1年3ヵ月ぶり「非常事態」が解除 NYはいま【昨年との比較写真】

「緊急事態は終わった。新しい章の始まりだ」 ニューヨーク州のクオモ知事は23日の定例記者会見でこのように述べた。 州では昨年3月7日にコロナ禍における非常事態が宣言されたが、今月24日をもって終了の期限を迎え、非常事態が解除された。 そもそもこの非常事態宣言とは当時、世界最悪の状況に陥った同州の新型コロナ感染拡大を受け、必要な予算、物資、州兵などの確保を目的に出されたものだったが、ワクチンの浸透と共に感染状況は落ち着いている。 1年3ヵ月前といま(比較写真) 過去記事 (2020年3月) 米海軍の病院船コンフォート到着 死者千人超えでも希望を捨てない人々(ニューヨーク、今日の風景) NY州最新の感染&ワクチン接種状況 ニューヨーク州の感染者数は、先月よりさらに減少している。 25日に実施された新型コロナ検査は9万7020回。うち、385件が陽性(全体の0.40%) 新型コロナウイルスによる入院患者(重症患者)数はこの日の時点で、371人 死者5人 州のワクチン投与実績…少なくとも1回接種は71.6% これまでに州内で投与されたワクチン接種数:2094万5467回 24時間以内に投与されたワクチン回数:11万7760回 少なくとも1回のワクチン接種を受けたのは、18歳以上の71.6%(すべての年齢層の59.4%) 必要回数分(1回もしくは2回)のワクチン接種を完了したのは、18歳以上の64.1%(すべての年齢層の52.8%) 非常事態解除後のNYのいま マスクの着用率は?(タイムズスクエア) 筆者は宣言解除の翌25日から週末にかけて、ニューヨークの中心地タイムズスクエアやセントラルパークなどに様子を見に行った。 まず、国内からの観光客だと思われる人出は先月よりさらに増えており、パンデミック前の活気が戻っていた。 州では先月半ば以降、ビジネスの入店・入場制限の規制のほとんどが解除され、地下鉄も本来の24時間営業に戻るなど、大規模に経済活動が再開している。ワクチン接種完了者は、公共交通機関や一部の商業施設を除いて、マスクの着用義務がない。 多くの人々はワクチンを打ったからこその「自由」を満喫しているようだった。大切な家族や友人とハグをし、さまざまな場所にマスクなしで躊躇なく行ける自由。パンデミックによりそれまでの当たり前が当たり前ではないと誰もが気づいたからこそ、なんてことのない日常がありがたく感じる。気候も良く、緊急事態が解除された軽やかな気持ちは皆、同じだろう。 同じだろう。 マスクの着用率は先月、ワクチン接種を完了した人でもまだ高いとレポートしたが、6月も後半になると、全員とはいかないまでも、マスクを外している人は大分増えていた。 マスクの着用率は先月、ワクチン接種を完了した人でもまだ高いとレポートしたが、6月も後半になると、全員とはいかないまでも、マスクを外している人は大分増えていた。 ニューヨークは毎年この時期、大規模なプライドパレードが開催されるが、昨年は中止、51回目の今年は「Pride March」と題してパレードが縮小し、ブロックパーティーやイベントが各所で行われている。 セントラルパーク 広大なセントラルパークでのマスク率はさらに少なかった(全体の1%ほど)。大多数の人はマスクなしで、ピクニックや読書、ジョギングなど思い思いの週末を楽しんでいた。 飲食店やバー 「QRコード・メニュー」がニューノーマル パンデミック以降、レストランやバーは歩道や車道だったスペースにテーブルを置き、感染防止対策をしているが、外は蒸し暑いからと屋内飲食する客も最近は増えている。 飲食店の中にはワクチン接種完了者のみを受け付ける店もあるようだが、筆者はこれまで一度もワクチン接種完了証明書の提示を求められたことはない。この店にはついうっかりしてマスクをせずに入店したが、通常通りに対応された。 飲食店の大きなニューノーマルの1つが、メニューブック/表の廃止だ。QRコードでメニューを見て注文するのが、飲食店での新たな常識となった(昨年の夏以降増えた気がする)。ミッドタウンにあるハンバーガーの美味しいこの店の女性サーバーに理由を聞くと、「衛生上の問題です。メニューは不特定多数の人がベタベタ触って不衛生だし、店側も客ごとに各ページを除菌するのは手間がかかるから」。そこで登場したのがQRコード・メニューというわけだ。 「もはや店内には紙のメニューはいっさい置いてないんですよ」との徹底ぶり。今後メニューブック自体が過去の産物として、新世代に「何それ?」と言われるようになるかもしれない。 またニューノーマルの1つだった、カクテルなど「アルコール類の持ち帰り」は25日以降はできなくなった。 州では、昨年3月の非常事態宣言と共に、バーやレストランの通常営業を禁止し、アルコール類も含むデリバリーもしくは持ち帰りに限り許可していた。 アメリカはもともとアルコールに関して日本より規制が厳しい。州によって多少異なるが基本的に路上飲みは一切禁止だし、ハードリカー類は酒屋でしか販売されておらず、当然夜間は閉まる。すべての酒類を購入するには写真付きIDを見せる必要も。そのような厳しい規制の中「お持ち帰りカクテル」は、市民にとって画期的なサービスだった。本来は禁止されているが、店の前の路上でこっそり飲む人も見かけた。 しかし今回、パンデミック前のガイドラインに戻るとして、本来のルール(持ち帰り禁止)となった。 関連記事 昨年10月の飲食店の様子 半数以上が廃業? この半年「生き残った」飲食店が行った新たな試みとは【NYで屋内飲食再開】 そのほか    地下鉄 スーパーマーケット オフィス 植物園、博物館 筆者はこの週末、ブロンクス植物園の草間彌生展「KUSAMA: Cosmic Nature」を訪れたが、世界の草間彌生人気を反映して、ここもものすごい人出だった。 温室や館内、土産店の入り口には「ワクチン接種済みであればマスク不要」とする注意書きがあり、接種完了済みの筆者はマスクを着けずに入ったが、接種証明書の提示は求められなかった。…

