NYの「リアル」丸わかり!NY市美術館で特別展 明日より

あなたの知らないニューヨークがここに。これぞ『NYのリアル』がわかる特別展が明日より開催となる。 アップタウン地区の「ミュージアム・シティ・オブ・ニューヨーク」は、創立100周年を記念し、この街のアートとポップカルチャーにフォーカスした特別展This is New York: 100 Years of the City In Art and Pop Cultureをスタート。 ニューヨークの文化の代表格は、ストリートと地下鉄。おそらく観光で訪れると華やかで賑やかで楽しい「エキサイティング」な思い出が刷り込まれるだろう。 一方この地に根ざすと「リアル」なニューヨークの側面も見えてくる。それは人混み、渋滞、ゴミや害虫問題、孤独…。この特別展では、そんな光と影の両方がコントラストに表現されている。 映画やドラマ、レコードやCDジャケットの撮影地としても有名な当地は、『スパイダーマン』、『ジョーカー』『セックス・アンド・ザ・シティ』の舞台としても知られる。そんな撮影現場のシーンを表した1コマや、ドラマの中で使われた小物なども展示され、作家やクリエイターらがこの街に受けたインスピレーションが展示を通して伝わってくる。 ただ見るだけではなく、本や音楽ビデオなど音で聞く没入型コーナーもあり、大人も子どもも両方楽しめる。 特別展は、5月26日から来年7月まで開催。 (祝100歳の同博物館は、リノベーションが終わったばかりで驚くほど綺麗です) Info: Museum City of New York(MCNY) Text and photo by Kasumi Abe (「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

死の間際に描き続けたゴッホの名作『星月夜』など「糸杉展」。メットで明日より

ニューヨークのメトロポリタン博物館(メット、Met)で、いよいよ明日5月22日からフィンセント・ファン・ゴッホの『Van Gogh’s Cypresses(ゴッホの糸杉)』展がスタートする。 パリを離れたゴッホ(ファンゴ)は、精神を患いサン-レミの病院に入院中、自殺未遂をし、亡くなる直前まで心惹かれた糸杉を夢中で描き続けた。 メット所有の、誰もが知る名作『The Starry Night(星月夜)』から『Wheat Field(糸杉のある麦畑)』(共に1889年)など、糸杉を描いた作品がずらりと一堂に集結。弟とのつながりや最終的な別れ、最後は死を象徴している作品群。 初めて糸杉シリーズを見たが、亡くなる前年とは思えないほど力強い筆致で、炎のように湧き出る生へのエネルギーが渦巻いている。130年近く経ってもエネルギーが伝わってくる。(すごい!) この「糸杉展」は3つのコーナーに分かれていて、絵画と共に弟に宛てた手書きの手紙なども展示されている。 取材後記: 1- 日本ではゴッホと呼ばれるこの絵画の巨匠は、アメリカでは一般的に「ヴァンゴ」と呼ばれるが、プレスプレビューでの会見で会見をした人は「ファンゴ」と呼んでいた(おそらくオランダ風の読み)。いろんな呼ばれ方があるよう。 2- 昨年秋にヨーロッパの美術館で、環境活動家とされる者たちが世界の名画に向けペンキやマッシュポテト、接着剤などが投げつけられる事件が続いた(絵画はガラスで覆われていたため無事)。その影響か、この日のプレスプレビューでは入り口で「再度」バッグの中身チェック(特にタンブラーなどに液体が入っていないか)されるという念の入れようだった。 Van Gogh’s Cypresses展は、2023年8月27日まで @ The Metropolitan Museum of Art Text and photo by Kasumi Abe (「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

