今日6月5日は、世界環境デー(環境の日、World Environment Day)。1973年に始まったもので、今年は50周年の記念の年にあたる。これを記念し、ニューヨークの世界貿易センター跡地で、地球の環境問題に訴えかける新たなパブリックアートのインスタレーションがお目見えした。 4メートルの高さの巨大な地球儀は、実はプラスチックごみからできたもの。手がけたのは、イスラエル在住の芸術家、ビバリー・バラカト(Beverly Barkat)さんで、作品名は「アース・ポエティカ」。3年もの年月をかけて作られた大作。 ビバリーさんが6大陸の海岸や海洋から、友人にも協力してもらいかき集めた廃棄物(ボトルや蓋、プラスチックの袋、漁網など)を、竹を割った隙間に詰めて作った。外から差し込む優しい光に照らされてステンドグラスのような美しさを放っているが、内側を覗いてみるとこれらの美しさのディテールは実は「ごみ」であることに気づく。まさにこれこそが「現実」である。 ビバリーさんはこの展示スペースと縁があり、視察をするタイミングで、たまたま観たドキュメンタリーでプラスチックごみ汚染の現実を知った。「この問題についてリサーチをすればするほど、これは1国ではなく世界が手を取り合って解決しないけといけないことだとわかった」とバラカトさん。これがごみによる地球儀を作るきっかけになった。「グランドゼロに位置するこの場所は世界中から観光であらゆる人が集まる場所。あらゆる人がこの作品を見て、この環境問題について考えるきっかけになれば」。 展示はグランドゼロにある3ワールド・トレードセンター(3 World Trade Center, New York, NY 10007, USA)にて今秋まで。入場無料。 Earth Poetica by Beverly Barkat ビバリー・バラカト:2014年、日本の書道からインスピレーションを得た絵画シリーズが第28回国際美術展(京都)にてキュレーター賞を受賞。 #ビバリー・バラカ #ビバリー・バーカット Text and photos by Kasumi Abe (「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止
Category: 環境
Zero Waste Danielのランウェーのないショーfrom NY ファッションウィーク2020
2月3日から12日まで開催中の「ニューヨーク・ファッションウィーク」。市内ではさまざまなファッションショーが催され、ファッション関係者やモデルなど世界中のおしゃれピープルが一堂に集まっている。 (続きを読む)「使い捨て文化でしたか?」21世紀最先端のファッション哲学がNYファッションウィークで開花 [All photos by Kasumi Abe]All images and text are copyrighted. 本稿はYahoo! Japan News個人からの転載。無断転載禁止
022 ゼロウェイスト、市内初のバルク(量り売り)デリ「Precycle」
ブルックリンのガイドブック『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ』の著者、安部かすみが、本で書ききれなかったことや、まだあるお気に入りスポットを紹介します。「大切な友人に紹介するとしたら?」という目線で選んだとっておき。今週はブッシュウィックにある「Precycle」です。 レシピを見て凝った料理をするとき、常備していない調味料や食材が必要になったりします。スーパーで買って残りを使わないままホコリが被ったもの、結構あったりしませんか? そんなときに「必要な分量だけ」を買える量り売り(バルクフード)店が、昨年12月オープンしました。昔は日本にもアメリカにもこういうお店、ありましたよね。 ゼロウェイスト(粗末にしない) 「Precycle」のウェブサイトの「The Problem」ページをクリックすると、海岸一帯を埋め尽くしている大量のペットボトルやごみの衝撃的な写真が掲載されていて、考えさせられます。 「市内初のゼロウェイスト専門のグロッサリーマーケットです」と、オーナーのカテリーナ。ジュエリーデザイナーをしていたある日、自宅で大量のごみを見て唖然(あぜん)としたそうです。「過剰包装されていないものを売る店、必要のないごみを出さない店を作ろう」。そう思い付いたのが2015年のことでした。 ここで販売されているものは、米、パスタ、小麦粉、豆やナッツ類、スナックやスパイス、発酵食品、茶葉、オイル類、せっけん、歯ブラシなどの生活用品、そしてジャーなどの透明容器です。 白みそ(1ポンド18ドル99セント)やキムチ(1ポンド8ドル99セント)、豆腐(1ポンド4ドル59セント)、マルカン酢(1ポンド4ドル 99セント)もあります。食品はできるだけオーガニック認証された地元産を仕入れています。 容器を持参しよう 重量分が料金なので、持参した容器の重量を店内にあるスケールでまず計り(その数値をスマホ撮影してレジで見せる)、必要な量だけを入れる。包装などはないので、購入後はそのまま自分のバッグへ。 「オープンから1カ月以上経ち、出たごみは1袋分のみ。これからもごみ量を、同業他社が出す平均量の10%以内に保っていきたい」とカテリーナ。 必要な分だけを買いたい時はもちろん、少量のみ必要な調味料や試したことのない味を試しで買うときなどにも、ぜひ利用してほしいお店です。 (Text & Photo by Kasumi Abe 安部かすみ) 本稿はWeekly NY Japionのコラム 、安部かすみ(Brooklyn本著者)が案内する「古くて新しい、とっておきのブルックリンへ」からの転載。無断転載禁止
