中国の偵察気球「あと数日間、米上空を飛行か」「撃墜しない理由」…米英メディア報道

アメリカでは、国土の上空飛行が確認された中国の気球の話題で持ちきりだ。 米北部上空で確認されている気球について、中国はコース外に飛ばされた民間の気象観測気球であると主張し、珍しく謝罪の意を示した。一方、アメリカ側はその気球を中国の偵察気球(スパイバルーン)と見ており、「明確な主権の侵害と国際法の違反にあたり、受け入れられない」と強く非難している。 この日夜、中国・北京に向け出発予定だったアントニー・ブリンケン国務長官は、この気球問題が中国との会合の話し合いの中心になることを望まないとし、訪問の延期を発表した。 ガーディアンの動画ニュース インディペンデント紙は、中国の偵察気球について「米国防総省は気象研究用の気球だとする中国の主張をきっぱり否定。撃墜を含む『対応策を検討中』」と報じた。 アメリカのパット・ライダー准将は、3日正午の記者会見で「(中国の)声明は承知している。しかしながら実際、我々はそれが偵察気球であることを知っている」とし、「我が国の領空においていかなる飛行物体の侵入も容認できない」「アメリカは引き続き、対応の選択肢を検討している」と述べた。 またライダー准将は同日の時点で「この気球がアメリカの中央部の上空、約6万フィート(1万8300メートル)上空を東方向に移動していることを確認した」と述べた。気球には操縦能力があり「飛行コースが変更した」という。そして「あと数日間、アメリカ上空にある可能性が高い」との見解を示した。 USAトゥデイによると、一般的な商用機の飛行時の最高高度は約3万5000フィート(3万3000〜4万2000フィート)。軽飛行機でも通常1万フィート近くだという。この偵察気球は、航空機よりさらに高い上空を飛行していることになる。しかし高度の変化によっては(カメラの望遠レンズなどで)地上から確認することもできているようで、同准将は偵察気球の位置に関する正確な詳細を明らかにすることを拒んだものの、「一般的に空を見上げ、気球がどこにあるかを見ることはできる(確認時にできた)」と付け加えた。 米国防総省の発表によると、この気球は150の核弾頭を収容するモンタナ州のマルムストローム空軍基地を含む「機密がある多くの施設」の上空を通過し、3日午後には、カンザス州北東部やミズーリ州北西部の上空でも確認されている。 マイク・ペンス前副大統領やマイク・ポンペオ前国務長官などから、バイデン政権の弱腰が非難され、気球を「撃ち落とすべき」との声が上がっている。 しかしCNNに出演した専門家によると、この気球はバス3台分の大きさでメタルが使われ、撃ち落とさない理由として「撃ち落とすことによる破片が地上に与える損害が、気球自体が与えるリスクを上回ると判断した」という。またこの気球には、中国がすでに使用している地球低軌道の偵察衛星より多くの情報をもたらす能力はないこともわかっている。 あらゆるリスクを回避するため、アメリカ側は今のところ偵察気球を撃ち落とす選択をしていないようだ。 アメリカでは近年、ハワイとグアム上空でも中国からの偵察用とされる同様の飛行物体が確認されている。 米国内の中国関連記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

値上げラッシュ、インフレ進む米国でも以前より「安くなったもの」がこんなにあった! 