「日本」一色に。NYで第2回「ジャパンパレード」開催【写真多め】

ニューヨークで13日、第2回目となる「ジャパンパレード(Japan Parade)」が行われた。 アメリカで毎年5月は、アジア系および太平洋諸島系アメリカ人の文化遺産に敬意を払う「AAPI月間」だ。日本の伝統や文化を紹介するジャパンパレードもその一環で、日米友好の証として昨年スタートした。 今年も和太鼓や武道など日本文化関連の団体、日系企業、日系の退役軍人、キャラクター系など90団体以上、約2500人が行進した。 オープニングセレモニーの後、午後1時にパレードはキックオフ。ニューヨーク市警騎馬警官隊に続き、グランドマーシャル(パレードのキックオフを飾る一人、メインゲスト)が登場。今年は、元フィギュアスケート選手で1992年のアルベールビル冬季オリンピックの金メダリスト、クリスティ・ヤマグチさんが務めた。 スペシャルゲストとして、人気漫画・アニメ『NARUTO-ナルト-』のライブ・スペクタクル版のキャラクターが登場した。 うずまきナルト(中尾暢樹さん)、春野サクラ(伊藤優衣さん)、はたけカカシ(君沢ユウキさん)などがライブパフォーマンスを行うと、沿道から大歓声が上がった。 ニューヨークは初めてと言ううずまきナルト役の中尾さんは、パレードを通してニューヨーカーの愛を感じたと言う。 「みんなナルトの格好をしていたりリアクションもすごくて、ナルトのことめっちゃ好きなんだなって思いました」 世界中でのナルト人気について尋ねられると、「いろんな漫画がある中で、忍者とか、勇気、汗、正義など日本のいい所がすべて詰まっているのがナルト。それが受け入れられているんじゃないかな」と話した。 在ニューヨーク日本国総領事館の森美樹夫大使は、今年のパレードについて「沿道のお客さんの人気が去年より増し、すごく嬉しい」と語った。 日本人の特徴とされる細やかさ、心配り、丁寧な仕事などは当地で一見目立たないが、この熱気から日本のプレゼンスの盛り上がりを少しずつ実感しているという。「日本の良さをニューヨーク、アメリカそして日本の方々にも(日本人がここで)これだけ頑張っているんだよって伝えていきたい」。 パレードのすぐ近くではストリートフェアが催され、お好み焼き、たこ焼き、カレー、おにぎりなど日本食の出店が並び、通りは大混雑した。昨年の出店数は10店舗だったが、今年はより広い通りに移動し30店舗に拡大したのだが、それでも長蛇の列はパレード終了後まで続いた。 写真で振り返る「Japan Parade 2023」 昨年のジャパンパレード Text and photos by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

『オペラ座の怪人』や『KPOP』相次ぐ終演。コロナ後のNYブロードウェイの「今」

35年続いた『オペラ座の怪人』が終演 ニューヨークで先月16日、ロングランのブロードウェイ・ミュージカル『オペラ座の怪人』が、長い歴史に幕を閉じた。 同演目は当地で1988年に始まり、ブロードブウェイ史上最長の35年の歴史を誇った。米フォーブスやNPRによると、これまで開いた公演数は1万3,981回にも上り、累計2000万人以上の観客を魅了してきた。 (ロングランとしては、2位に『シカゴ』、3位に『ライオンキング』が続く) 『オペラ座の怪人』は、プロデューサー、キャメロン・マッキントッシュ氏の発言として「パンデミック以前から赤字だった」と伝えられた。 この規模のミュージカルは1回の公演ごとに、キャスト、バンドやオーケストラだけでなく、舞台裏のスタッフも含め100人以上によって支えられている。人数は芝居の規模によって異なるが、『オペラ座の怪人』は演者と裏方合わせて125人規模で行われていた。 それら人件費に加え、大掛かりな舞台セットを毎回解体せずに固定させておく会場の維持費も相当なものだ。 AP通信は、「このミュージカルは同時多発テロやリーマンショックなどニューヨークのさまざまな困難や局面を共に乗り越えてきたが、新型コロナウィルスのパンデミックが最後の災難となった」と伝えた。 パンデミックから復活するも… ニューヨークのブロードウェイ・ミュージカル・シーン(劇場街、芝居業界)の売り上げと入場した観客数は、2018年から19年にかけてのシーズンがもっとも活気があった。しかし近年は困難に見舞われた。パンデミックにより、20年3月に全劇場が一時閉鎖し休演となった。当初は1ヵ月の予定が3ヵ月に伸び、さらにまた延長を繰り返し、結局業界全体で1年半にわたる休演を余儀なくされた。 しかもこれはパンデミックに始まったことではないが、ブロードウェイ・ミュージカル・シーンは、エンタメ業界の中でも非常にシビアな世界だ。いくら一部のコアファンの心を掴もうとも、黒字が見込めない作品はすぐに打ち切りとなってしまう。 韓国のBTSの成功で、世界中で大人気のKポップにあやかって、Kポップを題材にしたブロードウェイ・ミュージカル『KPOP』が、昨年秋に再演*となっていた。世界中のKポップファンが劇場に押し寄せ、当初は今年春まで上演予定でリスタートしたはずだった。 しかし音楽の人気とは裏腹に、ブロードウェイでの状況は異なった。連日の満員御礼とはならず、空席が出る芝居の上演を続けていくのは困難と判断された。本公演がスタートして約1ヵ月足らずでの発表だった。最終公演は昨年12月11日で、そのあまりにも早い決断と展開に、ファンは驚きを隠せなかった。 カナダを含む北米全体のブロードウェイ業界団体、ザ・ブロードウェイ・リーグ (The Broadway League)は、1984-85年シーズン以降のブロードウェイ公演の売り上げや入場者数を発表している。 このデータによると、コロナ前の2018-19年シーズンがもっとも活況で、業界全体の売り上げが18億ドル(当時の為替で約1,940億円)を超え、来場者数も1,477万人規模を記録した。しかしパンデミックからの再演後(2021-22年シーズン)の売り上げは8億ドル規模に留まり、来場者数も673万人と伸び悩む。 地元の小学生対象に「裏方」イベント そんな中、業界ではより多くの観客にミュージカルに足を運んでほしいと、さまざまなアプローチで文化を盛り上げ、巻き返しを図る試みが見られる。 ミュージカルの舞台裏を紹介するイベントが今月11日、地元の小学生を対象に行われた。非営利団体のインサイド・ブロードウェイ(Inside Broadway)が行っている年2回の恒例イベントで、役者や演奏者のみならず、裏方(マネージャー、照明、音響、舞台装置、技術、美術、衣裳そして経理まで)がどのようにステージに関わり、公演が実現できているかを紹介するもの。これまでも『オペラ座の怪人』『マンマ・ミーア!』『キャッツ』『レ・ミゼラブル』など、人気公演の舞台裏を市民に紹介してきた。 今回の裏方紹介イベントでは、人気ミュージカル『ムーラン・ルージュ!(Moulin Rouge!)』がフィーチャーされた。 参加した小学生の半分以上はこの日が「初のブロードウェイ体験になった」と答えた。「剣を飲み込むマジックの種明かしが面白かった」「ステージの下の見えない所に14人のバンドがいて生演奏しているなんて知らなかった」「演者の人数以上のスタッフがステージの裏で支えているとは」と感嘆の声が上がり、大盛況だった。 バスに乗って観劇『The Ride』も再復活 演劇界でもっとも権威あるトニー賞は今年は6月11日に予定されている。それを間近に控えたシーズンとあり、ミュージカルへの人々の注目度は高まっている。 パンデミックの休演から再復活したのは、専用バスでニューヨークの街中を走りながら観劇する一風変わった公演『ザ・ライド(The Ride)』もそうだ。 コロナ前は日本語版も用意されるほど、日本人観光客にも好評だった。21年に再開したものの、翌22年10月に再びクローズ。数々の困難を経て、やっと先月末に再度復活を果たした。 14年から8年間、演者の1人として同公演に出演している日本人プロダンサーの中澤利彦さんも、再復活の日を首を長くし待っていた。 「休演と再開を繰り返し、再び戻ってくることができました。ニューヨークの街も活気付いてきたので、たくさんのお客さんとの出会いを楽しみにしています!」 関連記事 Text and photos by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

