — インフレの上昇と政府による十分な説明がなされなかったという扱いにくい問題 ― に抗議」「安倍氏と統一教会の関係を巡るスキャンダルが拡大し、抗議者の不満を増幅させている」と説明した。 この記事に関する読者のコメントは14件に留まっている。1100を超えるコメントがついている韓国の尹大統領の米議員への侮辱発言の記事と比較しても、14件は少ない方と言える。 読者からのコメントとして、以下のような意見が上がっている。 「この記事は、何千人もが献花台に列を成して花を捧げ、安倍氏に敬意を表した事実を故意に無視している」「エリザベス女王の国葬と比べると昼と夜の真逆のコントラストのようで、多額の費用がどこに使われたのかまったく見えなかった。ちょっとした工夫で刺激を与えることができるのに、会場は高校の体育館のようで華やかさに欠け、とても退屈で気が滅入る雰囲気で、記憶に残るものとは程遠い。同時通訳用イヤフォンは見えず、外国の要人は退屈そうだった。男性ばかりで女性の参列者の少なさも目立った」 「世界の要人、そして抗議者が集結」WSJ 米ウォール・ストリート・ジャーナルはShinzo Abe State Funeral Draws World Leaders, Protesters(安倍晋三の国葬に世界の要人、抗議者が集結)という見出しで、「何千人もが国葬に抗議する一方、世界の要人が日本でもっとも長く在任した元首相に敬意を表した」と報じた。 同紙は国葬自体について、「エリザベス女王の豪華な国葬とは対照的に、安倍氏の国葬は式典への長い行列や大規模な軍事展示を特徴とせず、祝日でもなかった」と紹介した。 安倍氏については、「自由で開かれたインド太平洋という言葉を作り出したのは彼だった。この原則は日米同盟を形成する絆の一部であり、我々は支持する」と、安倍氏の功績を称える参列者の1人、米ハリス副大統領のコメントに触れた。 「日本では滅多にない政治的安定をもたらし、国際的な知名度を上げた」人物としながらも、「彼個人の支持率は決して高くなかった」とも説明。 献花に訪れた一般市民の声として、賛否両方の声を拾った。「もっとも尊敬する政治家。隣国との困難な関係への対処など、日本がただの敗戦国のままにならぬよう懸命に働いてくれた」「日本に人生を捧げてくれた人物にせめて花を捧げたい」など支持派の意見を拾った一方で、安倍氏が推し進めていた憲法改正について「抑止のためだと言ったが軍事費が無制限に増やさざるを得なくなる」とする、デモ参加者の声も紹介。また「事件後に明らかになった、安倍氏および自民党と統一教会との関係は、岸田政府に対する感情を悪化させ、国葬への反対を強めた」とした。 過去記事 Text by…

米ハリス副大統領 国葬で今日から訪日。弔問外交4日間のスケジュールは?(詳細)

安倍晋三元首相の国葬の日がいよいよ迫ってきた。参列のため218の国・地域から約700人の要人が訪日予定で、岸田政権は各国代表団との弔問外交の意義を示している。 アメリカからは、カマラ・ハリス副大統領が国葬に出席する。 23日、米政府高官がメディアを対象に行ったプレスコールによると、ハリス副大統領と代表団らは今日(日本時間26日)、日本に到着する。滞在スケジュールは以下のようなものだ。 26日(日本時間、以下同) 東京に到着。夕方、岸田文雄首相と二国間会談を行い、安倍氏の死に哀悼の意を表すほか、台湾海峡の平和と安定の維持や自由で開かれたインド太平洋をはじめとするさまざまな議題について話し合う。 夜は岸田首相主催の夕食会に参加する。 27日 国葬参列で訪日するオーストラリアのアンソニー・アルバニーズ首相、そして韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)首相と、それぞれ会談を予定。 午後2時より、日本武道館で開催される安倍氏の国葬に参列する。 28日 日本の半導体企業の幹部らを招き、バイデン大統領が署名した(中国対抗半導体法の)CHIPSおよび科学法案や、米製造業への投資の意義などについて話し合う。 その後、ハリス氏一行は米海軍横須賀基地を訪問する。 29日 日本から韓国に移動し、ソウル市で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と、北朝鮮問題などについて二国間会談を行う。 その後、さまざまな業界で活躍する“groundbreaking Korean women”と呼んでいる団体と座談会形式の場を設け、女性の社会進出やジェンダー平等問題について話し合う。 ハリス副大統領は昨夏、ベトナムとシンガポールを訪問。日本と韓国には、バイデン大統領が今年5月に訪問したばかりだ。ハリス副大統領の今回の訪日の主な目的は、安倍氏の葬儀に参列してその死を悼み、暗殺という悲劇に見舞われた日本の人々をサポートすることとした上で、弔問外交としては、先の訪問のフォローアップ、つまり米経済の発展に焦点を当て、中国と台湾関係や北朝鮮の脅威などますます複雑化するインド太平洋地域の平和と安定を高める意味合いが強そうだ。 記者の1人から、安倍氏の国葬が日本で物議を醸していることについて問われると、政府高官はこのように答えた。 「日本の内部事情についてコメントするつもりはないが、我々の立場から言えることは、安倍元首相はアメリカにとって素晴らしい友人であり、日本にとっては偉大なリーダーだった。また、自由で開かれたインド太平洋地域というビジョンの背後にある主力の1人だった。彼は日米同盟を強化し大きく前進させた。これは重要な遺産であり、今後も我々は前進させていく」 過去記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