全米の4人に1人が「ワクチン打たない」反ワクチン運動や職場訴訟も(動画あり)

摂氏34度の夏日となった6日午後4時過ぎ、ニューヨークのハーレム地区にある教会の前は多くの人が集まり騒然となった。 米国立アレルギー・​感染症研究所の所長、アンソニー・ファウチ医師とバイデン大統領夫人のジル・バイデン博士が共にAbyssinian Baptist Churchを訪れ、教会関係者、医療従事者、接種を受けに来た人々をねぎらった。この教会は今年1月以来、新型コロナウイルスのワクチン接種会場として使用されており、これまで1万2000人以上がここで接種を受けてきた。 ニューヨークではワクチン接種数の浸透と共に感染者数も減っており、先月19日より大規模な経済活動が再開した。 ニューヨーク州では少なくとも1回の接種を受けた18歳以上は68.6%。 この国で教会とは、人々の心の拠り所として、地域住民にとって欠かせない要の場所だ。社会的に弱い立場の人々にとっては尚更である。そのような神聖な場所が今、感染防止の最前線として大活用されている。 「特にブラック&ブラウン・コミュニティー(新型コロナで打撃を受けた黒人層やヒスパニック層が多く住む地域)であるハーレム地区の教会が接種会場になり、2人が視察してくれたことは意義深い」と、同教会のカルヴィン・バッツ牧師は地元メディアを通して語った。 ファウチ医師とバイデン博士が訪れ、現場を激励した時の映像 一方で会場外では、ワクチン接種反対派の人々による抗議活動も同時に行われていた。 ホワイトハウスの発表では、米国内で新型コロナワクチンを少なくとも1回接種を受けた成人は63%に、1回もしくは2回の接種を「完了」したのは52%に達している。 バイデン政権は来月の独立記念日(7月4日)までに「成人の70%が少なくとも1回の接種を受ける」という目標を掲げており、すでに70%を達成したのは12州となっている。全米で見てもあともう少しといったところだ。しかしワクチン反対派による抗議活動を見る限り、簡単な道のりとも決して言えないようだ。 なぜなら、これまでの数々の調査で、アメリカ国内のおよそ25%の成人が、ワクチン接種を受けるつもりはない、もしくは未定とされている。 その25%にあたる人々の一部がこの日抗議活動を行い、「私たち国民に選択の自由がある」「ワクチン必須な世の中なんて御免だ」「我々は実験用ネズミではない」などと、ファウチ博士やバイデン博士の方針を強く批判した。 市内ではすでに『レイトショー』などテレビの人気公開放送番組や、新たな観光スポット「リトルアイランド」の有料イベントなどさまざまな場所で、「入場するにはワクチン接種済み証明書が必要」という動きが出ている。 クオモ州知事も「今後ワクチンが完全に承認されれば、州立大学や市立大学の秋学期以降の対面授業には、接種完了の義務付けを予定」と発表した。 「スポーツ会場や大学などさまざまな場所でワクチンパスポートが必須なんてことになってはならない」と懸念するのは、「マスク、ワクチン、(歯磨き粉の)フッ素反対」という看板を掲げたショーンさん。 ただし現時点で成人の60%以上が少なくとも1回の接種を受けている現実を見れば、これらの反対派はごく一部の人々ということだろう。抗議の様子を離れた場所から冷ややかに見ていた近隣住民の男性は、ちょうど博士の視察中に息子がワクチン接種を受けに行ったため、外で待機中とのこと。CDC発行のワクチン接種完了カードを誇らしげに筆者に見せながら、デモについて「この人たちはクレイジーだと思う。やれやれ」と呆れ顔だった。 進む分断 ワクチン反対の動きは今や、訴訟問題にまで発展している。 