逮捕者135人の一部は釈放、 警官2人が自殺 ── 議事堂乱入事件、その後

すでに釈放された逮捕者も 1月6日にワシントンD.C.の連邦議会議事堂で起こった乱入事件から、3週間が経った。 デイリーニュースなど米主要メディアによると、これまでに400人の容疑者が特定され、大陪審の召喚状と捜査令状の発行は500を超えている。 実際の逮捕者は今のところ135人に上る。その中には、ナンシー・ペロシ下院議長(民主党)のパソコンを盗み、ロシア情報当局に売り渡そうと企て、政府所有物の窃盗罪などで逮捕されたライリー・ジューン・ウィリアムズ(Riley June Williams)容疑者(22歳)も含む。同容疑者は先週すでに釈放されており、現在は母親宅で監視下に置かれている。 詰めが「甘過ぎた」警備 あの日、大きな衝突が勃発する懸念はあったものの、議事堂警察(USCP)は連邦機関に警備の応援を事前に要請しておらず、結果的に乱入や暴動を許すことになってしまった。その警備態勢の不備や詰めの甘さが指摘され、スティーブン・サンド(Steven Sund)議会警察署長は、16日付で辞任した。 議事堂警察を代表する組合は27日、「指導する立場としての準備不足に怒りとショックを覚え、許しがたい」との声明を発表した。この日警備にあたっていた警官1200人に、事前に正しい情報伝達がされていなかっただけでなく、ヘルメットを配られずに頭部に外傷を負った警官もいたとある。 警官3人が死亡(1人は殉職、2人は自殺か) 事件後の悲劇は続いている。あの場で対応していた議事堂警察の中で、身体的もしくは精神的なトラウマなどの損傷を受けたのは140人近くいることがわかっており、その後の相次ぐ死亡も伝えられているのだ。 警官として15年以上のキャリアを持つハワード・リーベングッド(Howard Liebengood)警官(享年51歳)は、乱入事件のあった6日から3日後の9日に死亡したと、翌10日議事堂警察が発表した。 リーベングッド警官は2005年より議事堂警察に勤務し、上院の守衛部門に配属されていた。死因など詳細は明らかにされていないが、情報筋による証言をもとにした主要メディアの報道では「明らかに自殺」とされている。死亡した9日は、自身の非番の日だった。AP通信は、乱入事件が自殺の直接の原因かどうかは不明とした。 27日になり、別の警官の自殺も伝えられた。12年のキャリアのあるジェフリー・スミス(Jeffrey Smith)警官は、15日に死亡した。コロンビア特別区首都警察(MPD、通称DC警察)のロバート・コンティー(Robert Contee)署長代理は、「事件の余波」が自殺に繋がったとする見方を示した。 自殺ではなく、群衆によって「殺された」警官もいる。事件の翌日、議事堂警察のブライアン・シックニック(Brian D. Sicknick)警官(享年42歳)は、襲撃によって亡くなった5人のうちの1人として、報じられた。 2008年から議事堂警察に所属していたシックニック警官は、同署の緊急出動部署に配属されていた。事件日は暴徒化した人々との衝突時に消火器で殴打されるなどで負傷し、いったん自身の部署がある部屋に戻ったものの、そこで倒れて病院に搬送され、翌日夜に死亡が確認された。シックニック警官の死に関しては、誰も逮捕、起訴されていない。 関連記事 トランプ支持者は、厳重なハズの議事堂を「なぜこれほど簡単に」襲撃できたのか? ── 現地で深まる謎 今年最初の「悪夢」… 怒りのトランプ支持者が議事堂を占拠しカオス状態に (Text and photo by Kasumi Abe  Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