「米大統領 国葬で14列目のワケ」「日本の天皇の姿も」… 米英メディア報じる

19日、ロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われたエリザベス英女王の国葬で、アメリカのバイデン大統領の席が後ろの方の14列目だったことが、米英メディアで報じられた。 各国の要人500人を含む2000人が参列したこの国葬での、バイデン大統領夫妻の席順について、米ニューヨークポストは「世界でもっとも力を持つ人物かもしれないが、エリザベス女王の国葬では最前列の席を確保することができなかった」と報じた。 厳重な警備と道路規制のため、会場への移動は、天皇皇后両陛下を含む世界中の多くの要人が大型の乗り合いシャトルバスを利用した。一方バイデン大統領は、セキュリティの理由から、専用リムジン「ビースト」での到着を認められた数少ない要人の1人だった。そのため「交通渋滞に巻き込まれて遅刻したようだ」と英ガーディアンは報じた。 事前に発表されていたスケジュールによると、500人の要人ゲストは、午前9時35分から午前9時55分の間に着席する予定だったが、バイデン夫妻が着席したのは午前10時5分だったという。流れが中断されぬよう、夫妻はすぐに席に通されず、着席までしばし待つことを余儀なくされた。 大統領夫妻が着席したのは通路側の14列目で、ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領夫妻の後ろ、チェコ共和国のペトル・フィアラ首相夫妻の前、スイスのイニャツィオ・カシス大統領の隣だった。 通路を挟んで、チャールズ国王夫妻らが最前列に着席し、その後ろに英連邦でチャールズ国王を国家元首とする英国以外の14ヵ国の要人の席が続いた。そしてその後ろの方には、世界中のリーダーの席となっていた。ここでは、フランスのエマニュエル・マクロン大統領夫妻や、韓国のユン・ソクヨル(尹錫悦)大統領夫妻の姿もあった。 ガーディアンは「ホワイトハウスから依頼された特別扱い(ビーストでの到着)は、特に無理難題ではなかった」としたものの、(英国と親密な関係であるはずの)アメリカの大統領としてこのような席順になったことについては、「おそらく、要人を乗せたバスに便乗しなかったことによる結果だろう」とした。つまり、ほかの要人とは別行動での到着となったため、入りやすいよう、前の方でなく後ろの方の席が確保されたということのようだ。 「滅多に外国訪問しない天皇の姿も」と英紙 いくつかのメディアは天皇、皇后両陛下のご臨席についても、記事で触れた。 英インディペンデントは、「日本の天皇、徳仁(Japan’s emperor, Naruhito)のような、ロイヤルメンバーの姿があった。これらのロイヤルファミリーの多くは長年、英女王と所縁がある」とした。 ガーディアンは「参列者の中には、滅多に外国を訪問しない日本の天皇、徳仁(Japan’s emperor, Naruhito)と、愛子内親王(Princess Aiko)を出産後、宮内庁発表があった『適応障害』に苦しみ、公の場にほとんど出席していない皇后雅子(Empress Masako)の姿も目にした」として、記事を結んだ。 両陛下の席次について読売新聞は、ひつぎを挟んで向かい側の各国王室からの参列者席で「天皇、皇后両陛下は6列目」「隣はマレーシアのアブドゥラ国王だった」などと報じた。 写真を見る SNSでは「日本の天皇は両親の国葬を除いて葬儀に参列しないから、英女王の国葬に出席したのは非常に重要なこと」「ブータンの国王はいつも伝統的な衣装で良い。日本の天皇が英国式のモーニングスーツ(モーニングコート)を着ているのも好感が持てる」などの声が上がっている。 過去記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止