米南部テキサス州のヒューストン・メソジスト病院(Houston Methodist Hospital)では、医師や看護師などこの病院に勤務するすべての医療従事者が現地時間の今日7日までにワクチン接種を受けるよう通達されている。接種を受けなければ2週間の無給待遇の処分を受け解雇もあるとし、「従業員にワクチンの臨床試験への参加を強制することは違法」と、117人が勤務先の病院を相手に訴える騒ぎになっている。 ファウチ博士とバイデン博士はハーレムの教会視察の翌7日朝、ABC局のトーク生番組『ライヴ・ウィズ・ケリー・アンド・​ライアン』に軽やかな表情で出演した。司会者にワクチン反対派についてどう思うかと聞かれ、バイデン博士は「接種はあなたのためだけではなく、あなたの周りの人のためでもあります」と答えた。 ホワイトハウスは出会い系アプリ9社とコラボするなどし、主に若い世代を対象にワクチン接種啓蒙活動に力を入れている。先月24日、ファウチ医師や人気ユーチューバーらと共に記者の前に現れたバイデン大統領は、このように訴えかけた。 (緊急事態下において)「ワクチン接種はあなただけの話ではない。これはオブリゲーション(人としての義務、責任)なのだ」 当日会場外のワクチン反対派のデモの映像 関連記事 米国で見え隠れする「ワクチン差別」…「ところでワクチン打った?」という会話に潜む危険性(現代ビジネス) アメリカで「ワクチン接種数」が“頭打ち”…? これは数ヵ月後の日本の姿かもしれない(現代ビジネス) 新型コロナに「打ち勝った」“先行事例”となるか?NYが復興へ前進、大規模再開へ NY主要駅で新型コロナワクチン接種。ワクチンツアーの観光客にも好評【筆者の接種体験】 米「ワクチン接種でマスク不要」 NY中心地のマスク率は? 街の人の声は? Text and photo by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

3ヵ月で4店舗が次々にオープン。ニューヨークでも「いきなり!ステーキ」の勢いが止まらない

私が日本で子どものころ慣れ親しんだステーキは、大きさはあれど薄い肉だった。だからアメリカに来て、ステーキハウスで初めて熟成肉のTボーンステーキをオーダーしたときに、その大きさ、厚さ、噛み応え、舌触り、香りに驚いたものだ。 アメリカ人はステーキハウスを接待やイベントでよく使うが、普段使いも比較的多く、肉の消費量は日本の比ではない。そんなステーキ王国ともいえるアメリカ、ニューヨークで、「安くて、スピーディーで、おいしい」の三拍子で勝負をかけている日本の飲食チェーンがある。「いきなり!ステーキ」だ。 いきなり!ステーキが、海外初出店のニューヨークに第1号店を出店したのは、ちょうど昨年の今ごろだった。 (1号店オープン時の記事) 1号店オープン時の2017年2月、創業者であり代表取締役社長の一瀬邦夫氏は「年内に10店舗オープンする」と明言していた。しかし同年11月までに新規オープニング情報は入ってこなかった。 ところが、12月に入って堰を切ったように2号店がマンハッタンのチェルシー地区にオープン。続いて2018年1月に3号店がタイムズスクエアに、2月に入ってからもその勢いは続き、4号店、5号店が同じくチェルシーとタイムズスクエアの別の場所に連続オープンしている。 2月16日(金)、タイムズスクエア近くの「5th アベニュー店」がグランドオープンした。元ニューヨークヤンキースの松井秀喜氏をゲストに招き、午前10時30分より華々しくオープニングセレモニーが行われた。