乱入防止の鉄線の外側で起こっていたこと ── 米大統領就任式【現地ルポ】

アメリカでは20日、新大統領のジョー・バイデン氏、新副大統領のカマラ・ハリス氏の就任式が無事に執り行われた。 今年は新型コロナウィルス感染拡大に伴い、規模が縮小され、式典はバーチャル形式で配信された。筆者も直前まで自宅で見届けようかと思っていたが、この歴史的な日の現地の様子を自分の目で見たいと急に思い立ち、1週間前にアムトラックのチケットを購入した。すでに売り切れ間近で、唯一購入できたのは午前3時25分ニューヨーク発の便だ。 列車は感染防止で空いていた。それでもカメラマンやユーチューバーらしき若者が何人か乗っていた。ばったり車内で会い「ノープランだよ。現地に行って決めようかと思って」と話している。そのうち、チケットを見に車掌がやって来て「オーマイガ〜ッ。店も開いてないのに、みんなD.C.に行くなんて。グッドラック!」と声をかけた。 早朝7時に首都ワシントンD.C.に到着。外はまだ薄暗い。いるのは警察犬を連れた警官と州兵、そしてジョギング姿の人が何人か。 6日に起こった過激派による議事堂乱入事件後、就任式のために州兵2万5000人が派遣された。出発前、友人は「ニュースでは危ないから近寄るなと言っているぞ。それでも行くのかい?十分気をつけて」と心配した。 確かに現地は戦場かと思うほど、ライフルを担いだ州兵がごまんと配備され、警官、爆薬探知犬、私服警官もたくさんいたが、逆に「安心感」に繋がった。有刺鉄線付きフェンスが張り巡らされ「議事堂には絶対に侵入できない」「何事も起こりえない」システムになっていたからだ。重装備の兵士の多くは鉄線の「内側」に1メートル間隔で立っている。彼らに緊迫した様子はなく、散歩中の人と笑い合ったりする姿も見かけた。すれ違いざまに目が合うと「おはよう」と向こうから筆者に声をかけてくれた兵士もいた。そこに立たされているだけの有り余る兵士を見て、「もう2度と暴動なんて起こすなよ」という強いメッセージ性を帯びた見せしめのように感じた。 正午:新大統領誕生 そうこうしていたら、就任式イベントの時間が迫り、柵の外側にも人がかなり増えてきた。 正午という時間をもって、正式に新大統領が誕生する。バイデン支持者も多く集まっていたから誕生と共にカウントダウンや拍手でも起こるのかと思いきや、所々で歓声は上がっていたものの、正午の時点で特に何もなかった。バイデン派、トランプ派、そのほか宗教団体が、それぞれお互いの主張を時に激しく遣り合っていた。 この日は6日のような過激派の姿はなく、キリスト教の保守的勢力(宗教右派)と呼ばれる人々の抗議活動が目立った。 このような一幕もあった。「トランプは間違った方向にリードしてきたと思う」と、バイデン支持者の女性がメディアのインタビューに応えていたら、通行人の年配の女性から突然ヤジが飛んできた。「ほらね、こういうことなのよ。このような振る舞いをしていいなんて、憲法でも(議事堂を指差しながら)あそこでも指導されていない。今の人が間違った方向の良い例ね」。 ジェシカファミリーは、DACA(ダーカ:不法移民の子に対して、強制退去処分を猶予する移民政策)を強く支持しており、「新政権にはICE(移民税関捜査局)を廃止してほしい」と期待を膨らませる。 「アメリカの危険な歴史の始まり」と危惧するのは、メガホンを抱えたニック・キメラ・ジュニアさん。ニューヨーク州ロングアイランドからやって来た。ただし彼はトランプ派でもバイデン派でもないと言い、「クライスト(キリスト教教派)だ」と胸元のバッジを指しながら自らをそう表現した。「数えきれないほどの胎児が中絶により犠牲になってきたが、新政権は中絶を支援する方向だ。また警察による残虐行為など、国が荒れていることも心配している」。 「同意できないからといって、お互い憎しみ合うのはやめよう」 この日の就任式では、ハリス副大統領、ミシェル・オバマ元米大統領夫人、ヒラリー・クリントン元国務長官の3人が、紫の衣装で臨んだことが注目を集めた。共和党のシンボルカラー(赤)と、民主党のカラー(青)を混ぜると紫になることから「融和」や「結束」の象徴なのだ。 しかしこの日、筆者が柵の外で目にしたものは、相手の意見を暴言などで遮る、互いの主張を一歩も譲らない人々だった。 また現場には、報道陣やユーチューバーらしき人々も非常に多かったのだが、ちょっとしたいざこざが起こったり過激な主張や行動をする人たちばかりが注目を集めていた。 そんな中、筆者はほとんど誰からの視線も浴びることなくひっそりと隅に置かれていたこのメッセージに注目した。 Stop Hating Each Other Because You Disagree (同意できないからといってお互い憎しみ合うのはやめよう) by TruthConductor. tv 心機一転、新たな4年が始まろうとしている。今まさに、このような姿勢こそがこの国に一番必要なのではないだろうか。 【この後ビデオも載せる予定】 関連記事 異例ずくめの「大統領就任式」もうすぐ(日本での視聴方法、スケジュール、豆知識) 「新たな時代の到来だ」バイデン勝利に祝賀ムードのNY 星条旗なびかせ喜ぶ人々 写真で振り返る決戦の投票日!「誰に投票した?」NYの人々に聞いてみたら・・・ (Text and photo by Kasumi Abe  Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

ビッグテックの制裁、世界のリーダー7人はをどう見たか?