NY地下鉄ホームレス殺害起訴されず。息の根止める危険な技「チョークホールド」とは?

ニューヨークの地下鉄で今月1日、黒人男性が乗客に首元を圧迫され殺された。その時の様子を映し出した動画がSNSで拡散され、物議を醸している。 ホームレスのジョーダン・ニーリー(Jordan Neely)さん(30歳)は、路上でマイケル・ジャクソンのモノマネ・パフォーマンスをし生計を立てていたが、精神疾患を患い、家賃が高騰した市内でホームレスの身だった。 同日午後2時半前、ニーリーさんは地下鉄F線で迷惑行為を始めたとされる。当地では物乞いをするホームレスや喚き散らす不審者がたまにいる。コロナ禍以降、地下鉄での凶悪事件が急増しているため、警官が目を光らせ乗客も少しの異変に敏感になる。 ニーリーさんはこの日、電車内で大声で空腹を訴え、「自分は死んでもいい」と言いながら乗り合わせた人々を脅し始めたという目撃情報がある。それを止めに入ったのが、24歳の白人男性、ダニエル・ペニー氏だった。ペニー氏はニーリーさんの背後から腕で首を圧迫させる「チョークホールド」を加えた。ニーリーさんは次第に意識を失い、病院で死亡が確認された。ガタイが良いペニー氏は、21年に一時除隊するまでの5年間、米海軍に所属していた。 SNSで拡散された動画では、首元をしばらく圧迫されたニーリーさんの死にゆく様子が映し出されている。男3人がかりで拘束され手足を動かしながら抵抗を見せていた。次第に目を閉じ、ほとんど力が残っていなかったようだがペニー氏は最後まで手を緩めていない。このような動画が拡散され、遺族にとってたまったものではない。 ニーリーさんの母親は2007年に殺人事件の被害者となりすでに他界。ニーリーさんの精神は母親の殺害後に乱れたという情報もあり、これまで薬物乱用や暴行罪など数々の逮捕歴があった。 この殺人事件は、アメリカそしてニューヨークが抱えるさまざまな問題を炙り出した。 一つは、地下鉄で多発する事件 一つは、増え続けるホームレス問題 一つは、増え続ける精神疾患患者の問題 一つは、黒人への暴力 一つは、(社会的弱い立場の)人間の正義 そして、チョークホールド。 チョークホールドとは? チョークホールドとは、相手の背後から腕を使って首元を圧迫する技で、プロレス技のヘッドロックに似ている。頚動脈をふさぐ非常に危険な技で、首絞め、絞め技、裸絞め、スリーパーホールドなどとも呼ばれる。かけられた相手は息ができず、次第に意識がなくなる。ニューヨーク州では2020年の警察改革で、警官であってもチョークホールドを加えることは禁じられるようになった(後述)。 ニーリーさんの死亡事件で、加害者が行ったのはまさにチョークホールドだった。加害者は一時期海軍に所属し、その間2度戦地に赴いたことがある。そのような経験があれば弱々しいホームレスを相手にどの程度の力を加えると死に至るかは知っていたはずである。 ニューヨークタイムズも「ニーリー氏の死はあってはならない悲劇であり、もっとも弱く社会から阻害されている立場の市民に対して、市の政策が不十分であることを浮き彫りにした」と問題提起した。 ニューヨークは、黒人男性へのチョークホールドで死に至った事件のトラウマがある。9年前のエリック・ガーナー窒息死事件だ。ミネアポリスの白人警官が膝で首を押さえ殺害したジョージ・フロイド氏の殺人事件を発端にした2020年のBLM運動の前兆とも言える大事件だった。 エリック・ガーナーさんの事件は、ニューヨーク市スタテン島で2014年7月17日に発生。43歳の黒人男性、ガーナーさんが警察と押し問答の末、白人のダニエル・パンタレオ警官にチョークホールドされ、「I can’t breathe(息ができない)」と何度も訴えながら死んだ。 パンタレオ氏は不起訴となり、ガーナーさんの死の正義のため市内で抗議活動が起こった。パンタレオ氏はその後、NYPD(ニューヨーク市警察)を解雇処分となったのだが、ガーナーさんの死の5年後、2019年8月19日のことだった。 事件自体は、遺族が市を相手に訴訟を起こし、賠償金590万ドル(現在の為替で約8億円)の支払いで和解した。ガーナーさんの死が引き金となり、20年にはニューヨーク州の警官に対してチョークホールドを禁ずる、エリック・ガーナー・アンチ-チョークホールド法(Eric Garner Anti-Chokehold Act)が可決された。 今回ニーリーさんを殺害した加害者のペニー氏は、一時的に拘留され警察の事情聴取を受けたが、自衛と認められ逃亡の危険性もないことから同日釈放されている。起訴はされておらず、地方検事により捜査が進められているが、今後起訴されるかどうかも不明だ。 ニーリーさんの死の説明責任そして正義のため、当地では再びデモが起こっている。一方で、ニーリーさんが問題行動を起こしていたことから、市民の中にはペニー氏に同情し擁護する声も上がっている。 過去記事 Photo: 「黒人のジョーダン・ニーリーを殺したのは誰だ?」と書かれたNYの地下鉄。 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

80年代ヒット映画『セーラー服と機関銃』はアメリカ人にどう映った?(相米慎二作品NYで上映中)

