ツイッター閉鎖の可能性と代替SNSは?…サービス停止に備え米有力紙が注意喚起

Photo by Brett Jordan on Pexels.com 大量解雇にオフィス閉鎖…ツイッターのプラットフォームは「まもなく壊れ始める?」 イーロン・マスク氏がツイッター(Twitter)社を買収して以降、不穏なニュースが続いている。 先月27日、同氏が440億ドル(約6兆4400億円)で買収したツイッター社のCEOに就任すると騒動に発展。活動家らに触発された大企業(ゼネラル・モーターズやファイザーなど)が出稿停止を表明した。ツイッター社は1日あたり400万ドル以上(約5億8500万円)を損失するなど大きな負債を抱えており、マスク氏による青の認証バッジの有料化や従業員7500人の半数もの大量解雇など、大胆な舵取りが報告されている(ツイッター上でマスク氏に意見し、ツイッター上で解雇通告された社員も)。 新生ツイッター“Twitter 2.0”に向け、このような思い切った(やや乱暴とも取れる)旗振りが物議となっていて、支持派と反発派に真っ二つに分かれている。 騒動後、筆者の周りで実際にツイッターのアカウントを閉鎖した人はいないものの、11月以降、スーパーモデルのジジ・ハディッドや俳優のウーピー・ゴールドバーグなどのセレブや、バレンシアガなどブランドが次々とツイッターの公式アカウントを削除したとニュースになっている。 関連記事 17日、さらなる混乱は続いた。 マスク氏が従業員に対して「ハードコアな職場環境にコミットするか(業務に心から献身することができるか)」(それとも(退職金付き)解雇となるか)という最後通告し、期限を迎えた同日午後5時、数百人の従業員が同社を後にしたことが報じられた。 そうなるとさらなる物議となり、#RIPTwitter #GoodbyeTwitter #TwitterOFF #TwitterDown などのハッシュタグが、ツイッター上でトレンド入りした。 ユーザーの中には本当にツイッター自体が閉鎖されるのではないかという心配の声が高まっている。「ツイッターがまだ存在しているか、頻繁に確認している」や「朝起きてツイッターがまだあることを確認できてホッとした」などのつぶやきも散見された。 ニュースサイトのザ・ヴァージによると、解雇者の中には、ツイッターの重要なシステムを担っていたエンジニアチームの人員が含まれ、中には「レジェンド級の能力を持つエンジニア」もいたという。そして「ツイッターのプラットフォームがまもなく壊れ始めるという予想もある」と報じた。 不穏な動きは続く。 この社員の大量流出後、ツイッターは月曜日(21日)までオフィスを閉鎖すると発表した。 ツイッターのサービス停止に備え、米有力紙が注意喚起 マスク氏は17日夜「ベストピープル(最高の人材)は残っている。自分はそれほど心配していない」とツイートしている。「super」という文字に、筆者はマスク氏の「心配していない」と言いながらも一抹の不安を抱える心情を読み取った。 しかしながら、一般ユーザーの中でツイッターのサービス停止の懸念は深まり、翌18日には有力紙のワシントンポストが「How to download your tweets in case Twitter shuts down permanently(ツイッターが完全にシャットダウンした場合のための、ツイートをダウンロードする方法)」という記事を発表した。 サイトの運用継続能力についての疑問が高まる中、政治家、大使館、政府機関などの一部ユーザーは、サイトが完全にダウンした場合の最悪の事態に備え、準備を始めているという。 例えば、アレクサンドリア・オカシオ-コルテス下院議員はインスタグラムのハンドル名と電子メールをツイッターのフォロワーと共有し始めたり、シアトル緊急事態管理局は、テキストメッセージ、電話、電子メールで緊急警報にサインアップする方法を通知するなどといった具合だ。 同紙によると、ツイッターがダウンするのではないかという懸念は、現在の人員不足に関連している。専門家からは「根幹となるシステムに取り組んでいた多くのエンジニアが退職したため、システムが脆弱になり、偽情報や偽アカウントに対処したり機能障害を修正できる従業員がほとんど残っていない」という意見が出ている。 記事はツイッターの閉鎖の可能性について、マスク氏が「ツイッターの利用(つぶやく人の数)がまたもや過去最高を記録」とツイートしたり、前述のベストピープルがまだ在職していることを示すなど引き続き「自信」を表明していることから「おそらく(今のところ)ないだろう」という見解も示した。 また9日には「これから数ヵ月、多くのばかげた(物議を醸す)ことをするのでご注意ください。機能するものは残し、機能しないものは排除します」というツイートもある。しばらくの間、支持派と反発派の間でプラットフォームは荒れそうながらも、ツイッター自体の閉鎖やサービスの停止は(今のところ、ベストピープルが在職する限り)ないのではないだろうか。 その上で心配な人は「ツイートをバックアップできる機能を利用すると良い」と同紙は述べ、「過去のツイートとフォローリストのコピーの保存」を推奨している。 ツイートをダウンロードまたはバックアップする方法は、記事によると[設定] → [アカウント] → [データのアーカイブをダウンロード] に行き、いくつかのセキュリティチェックを経て、 [アーカイブのリクエスト] を選ぶと、情報をzipファイルで受け取ることができるという(ただし、データの準備に24時間以上かかる遅延や、ユーザーにまったく送信されない不具合が報告されている)。 また「ツイッターのDMでしか連絡をとらない人がいる場合は、別の連絡先を予め尋ねておいた方が良い」ということだ。 ツイッターに代わるSNSは? ツイッターの今後を心配している人は、ツイッターに代わるSNSを知りたいところだろう。 ただし「ツイッターの正確なレプリカは存在せず」と同紙。「マスク氏が引き継いで以降、代替のSNSが出現するのに十分な時間が経っていない」。それを前提とし、人気クリエーターでツイッターを利用している人の中には、会員向けのPatreonアカウント、ニュースレター、Instagramのリンクの共有を始めた人がいるという。またはオプションとしてTikTok、Reddit、LinkedIn、Tumblr、FacebookグループなどのSNSも上げられた。…