ニューヨーク五番街でリアル『ティファニーで朝食を』。オードリー・へプバーン気分で「The Blue Box Cafe」へ

これまでティファニーに朝食はなかった かの名女優、オードリー・ヘプバーン主演の映画『ティファニーで朝食を』に憧れ、ニューヨークの五番街にあるティファニーを訪れることを夢見た女子は世界中にいったいどのくらいいるだろうか? かく言う記者もあの映画に感化された一人で、初めてニューヨークを訪れたときは、もちろんティファニー前で記念写真を撮り、大満足したもの。 しかし、ティファニーでの朝食は映画(もとは小説)の中では架空の話であり、映画の中でオードリー・ヘプバーンは五番街に面した入り口横で、ショーウィンドウを眺めながらコーヒーカップ片手にペイストリーをほおばっている。店内ではこれまで、顧客サービスの一環としてドリンクを出してくれることはあっても、レストランやカフェのような飲食スペースは存在しなかった。 ティファニー初となるカフェ「ブルーボックスカフェ」が五番街にオープン ティファニー初となるカフェ「The Blue Box Cafe(ブルーボックスカフェ)」が五番街の旗艦店に昨年11月にオープンし、話題になったのは言うまでもない。文字通りティファニーで朝食を食べるという夢が叶えられることになったのだ。 カフェがある4階はティファニーのホーム用品やアクセサリーを販売するフロアで、カフェはその奥にある。カフェ内は壁、ソファ、いすなどのインテリアからお皿やカップなどの陶器にいたるまで、女子の永遠の憧れであるティファニーブルーが取り入れられている。 同店チーフ・アーティスティック・オフィサーのリード・クラッコフ氏は、「カフェを併設した実験的かつ体験型スペースで、新しいティファニーへのウィンドウ(窓、入り口という意)のような存在」だとコメントしている。 オープンから2ヵ月。「ブルーボックスカフェ」の評判やいかに? インテリアには、ティファニーのクラフトマンシップと伝統を反映したインダストリアルな ディテールが盛り込まれている。遊び心にあふれた意表を突くタッチが、ヘリンボーンマーブル(大理石)や アマゾナイトを使用したフロアと調和し、新しいホーム&アクセサリーコレクションのコンセプトである「日常のラグジュアリー」を反映。 ブルーボックスカフェの評判が気になったので調べてみた。アメリカの評価サイトYelp(イェルプ)を見ると、「量が少ない」「料金が高い」などネガティブな意見がいくつか見受けられる一方で、「食べ物がおいしい」「大満足」という意見も多い。 もっとリアルな声を聞きたいと、実際にカフェに行った人に話を聞いてみた。 UCLA大学を卒業したばかりで現在ロサンゼルスで女優をしているローレン・ヘニングさんは、「アンリアルな(夢みたい、信じられない)空間だった」と一言。 ローレンさんは、アボカドトーストや季節のフルーツつきのヌッテラのクロワッサン朝食(コーヒーか紅茶つき、29ドル)をオーダーしたそう。笑顔や丁寧さが無料の日本のような上質サービスがほぼ皆無だと言われるニューヨークのサービス業だが、「スタッフはとても親切でサービスもキビキビしていたし、言うことなし。使われている陶器はすべてティファニー製で美しく、盛り付けもお見事。カフェから見える五番街の景色も最高だった」と、体験を熱く語ってくれた。最後に「オードリー・ヘプバーンの大ファンの人は、絶対に気にいるハズ」と太鼓判を押した。(写真はローレンさんのインスタグラムで確認できる。@lauhen) また、マンハッタン在住の女性(匿名希望)も、ここで憧れの朝食を体験した一人。オーダーしたのは、トリュフ卵つきのクロワッサン朝食(コーヒーか紅茶つき、29ドル)で、感想を聞くと、「フードの量は確かに少なかったけど味はおいしかった。また私はもともと紅茶派ではないけど、紅茶もおいしかったし満足よ」とのこと。また、「インテリアが息を呑むほどすばらしく、それだけでもお金を払う価値はあると思ったわ。また朝ごはんを食べに行きたい」と絶賛した。 インスタ女子殺到で、予約が最も困難 日本同様、ここニューヨークでも「インスタ映え」するものがSNSで盛んだ。まぎれもなくブルーボックスカフェも、世界中のインスタ女子が今一番殺到している場所であろう。 予約は30日前の午前9時から、ウェブサイト上で受け付けている。オープンから2ヵ月経った今も、世界中から予約が殺到し、シートはすぐ埋まり、なかなか取りにくい状況だ。ただし、空きができるとお知らせしてくれる機能もあるので、ティファニーで朝食を体験したかったら、粘り強くチャレンジしてみて! (文:安部かすみ fromニューヨーク) ■店舗情報 The Blue Box Cafe (ブルーボックスカフェ) 世界の素敵な暮らしをお届け。「Global Lifestyle」 (All text by Kasumi Abe) ■取材国:アメリカ 安部かすみ(あべ・かすみ) 2002年に渡米し、在ニューヨークの新聞社でのシニアエディター職を経て、2014年からフリーの編集者、ライターに。ニューヨークから食やエンタメ、テック系などのトレンドを発信中。編集者歴は日米で20年。 HP Global Press Blog Twitter TSUTAYA T-SITE(2018.1.10)ニューヨーク五番街でリアル『ティファニーで朝食を』。オードリー・へプバーン気分で「The Blue Box Cafe」へより転載(無断転載禁止) ウェブサイトのコピー