日本では値上げラッシュが毎日のように伝えられるが、アメリカでも日本以上の値上げラッシュが起こっている。 米国農務省(USDA)による経済調査サービス(ERS)の最新の報告によると、食品におけるCPI(消費者物価指数)は昨年11月から12 月までの上昇率が0.3%と高止まりの傾向が見られるものの、食品価格は2021年12月に比べ1年間で10.4%(スーパーマーケットでの食品価格は11.8%)も高くなった。 中でも値上がりが顕著なのが卵。鳥インフルエンザの影響で価格が高騰し、アメリカではエッグフレーション(Eggflation)なる新語も生まれるほど。もはやスーパーには12個入りのもので5~12ドル(640円〜1540円)の高級卵しか残っていない。ERSによると、価格は1年前と比べ32.2%上昇したとある。 スーパーの卵売り場には、どこもこのような張り紙が出されている。「卵生産業界で前例のない供給不足となっているため、ご希望の商品がない場合があります。供給不足を緩和しできるだけ早く通常の供給レベルに戻れるよう取り組んでまいります。心からお詫び申し上げます」 エッグフレーション関連記事 探せばまだある「価格が落ちたもの」 そんな物価高のアメリカにおいても、探せばまだ安いものはある。 詳しくは、昨年の拙稿を参照してほしい。 物価高騰のニューヨーク、じつは探せばまだこんなに「安いモノ」が残っていた!(マネー現代) この記事で紹介した「これまでずっと安いもの」とは少し違い、コロナ禍以降に「価格が落ちたものがある」と主要メディア、NPRは先月28日付のポッドキャストで報じた。 NPRの担当記者は米中貿易戦争の影響を調べるため、2018年以来、米小売最大手のウォルマートの同じ店舗に通い続け、価格の推移を記録した。 ウォルマートとは? 関連記事 担当記者はこの間、ウォルマートで売られているありとあらゆるものの価格を比較し続けた。その結果、全体的に商品価格がコロナ禍前と比べ23%も上昇したことがわかった。また、シュリンクフレーションと言われる内容量の減少も身を以て体験したようだ。 ただ意外だったのが、筆者も気づかなかったが、中にはコロナ禍前より「価格が安くなったもの」も存在するという。 以下のものは、2019年よりも現在の方が安い。 あくまでも、ウォルマートでの価格比較ではあるが、ウォルマートは大手でアメリカのスーパーの代表格であるから、この店での価格の推移はアメリカの一般的な価格推移と言ってほぼ間違いないだろう。 価格が落ちた理由はさまざまだが、例えばスクリュードライバーについては、このような理由があるようだ。 「ウォルマートは、工具のビッグブランド、スタンレー(STANLEY)社の商品を取り扱っているが、PB(プライベートブランド)であるハイパータフ(Hyper Tough)を作ったことで、より安く提供できるようになった」 またこれはウォルマートに限らないが、テレビ本体の価格が年々安くなっているのは周知の通りだ。さまざまなメディアが関連記事を出している。 アトランティック誌の記者は、「自分が子どもだった1980年代のテレビは、1メートルを超える立方体で、木製の箱に収められ、電子機器というより家具や家宝のような存在だった」と振り返る。 「昔はかなり高額だった。当時の販売価格は約800ドル前後。これは現在の価値で換算すれば2500ドル(約32万円)ほどになる」 新車の価格は10年前と比べほぼ横ばいだが、同誌によると、食品や医療などほとんどの価格は2000年以降に80~200%上昇した。一方、テレビの本体価格だけが97%も安くなった。 「65インチのサムソン製テレビが4年前は3400ドル(約43万円)以上したが、同じ商品が昨年は900ドル(約11万円)になった。ソニー製のテレビは昨年2300ドル(約29万円)だったが、現在は900ドル未満で購入できる」(WRDW) なぜ、テレビがこんなに安くなったのだろうか? まず、若い世代がテレビを観なくなり、需要が減りつつあるというのは理由の1つだろう。筆者の周りでもZ世代やミレニアル世代の多くは、テレビ自体を持っていない。代わりにテレビより利便性で優れ、たった数百ドルのアイパッドの方が需要は大きい。固定された場所にあるテレビと違い、ソファやベッドの上など好きな場所で映画やドラマ、スポーツを視聴できるツールに需要は流れている。 アトランティック誌によるとほかに、少数の大企業が独占するスマートフォン市場に比べると、テレビは大規模な競争市場のため、価格の下落が実現できるという。 さらに価格下落の理由の1つに、販売に頼らない『購入後の収益化』があると、前述のメデイアは述べる。 「各メーカーは視聴者が観ている番組を追跡し、その情報を広告主に販売することができる」(WRDW) 「今やインターネット機能のないテレビを見つけることは不可能に近い。デバイス(スマートTV)を安く販売する代わりに、視聴内容をリアルタイムで記録し、収集したデータを広告主に売ることで利益率を補っている。無料でサービスを提供する検索エンジン、SNS、電子メールのプロバイダーのようなものだ」(アトランティック誌) このような理由で、価格高騰の波に負けず、テレビの本体価格も近年、大幅な値下げが実現できているというわけだ。 インフレ関連記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