2001年に53歳で亡くなった相米慎二監督の軌跡がアメリカ・ニューヨークで蘇っている。 日本文化を紹介するジャパン・ソサエティーで、グローバス映画シリーズ「相米慎二の世界:不朽の青春」(Rites of Passage: The Films of Shinji Somai)と題した相米氏の映画祭が、5月13日まで開催中。 厳しい演出で役者の持つ力を発揮させることに長けたと評される相米氏。薬師丸ひろ子、永瀬正敏、河合美智子、工藤夕貴、牧瀬里穂など多くの才能を発掘してきた。 その中でも特筆すべきは、81年の薬師丸ひろ子主演の大ヒット作『セーラー服と機関銃』だろう。同作(完璧版)がニューヨークで上映された4月29日、チケットは売り切れ、会場は満員御礼の人気ぶりだった。 同作は女子高生(今で言うJK)の泉がヤクザの親分になる奇想天外なストーリーで、身勝手な大人社会に放たれた怒りが表現されている。 一番の見せ場は後半、泉が機関銃を乱射する、あの時代を生きた者なら誰もが知るシーン。時が止まったかのような特徴的なサウンドとモーションの中、一世を風靡したセリフ「快感(カイ・カン)」が放たれる。現代においては物議を醸すであろう過激なアクションシーンは当時の日本でも大きな話題となった。 またマリリン・モンローよろしく泉がセーラー服にヒール姿で雑踏を歩き、人々に囲まれ、地下から吹き上がる風でスカートがめくれ上がるシーンも印象的だった。相米氏が何を伝えたかったのか、その思惑をあれこれ妄想させる。 劇場に足を運んだほとんどのローカルの人は、相米氏や薬師丸氏の名声も知らなければ、この映画があの時代の日本人の心を引きつけたことも、さらには「こ〜のまま〜何時間でも〜抱いていたいけど〜」*のメロディも知らない。そんな中、何人かに感想を聞いたら、受け止めはさまざまだった。 旅行をしたことがあったとしても、ケータイもネットもない時代の日本の風景は、さぞや新鮮に映っただろう。何人かは「よかった」「興味深い映画だった」と評価した。「機関銃のシーンは受け止めが難しい」という声もあった。東京に6年住み日本語を流暢に話すアメリカ人も第一声で「興味深かった」と言った。その一方話をよく聞くと「コンテキストで理解するのが難しかった」とも。「おじん」など死語のせいかと思いきや、言葉の問題ではないらしい。 「80年代の日本を知らないので、話の流れのツァイトガイスト(その時代の思想や問題などから考えること)が難しく、監督が言わんとしていることがわからなかった」 作品はアメリカ向けに作られたものではないし、当時の状況や文化背景を知らないとこの映画の真骨頂はやや伝わりづらいのかもしれない。ということは、若い世代の日本人が観ても同様の感想になるのだろうか?(当時を知る筆者はヒット曲が懐かしく、また「快感ブーム」になったあのシーンを見届けられただけで満足だったが) 相米氏の没後20年となった2021年には特集上映イベントが組まれ、リアルタイムで相米作品を知らない世代の若者が劇場に詰めかけ、人気が再燃したと伝えられている。主催のジャパン・ソサエティーによると、日本国外のファンの間でも相米作品は「再び人気となり、作品について再評価がされている」という。 今回の期間中は、『セーラー服と機関銃』の完璧版と初公開版、『台風クラブ』『ラブホテル』『ションベン・ライダー』『魚影の群れ』『東京上空いらっしゃいませ』『光る女』がラインナップされている。5月5日には『光る女』に出演したMonday満ちる(秋吉満ちる)氏も、上映会に特別ゲストとして登場する予定だ。 注: * 1981年の大ヒット曲。曲名『セーラー服と機関銃』、歌手:薬師丸ひろ子、作詞:来生えつこ、作曲:来生たかお Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

『セーラー服と機関銃』NYで上映:相米慎二映画祭開催中。ジャパン・ソサエティーで

