【米中間選挙】NY投票所内に入ってみた。当日の様子、有権者の声

アメリカで8日、中間選挙が行われた。 大統領就任の翌年に行われることから、現政権に対する国民の評価が大きく影響し、2年後の大統領選挙を占う上でも重要な選挙だ。記録的なインフレや治安悪化などの諸問題を背景に、野党・共和党が連邦議会の上下両院で過半数に迫る勢いで、与党・民主党との激しい競り合いとなっている。 この日筆者は有権者に話を聞くため、ニューヨーク市内の投票所内の様子を見に行った。 筆者が訪れたのは、マンハッタン区東ミッドタウンの投票所。通常は公立小学校だが、この日は休校で、体育館が投票所として使われていた。 まず受付があり、すぐそばに通訳スタッフも待機。「スペイン語、中国語、韓国語など多言語でのサポートが法律で決められています」と、ニューヨーク市選挙管理委員会のエグゼクティブディレクター、マイケル J.ライアン氏。このように、市民権を得たばかりの人も初めての投票で困らない配慮がある。また警官が投票所ごとに1人ずつ配備され、安全が守られている。 来ている人々の年齢層は、お年寄りからZ世代と思しき若者までさまざまだ。3ヵ月の赤ちゃんを抱っこ紐で抱えた若い女性もいた。 話を聞こうと投票を終えた何人かに声をかけたところ、人々は足早に立ち去り、今回も取材拒否者が続出した。ニューヨーカーは取材を申し出るとオープンにあけすけに話してくれる傾向があるが、いざ話題が政治や選挙となると人々の表情は途端に硬くなる。 コメントをかろうじて聞くことができたとしても、写真撮影NGで匿名を希望する人は多い。これまで選挙戦のたびに当地で行った取材で、筆者は何度もそのような人を見てきた。友人家族には、余計な摩擦を排除するため、伴侶がどちらの政党に投票したかをあえて話さない夫婦もいるほどだ。 投票所内での撮影は、有権者の顔が映る場合は本人の許可を得るなど最大の配慮をしたが、取材陣が近くにいるだけで拒絶感を露わにする年配の男性もいた。 人々のこの日に賭ける真剣さが伝わってくるようだった。 「投票用紙の上から下まですべて青色(民主党)に投票しました」と言うのは、起業家のローズ-マリー・ホワイトローさん(63)。この中間選挙がいかに重要かについて、「この国が将来、民主主義を貫くか、それとも狂信者やキリスト教国粋主義者による泥棒政治、独裁政治の国に堕落していくのかを決めるものです」。上・下院共に民主党が多数派を占めることになったとしても「選挙の正当性を巡り対立は深まり、混乱は続くでしょう。シンバブエ、ロシア、ハンガリーのような選挙になってはなりません」。 保守派でリバタリアンというジョセフ・サンダースさん(74)は、保守路線として共和党候補に投票した。「民主党政権がこの2年間でもたらした悲惨な現状」が、彼を投票所へと駆り立てたと言う。特に問題と感じるのは「移民対策や治安悪化、フェンタニルによる死亡やMS-13、インフレ、対中国・ロシア・北朝鮮・イランへの我が国の脆弱化した外交政策、粗末なアフガニスタン撤退劇、胎児の殺害(中絶擁護)」。 「郵便投票やコンピュータ操作による不正選挙はあったと信じている」とサンダースさん。よって民主的な選挙結果にはあまり期待は持てないようだが、「それでもより多くの資本主義支持の候補者が勝つ希望を私はまだ持っています」。 公務員のエリザベスさんは、民主党支持を表明。「今回の中間選挙が特に重要なのは、中絶権は女性の命にかかわることだからです」と語る。バイデン大統領の掲げる政治議題を支持している彼女は、議会で民主党過半数の維持を期待する一方、「国の和解も見たい」と言った。 「異なる意見に対して敬意を持って聞き、共通の基盤を見つけ、民主的な方法で同意できるようになることができたらというのが私の願いです」 関連記事 Text and photos by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