今夏配信の人気ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』続編が話題。NY撮影地にファン集まる

Photo: キャリーが住んでいたアパートを訪れた、SATCのファン。(c) Kasumi Abe ニューヨークを舞台に、90年代後半から2000年代前半にかけて一世を風靡したドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』(Sex and the City=SATC)。その続編が2021年12月、『And Just Like That…(セックス・アンド・ザ・シティ新章)』として蘇り、日本でも話題になった。 配信元のHBOマックスは昨年3月、『セックス・アンド・ザ・シティ新章』の続編となるシーズン2の制作に入ることを発表していたが、ここにきて続報が入ってきている。 米各紙(エル誌、ヤフー・エンターテインメントなど)の報告によると、シーズン2の配信開始は今年の夏ごろのようだ。そしてドラマの舞台、ニューヨークでの撮影の模様もいくつか伝えられている。 この人気ドラマシリーズの新作を待ちわびているファンの間では、ドラマ撮影地を巡るツアーも好評だ。 撮影地を専用バスで廻る「Sex and the City ホットスポットツアー」には、この日13人が参加した。うち2人は男性で、いずれもドラマは観ていないが連れの女性に誘われて参加したという。残り11人は全員、SATCファン。全米のみならずヨーロッパからの参加者もいた。サラ・ジェシカ・パーカー世代かと思いきや、意外や意外、20代や30代の女性が多かった。 ツアーを主催する「On Location Tours」のツアーガイド、ルー・マシュー(Lou Matthew)さんによると、『セックス・アンド・ザ・シティ新章』の影響もあって、撮影地を巡るツアーは今も多くの参加者から依頼があるという。若い世代がこのドラマに関心を寄せる理由については、母親の影響だと語る。 「『SATC』の熱狂的なファンだった親が娘へその面白さを伝えることで、娘もストリーミングやDVDで昔のドラマをチェックするなど、名作SATCは、親から子へしっかり受け継がれているようです」 ロンドンからニューヨークを旅行中のミラさんは、自身の誕生日に彼にお願いし、このツアーにカップルで参加した。「イギリスでもこのドラマはすごく人気です。ツアーでいろんな撮影スポットを実際に訪れて目にすることができ、それぞれのシーンが当時自分が抱いた感情と共に蘇ってきました」と嬉しそうに語った。 一行は、キャリーが住んでいたダウンタウンのアパート(タウンハウス、冒頭写真)も訪れた。「このビルの所有者は44年前に60万ドル(約7800万円)で購入したものなんですよ」とマシューさんは豆知識も紹介。現在の価格はビルが売りに出されていないため不明だが、「隣のビルが8年前に売りに出されていた時の価格は1800万ドル(約23億円)でした。不動産価格の高騰で現在の価値はさらに高いでしょう」(マシューさん)。 ツアーはこのほかにも、ドラマに登場したトレンディなレストランやバー、カップケーキの店など市内数ヵ所を廻った。 ファンはしばし撮影地を訪れてドラマに思いを馳せながら、新作の到来を首を長くして待っているようだ。 SATC 関連記事 Text and some photos by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

NYオフブロードウェイ・ミュージカル「Stranger Sings!」3月まで延長上演

週末、オフブロードウェイ・ミュージカル『Stranger Sings!』(ストレンジャー・シングス)を観てきました。 ストーリーは、ネットフリックスで配信されたSFホラードラマシリーズ『Stranger Things!』(ストレンジャー・シングス、邦題『未知の世界』)のパロディおよび劇場版。舞台は1983年のインディアナ州の小さな町。行方不明になった少年を巡って、不思議な超常現象が繰り広げられます。 ファッションや髪型、ローラースケートなど栄光の80年代にタイムスリップし、笑いあり驚きありの楽しいお芝居でした。 天井には古典的なステンドグラスのライト。ステージは真ん中のフロアで、それをぐるっと囲むように観客席が設けられています(正面はまるで自宅リビングのようなソファタイプの椅子も)。四方八方から現れる演者の熱気や息遣いが直に伝わってきて迫力大。 先日観劇した『K-POP』もステージとの目線が近く、観客がステージを囲むという意味では似たような形式だったし、オフブロードウェイはこのように演者と観客との距離感が近いのも良いです。 当初、元日に終演予定だったけど、好評につき8週間延長され、3月5日までの期間限定公演になります。 Text by Kasumi Abe (ノアドット「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

妖艶に腰落とすポーズが全米で話題 お笑い芸人アツコ・オカツカさんって誰?