【世界から】「⼿作り」と「助け合い」 NYで息づく⼈の温かさ

ニューヨーク・ブルックリン。マンハッタンのお隣に位置するこの地域ではここ10年ほどの 間、クリエーティブマインドの⾼まりとともに、作り⼿の顔や思い、⼿のぬくもりなどが⾒え たり感じとれたりするモノへの愛着が⾼まっている。 ハンドクラフトにこだわるクリエーターは、マンハッタンより広いスペースが借りやすいブ ルックリンで⽇々創作活動に励んでいる。⼿作りするモノは洋服やジュエリー、⾷べ物、スキ ンケア⽤品、家具と実にバラエティー豊か。そして、その活動は各種アルコール類にまで広が りを⾒せている。 ▽NY産の⽇本酒誕⽣ 全⽶ではクラフトビールが⼤流⾏している。2006年の調査によると、⽶国内にあるビールの ⼩規模醸造所は3千以上。ニューヨーク州には200以上あり、ブルックリンでも20以上の醸造所 が⼩規模ながらビール造りをしているとされる。そのブルックリンでは、クラフトビールはも ちろんのこと、ワインやウイスキー、ウオッカ、ジンなど各種アルコール類も少量⽣産され、 地元の⼈々に親しまれている。地産地消の精神で原材料はできるだけ地元でとれたものにこだ わり、それを誇りとばかりに「ブルックリン産」を声⾼にうたう。 そしてこの秋、ニューヨーク初となる⽇本酒の蔵元まで完成し、グランドオープンを迎えよ うとしている。その名も「Brooklyn Kura(ブルックリン・クラ)」。⽇本滞在中の13年に出 会ったブライアン・ポレン⽒とブランドン・ドーン⽒が⽇本酒のおいしさに⽬覚め、意気投 合。⽇本の蔵元で⽇本酒作りを学び、カリフォルニア⽶やブルックリンの⽔を使って純⽶吟醸 酒や⽣貯蔵酒、にごり酒などをここブルックリンで作り始めた。 味は意外にも驚くほど本格的だ。出来たてもおいしいが、寝かせることで熟成感が増しより 深みある味わいになりそうだ。すしやラーメンに続き、⽇本酒までもが⽶国⼈により作られる 時代になったのだと驚くばかり。 酒蔵を開いた動機を両⽒に聞いてみた。ポレン⽒が「⽇本のウイスキーは質の⾼さで世界中 に名をとどろかせた。しかし、10年前に誰がそんなことを予想できただろうか︖」と話すと、 ドーン⽒が「⽇本で本格的なウイスキーができたのだから、⽶国産の本格的な⽇本酒があってもおかしくない」と⾔葉を継いだ。⽇本では若者の⽇本酒離れが懸念されているが、トレンド の発信地ブルックリンで地酒がブームになれば、⽇本の市場にも好影響を与えることになるだ ろうとして期待が⾼まる。 ▽根付くシェア⽂化 Brooklyn Kuraは投資家の援助があるからこそできた⼤胆な試みだが、彼らのように潤沢な 資⾦を持っている⽣産者や職⼈ばかりではない。そこで、⾃社⼯場や制作スタジオを構えられ ない職⼈らの強い味⽅となっているのが、作業スペースをシェアするスタジオだ。 「シェア⼯ 房」と呼ばれるこれらのスタジオは広いスペースを⽐較的リーズナブルに借りられることに加 え、備えられた⼯具を⾃由に使って創作活動に打ち込め、⼤型設備などの初期投資も不要とあ り⾼く⽀持されている。製作の場をシェアしている職⼈同⼠が⾃然と交流することで、ジャン ルを超えたさまざまなコラボレーションも誕⽣しているという。 ルームシェアの⽂化や近年の コワーキングスペース(シェアオフィス)ブームからもわかるとおり、シェアすることに関し て⽇本よりオープンで寛容な⽶国。ブルックリンのクラフトシーンでもシェア⽂化がすっかり 定着しているのだ。 ▽開業時も助け合い 開業して2年になるブルックリンの⼩規模醸造所「Strong Rope(ストロング・ロー プ)」。コンペティションでいくどとなく受賞するなどビール作りの実⼒はお墨つきだ。オー ナーのジェイソン・サーラー⽒は⾃社ブルワリーをオープンした時を振り返って「近所に Threes Brewingという別のブルワリーがあるが、設備を運ぶときにフォークリフトを貸してく れた。ここには助け合いの⽂化がある」との秘話を教えてくれた。 モノを⼿作りしたり、ローカル産を選んで地元の経済を応援したり、必要なものを貸し合っ たりシェアしたり…。ニューヨークのみならず⼤都会はどこも⼈との関係が希薄になりがちだ が、ブルックリンではこんなほっこりした⼈間模様が繰り広げられている。(⽶ニューヨーク 在住ジャーナリスト、安部かすみ=共同通信特約) Kyodo…