Photo: グローバス映画シリーズ「相米慎二の世界:不朽の青春」@ Japan Society (c) Kasumi Abe 映画監督、相米慎二(そうまいしんじ)氏の映画祭がニューヨークのジャパン・ソサエティーで開催中。 28日のオープニングイベントには、80年代〜1990年代の相米作品を知る世代のみならず、アメリカのローカルの幅広い映画ファン、日本文化ファンが一堂に会した。 言葉のチョイスとして今では誰も使わない死語や山の手言葉も散りばめられ、時代の移り変わりを感じる。また、この時代の日本映画はおそらく今の時代であればNGな表現も大胆に取り入れられている。ネットもケータイもない時代だが、逆に表現豊かな良い時代でもあったなと思いながら鑑賞した。 ここでは3作品をピックアップ(以下、多少のネタバレ含む) 85年『台風クラブ』 初日の『台風クラブ』は、思春期の中学生を題材にした85年の映画。 時はエイティース。バービーボーイズや松田聖子など当時の音楽と共に昭和の木造校舎で展開するストーリーは、私世代には懐かしく、若い世代やアメリカ人には新鮮に映るだろう。 相米氏なりの一つの見せ場、後半部分で野球部員の男子が教室で机や椅子を積み上げるシーン。それは映画が何を伝えようとしているのかを我々に考えさせるに十分な、かなり長回しのシーンだった。映画全体の音として、中学生のわちゃわちゃした音や台風や暴風雨の音がメインだが、所々無音になる。この机を積み上げるシーンでも、「台風の音→無音→小鳥のさえずり」が印象的だった。 このような手法は相米氏の特徴なのだろうか? 唯一当時のブームを知っている『セーラー服と機関銃』。中身はさっぱりわからないので、翌日の作品への余韻を残した。 工藤夕貴が注目されるきっかけになった映画。写真提供:ジャパン・ソサエティー 81年『セーラー服と機関銃』 81年の代表作『セーラー服と機関銃』(完璧版)。私は観たのかどうかも思い出せないが、この作品があの時代に世間で騒がれていたのだけは覚えている。 女子高生(今で言うJK)がヤクザの親分になる奇想天外なストーリーで、身勝手な大人社会に向け怒りを放つ。やはり同作でも長回しで音の調和が特徴的なシーンがいくつかあった(ヤクザの子分が薬師丸ひろ子演じる泉をバイクに乗せ家に送るシーン。翌日、子分は無残に殺される) この映画一番の見せ場は後半、泉が機関銃を乱射するところ。現代においては物議を醸すであろうアクションシーンだ。特徴的なサウンドとモーションの中、一世風靡したセリフ「快感(カイ・カン)」が放たれる。またマリリン・モンローよろしく泉がセーラー服にヒール姿で雑踏を歩き、人々に囲まれ、地下から吹き上がる風でスカートがめくれ上がるシーンも印象的。相米氏の思惑をあれこれ妄想する。 劇場に足を運んだほとんどのローカルの人は、この映画のブームも「こ〜のまま〜何時間でも〜抱いていたいけど〜」の薬師丸ひろ子のヒット曲も知らない。何人かに感想を聞いたが、受け止めはさまざまだった。 日本語を流暢に話すアメリカ人に話を聞くと、彼の第一声は「興味深かった」ということだった。一方で話をよく聞くと「難しかった」とも言っていた。「おじん」など死語のせいかと思ったら、そういうことでもないらしい。作品はアメリカ向けに作られたものではないし、当時の状況や文化背景を知らない人にこの映画の真骨頂は少し伝わりづらいのかもしれない。私は「快感」のシーンをもう一度観たかったので大満足。 85年『ラブホテル』 『台風クラブ』と同年の映画だが全く異なり、塗れ場が多め。心から天使になりたい、愛情に飢えた悲しい女性の物語。 ラブホテルの内装が、おそらく今の日本ではあまりないのでは?と思わせる昭和な雰囲気で、面白い壁画を長尺で映し出すカメラワークも興味深し。 最後のシーンでは、主人公・名美が前日に身を委ねた男のアパートを訪ね、男の妻とすれ違う。桜が舞い、大勢の子どもが戯れ…。こちらも特徴的なシーンだった。 グローバス映画シリーズ「相米慎二の世界:不朽の青春」(Rites of Passage: The Films of Shinji Somai)は、まだまだ続く。ジャパン・ソサエティーで5月13日まで開催中。 Globus Series Rites of Passage: The Films of Shinji Somai April 28—May 13, 2023 ジャパン・ソサエティーとは?  ジョシュア・W. ウォーカー (Joshua W. WALKER)理事長 取材記事…