大谷翔平選手、大坂なおみ選手、BTSなどアメリカでアジア系の人々が話題になる中、エンタメ界ではある女性が大注目されている。 スタンドアップコメディアンのアツコ・オカツカ(Atsuko Okatsuka)さん。アメリカのショウビジネスの表舞台に彗星の如く登場し、頭角を現している。 オカツカさんは昨年、ニューヨークタイムズに「コメディ部門の2022年ベストデビュー」として選ばれた。 最近の話題作は、先月10日にオンエアが開始したHBO MAXオリジナル『Atsuko Okatsuka: The Intruder(ザ・イントゥルーダー)』だ。彼女は、HBOでコメディ番組を持った2人目のアジア系女性となった。 彼女の芸風は、自分のルーツに絡んだネタを笑いにしたものが多い。 ちなみにアメリカのコメディアンは、黒人が黒人を、アジア系がアジア系の特徴を笑いにするなど人種ネタを取り入れることは割と多い。そしてほかの人種がそれを大笑いするのも許される。 オカツカさんもこの国のマイノリティであるアジア系を逆手に取り、「親は自分にアツコ・オカツカと(アメリカでは聞きなれない名前を)つけたのに、自分たちの名前は英語名なんだよね。ご丁寧にありがとう、母さん」と自虐ネタを披露し、会場は大爆笑。「食べろ、食べろ」と年配のアジア系の人がよく言うセリフを使ったネタも、面白おかしく披露している。 彼女はちょうど1年前、ビヨンセの曲『パーティション』と共に艶めかしく腰を下ろすドロップチャレンジ(Drop Challenge)を披露し、ソーシャルメディア上で瞬く間に広がった。俳優のテリー・クルーズやテニスのセリーナ・ウィリアムズ選手などセレブが次々に真似をし、さらに話題となった。 つい最近、CBS局の人気番組『ザ・レイトショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』にもフィーチャーされ、ドロップチャレンジのことを話している。この番組のゲストにブッキングされることがどれほどすごいかは、ここ1、2ヵ月でゲスト出演したヘンリー王子や大坂なおみさんなどの錚々たる名前を見ればわかる。過去に近藤麻理恵(こんまり)さんも出演している。 アツコ・オカツカさんは日本にルーツを持つ日系人? 彼女の英語を聞く限り100%アメリカ人だが、名前は100%日本人だ。 彼女のルーツについて、ウィキペディアには「日本人と台湾人のハーフで、台湾で生まれ日本で10歳まで育ち、母親と祖母とアメリカに移住した」とある。自身も過去の動画で「私は日系と台湾系のアメリカ人コメディアンです」と自己紹介している。 また動画の中で、幼少期についてこのようにも告白。「ある日祖母に『2カ月、アメリカ旅行に行くわよ』と言われて渡米。そのうち滞在ビザが切れ、7年間オーバーステイ(不法滞在)となった」。 無名時代のお笑いのステージ(2016年) 5年前の映像で、「スタンドアップを始めて8年になる」と言っていることから、2010年ごろからスタンドアップ・コメディアンとして活動をしているようだ。以前より、日本の文化(アメリカでは聞き慣れない自分の名前や日本の変わったクリスマスなど)もネタにしている。最近は、祖母や夫をフィーチャーしたネタやダンスネタを取り入れたり、たまにセミヌードになり超セクシーな格好でSNS上に現れる。これらも話題作りの1つだろう。 筆者は彼女のインスタグラムやツイッターの中からいくつかのイメージを見て、一時期のブルゾンちえみさんをよりセクシーなアメリカ版にした印象を持ったが、どうだろうか。 志村けんさんが亡くなった時のインスタに、「日本にいた時、自分にとってのアイドルだった」と追悼していた。オカツカさんが日本のお笑いに影響を受けた芸人であることは間違いなさそうだ。 現在は3月中旬まで、コメディショウで全米ツアー中のオカツカさん。今年はさらに、アメリカ中を笑いの渦に巻き込んでいくことだろう。 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

写真美術館ICPでポートフォリオ展 NYで明日より開催

写真とビジュアル作品に特化したニューヨークの美術館、ICP(International Center of Photography ã€å›½éš›å†™çœŸã‚»ãƒ³ã‚¿ãƒ¼ï¼‰ã§ã€æ˜Žæ—¥ã‚ˆã‚Š2つの新たな展覧会がスタートする。 「Face to Face」展は、現代アメリカのポートレート撮影界では外せない3人の著名フォトグラファー、ブリジット・ラコンブ(Brigitte Lacombe)氏、タシタ・ディーン(Tacita Dean)氏、キャサリン・オピエ(Catherine Opie)氏による作品が並ぶ。 オーガナイズは、作家のヘレン・モールスワース(Helen Molesworth)氏が担当した。 もう1つの「Between Friends」展では、アンディ・ウォーホルが撮影した友人の小説家、トルーマン・カポーティの写真など、20万点に及ぶICPのコレクションの中から厳選された作品が展示されている。 ポートレート撮影と言えば、スマホが浸透した昨今、撮る方も撮られる方も、その難しさを感じている人は多いのではないだろうか。 筆者は新人だった頃、日本でプロ・ミュージシャンインタビューをしていた。撮影もその多くは、私が担当していた。その時代に使っていたのはフィルムカメラ。デジタルと違って、出来上がりは焼き上がるまでわからない。相手は東京からやって来たミュージシャンで再撮なんてできないから、当然失敗は許されない。慣れないもんだからもたもたしたり、念には念を入れ多すぎるほど撮影して時間がかかったりで、誰もが知るミュージシャンをイライラさせてしまったことがある。 また旅先の街角で素敵な人を見かけたとき、写真に収めたい!と思っても、相手が見知らぬ自分にレンズを向けられどう思うか不安で躊躇したり、恐る恐るレンズを向けたことも。せっかく撮影した千載一遇のベストショットを誤ってデリートしてしまったのも忘れられない記憶。そんな数々の失敗を経て今に至るのだが、その葛藤は今も続く。 実は今日の取材も撮影ありだった。被写体は不動産ブローカーのセールスの方でノリが良く見た目も絵になるので救われたが、それでも未だ簡単なこととは思えない。毎回試行錯誤しながら、自分にとってのベストショットを手探りする日々。 フォトグラファーが撮りたいイメージと被写体が撮られたいイメージに乖離があったりするし、私自身もそうだがレンズを向けられると急に表情が強張ってしまうことがある。良い表情をもらうには、何よりフォトグラファーと被写体との信頼関係が大切だ。 相手との距離感を乗り越え、プロのフォトグラファーはどのように被写体に向かっているのか。この展覧会で、自分の目で確かめてみてほしい。 この特別企画展は、5月1日まで。 Info ICP Text and photos by Kasumi Abe (ノアドット「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