デトロイト発のアメリカ最先端デザインブランド「SHINOLA(シャイノラ)」、レディース腕時計&革製品が伊勢丹 新宿店に上陸

近年アメリカでは、アルチザン(職人)による物づくりのシーンが再び脚光を浴びている。その中でもっとも注目されている新進気鋭のデザインブランドが、腕時計や革製品、ジャーナルなどのプロダクトを発表している「SHINOLA(シャイノラ)」である。 製造業のDNAがいまだ色濃く残るデトロイトで2011年に誕生し、現在国内に24箇所、国外にはロンドンとトロントにも拠点を置くなど、一大ブランドに急成長した。オバマ元大統領が着けていることでも話題になった。そのこだわりは、すべての商品をアメリカで経験豊富な匠の技により1点1点手作りしているところにある。 日本には2017年5月にメンズラインが東京の伊勢丹 新宿店(本館4階)にオープンしたばかりだが、10月4日にレディースラインも上陸。シャイノラが本国アメリカでどのように愛され、親しまれているのかを探るために、ニューヨークにある旗艦店を訪ねた。 「いつも身につけていたい」。一生使える腕時計 シャイノラの店舗はニューヨークに3店舗ある。今回訪れたのは、マンハッタンの中でもレンガ作りのお店が連なる閑静なトライベッカ地区。 歩いていると、まず石畳のストリートに面したおしゃれなカフェSmileが見えてくる。旗艦店はそのカフェ奥のスペースにひっそりと佇んでいる。まるで隠れ家を発見したかのように胸が高鳴ることだろう。 ここでは、シャイノラの腕時計を2年間ずっと愛用しているCaroline Mock(キャロライン・モック)さんが出迎えてくれた。ブルックリン在住でリージョナル(地域)マネージャーとして忙しい日々を送る彼女。週末になると大好きなアート鑑賞をしに、いろんな美術館を訪れることが多いそう。 「アメリカの近・現代美術が好きで、ホイットニー美術館の会員になったのよ。そのほか企画展によっては、クーパーヒューイッド・スミソニアン国立デザイン美術館やMoMA(ニューヨーク近代美術館)、クイーンズエリアのPS1などにも足を運ぶことがあります」 そんな感度の高いニューヨーカー、キャロラインさんが毎日欠かさず身に着けているのは、シャイノラの「The Canfield」(32mm)。ストラップの色は落ち着いたブラックで、ダイアル(文字盤)は上品さが光る白いMOP(マザー・オブ・パール)製。 「オフィススーツ、パーティードレス、週末のジーンズ……どんなシーンや洋服でもしっくりくるデザインと落ち着いた色の組み合わせになっているから、毎日着けてもまったく飽きがこないの。フェミニンな雰囲気も併せ持っているし、レザーストラップがスウィングログという手首にぴったりとフィットする仕様になっているのも気に入っているわ」 キャロラインさんはこの「The Canfield」以外にも、シャイノラの腕時計をいくつか使っているという。ほかのブランドの腕時計とはいったい何が違うのか。 「クラフトマンシップによるメード・バイ・ハンド(手作り)ということが一番の違いだと思う。細部に至るまでひとつひとつのパーツがすべて職人によるものなので、質も当然高いし、その上、温かみも感じられるんです。”Limited Lifetime Guarantee”が徹底しているのも安心ね。だから自分の人生のいろんなシーンに自然に溶け込み、一生使い続けたいと思えるスペシャルな腕時計なんです」