013 手作りコスメ&自然ハーバルスキンケア「Brooklyn Herborium」
ブルックリンのガイドブック『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ』の著者、安部かすみが、本で書ききれなかったことや、まだあるお気に入りスポットを紹介します。「大切な友人に紹介するとしたら?」という目線で選んだとっておき。 今週はウィンザーテラスにある「Brooklyn Herborium」(ブルックリン・アーボリウム)です。 ホリスティックスキンケアのお店で、全商品をウィンザーテラス店奥のワークショップ(作業場)で手作り&少量生産しています。 日本の友人に連れて行かれて知ったと話したら、共同オーナーのモウリーは「口コミが日本まで広まっているのね」とうれしそうでした。 妊娠を機に「自然派」に目覚める 商品の原料は自然成分にこだわっていて、ニームの木のハーブなど一部は国産がないため輸入品ですが、基本的にはアップステートの農家などと対話し、仕入れ先を選定。環境問題にも取り組み、熱帯林の破壊につながるパーム油などは一切使用しないなど徹底したポリシーです。 モウリーの第一印象は、すてきな笑顔と透明感のある肌。洗顔にはクレー、保湿にはオイルとミストと自分たちで手作りしたものだけを使っていて、日焼け止めクリームやファンデーションは塗らないそう。以前は芸術家だった彼女は現在3児のママ。1人目を妊娠して、自然派に目覚めたそうです。 心身が健康になるフェーシャルも人気 ベイビーヨガクラスで出会ったハーバリスト&エステティシャンのエマが市販品で肌が荒れ、オリジナルライン「Between You & The Moon」を作ったことから2人は意気投合し、店を2011年に立ち上げました。 ホリスティックとは、肌表面だけでなく体の内側と外側、メンタルなども含んだ総合的なアプローチのこと。フェーシャルサービス(75分、169ドル~)では、コンサルテーションもしっかり行います。 「伝統的なハーバリズムをベースにアユールベーダなどさまざまなメソッドの良さを組み合わせて提供しています。ただし人は自ら治療する力がある。私たちは心身ともに健康になるための『神聖な旅』に出るドアを開けているだけです」 メソッド取得の見習いコース(毎週、3カ月間)もあり(参加無料)。 「いいものは私たちだけのものにしておきたくない」海外からの応募歓迎とのことです。 (Text & Photo by Kasumi Abe 安部かすみ) 本稿はWeekly NY Japionのコラム 、安部かすみ(Brooklyn本著者)が案内する「古くて新しい、とっておきのブルックリンへ」からの転載。無断転載禁止
007 創作カクテルのおいしいバー「The Binc」
ブルックリンのガイドブック『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ』の著者、安部かすみが、本で書ききれなかったことや、まだあるお気に入りスポットを紹介します。「大切な友人に紹介するとしたら?」という目線で選んだとっておき、今週はブルックリンハイツにある「The Binc」です。 ブルックリンには、歴史的建造物の保存地区が33カ所もあり、ブルックリンハイツは第1号として1965年に認定された地区。 それより102年も前の1863年に創立されたブルックリン歴史博物館を中心に、映画に出てくるような重厚なブラウンストーンが一帯に広がり、街歩きが楽しい地区です。 関連全6店はすべてブルックリンに そんなブルックリンハイツを散策していてたまたま見つけたバーが、この「The Binc」でした。 The Bincがオープンしたのは2016年。姉妹店全6店の一つとして誕生しました。 姉妹店は、Bevacco、Provini、Bar Tano、Bar Toto、Ogliastroなど、すべてブルックリンにあり、イタリア系です。 そしてBevaccoとThe Bincは隣同士で、Bevaccoでの食事後にThe Bincへ移動し2次会というのもカンタンです。 The Bincは看板バーテンダーのフレージャー・タイが生み出す、季節ごとのクラフトカクテルが自慢。常時13種類以上がそろい、好みを伝えればその場でオリジナルカクテルを作ってくれます。 中でも人気は、日本文化にインスパイアされた酒&ジンベースの「ボンサイ」と、メキシコの蒸留酒メスカルベースの「エビータ」。 私はボンサイをいただきましたが、ワサビが鼻腔を通ってほんのり香り、レモンの爽やかさと黒コショウの苦味が混じり合ったユニークな味で飲みやすく、一瞬で飲み干してしまいました…。 環境問題にも真剣に取り組む店 この店は、環境問題にも真剣に取り組んでいます。脱プラスチックに向け、プラ製ストローから紙ストローへの移行をオープン時から計画していました。取引先の会社が紙ストローを取り扱っていないため、紙ストローの業社を調べたそう。 「価格は1本プラ製が0.005セントほどなのに対して、紙製は3~5セントほどに値上がりしました。でも環境保全を考えたらどうってことのない差額です」と、ジェネラルマネジャーのエイミー・マスセナ。 今後は、フードの持ち帰り用の紙製容器の導入も考えていくそうです。T (Text & Photo by Kasumi Abe 安部かすみ) 本稿はWeekly NY Japionのコラム 、安部かすみ(Brooklyn本著者)が案内する「古くて新しい、とっておきのブルックリンへ」からの転載。無断転載禁止