「ない」から生まれるガッツが人を成功へと導く。NYエンタメの会、ファッションデザイナー小西翔さん

Photo:(左から)主催者の中澤さん、この日のゲストの小西さん。 @RESOBOX (c) Kasumi Abe ニューヨークで挑戦する日本人エンターテイナーのために、「NYエンタメの会」という交流会が定期的に持たれています。24日はファッションデザイナー、小西翔さんのトークイベント&交流会でした。 小西さんは東京パラリンピックの開会式の布袋寅泰さんをはじめ、さまざまな有名人の衣装を手がけるファッションデザイナー。 私がこの日聞いた話で一番印象的だったのは、その気概。 まず彼が掴んだチャンスは、体あたりで100通くらいDMを送り、その中から生まれることが多いんだそうです。 また彼が卒業した美大のパーソンズは年間の「学費だけ」で日本円で600万円とも言われています。ニューヨークは物価が高いので家賃や食費、そして生地など材料費も含むと相当なお金が留学に必要です。まさに、お金持ちしか行けない大学ですからご両親に無理と言われたそうですが、そこで諦めず彼はユニクロの奨学金制度を申請し、年間援助「1人枠」に入ることができた。在学中は休みなく学び、熟睡もできないほどだったとか。優秀なので、パリ留学も奨学金制度によるもので、もらった分だけこれからは社会や次の世代に還元をしたいと言っていました。 お金はあればあるほどいいんだろうけど、「ない」ところからガッツで這い上がってきた人はやはり何かが違うなと思いました。 また100通のDMアプローチの話の流れで、アーティストからたまに聞こえてくる人種差別についてどう思うか質問を投げかけてみたら、「差別はあるのかもしれないが自分は言葉の訳を自分なりにいい感じに置き換える」と。つまり受け取る自分次第と仰っていて、そのポジティブな姿勢も印象的でした。 帰りの電車の中でググってみたら、3年前「グッと地球便」というテレビ番組にフィーチャーされていた。↓ ちなみにこの「NYエンタメの会」は2015年に始まって今回は41回目。会の主催者もエンターテイナーで、ニューヨーク在住のダンサー、中澤利彦さん。バスに乗車し観劇する人気のショー「The Ride」などで活躍してきた中澤さんですが、コロナ禍のショーの閉鎖などにぶち当たりました。いよいよThe Rideも今月から再開ということで、さらなる活躍が期待できそうです。 小西さんも言っていたけど、「誰かに強制されているわけではなく、自分がやりたいことができること」は幸せなことですね。それを改めて感じた夜でした。 Text and photo by Kasumi Abe (「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