Clubhouse「アメリカでも」爆発的ブレイク、主要紙認める。中国に情報漏洩の指摘も

筆者は先週(現地時間の2月8日)、以下の記事を通して、クラブハウス(Clubhouse)の本国アメリカでの利用状況や認知度について紹介した。 Clubhouseの流行は日本だけ? 本国アメリカでの意外な認知度と「日本と違う」使われ方 その後も周囲の知人に引き続き聞いたり、実際の利用状況をアプリ上で確認したりしている。実感として、アメリカでは一般の利用者は1月末から動き始め、2月2日の週以降に増え続けているようだ。招待待ちの人も多く、招待枠はeBayで89ドル(約9000円)前後で販売されている。 ツイッターやYouTubeがアメリカの政治家により積極的に活用されている一方、クラブハウスでは今のところ、バイデン大統領やトランプ元大統領ほどの大物政治家の登録は確認できない。筆者が確認できた中では、次期ニューヨーク市長選に望むアンドリュー・ヤン氏やバージニア州ティム・ケイン上院議員などのアカウントはある。またパリス・ヒルトン氏、アレクシス・オハニアン氏など、セレブや起業家などさまざまな著名人が、早くから積極的にアカウントを作っていたようだ。 積極的な利用者として見逃せないのは、イーロン・マスク氏だ。彼はカニエ・ウェスト氏と登壇を示し合せたり、ツイッターを通してロシアのプーチン大統領にクラブハウスでのトークを持ちかけるなど、話題に事欠かない。 米主要紙NYTも認めた「爆発的人気」 このように利用者数が日々「増殖」する中、現地時間2月15日になり、いよいよアメリカの主要紙ニューヨークタイムズが、このように大きく報じた。 「Clubhouse, a Tiny Audio Chat App, Breaks Through」(小さな規模の音声チャットアプリ、クラブハウスがブレイク中) 記事にはラッパーのヴァニラ・アイス氏が登場しファンと交流した事例を上げ、このように紹介している。 「誕生からわずか11ヵ月のこのアプリは、嫌がらせ、誤情報、プライバシー問題などの課題が残っているものの、テクノロジーや大衆文化をいち早く試したい人々の間で、急速に人気が爆発している」 昨年5月の時点では数千人のユーザーしかいなかったスモールサークルが、先月になると400万回近くダウンロードされるほどのアプリに大成長した。クラブハウスの企業アカウントをすでに作り、専門の発信担当者を採用する動きも出はじめたという。 脆弱なサーバー、不安なセキュリティ 今のところ、正式バージョン前のベータ版なので、依然iPhoneでしか利用できない。そんな中でも利用者が激増するあまり、今月10日にはサーバーが落ちるなど、構造的な脆弱さが指摘されている。 セキュリティ面でも、気になる報道がある。スタンフォード大学の研究者が、クラブハウスのインフラストラクチャの脆弱性を見つけ、中国への情報漏洩など、危険に晒されうる可能性を指摘した。 アプリのバックエンド・インフラストラクチャの開発に、中国・上海拠点のAgora(アゴラ)社が関わっていることがわかっている。アゴラのトラフィックをチェックする技術者であれば誰でもクラブハウスで誰が話しているかを確認した上で、国家安全保障上の脅威があると判断されれば、音声データを中国政府に明け渡すことも法的に可能だという。 これに対して、クラブハウス側はサーバー面やセキュリティ面の強化と改善を約束している。またアゴラ側は研究者の指摘内容について、自分たちにそのようなことはできないと否定している。 どちらにせよ生まれたばかりで成長過程にあるアプリ故に、個人情報の保護など利用者側の安全・安心面は、現時点でしっかり確証されているものではないようだ。 (Text and photo by Kasumi Abe  Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止