なぜ走る?「それができるから」… 5万人が5万通りの走る理由を掲げ市内を走り抜いたNYCマラソン

6日に行われたニューヨークシティマラソン。 1970年に始まった歴史ある国際マラソン大会だ。初年度は男子55人(女子0人)からスタートし、2019年には過去最高の5万4118人(男子3万1182人、女子2万2936人)が出場した。 今年も世界125ヵ国と地域から5万人のランナーが出場した。 完走者はこれまで通算120万人を超え、2019年の出場者5万4118人のうち、完走したのは5万3639人と、どの国際マラソンよりも多かった(今年の正式な数字はこれから*)。 5万人いれば、5万通りのストーリーがある。 この日完走した一般ランナーに、出場した感想や走る理由を聞いた。 「走ることができるから走る」 「人々とハイファイブしたり、沿道からの声援を受けたりして、楽しいレースだった」と、バージニア州から参加したカサンドラ・オールダムさん。ニューヨーク大会は初めてだが、フルマラソン出場はなんと40回目! 今日のタイムは4時間20分で、自己ベストは3時間42分を出した今年9月のベルリン大会だ。 なぜ走るのか?との問いに「走ることができるから走るのです」とカサンドラさん。20歳の時に大事故に遭い左足首の関節を失い「もう2度と走ることができない」と診断された。10年間車椅子生活を送り、そこから復活して今ここにいる。「走ることは、2度とできないと言われたことでも可能であるということを私に教えてくれるものです」。2024年の東京マラソン参加も目指すそうだ。 この2週間で2マラソンを完走 メキシコ出身のアントニオ・メディーナさん。この日のタイムは3時間58分。自己ベストは2015年の3時間21分。「今日ももっと早くゴールできたけど、暖かかったのでペース配分に気をつけました」。マラソンが大好きで、現在の居住地ニューヨークの大会だけでも12回出場。つい2週間前にもアトランティックシティマラソンに出場したばかりだと言う。「自分でもクレイジーな挑戦というのはわかっているよ」と苦笑い。よって今日のレースはあまり期待していなかったらしいが「最後の2、3マイルが大変だったけど楽しく走ることができた。今とても幸せな気持ちです」。 走る理由について「自分自身への挑戦のため。生きているって感じるし、健康になれるし、周りの人に良い刺激を与えられるものでもある」。 東京から参戦!「また走りたい」 「蒸し暑かったです。3日前に到着し、時差ボケが抜けなくてコンディションも最悪でした」と苦笑いするのは、東京から出場した岡本晃一さん。フルマラソンの挑戦は4回目で、この日は3時間50分弱で走り抜いた。 「沿道の皆さんの温かい声援がずっと途切れなくて、走りながら途中手を振り返したりしていたら、立ち止まることができなくなり、休むことなく完走できました」。楽しすぎて、もう一度走りたいと早速意欲を見せる。「身体は走りたくないけど心が走りたいと言っています!」と最高の笑顔を見せた。 5週間前にロンドンマラソン アイルランド出身でロンドン在住のルース・ダーヴァンさんもなんと、5週間前にロンドンマラソンに出場したばかり。「とても蒸し暑かった」今日のタイムは、3時間39分。自身の中で悪い成績と分析したが、前の大会から十分な時間が空いておらず、楽しかったのでそれで良しと笑う。 なぜそこまでマラソンが好きなのか?「私は挑戦が好きだから」と即答。「今はもうクタクタな状態だけど、おそらく明日になるとまた別のマラソン大会に申し込むでしょう!」。 関連記事 筆者が撮影した2021年の動画 Text and photos by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

ケニア男女が制覇 日本勢も上位。NYCマラソン

6日、ニューヨークシティマラソン(TCS New York City Marathon)が開催し、男女共にケニア勢が圧勝した。 優勝 男子:エバンス・チェべト(Evans Chebet)(ケニア)2:08:41 女子:シャロン・ロケディ(Sharon Lokedi)(ケニア)2:23:23(写真) 男子車椅子:マルセル・フグ(Marcel Hug)(スイス)1:25:26 女子車椅子:スザンナ・スキャローニ(Sussannah Scaroni)(アメリカ)1:42:43 今大会は4月のボストン大会に続く優勝で、2019年以来4つのマラソン大会で1位の成績を残すなど、圧倒的な強さを見せたチェベト選手。レース後の記者会見では、「私にとって厳しいレースだった」と振り返った。 過酷なレースと言えば、米大陸の記録保持者のダニエル・ド・ナシメント(Daniel Do Nascimento)選手(ブラジル)にとってもそうだ。32kmまでトップを独走していたが、その後失速し、歩き出したかと思ったらついには倒れ込んでしまい、途中棄権となった。同選手は昨年の東京オリンピックでも2度倒れ、途中棄権している。 ニューヨークのこの日の気温は摂氏23度近く、湿度は70%前後と高めだった。 日本勢も大健闘。5位の大迫、ゴールと共に崩れ落ちる この日、日本勢も上位に入るなど大健闘した。 プロ日本勢の結果 男子: 大迫傑 5位(2:11:31) 鎧坂哲哉 6位(2:12:12) 女子: 上杉真穂 17位(2:32:56) 車椅子男子: 渡辺勝 6位(1:39:20) 前日本記録保持者で、2月の現役復帰後の初マラソンに挑んだ大迫傑選手。5位で入賞するも、ゴールラインを越えると共に姿勢が前屈みに崩れ、その場に倒れて四つん這いの状態となった。駆け寄った大会ディレクターが大迫選手を支え、足を引きずるようにしてその場を後にしたが、このシーンは彼にとってもどれほど過酷なレースだったかを物語っていた。 (つづく) 関連記事 Text and photos by Kasumi Abe (Yahoo! ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

大迫傑 復帰そして世界の強豪コメント NYCマラソンいよいよ明日(現地時間5日配信)