海外拠点の中国「秘密警察」、日本含め世界で何箇所?── NYで初の逮捕者

中国系アメリカ人の男が、中国の警察拠点をアメリカ、ニューヨークで設立、運営していたとし、17日逮捕された。 逮捕、起訴されたのは、市内在住の50代と60代の米国籍を持つ中国系の男2人だ。 民主活動家などの在米中国人を監視するため、2人は昨年2月よりチャイナタウンにあるビルの3階で、中国の福建省福州市の「警察署」を無許可で開設、運営していたとされる。この拠点は昨年よりF.B.I.(連邦捜査局)の捜査対象となっており、被告はそれに気づき、秋ごろ閉鎖していた。 このビルは6階建てのオフィスビルで、中華系の飲食店やホテルが集まる歓楽街に位置し、辺りは観光客も多く行き交う。 アメリカ国内では、ニューヨークやロサンゼルスをはじめとする数箇所に、中国共産党が違法運営に関与している「警察拠点」があるのは周知されているが、ニューヨークタイムズによるとこのような秘密警察に関連した逮捕、刑事告発は初のケースだ。 2人の被告は、中国政府との共謀による米国在住者への脅迫、証拠隠滅、捜査妨害の容疑で同日起訴されたが、出廷後は釈放されている。 慈善団体を隠れ蓑として活動 この秘密警察はどうやら慈善団体を隠れ蓑として活動していたようだ。 「福建省福州市出身者の交流の場」をミッションに掲げ2013年に立ち上げられた慈善活動の非営利団体、アメリカ・チャングル・アソシエーションNY(America ChangLe Association NY Inc.)が警察拠点になったのは、昨年頭と見られる。実態を知らず、昨年のパーティーにはエリック・アダムス市長も参加していた。その後内部告発により実態が明るみに出て、F.B.I.の捜査対象となっていた。 また、米司法省は2人の被告の起訴同日、中国で活動する人民警察官40人についても、国境を越えた弾圧や嫌がらせで起訴したと発表した。ただしアメリカと中国の間には犯罪人引き渡し条約が締結されていないため、身柄は拘束できていない。 中国の秘密警察署、世界で何箇所?日本は? 前述のニューヨークタイムズなど各紙によると、世界中にある中国の警察業務拠点数は、中国の抑圧を監視するスペインの人権団体、セーフガード・ディフェンダーズ(Safeguard Defenders)が調査している。それによると、ニューヨーク市内には今回閉鎖された場所以外にも別に拠点があるという。また全米にはロサンゼルス、サンフランシスコ、ヒューストンなど少なくとも6都市に広がっている。 世界中では、少なくとも53ヵ国で確認されている。同人権団体は昨年9月、世界中に点在する54拠点の存在を初めて明らかにし、その後さらに48拠点の存在も確認した。例えばトロントに3箇所、パリに2箇所、ロンドンに2箇所、さらにスペイン、イタリア、クロアチア、セルビア、ルーマニアなどといった具合だ。単純計算で世界中に少なくとも102拠点が確認されていることになるが、チャイナタウンがない国はないとも言われている通り、実際にはもっと多そうだ。 中国当局によるこれらの警察拠点は、「外国の市民権を持つ20万人以上の中国系の人々を中国に強制的に帰国させたことに関与した」とされ、「国際法と領土主権の侵害」との非難が国際社会から出ている。アイルランド、カナダ、オランダの当局は、自国にある秘密警察に対して運営停止を求めているという。 日本国内は、FNNプライムオンラインによると、東京の秋葉原と福岡に同様の拠点の存在が確認されており、ほかにも東京の銀座、名古屋、大阪での存在も推察されている。しかし日本では「犯罪事実がなければ検挙できず、慈善組織を隠れ蓑にする手口に打ち手はない」という。よって日本にはない「スパイ防止法の検討がされるべき」と報じられた。 世界に先駆けニューヨークで初の逮捕、刑事告発があったことで、中国が国境を越えてまでも人々を取り締まろうとする横暴なやり方をめぐる世界的な論争は、今後活発化していくことだろう。 Photo: 米での中国の活動関連 過去記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