NYはコワーキングスペース激戦区。最旬は「Spacious」や日本初上陸「WeWork」【創業者インタビュー】

ニューヨーク発のコワーキングスペースWeWorkが2018年、いよいよ東京にも上陸することが先日発表された。コワーキングスペースをはじめとするシェアリングオフィスの需要が世界中で高まっている中、WeWorkのような人気企業が東京にもやってくることにより、日本でも職場に求められる環境が今後さらに変わるだろう。 今回は、ニューヨークでWeWork同様に、今もっとも注目されているユニークなコワーキングスペースを紹介する。 おしゃれなレストランを有効活用 ニューヨークで2016年7月にスタートしたスペーシャス(Spacious)。今もっとも勢いのあるニューカマーのコワーキングスペースとして注目されている。 当地にはWeWorkをはじめ、The FarmやThe Productive、Ensemble、Primaryと数え切れないほどのコワーキングスペースがあり、数は日々増え続けているが、Spaciousのユニークなところはオフィス施設そのもの。 彼らが利用しているスペースは、昼間の営業していないレストラン。ディナーのみオープンするレストランを利用して、コワーキングスペースとして開放している。ロケーションもメンバー数もこの1年で急増し、飛ぶ鳥落とす勢いで成長中だ。CEOでコファウンダーのプレストン・ペセック(Preston Pesek)氏に話を聞いた。 ── ニューヨークからスタートし、現在何箇所拠点がありますか。 マンハッタンやブルックリンなど、この1年で10ヵ所ロケーションが増えました。この夏から秋にかけてさらに5ヵ所ロケーションを増やし、さらにニューヨークだけではなくボストン、サンフランシスコにも進出することが決まっています。 今年中には、ニューヨークに20ヵ所、ボストンに6~10ヵ所、サンフランシスコに8~10ヵ所オープンする予定で計画を進めているところです。 ── 総メンバー数は? 現時点で750人です。毎月20~30%ほどメンバーが増えています。 ── 昼間のレストランをコワーキングスペースとして利用していますが、そのユニークなアイデアはどこから浮かんだのですか。 大学院で不動産関連(Real Estate Science)の修士号を取得し、起業前は建築業界や商業用の不動産業界で働いてきました。2004年ニューヨークに移り、この街には美しくてセンスのよいレストランが、昼間ただの空きスペースになっているのを目の当たりにして、もったいないと思いました。この価値あるアセット(資産)をどうにか有効利用できないかと思ったのが始まりです。 ── スペースを貸し出すレストラン側にメリットはあるのでしょうか。 我々からはレストラン側に、毎月利用料を支払っています。しかも、私たちがSNSなどを使ってそのロケーションをPRするので、レストラン側にとっては無料でマーケティングができ、広告を出しているようなものなのです。またコワーキングスペースの利用者が、ディナータイムにそのまま残ってハッピーアワーやアペタイザーを楽しんでいることも多いです。 ── レストランがランチタイムにオープンしない理由は何ですか。 これはすごく自然に発生した経済的な理由があります。特に我々が利用しているハイエンドなファインダイニングレストランは、高品質のメニューを提供しているので、昼と夜、2つのメニューを作ってそれぞれ提供するのがなかなか困難なのです。 もう一つは、ニューヨークおよび全米の他都市でのランチ市場が近年、ファインダイニングからファストカジュアルに移行しています。高級なファインダイニングディナーは接待などで相変わらず需要がありますが、ハイエンドランチは以前ほど主流になっていません。 月95ドル払うだけで、どのロケーションも利用できる ── 利用者としてスペースの使い方について教えてください。 当日の気分で好きなロケーションを選び、そこに行くだけです。事前のサインアップは必要ありません。毎日違うロケーションの利用もできます。お店に着いてチェックインすると、携帯のテキストメッセージでWifiのパスワードが届きます。