今年もニューヨークシティマラソン(TCS New York City Marathon)の季節がやってきた。 今年は51回目を数える。新型コロナの感染拡大で大会が2020年に中止となったが、昨年規模を縮小して復活。今年は通常通り、5万人のランナーの参加が見込まれている。 日本選手は上杉真穂(女子)、大迫傑(男子)、鎧坂哲哉(男子)、渡辺勝(車椅子、男子)、さらに多数の一般ランナーが国内外から出場する予定だ。 大会を目前に、優勝候補の有力選手(一部)に抱負を聞いた。 大迫傑 20年東京大会で自己記録、マラソン復帰戦 2020年の東京マラソンで自己記録(2時間05分29秒)を出し、21年の東京五輪(6位)後に引退した大迫傑選手。今年2月に現役復帰を表明し、アリゾナでトレーニングを積んできた。5000mとハーフマラソンで復帰しているが、フルマラソンは五輪以来となる。 「復帰してから準備期間が長ければ良いと思っていた」ことから本大会の出場を決めた。「アメリカで再スタートが切れ、モチベーションが上がります」。 当日の気温予報は摂氏24度と11月にしては暖かくなる予定。「寒いより暖かい方がいいので」と条件は悪くなさそうだ。 何より、心身共に復帰後は余裕が出てきたと語る。マラソン“初戦”という意気込みはなく、リラックスできていることが伝わってきた。「しっかりと自分の力を出し走り切ることが第一目標。いつも通りスマートなレースを心がけている。後半のセントラルパークが上り坂なため、そこに向けて体力を温存して走りたい」。 アルバート・コリル  昨年同大会の勝者 昨年の同大会(男子)の勝者(タイムは2時間08分22秒)、ケニアのアルバート・コリル(Albert Korir)選手。圧倒的な強さが印象的だった。 豪快に大きくジャンプしたゴールシーン(冒頭の写真)について、「幸せな気持ちを見てくれた人々に表したかった」と振り返った。 当地の大会に強く、19年も2位に輝いている。また17年のウィーン大会、19年のオタワ大会でも優勝。今年4月のボストンマラソンは6位(2時間08分50秒)だった。 トレーニングプログラムは変えていないが「体が強くなったと感じている」と自信をにじませる。今大会に向け「準備は整った。昨年のような良い結果になることを期待している。楽しみだ」と語り、王者の貫禄を見せた。 エバンス・チェベト ボストン大会の勝者 4月のボストン大会の勝者、ケニアのエバンス・チェべト(Evans Chebet)選手(タイムは2時間06分51秒)。2020年のバレンシア大会で、自己最高の2時間03分00秒を出すなど、調子は上り坂のようだ。 本大会ではデビュー戦となる。抱負としては「ボストンと同じ調子になれば」と語った。「まず30kmで調子が良かったらそこから35km、そしてゴールに向けてメンタルをフォーカスする」。 今大会の最大のライバルを問うと、アルバート・コリルとエチオピアのシュラ・キタタ(Shura Kitata)の2選手を即答した。「とは言えこのレースに向けトレーニングを積んできたから(勝つ)自信はある。自分のベストを出し切り、最高の結果を出したい」と語った。 ゴティトム・ゲブレシラシエ オレゴン世界選手権の勝者 7月のオレゴン世界選手権マラソン(女子)の勝者、エチオピアのゴティトム・ゲブレシラシエ(Gotytom Gebreslase)選手(タイムは2時間18分11秒)。昨年のベルリンマラソンでも1位の成績を残している。 3位だった今年3月の東京マラソン(2時間18分18秒)についても「非常に良いレースだった」と振り返る。 本大会で勝つための戦略を尋ねると、余裕の笑みを見せながら、こう一言放った。「勝つだけ。ただそれだけよ」。大会で結果を出すためにトレーニングを積み、今ここにいる。そして迎える本番。「余計な戦略はなし」と自身の奥底からの自信がみなぎる。筆者の斜め後ろにいた記者が「勝つだけ。好きだわ、その答え」とうなずいた。 そのほかの強豪選手 2017年のシカゴ大会の勝者(21年は2位)のガレン・ラップ(Galen Rupp)選手は本大会ではデビュー戦となる。36歳の今「10年、15年前にやれていた厳しい練習をこなせない現実がある反面、年齢と共に心臓機能はより鍛えられている」「練習を積めば、例え40歳であろうと世界記録更新は可能」と前向きな姿勢を見せた。「タイムより順位重視」と語り、優勝を目指す。 かつての米女子記録保持者のケイラ・ダマト(Keira D’Amato)選手も本大会ではデビュー戦。「今年は調子がいい。スタート時は気分が高揚しスピードが上がりがちだが、過去のレースの敗因を糧に、周囲を窺いながらペースを上げるべきか否か冷静に判断したい」と語った。 東京五輪米代表選考会で1位でゴールしたアリフィン・トゥリアムク(Aliphine Tuliamuk)選手は、翌21å¹´1月(五輪の半年前)に出産。新型コロナ規制が敷かれる中、授乳が必要な乳児を母親が帯同できるようルール変更を求めてIOCに働きかけ、それが叶った。五輪レースでは腰の故障で途中棄権し結果を残せなかったが、本大会で再起を賭ける。 今年のソウル大会(タイムは2時間04分51秒)で米大陸の記録保持者となった、ダニエル・ド・ナシメント(Daniel Do Nascimento)選手、今年10月のシカゴ大会(車椅子、女子)の勝者、スザンナ・スキャローニ(Susannah Scaroni)選手らの活躍も見逃せない。 5000mで東京五輪をはじめさまざまな大会でメダルを獲得しているケニアのヘレン・オビリ(Hellen Obiri)選手は、今大会で初マラソンに臨む。 市内各所でイベントも 市内各所では、ちびっ子マラソンやLGBTQランナーなどさまざまな関連イベントが開催され、本番への機運が高まっている。 4日にはセントラルパークのゴール付近で、オープニングセレモニーが開かれた。各国ランナーや応援団によるパレードがあり、日が暮れた後は花火が夜空を舞い、祭り気分を盛り上げた。 本番当日、沿道では一般市民からの声援に加え、DJやパフォーマーが出場者の気分を盛り上げる。音楽に躍動された一般ランナーの中には仮装姿でノリノリな人やリズムに合わせて踊りながら走る人の姿も見かけるほど。 2019年には出場した5万4118人のランナーのうち、5万3639人が完走。どの国際マラソンよりも完走者が多い。その理由の1つとして「声援が勇気づけに繋がっていたら嬉しい」と語るのは、沿道からの応援を始めて10年以上になるニューヨーク太鼓愛好会の代表、遠山京子さん。毎年声援を送る場所は、サウスブロンクスからと決めている。「コース後半に差し掛かり、地域柄沿道の人も少ないので、そんな場所から太鼓の音色でランナーを勇気づけられたら」と語る。 選手、応援団、受け皿となるニューヨークの街、すべての準備は整った。あとは本番を迎えるだけだ。 関連記事 Text…