18億円新築コンド最上階「ペントハウス」から見た圧巻の景色【NY高層階の暮らし】

Photo: (c) Kasumi Abe ニューヨークは地上と上空からの景色がまったく異なり、両方のアングルが絵になる街だ。今回筆者は、マンハッタンにある新築コンドミニアムの最上階、ペントハウスの住居スペースを訪れた。 場所は、歴史的景観が眺望に入るノマド地区にある。 ノマド地区は以前は問屋街として栄えてきた街だが、2000年代以降もっともおしゃれなエリアの1つに進化した。そのきっかけは、クリエイティブ界隈では誰もが知るエースホテル(ACE Hotel)の進出だ。2009年の開業以来、ラグジュアリーホテルやミシュランレストランが続き、街は開花した。 エースホテルがノマドに目をつけた理由の1つに、素晴らしいヨーロッパのバロック建築物群の景観があっただろうというのは想像に難くない。この界隈に佇むビルはどれも歴史的な深みがあり美しい。 パンデミックの終焉と共に世界中からおしゃれな人々が舞い戻り、そんな人々が街に彩りを添えさらに活況を呈する。 「今もっとも新しくホットで勢いのある地区です」と言うのは、米不動産会社コア(Core)アソシエイトブローカーのジョン・ハリソンさん。「リッツ・カールトンや高級会員クラブ&ホテルのネッドも昨年開業し、おしゃれな街をさらに牽引しています。ラグジュアリーさと便利で洗練された生活の質を両方求める人にとって最高の立地なのです」。街づくりのプロもそのように太鼓判を捺す。 NoMad そんなノマド地区に完成したばかりの高級コンドミニアム、ローズヒル(Rose Hill)。ディベロッパーであるロックフェラーグループが手がけた最新の住居用高層ビルだ。 121のユニットを擁す45階建てで、42階から上はペントハウスになっている。3ユニットのうちの1つを訪ねた。 「わぁ!!」。ハリソンさんが玄関ドアを開けてくれた瞬間、思わず感嘆の声が漏れた。素敵な家にお呼ばれし玄関を開けた瞬間にテンションが上がることがある。または家探しで30軒もの見学後、中に入った瞬間ここだ!と直感でわかる。ついに運命の家に辿り着いた、まさにその心境だ。 眩いばかりの自然光の向こうには絶景が広がっており、期待が一気に膨らむ。 なんてったってここから見える景色は、43階の目の高さのニューヨーク摩天楼だ。ここに住むことができるのは「成功の証」。高所得者の中でも限られた層だけが手にできる「億万長者の景色」とでも言おうか。 家を見せてもらう場合、筆者はリビングルームからチェックすることが多いが、ここはいきなりバルコニーから見せてもらうことにする。 高層ビル群の中に住居を持つと、いくら高層階でもお隣さんの窓がすぐ目の前なんてことはニューヨークの高層ビルあるあるだが、ここは周囲に景観を遮るものがないのが良い。 景色もド迫力だが、バルコニーの大きさにも驚いた。ここで週末のブランチをしたら最高に楽しそうだ。「夕暮れ時はさらに綺麗なんですよ」とハリソンさん。夜は“1000万ドル”の夜景を見ながらワインやシャンパン、ウイスキーグラスを傾けるのがご一興。 目の前の絶景に言葉を失ったところで、室内に戻る。 まずはキッチン。料理が楽しくなるアイランドタイプだ。床から天井まで全面窓なので自然光がさまざまな角度から射し、室内は明るい。 この家にテレビは要らない。キッチンカウンターに立ち、外の景色を眺めながら料理をする。オープンスペースにもできるため、右奥のリビングにいる家族とのコミュニケーションも取りやすい作り。 団欒スペースのリビングルームには、温かい雰囲気を醸し出すおしゃれな暖炉がある。ここでゲストを迎えたり、家族でボードゲームをしたり、仕事から帰宅後に一息ついたり ── 。 その奥は書斎・オフィススペースになっている。ここで仕事をすれば捗ること間違いなし。 「上もぜひ見てください」とハリソンさん。なんとこのペントハウスは43、44階と2フロアにまたがっているのだ! 上階では、すべてのものがさらに想像を超えるスケールで我々を待ち構えていた。まるで高級ホテルの一室のような、広々とした寝室空間。 全方向、どの角度から見ても「絵」になる圧巻のペントハウスで、筆者は終始、声を失った。これまで見てきたレジデンシャル・ビルディングの中で確実に五指に入る物件だった。 見るものすべてが想像を超え、ここに住むことになる人たちは一体どんな仕事をし、どんな人生を歩んできたのかと思いを巡らせる。きっとこれも想定をはるかに超越するものであろう。 気になる購入価格は、日本円に換算して約17億8000万円也。加えて共有費と税金が毎月140万円ほどかかる。これほどの価格帯であっても3つのペントハウスのうち2つはすでに完売済みで、このユニットが現段階で残っている最後の1室ということだ。 「このローズヒル(ビル)はプロジェクトの立ち上げ以来、販売速度が速く、一部のユニットはすでに売り切れてしまいました」とハリソンさん。アメリカでは住宅ローンの金利が上昇しているが、富裕層を対象とした高級物件の需要は依然高いことを示唆している。 43〜44階の「PHB」フロアプラン Rose Hill「Penthouse B」 価格:1299万5000ドル(約17億8000万円) 2ベッドルーム、3バスルーム、リビングルーム、キッチン、書斎/ラウンジエリア、2バルコニー 室内面積:2,610平方フィート(約242.5平方メートル) バルコニー面積: 613平方フィート(約57平方メートル) 税金は月5,711ドル(約78万3000円)、共有費は月4,255ドル(約58万3000円) NYの住まい関連記事 【億ションのお宅拝見】 Text and photos by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止