米ビッグテックによるトランプ氏への制裁について、世界のリーダーたちの反響はどうだろう? ツイッターアカウント停止の判断について「民間のテック企業ではなく、市民や国に任せるべき」という声が多く上がっている。ニューヨークポスト紙で紹介されている、世界のリーダーや有力者らの意見はこちら。 ●アカウント削除の判断が、民間の企業の手の内にあることにショックを受けた。 これらの措置の決定は、会社のトップではなく、市民によりなされるべき。 (ソーシャルメディア上の発言内容が法律に違反している場合)違反を主張できる「規制の公的枠組み」が必要。削除か罰金を課すかなどの判断は、市民と立法府によって決定されるべき。 (欧州連合のフランス担当次官、クレマン・ボーヌ氏) ●コンテンツを規制する責任は国や政府にあるべき。 デジタル・ジャイアントの規制は、デジタル・オリガーキー(君主制や民主制に対して、少数の人間が支配する政治形態のこと)によってできるものではない。 ビッグテックは民主主義にとって「脅威の1つ」だ。 (フランスのブルーノ・ルメール経済・財務相) ●ソーシャルメディアがトランプ氏の検閲力を持っているのは「悪い兆候」だ。 誰であろうとも、ツイッターやフェイスブックに投稿する権利を奪われたり、検閲されたりすることは、受け入れられない。 世論を管理する検閲裁判所のような存在は、本当に厄介だ。 (メキシコのオブラドール大統領) ●(ツイッターによるアカウント禁止について)この基本的権利に介入できるのは法と立法府であり、ソーシャルメディアの管理者による決定であってはならない。これらの観点からメルケル首相は、トランプ氏のアカウントが永久凍結されたことは問題だと考えている。トランプ氏は自身の意見を表明できる場を持って然るべき。 (ドイツ・メルケル首相のスポークスパーソン、 ステフェン・セイバート氏) ●トランプ氏の阻止は、検閲に値する。 ツイッター社はなぜ、オーストラリアの兵士がアフガニスタンの子どもを殺しているように合成されたフェイク写真を中国政府が投稿したことを許し、削除しなかったのか。まだアメリカの大統領である人物の投稿を削除する場合、それらの兵士の写真についても考える必要があると、ツイッター社のオーナーに言いたい。(その偽りの写真は)まだ削除されておらず、誤りである。 (オーストラリアのマイケル・マコーマック副首相) ●(ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領に対するツイッターの扱いについて同様の懸念を表明。自身のアカウントをトランプ氏の写真に差し替え)マドゥロ氏のアカウントがありながら、トランプ氏のアカウントが停止される世界は正常ではない。 (ブラジル、ボルソナロ大統領の子息、エドゥアルド氏) またワシントンポスト紙によると、一般的に欧州の社会は、アメリカより政府による規制を受け入れており、近年はよりアグレッシブにハイテク・ジャイアントの行動を取り締まるなど、対応が進んでいるという。 そんな中で欧州委員会副委員長で欧州連合のデジタル・エンフォーサーのトップ、マルグレーテ・ベスタガー氏は「(フェイクや問題投稿とそのアカウントをどうするかの)課題にどう対処するべきかの決定は、責任の伴わない企業のリーダーではなく、社会の手に委ねられるべき」とした。一方でツイッター社の今回の措置については、「大統領が人々に議会に向かうように促すなど『極端なケースの中でもさらに極端な状況』への対応だった」と理解を示した。 米ツイッター社の関連記事 バイデン暴露記事の拡散ブロックするツイッターに非難殺到 CEOは誤り認めたが・・・ (Text by Kasumi Abe  Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

跡形もなくなったトランプ氏ツイッター。暴動扇動で永久凍結に

トランプ氏のツイッター、永久凍結 連邦議会議事堂で6日に起こった暴動を扇動したとして、ツイッターアカウントから「永久追放」されてしまったトランプ大統領。 暴動直後は以下のように、プロフィールは見える状態だったが、現在「跡形も無く」全削除されている(写真上)。 一掃された今でも @realDonaldTrump ã‚¢ã‚«ã‚¦ãƒ³ãƒˆãŒã‹ã‚ã†ã˜ã¦æ®‹ã•ã‚Œã¦ã„るのは、第三者によってこの世界一有名とも言えるアカウントが悪用(再利用)されるのを防ぐためだろう。 筆者の記憶では、多い時で8880万人以上ものフォロワーがいたトランプ氏のツイッター。8000万人が投票したとされる次期大統領のバイデン氏でさえフォロワー数は2370万人であるのと比べても、トランプ氏の発信力、拡散力、そして(中には虚言と見られる情報の)影響力が、ツイッター上でいかに群を抜いていたかがわかる。 永久停止措置の理由として、米ツイッター社は以下のように声明を出した。 メインアカウントが永久停止となった後、トランプ氏は米政府所有の @POTUS ã‚¢ã‚«ã‚¦ãƒ³ãƒˆã‹ã‚‰ã€è‡ªèº«ã®è¨€è«–の自由について反撃ツイートを続けたが、それらのツイートもツイッター社によって即削除された。 @POTUS アカウントからのツイートの削除について、ツイッター社がどのような手順を踏んだかは不明だ。 ツイッター社はまた、Qアノンの陰謀説関連の7万以上のアカウントも削除した。 ビッグテックが相次ぎ、トランプ氏の利用停止 or 制限つきに トランプ氏のアカウントを停止もしくは制限つき措置にしているビッグテック14社はこちら。 米フェイスブックもトランプ氏に対して同様に使用停止措置を取っているが、6日の午後までの投稿は見られるようになっている。 しかし大統領就任式を20日に控え、フェイスブック社は11日、不正選挙に対しての合言葉「Stop the Steal」(票を盗むのを止めろ)関連の投稿を、一般投稿も含めて全面排除していくと発表した。 (Text by Kasumi Abe  Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

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