NYハロウィンパレードが渋谷の「仮装どんちゃん騒ぎ」とは根本的に違うと思うこれだけの理由

さまざまな年齢、人種、性別が入り混じるニューヨークのハロウィンイベントとパレードは、歴としたこの街の文化である。 近年、渋谷の若者がコスプレ姿で、表面だけを真似たドンチャン騒ぎをして物議を醸しているが、それとは似て非なるもの ── 久しぶりに本場のパレードを取材して、そう思った。 ハロウィンパレードと言えば、ニューヨークの10月の風物詩である。31日、世界最大規模のパレード、New York City’s 49th Annual Village Halloween Paradeが、今年も開催された。 ただの仮装パレードと侮ることなかれ。 1974年以降、新型コロナの感染拡大でパレードを行うことができなかった年を除き、半世紀の長い歴史と伝統を誇る大イベントだ。 文化や経済面でも、市に大きな功績を残している。 公式サイトによれば、都市生活を豊かにし街や文化を保存するための非営利団体、ニューヨーク芸術協会(Municipal Arts Society of New York)より、人々の文化的な生活に大きな貢献をしたとして賞を贈られている。 また国立芸術基金(National Endowment for the Arts)、市長観光助成金(Mayor’s Tourism Grant)、マンハッタン区長観光イニシアティブ(Manhattan Borough President’s Tourism Initiative)から、多額の助成金が出ている。これはひとえに、長年にわたる芸術的功績や経済にもたらす貢献が認められたからだ。 当地は観光都市であるから、観光客誘致のためにパレードが利用されているのも事実だ。このパレードは「何十万人もの観光客、および推定9000万ドル(約133億円)の観光収入をもたらす」と公式サイトで発表されている。よってこの規模のパレードは、市が一丸となって実施する意味合いが強い。 そもそも収穫祭や悪霊払いに由来しているハロウィンは、アイルランド系移民がアメリカに風習をもたらしてからは、子どもが楽しめるイベントへと変化していった。よってアメリカでは、毎年ハロウィンが近くなると、街中で子どもが「トリック・オア・トリート」(菓子をもらえないとイタズラするぞ)と言いながら、菓子をもらうために練り歩く微笑ましい光景を目にする。 よって当地で半世紀にわたって開催されているパレードも、家族向けを意識して構成される。仮装、出し物、山車も子どもが喜びそうな仕掛けのものが多い。 (写真)不動の人気「スリラー」のパフォーマンスは子どもにも人気。ハロウィンパレードにて。 今年のテーマは「フリーダム」 パレードには毎年テーマが設けられており、今年のテーマは「フリーダム」だった。 パレード参加者はただ行進しているだけではなく、見に来た人々にそれぞれの主張をする。 今年はフリーダムというテーマに沿い、以下のようなメッセージを掲げている参加者を目にした。 etc… (写真)家賃が高すぎると主張をする人。 仮装以上にそれぞれの主張は興味深く、パレードを見ていて飽きることはない。 このように社会問題への関心が高いことも、ハロウィンパレードの参加者の特徴の1つだが、日本のハロウィンパレードに参加した人から何か主張のようなものはあっただろうか。コスプレ姿で酒を煽って馬鹿騒ぎをしている人は、一体どのようなメッセージを社会に伝えているだろうか。 ソウルの事故を踏まえ警戒が高まった今年のパレード パレードでは、グランドマーシャル(先頭に立つ人)の1人として、NYPD警察本部長のキーチャント・スウェル氏が参加し、行進しながら市民と触れ合う場面も見られた。 今年は直前に、韓国ソウル市の梨泰院で起きた雑踏事故により、当地でのパレードには警戒感が一層強まっていた。当然このような大規模イベントには、NYPD(ニューヨーク市警察)がその威信をかけて、全力で警備にあたる。この日も多くの観客がパレードを見に集まったが、不測の事態に備え多くの警官が配備され警備にあたっていた。おかげで今年のパレードも大きな事件や事故はなく、成功裏に終わった。 もちろん多種多様な人がいるから、参加者の中には仮装して酒やドラッグを楽しんでいるだけの人も存在するのは事実だ。文化的背景がわからず参加している人がいるのも否定しない。 また都市の汚点としては、残念なことに治安悪化の一途を辿るこの街ではこの日もパレード終了後の深夜、同じ地域で21歳の男性が何者かに複数回銃で撃たれるという凶悪事件も発生した。(注:当地はコロナ禍以降治安が悪化している) しかし、この歴史あるハロウィンパレードに限って言えば、主催者側にイベント開催の意図や思いがあり、渋谷で近年模倣されているコスプレパーティーやお祭り騒ぎとは、本質的に異なる。 筆者が本場ニューヨークのハロウィンパレードを見て「いい大人が仮装して恥ずかしい」と思うことがないのは、そういうわけである。 ハロウィン関連記事 Text and some…