今年既に100件超。6歳児や飼い犬の発砲〜春節のアジア系乱射事件…米で止まない銃暴力

春節の祝祭中、アジア系による乱射事件相次ぐ カリフォルニア州サンフランシスコ近郊のハーフムーンベイで23日、乱射事件が起き、2箇所で計7人が死亡、1人が負傷した。 その2日前には、ロサンゼルス近郊のモントレーパークのダンスホールでも乱射事件が起き、11人が死亡、9人が負傷したばかりだった。 23日の事件の容疑者、チュンリー・ジャオ(Chunli Zhao、66)が襲ったのは、同僚や元同僚だった。容疑者は逮捕され、事件の動機について取り調べが進められている。 21日の事件で、フー・キャン・トラン(Huu Can Tran、72)容疑者が発砲したのは、余暇に行っていたダンスホールだった。容疑者は事件後、別のダンスホールにも銃を持ち込んでいたが、20代の男性客ともみ合いになり銃を取り上げられ、逃走した。その後、警官が逃走車を包囲する中、容疑者は車内で銃で自殺した。事件の動機は不明だが、容疑者がダンスホールで悪口を言われ、それを恨んでいたという情報もある。 これら2つの乱射事件にはいくつか共通点がある。春節の祝祭の最中で、共に容疑者がアジア系の高齢の男による犯行だった。犯行場所やターゲットは、容疑者がよく知るもの。使用されたのは、全米で最も広く携帯されている半自動小銃だった。 6歳児が口論の末、教師を撃つ 今月は乱射事件のほかに、不可解な銃撃事件も相次いでいる。 バージニア州の小学校ではなんと、6歳の少年が故意に教師を撃つ事件も発生した。 今月6日、担任のアビゲイル・ズワルナー(Abigail Zwerner、26)さんと小1の生徒が教室で口論の末、銃撃事件に至った。少年はバックパックから銃を取り出し発砲。銃弾はズワルナーさんの胸部に当たり重傷を負ったが、一命を取り留めた。児童は母親が合法的に購入した9ミリのトーラスピストルを自宅から勝手に持ち出し、登校していた。 児童は障害があり、保護者と通学し共に授業に出席する「ケアプラン」という特別保護下にあった。しかし事件が起こった週は、初めて保護者なしで登校していた。 事件を起こした児童の保護者は、弁護士を通じて「責任を持って銃を所有し、子どもの手の届かない場所に保管してきた」「息子が手にした銃器は現在、安全が確保されている場所に保管されている」と、声明を出した。 事件発生現場となった教室では、ほかの児童は机の下に隠れて怯えていたという。学校現場であってはならないことが起こり、教師も生徒もどれほどの恐怖に苛まれただろうか。今後小学校には金属探知機が設置されるという。しかし、空港にあるあのような金属探知機が教育現場にまでとは、小首を傾げることだ。  飼い犬によるアクシデントで発砲 カンザス州では21日、犬が車内の後部座席でライフルを踏み、弾が誤って発射され、飼い主の男性が死亡する事件も起こった。 亡くなったのは、ジョセフ・オースティン・スミス(Joseph Austin Smith、30)さん。警察の調べでは、スミスさんはピックアップトラックの助手席に座っており、後部座席に狩猟用具とライフル、そして飼い犬を乗せていた。銃弾はスミスさんの背中に命中した。スミスさんの隣に座っていた運転手にけがはなかった。 地元警察は事件後、銃の所有者を対象に、車内では銃器を適切に保管するよう注意を促したが、不注意から起こるこの手の事件は銃が身近にあるからこそ、もはや特別感がなく粗放に扱った結果、起こるべくして起こってしまった出来事のように思えてならない。 銃による死者、今年すでに2940人超 銃暴力の統計サイトのGun Violence Archive(ガン・バイオレンス・アーカイブ)やピープル誌などの報告によると、昨年1年間で全米で発生した意図しない銃撃事件は1600件以上で、年が明け今年に入ってからも、すでに108件発生している。乱射事件は40件だ。 銃で死亡した人数は今年はすでに2941人で、うち他殺(殺人)は1291人、銃を使った自殺は1650人となっている。 過去記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