第49回NYのヴィレッジ・ハロウィンパレード in 2022

歴史あるニューヨークのハロウィンパレード。49年目を数える今年の様子を写真でお届けします。 今年もニューヨークで安全にパレードが開かれたのはニューヨーク市警(NYPD)のおかげ。パレードで行進し市民と触れ合うNYPD警察本部長、キーチャント・スウェル(Police Commissioner, Keechant L. Sewell)氏。 The 49th Annual New York’s Village Halloween Parade Monday, October 31, 2022 at 7 p.m (ビデオも近日投稿予定) Text and photos by Kasumi Abe 無断転載禁止

ソウル雑踏事故 米留学生2人も犠牲に。大規模なNYハロウィンイベント警戒高まる

韓国ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)での雑踏事故。死者154人(うち外国人26人)の中には日本人留学生2人に加え、駐韓国米国大使の発表で、少なくとも2人のアメリカ人留学生も犠牲になっていることがわかった。 ワシントンポストの報告によると、1人はジョージア州出身でケネソー州立大学の学生、スティーブン・ブレシ(Steven Blesi、20)さん。将来、国際ビジネスの分野で働くことを目指していたブレシさんは、大学生活の1学期を海外で学ぶことに充てたいと希望していたが、新型コロナの感染拡大で計画を2年延期し、この秋やっとその夢が叶ったばかりだった。 「(息子にとって)初の大冒険」(父親のコメント)だった海外での新生活は、今年8月に始まったばかりだった。ブレシさんは家族と頻繁にWhatsAppで連絡を取り合い、先週末父親に「中間試験が終わったので友人と遊びに行く予定」であると伝えていた。父は「気をつけてね。愛しているよ」と返信したが、それが息子との最後のテキストメッセージになった。 父は梨泰院での雑踏事故を知り、ブレシさんに何度も電話をかけたがブレシさんが電話に出ることはなかった。そのうち現地の警察が電話を取り、ブレシさんの携帯電話が事故現場から見つかったと伝えられた。 父親は、「どうして(現地当局は)群衆管理をしなかったのか理解できません」と答えた。 NPRによると、もう1人の犠牲者はケンタッキー大学の学生、アン・ギースキ(Anne Gieske)さん。ケンタッキー州出身のギースキさんは看護学を学ぶために、海外留学プログラムの一環として韓国に滞在していた。 日本人の犠牲者2人と同様に、彼らも留学生活を楽しみに渡韓した若者だった。 韓国ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)での雑踏事故。死者154人(うち外国人26人)の中には日本人留学生2人に加え、駐韓国米国大使の発表で、少なくとも2人のアメリカ人留学生も犠牲になっていることがわかった。 ワシントンポストの報告によると、1人はジョージア州出身でケネソー州立大学の学生、スティーブン・ブレシ(Steven Blesi、20)さん。将来、国際ビジネスの分野で働くことを目指していたブレシさんは、大学生活の1学期を海外で学ぶことに充てたいと希望していたが、新型コロナの感染拡大で計画を2年延期し、この秋やっとその夢が叶ったばかりだった。 「(息子にとって)初の大冒険」(父親のコメント)だった海外での新生活は、今年8月に始まったばかりだった。ブレシさんは家族と頻繁にWhatsAppで連絡を取り合い、先週末父親に「中間試験が終わったので友人と遊びに行く予定」であると伝えていた。父は「気をつけてね。愛しているよ」と返信したが、それが息子との最後のテキストメッセージになった。 父は梨泰院での雑踏事故を知り、ブレシさんに何度も電話をかけたがブレシさんが電話に出ることはなかった。そのうち現地の警察が電話を取り、ブレシさんの携帯電話が事故現場から見つかったと伝えられた。 父親は、「どうして(現地当局は)群衆管理をしなかったのか理解できません」と答えた。 NPRによると、もう1人の犠牲者はケンタッキー大学の学生、アン・ギースキ(Anne Gieske)さん。ケンタッキー州出身のギースキさんは看護学を学ぶために、海外留学プログラムの一環として韓国に滞在していた。 日本人の犠牲者2人と同様に、彼らも留学生活を楽しみに渡韓した若者だった。 大規模ハロウィンイベント、本場NYでも高まる警戒感 ハロウィンパレードと言えば、ニューヨークが本場だ。当地では今年49回目を迎え、世界最大規模で開催されている。 さらに2ヵ月後には別の大規模イベント、大晦日のタイムズスクエア・カウントダウンも迫っており、ソウルでの大事故を受け、当地でも警戒が高まっている。 20年にわたりNYPD(ニューヨーク市警)で大規模イベントの安全管理に携わってきた専門家のホゼ・ディーガ氏は、NBCニュースに出演した。同氏によると「当地での大イベントでは人が密集しないオープンスペースがたくさん設けられ、いざとなったら逃げられるので、同様の事故が起こる可能性は低い」という。 しかし、昨年11月テキサス州ヒューストン市で開催された野外音楽フェスティバル「アストロワールド」で、ステージでパフォーマンスをしていたラッパー、トラヴィス・スコット氏が観客を煽ったとして、人々がステージ前に殺到し10人が死亡、300人以上が負傷する大事故が起こっている。 ディーガ氏は、スタジアムやアリーナのような場所は、出入り口がたくさんあるものの間口は決して広くはないため、群衆が殺到した際には「注意が必要」だと警告する。 また、群衆の中で立ち往生してしまった場合の措置として覚えておくと良いこととして、以下の点を挙げた。 – ç«‹ã£ãŸã¾ã¾ã®å§¿å‹¢ã‚’キープする。しゃがまない(万が一、携帯電話が落ちても拾おうとしない方が良いだろう) –(壁など)動かないものに押さえつけられることを回避する – ã„ざとなったら群衆の流れに逆らわず、周囲の流れに身をまかせる – ä¸¡è…•ã‚’胸の前でしっかりと組み、呼吸のためのスペースを確保する さらに、大イベントに行く際は、緊急時の出口や避難場所(人が密集しないオープンスペース、近くのホテルなど)はどこかを頭に入れておき、いざという場合に備えてシミュレーションしておくのが良さそうだ。 関連記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

米中間選挙迫る。勝利の鍵は? 米専門家はどう見ているか

アメリカでは11月8日に投開票される中間選挙まで2週間を切り、26日外国メディアを対象にブリーフィングが行われた。 世論調査の専門家および選挙アナリストのジョン・ゾグビー(Dr. John Zogby)氏が登壇し、今後の行方を解説した。世論調査会社ゾグビー・ストラテジーズ(Zogby Strategies)のシニアパートナーである同氏は、ニューヨークタイムズ、NBC、フォーブス、ハフポストなど米主要メディアで選挙アナリストも務める。 選挙の傾向としてゾグビー氏は、有権者は自分の支持しない政党が勝ったら「世も末」と悲観することから(2000年以降は)「アルマゲドン選挙」と表現する。今回の選挙は、アルマゲドン化(二大政党の対極化)がさらに悪化しているようだ。 これまでは誰もが同意する共通の問題があり二大政党はそれについて双方から闘ってきたが、近年はまったく異なる政策を掲げる2つの政党がまったく異なる問題に直面。「太陽の周りを別々の軌道で公転する2つの惑星のように」対極していることが特徴だという。 分断が進む選挙の行方について、専門家はどう見ているだろうか? 問題が山積みで「国民は非常に不機嫌」… 選挙の行方は? 同社が伝える最新の世論調査では、国が「正しい方向に進んでいる」と答えた人は24%、「間違った方向に向かっている」と答えた人は70%以上に上る。世論調査の数字については「勝敗を予測するものとして捉えるのではなく、現段階の立ち位置や有権者の気分のトレンドを示すツール」とした上で、「全体的にこの国の有権者は現状に満足しておらず、非常に不機嫌な状態と言える」とゾグビー氏は表現する。現状を打破させるために投票所に向かう人も多そうだ。 国が抱える大きな問題について、ゾグビー氏は「インフレーション」「犯罪率と治安悪化」「移民問題」の3つを主に上げた。これらの問題により有権者の決断が揺さぶられることで「共和党に有利に働きうることは十分考えられる」とゾグビー氏は見る。 中でも有権者を悩ませている最大の問題は、昨年から加速している深刻なインフレだ。今年6月には消費者物価指数(CPI)が9%を超え、41年ぶりの高水準となった。その後も8.9%、8.3%と高水準を示している。 原油の高騰によりガソリン、生活費、食費などあらゆる物価が高騰し、人々は生活を圧迫されている。賃金も引き上がってはいるがインフレに追いついていない状態だ。 中でも車社会の必需品、ガソリン価格の急騰は顕著だ。今年6月には1年前と比べて48%も上昇し、1ガロン(3.8リットル)あたり平均5ドル(当時の為替で約670円)を突破した。 その後ガソリン価格は下落傾向にあるものの依然として高い。また、経営者を対象とした最新の世論調査では、回答者の74%が半年から1年以内に景気後退を予想しており、先行きは暗い。 「記録的な高インフレを食い止められなかったのは民主党にとって不利だが、少しの希望があるとすれば、それはインフレ率の上昇が食い止められたことだろう」(ゾグビー氏、以下同) このような価格変動や景気の動向に有権者がどれだけ揺さぶられるかが、選挙の結果に大きな影響を与えそうだ。 ほかに、民主党に有利に働くポイントとして、昨年の議事堂襲撃事件や「盗まれた選挙」の陰謀論に代表される「民主主義への危機感」や「中絶の権利」への対応も挙げられる。 「プロチョイス(中絶の合法化の支持派)の有権者、若い世代、子供を持つ母親、郊外在住の女性の層が民主党の大きな後押しとなるかもしれない」とゾグビー氏。ただし、これらの支持派は一定の層に限られる。 一方、先述のインフレは、“ほぼすべての人”に影響を与えている問題であることから、「インフレや経済の問題が選挙の勝敗を分ける最大の争点になるだろう」とゾグビー氏は断言する。 関連記事 インフレに加え、共和党に有利となりそうな要素はほかにもある。 治安悪化の現状だ。犯罪者に甘いとされる民主党の磐石、ニューヨークでも近年犯罪数が激増し、深刻な社会問題となっている。