【まとめ】 人種差別 – 黒人差別&アジア人差別関連記事

オーサーの安部かすみが記事で発信してきた有色人種差別(黒人差別、アジア人差別など)を中心に、ここにリストでまとめます。 1. 人々の証言 実際に差別を受けた人、周りで見た人に話を聞きまとめました。 日系人強制収容から80å¹´ 強制収容所生まれ、被爆後の広島育ち、ベトナム戦でPTSD、3つのアジア系差別を経験 ─ 日系人・古本武司さんが伝えたいこと (前編) (後編)  NYで多発するアジア人差別 暴行受けた日本人ミュージシャン、その後ハーレムで突然暴行を受けたジャズピアニスト、海野雅威さんの証言 日系三世女性の見た、故郷「アメリカ」シカゴ生まれの日系三世のジュリー・アヅマさんの証言 日本人に間違われ「動物以下の扱いで」殺されたヴィンセント・チン事件ミシガン州弁護士、日系三世のジェームズ・シモウラさんの証言 日本人には決して語れない「黒人としてアメリカで育ち、生きること」ニューヨーカーのリアルな声 2001年米同時多発テロ。ニューヨークに住む人々にとって9/11はどんな日だったのか 2. 人種差別関連の事件、出来事 2022å¹´ 警官に“60発”撃たれた黒人男性ジェイランド・ウォーカーと過去の類似事件。警察は今後追いかけない? ホワイトハウス記者会見、直後の視聴190万回!BTSがもたらすアジア系差別問題への効果は? 生中継で中国の「ジェノサイド」複数回触れられる …【北京五輪 開会式】米メディアはどう報じたか NY地下鉄線路に突き落とされたアジア女性の悲劇 ホームドア設置が急務も「なかなか進まない」事情とは 2021å¹´ 黒人が投票しにくい?新たな投票法が米メジャーリーグやコカコーラも巻き込む騒ぎに 容疑者は性依存症との報道も 8人死亡の米アジア系マッサージ・スパ連続銃撃事件 アジア系へのヘイトクライム急増、女性誌編集長のアジア人侮辱ツイートが大問題に Newsweek Japan 2020å¹´ 「日本には差別がある」ナイキ広告が炎上し世界に波及 本国アメリカではどう映った? 大坂なおみ優勝 黒人差別に対するメッセージも含め米メディアはどのように報じたか 「黒人差別は“個人”でなく“構造”の問題」をあらわにしたブレオナ・テイラー射殺事件を今一度解説 NY市警察に殺された日本人留学生事件 この機会に思い出してほしい7年前の悲劇 アジア系米国人記者に「中国に聞け」と激怒し会見打ち切ったトランプ その一部始終 白人警官への怒り全米各地に飛び火 NYでも最大規模の抗議活動「息ができない!」と叫び続ける人々 至近距離から7発!子連れ黒人男性に警官発砲、一命取り留めるも半身不随に ── 終わらないBLM 殺人犯の白人は撃たれず、黒人は簡単に撃たれるという米国の矛盾 ── 自警団とは? 17歳少年ライフル乱射に発展、3人殺傷 ── 警官に7発撃たれたジェイコブ・ブレーク事件その後 至近距離から7発!子連れ黒人男性に警官発砲、一命取り留めるも半身不随に ── 終わらないBLM 破壊、略奪、デモ(市長の娘も逮捕)そしてコロナ禍・・・終わらないNYの悲痛と苦悩 殺意を持って丸腰の黒人を殺した白人警官 実はフロイドさんのことを以前から知っていた? NY外出制限中もバーにビーチに人が殺到 警官の暴力的な取り締まりに市民の不満さらに NY 犬の散歩の口論で人種差別問題に発展 SNSで女性への執拗な死の脅迫が続々と…