ゾグビー氏によると、1994年の中間選挙でも、激増した犯罪数が選挙の争点となったことがあった。選挙の結果は、共和党が数年ぶりに上下両院の支配権を取り戻した。 移民問題も深刻だ。メキシコとの国境に壁を建設するなど厳しい移民対策を掲げたトランプ前政権だが、バイデン政権下では中南米から大量の移民(難民希望者)が押し寄せ、社会問題となっている。夏以降は、南部テキサス州やフロリダ州などからワシントンD.C.やニューヨーク、シカゴなどに移民が大量に移送され、非常事態宣言が出されている。 このような現政権の政策の失敗も、民主党への槍玉に挙げられている。 また、選挙戦の行方に影響する有権者の層として、ラテン系や黒人票の影響力は無視できない。 「一般的にラテン系、黒人、女性、特に若い世代の有権者の投票率が高くなると、民主党に有利とされていて、中でも影響が大きいのはラテン票」とゾグビー氏は説明する。 見逃せない「ラテン票」の動向 2010年と14年に行われた中間選挙で民主党が大打撃を受けた理由の1つは、ラテン系の投票率が低かったことだった。逆に18年の中間選挙では、多くのラテン票が投じられたことで、民主党に大きな勝利を導いた。 これまでの調査から、ラテン系有権者の50%強が民主党に、約40%が共和党に投票し、残りの人は「未定」(Swing Voters、どちらの政党に投票するか揺れている、決めかねている=浮動票)と見られているが、近年の彼らは保守派を自認し、以前よりも共和党に投票する傾向が見られるという。 「ベネズエラ、キューバ、ニカラグア出身の人々は社会主義や独裁政権と闘って国を離れた人々。歳を重ねた今、やっとこの国で有権者となった。そんな彼らは(労働者階級を中心に)確実に共和党に投票するだろう」 そして今年のラテン票は、バイデン大統領の功績を認めている人と認めていない人にはっきり二分していることが特徴という。「未定」(Swing Voters、スウイングボーターズ)の人々は民主党にとって脅威になりそうだ。 一部の例外を除き、一般的に民主党寄りとされる黒人有権者については、「民主党が勝利するには黒人の90%が票を民主党に投じることを期待されているが、今年の調査では多くの人がどちらに投票するかは未定(Swing Voters)と回答している」と言う。また若い黒人層の有権者の間で共和党寄りが増えつつあるというのは、近年の特徴だという。これらも選挙戦の行方を左右する要素の1つとなりそうだ。 地方有権者については、典型的な有権者の20%は地方に住み、共和党支持者が多いとされている。自分の住む州がプロライフ(中絶の合法化に反対派)になったので、投票所に行く動機や必要性がないと感じている有権者も少ないが増えている。これも選挙の結果には影響しうる。 ゾグビー氏はこれまで、選挙戦の争点となるスウィングステーツ(激戦州)で、非常に多くの接戦を何度も見てきたと言い、「両党共にクロスレース(互角)です」と言う。 この2日後の28日、ペロシ下院議長の夫が自宅で男にハンマーで襲われる事件も起こるなど、残りの2週間で何が起こるかわからないため、長年選挙アナリストを務めている同氏とて「11月8日の結果は予測不可能」と強調する。 「民主党の大きな後押しになりそうな女性の有権者にしても、彼女たちにとって中絶の権利に関する問題が投票を決める大きなきっかけになるか、それともインフレの方が切実な問題なのか。それは現段階で誰にもわかりません」 国民の審判が下るのももうすぐだ。 まとめ 共和党に有利に働きそうな要素 インフレ(打撃を受けている大多数の層、労働者階級から支持) 治安悪化 移民問題 ラテン系有権者の支持の増加 民主党に有利に働きそうな要素 議事堂襲撃事件に代表される、民主主義への危機感 中絶の権利の対応(女性から支持) 自分の住む州がプロライフで、インフレの打撃を受けていない層は選挙に行く動機が見つからない 過去記事 Text by…