物価高、インフレ進む米国 思わぬ食品、卵が「高級品」の仲間入りのワケ

先日、ニューヨークの友人とこのような会話になった。 「何でも値上がりで嫌になるわよね」 「卵が9ドルよ、9ドル!牛肉が7ドル。牛肉より卵が高いって、一体どうなってるのよ!?」 厳密に言うと、牛肉も卵も重量や質によって価格はマチマチだが、それでもここ1年の卵価格の上昇率は尋常ではないと感じていたので、友人の指摘はごもっともだと思った。 日本でも日々価格高騰が伝えられるが、アメリカ、特にニューヨークやロサンゼルスなどの大都市での価格高騰は日本の比でないほど顕著だ。今やラーメンはチップも含めると20ドル(約2600円)以上は当たり前。並みのレストランやフードホールで軽くサンドイッチを食べても、だいたいそのくらい。観光客が行ったファミレスでちょっとしたパンケーキセットの朝ごはんが2人で8000円だったとも伝えられている。 観光客が行く店は、地元の人が普段使いするそれより一般的に価格が高い傾向があるが、それでも地元民が普段使いする飲食店やスーパーでも価格が上昇したことは日々実感中だ。 ここで特に気になるのは、冒頭に書いた尋常でない卵の価格高騰である。 スーパーでは肉や魚、パン、バター、シリアル、スナック菓子など食料品全体の価格が跳ね上がっているが、上昇率が尋常でないのが「卵」なのだ。 インフレ前は一般的なスーパーで、1ダース(12個入り)2~3ドル台(約300円前後)の商品が主流だったと記憶している。しかしここにきて、主流商品は5~7ドル(約642~899円)に、中には9ドル~12ドル(約1155~1540円)近くする高級品のようなものまである。今やアメリカでは、卵そして卵を使った料理は歴とした「高級品」である。 昭和時代の戦後間もない時、アメリカでも昔は高級品だっただろう。しかし時代は21世紀。卵は卵である。筆者は今の所最安値から1つ上のランクの5、6ドル台の商品を選ぶことが多く、それで満足している。1600円近くする卵には到底手が届かない。一体どんな飼育方法で生まれ、どんな味だろうかと思いを馳せる。 「なぜ卵の価格がこんなに高いのか」米誌が解説 なぜ卵の価格がここまで上がってしまったのだろうか? カリフォルニア州で12個入りの卵が7.37ドル(約946円)に値上がりしたとして、食関連のマガジン『フード&ワイン』は13日、「なぜ卵の価格がこんなにも高いのか」という記事を発表した。 アメリカ労働省の今月の消費者物価指数によると、家庭の食料品価格の上昇を示す波は横ばいに落ち着いているが、卵1ダースの価格だけが上がり続けており、前年比で59.9%上昇したという。昨年11月から12月にかけての上昇率は著しく、11.1%も跳ね上がった。平均価格は2021年12月の時点で1.79ドルだったのが、昨年11月の時点で3.59ドル、12月で4.25ドルになった。 卵の価格を押し上げる要因はいくつかあるが、最大の要因は進行中の鳥インフルエンザの流行だという。アメリカ農務省の発表では、46州で約5800万羽のニワトリや七面鳥が鳥インフルエンザに感染し殺処分されたことで、産卵鶏の数は5%減少した。これが供給に影響しているようだ。 また卵の価格高騰の理由はほかにも、燃料費、鶏の飼料費、卵のパッケージの包装費などの上昇が関係している。 ニューヨーク市内のスーパーの卵売り場では、このような張り紙も見るようになった。 「現在、全米で卵不足による価格高騰が続いています。これらの供給の課題に対処するためできる限りのことを行っています。ご理解に感謝します」 また卵の価格高騰の影響を受けているのは一般の消費者だけではない。飲食業界の経営者にも頭が痛い問題だ。 同誌は、「卵のコストが週750ドルから2500ドルに跳ね上がった」と頭を抱える飲食店の経営者や、メニューの値上げを踏みとどまっている別の経営者のコメントなどを紹介している。値上げの踏みとどまりの理由は、「消費者が、この価格高騰の裏でいったい何が起こっているのかをどこまで理解しているかわからないため、闇雲にメニュー表の値上げに踏み切ることをためらう。新規客に気軽に店に来てもらいたいから」。 飲食業界の悲鳴は、日本もアメリカも同じようだ。 インフレ 関連記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

ハリー王子はなぜここまで暴露するのか?米テレビ番組で本人が語った「告白の真意」

アメリカで本の売れ行き絶好調 10日に発売したハリー王子の回顧録『SPARE(スペア)』。 本の中でハリー王子は、兄のウィリアム皇太子や父チャールズ国王との確執から、コカインなどの麻薬使用、年上女性との初体験の具体的な描写、アフガニスタンでの敵兵25人の殺害など、数々のショッキングな内容を事細かに暴露し、世間を驚かせている。 英王室のあるイギリス国内の世論は辛辣だ。ハリー王子の支持率急落も伝えられる。英国民にとって、自分たちの愛する英王室一家が、ハリー王子夫妻により虐げられているのだ。これ以上の屈辱はないだろう。 王室がなく、王室に嫁いだ妻(メーガン夫人)の出身国で、夫妻の受け入れ(移住)先となっているアメリカでの、この本の受け止めは非常に良い。 売り上げは、発売初日の10日だけで、アメリカ国内で40万部が売れたと発表され、11日付のニューヨークタイムズによると、予約注文も含め米国、カナダ、英国の初日の売り上げは143万部にも上るという。この数字は、大手出版社ペンギン・ランダム・ハウスがこれまでに出版したノンフィクション本の中で、初日売上高の最高記録だそうだ。 アメリカの世論からは同情を買っているハリー王子夫妻であるから、本の内容に対する評価もかなり良い。米アマゾンのレビューは今のところ、総合4.5で圧倒的に5星が多い。 筆者もニューヨーク市内の本屋を覗いてみた。ちょうど新年のセール中のため、大多数の割引対象商品がフロア全体を占領している中、『スペア』はレジ周りに陳列されていた。店員によると、この店でも売れ行きは良いという。 市の公共図書館はどうなっているか探ると、ブルックリンの図書館だけで179部が入荷しているが、発売日当日ですでに1219人が待ちの状態だった。 本の発売を前に、ハリー王子はアメリカでいくつかのテレビ番組に出演した。 CBS局の長者番組、『60ミニッツ』と『ザ・レイトショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』などだ。前者はベテランキャスターのアンダーソン・クーパー氏によるインタビューで、後者はベテラン司会者スティーヴン・コルベア氏によるトークショー。どちらも人気番組だ。 前者の番組は、クーパー氏による真剣なインタビューとなった。ちなみに番組側が放送前、英王室報道官にコメントを求めたところ、英王室から放送前に番組内容の開示を求められたという。番組は公平で対等なジャーナリズムの見地から開示要求に応じなかったことが伝えられた。 後者の番組の司会者、コルベア氏はコメディアンだ。“スペア”(予備)の椅子も用意され、この日は特別にテキーラを飲みながらリラックスした状態で終始笑いに包まれトークが進んだ。王子はお酒を呑んでいるせいかテンションが高めで、トーク内容は(おそらくイギリスでは許されないだろう)下ネタとピー音も交えた。(男性器や下着の呼び方のイギリス英語とアメリカ英語の違いと双方のリアクションも興味深く、笑いを誘った) それらのテレビ番組に本人が出演し直接コメントしたことで、いくつかの疑問が本人により解き明かされた。 疑問1 王子はなぜここまで英王室や自身の人生を暴露するのか? 王子によると、米カリフォルニア州に移住した2020年はロックダウン中で、静かに暮らすことができた。「自分を取り巻く社会やコントロールからの解放を味わうことができた。できれば今後も静かに暮らしていきたかった」と本音を漏らすも、妻(メーガン夫人)についてのリークや偽情報を好き勝手にメディアに書かれ続けたことから「匿名のソース(情報源)からの情報はタブロイドの餌食となり読者を過熱させ、妻と子を傷つけることになりかねない」と危機感を覚えた。そのため「腰を据えて、真実を自分の口から直接話す必要があると感じた」と言う。 「この本に書いてある情報は、匿名のソースによる情報ではない。すべて自分の口から出たものだ。ソースは自分(だから偽情報はない)」と述べた。 クーパー氏は「(英王室はあなたによって)『会話がリークされ、どうやって信じられる?』と言っているが」と食い下がると、王子は「事の始まりは妻に対する日々のでっち上げからで、その結果我々は国を追われるに至った」と、自分たちはあくまでも被害者という姿勢を崩さなかった。 疑問2 なぜアフガニスタンでの敵兵殺害を詳細まで書いたのか? 嘘偽りのない情報を自らの口で言うにしても、アフガニスタンで殺害した25人のタリバン兵の話など、告白が過ぎるのではという意見が上がっている。アフガニスタンでは抗議運動も起こっていると伝えられる。 王子自身はまず「この会場に元兵士はいますか?」と視聴者に問いかけた。会場からは拍手と歓声が上がった。 (注:アメリカでは国を守る兵士、元兵士=退役軍人は崇められ、ヒーロー扱いされる) 王子はこのように述懐した。「殺害人数も含めこれらの告白は、聞く側にとって居心地が悪いものであることは承知です。自分にとっても執筆内容でもっとも危険でチャンンジングなことの1つだった。自分を危険に晒すことになるのは疑いの余地はない」。 コルベア氏が「自分と自分の周りの愛する人たちが標的になる可能性が高まるということですね」と問うと「そうです」と答え、「それでもあえて書くことを自ら選択した」と言った。 ではそのような危険を覚悟の上で、なぜ書いたか? 「この事実を恥と思わずに、詳細に至るまで正直に本でシェアすることで、(PTSDに苦しむ世界中の元兵士の)自殺者を減らすためだ。これが本で伝えたかった自分の目標だ」 会場は大きな拍手と歓声に包まれた。 番組の中では、このように述べたハリー王子も印象的だ。 「この美しいアメリカは素晴らしい所です」 新天地アメリカが心から気に入っている様子のハリー王子。アメリカ人にとってはこの上ない褒め言葉である。ハリー王子とコルベア氏は2杯目の杯を交わす。 王室のある英国と比べ、米国では夫妻を擁護する声が多く上がっている。行く先々で温かく迎え入れられているだろう。 一方で王子は、父とも兄ともしばらくやりとりをしていないと言う。「間違ったことをしたのであれば謝りたいと言っているけれど、相手は何も言ってこない」「しかしながら、心の中では家族であることは今後も変わらないし、もう一度家族としての要素が戻るといいなと思っている」。このように、仲違いしている家族に対する思いを寄せることも忘れなかった。英王室メンバーにはもう戻るつもりはないことも明かした。 Photo (Top): 英国の書店(イメージ)。Photo by Tuur Tisseghem on Pexels.com ハリー王子夫妻 関連記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止