複数との恋愛OKの「ポリアモリー」 NY司法「法的保護を受ける権利あり」と判断

複数との恋愛OK、ポリアモリー(Polyamory)とは? ポリアモリー(Polyamory)という言葉を聞いたことはあるだろうか? これは、同時に3人以上の複数パートナーとの、合意に基づいた恋愛や関係性のことを指す。アメリカでは近年たまに聞く言葉である。 ポリアモリーの概念が生まれたのは、決して最近のことではないようだ。アマゾンなどでは、ポリアモリーを象徴するプライド・フラッグも販売されている。オリジナル版がデザインされたのは1995年ということだ。 アメリカの筆者の周りでポリアモリーを公言し、そのような関係性を望んだり実行したりしている友人・知人はおらず、実態は掴めていない。 ただニューヨークには、ポリアモリーのためのコミュニティ組織、Open Love NYも存在する。身体的性と性自認が一致しているストレート、そして、さまざまなLGBTQの人々を対象に活動しているようだ。公式インスタグラムによると「5000人以上のメンバーを擁する市内最大のポリアモリー擁護団体」とある。 また出会い系サイトの中には、ポリアモリー専用のものも存在する。 ポリアモリーも、カップル同等の権利を そんな中、ポリアモリーの人々にも、カップル同等の権利が与えられる判断が司法によって下されたとして、ニュースになった。 州裁判所が、ニューヨーク市内のアパートの所有者と賃借人(ポリアモリーの住居人)との訴訟(West 49th St., LLC v. O’Neill)において、ポリアモリーも通常のカップルと同等の法的保護を受ける権利があるとの判断を示したと、FOXニュース、米ヤフー、ニューヨークポストなど複数のメディアが報じている。 記事によると、ポリアモリーの3人(同棲をしていたスコット・アンダーソン氏、マーキャス・オニール氏、そして別居しているアンダーソン氏の夫、ロバート・ロマノ氏)は、アパートのリース(賃貸借契約書)保持者であるアンダーソン氏の死後、「(婚姻関係にない)非伝統的な家族構成」を理由に、同居人のオニール氏にはリースを更新する権利がないと大家に言われ、トラブルになっていた。そして、3人の関係性が精査された後、再び法廷闘争となった。 バクダヤン判事は裁判で「過去」の訴訟の判例の重要性を強調し、「立ち退き禁止と住民保護に対するオニール氏の主張を却下すべきではない」との判断を示した。 全米では2015年に同性婚が合法化されたのは周知の通りだが、判事の言う「過去の判例」とはその随分前、1989年のBraschi v. Stahl Assocs. Co., 74 NY2d 201のことだ。この裁判で、(婚姻届提出という)伝統に則っていない家族のような関係(つまり事実婚)のカップルにも、法的に認められる権利があり、アパート立ち退きなしの「保護」を受ける権利が認められたのだった。 このたびの裁判でバクダヤン判事は「(カップル=2人の関係という)関係構造以外も検討するための扉が開かれた」「子どもが、2人以上の法的な親を持つことを認める法制化へ向け、動きが急速に進んでいる」と述べた。 多様化がさらに進むアメリカ。ロマンチックな関係性についても「カップル=2人」にこだわらない新時代が、今後ますます拓かれていくのだろうか? LGBTQ関連記事 (フィガロ.jp) (ウェブ論座)初出 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

NY秋冬、穴場エンタメ!息を呑む驚きの120分「カクテル・マジック」 10/7いよいよ開演

ブルックリンのブッシュウィックに、知る人ぞ知る穴場的な小劇場があります。 Cocktail Magique Théâtre by Company XIV。今年の秋冬一押しの新作ショーが、いよいよ10/7にスタートします。 「えーーーまさかー」「なぜ!!?!?」驚きの連続のイルージョン 過去に『シンデレラ』など数々のヒット作を披露してきたブルックリンのCompany XIV。 彼らの満を辞した新作『Cocktail Magique(カクテル・マジック)』は、簡単に言ってしまえばバーレスクとイルージョン(マジック、手品のより手の込んだもの)、なのですが、これがかなり手が込んでてハイスペック。 マジックと言ってもイルージョン的な技法が使われ、ほかにもシャンテューズ、キャバレー、サーカス、そして占い・・・さまざまな要素が入り混じる、ドラマあり笑いありの抱腹絶倒、総合エンタメです。 120分間、驚きの連続で、周りの観客から驚嘆の雄叫びが上がる、上がる! 私もずっと目が点になり、口もずっとあんぐり開いたまま・・・次から次に披露されるマジックに見とれて、楽しい時間はアッという間に過ぎました。 キャストは皆さん才能あるテクニシャンばかりですが、特にメインマジシャンのSam Urdangさんの技術は必見モノ。 来場者の1人からお札(この日は$100札)を提示してもらい、それに名前を書いて口に入れ、食べてしまった(!)はずなのに、客にカクテルシェイカーを振らせ、開けてみたら・・・!?!?(当日のお楽しみ) 別の来場者が会場中に見えるように水のグラスを頭上に持ち上げたまま、キャストがステージでレモンを絞ったら、なぜかその水の入ったグラスの味が変わっていたり!!(なぜ?) 2人の来場者がその場でカクテルに名前を付けて、ルーレットで当てた封筒を開けたら、今名付けられたばかりのカクテルの名前がそこに書かれてあったり!!!(なぜー?) ・・・と、文章で説明しても、おそらくこの驚きは伝わらないと思うので、ぜひ観てください!後悔はさせません。 次から次に出てくるカクテルテイスティング。“絶品”スイーツも食べずに帰ることなかれ! ちなみに「カクテル・マジック」というだけあって、さまざまなおしゃれカクテルやらシャンパンやらが何杯(!)も「上から、中から(?)・・・」とドンドン出てきます笑。 この手のショーって通常、客もホロ酔いだから、なおさら盛り上がるというのもあるんだけど、お酒を飲まない(もちろんシラフの)この私でさえ、手品のトリックをまったく見破ることはできませんでしたー。 ショウに加えて、もう1つ、私が感動したのは軽食の最後に出てくる、このフライドチキン! これただのフライドチキンじゃないんです。 フライドチキン・アイスクリームというものでした! 外側カリカリ、まるでフライドチキンなんだけど、食べるとアイスクリーム。 これは20年住んでいるけど初めて食べた。こちらも感動〜。 一般公開はいよいよ10/7からです。ホリデーシーズンのマストショー。 会場は62席とアットホーム。日本での上演予定をお聞きしたところ「予定なし」とのことだったので、観光でNYを訪れる際もぜひ。ラブラブシートもあるのでデートや女子会にもおすすめ。 Cocktail Magique Théâtre by Company XIV カクテル・マジック・シアター・バイ・カンパニーフォーティーン 会場 Cocktail Magique Théâtre 17 Wyckoff Avenue, Brooklyn, NY 11237 入場料 チケットは145ドルより(カクテルと軽食付き) Text and photos by Kasumi…