席は決まっていないので、好きなところで仕事ができます。席の空き状況は、事前にアプリで確認できます。 通常のコワーキング同様、ドリンク(コーヒー、お茶、水)やスナック、会議室なども完備しています。会議室については、ほとんどのハイエンドレストランはプライベートダイニングルーム(個室)を持っていますから、そのスペースを利用しています。プレゼンテーション用に、プロジェクターやホワイトボードも完備していますよ。 ── WeWorkなどで人気の生ビールは提供していませんか。 ビールは今のところ提供していないのですが、お店によっては我々のためにバーを早めにオープンしてくれるところもあるので、そういうロケーションでは仕事を早めに切り上げ、アフターワークの1杯を同僚と楽しんでいる姿をよく見かけます。 ── ニューヨークといえばコワーキング激戦区ですが、スペーシャスを使う一番のメリットは? 毎日同じオフィスに通うとどうしても飽きてしまうものですが、スペーシャスは毎日違った場所で(しかもレストランで!)仕事ができるという、ユニークな体験を提供している点だと思います。ニューヨークのほかのコワーキングスペースでは月額400ドルも500ドルもする利用額が求めれますが、スペーシャスは月95ドルというリーズナブルな価格で利用できるというのも、大きなアドバンテージです。 ── 席が決まっていないですが、休憩中やお手洗いに行く際、貴重品などセキュリティーの問題はないですか。 そういう問題はないですね。各ロケーションの入り口にレセプショニストが常駐し、出入りする人を必ず確認しています。来客などの際もレセプショニストが案内するので、不審者がうろうろするようなことはないです。利用者はSlackを使ってコミュニケーションをとりあっています。また、私たちが主導して、起業家を交えて朝のミートアップの交流イベントや夕方のハッピアワーイベントなどを開催しています。このように、利用者同士が次第に顔見知りになっていくような仕掛けをたくさんしています。 ── レストランの開店時間までに仕事を終わらせる必要がありますね。 ディナーサービスが始まるころ、テキストメッセージを利用者に送っています。利用者には「退出する時間ですよ」ではなく、「バーで何かオーダーしませんか?」という意味合いのメッセージですので、好意的に受け止められています。 ── ニューヨークに出張や旅行で来たときも、スペーシャスは便利そうですね。 もちろん! ニューヨークに短期滞在で仕事をする場合でも、ホテル近くのロケーションで気軽に利用できる最適なオフィス環境だと思います。また、クライアントとミーティングがある際でもクライアントの近くのロケーションを会議場所として選ぶこともできるので便利ですよ。 (文:安部かすみ fromニューヨーク) ■店舗詳細 Spacious ■取材国:アメリカ 安部かすみ(あべ・かすみ) 2002年に渡米し、在ニューヨークの新聞社でのシニアエディター職を経て、2014年からフリーの編集者、ライターに。ニューヨークから食やエンタメ、テック系などのトレンドを発信中。編集者歴は日米で20年。 HP Global Press Blog Twitter TSUTAYA T-SITE(2017.8.16)「NYはコワーキングスペース激戦区。最旬は「Spacious」や日本初上陸「WeWork」」より転載(無断転載禁止)ウェブサイトのコピー

NYで急増する「混合店」企業生き残り、話題作り

    ニューヨークでは近年、業種が混合したお店が増えている。日本で業種が混合といって頭に浮かぶのは、カフェと本屋だろうか。ニューヨークでは、カフェと本屋の混合はもちろんのこと、カフェと洋服屋、カフェと銀行、カフェとボクシングクラス、バーと花屋、靴屋とアイスクリーム、質屋とレストランバー、レストランとコワーキングスペースと雑貨店など、実にユニークで種類もさまざま。混合店が増えている背景を探った。 ▽ここ数年のトレンド 「混合店がニューヨークのここ数年のトレンドになっているのは確かだね」 そう語るのは、流行の発信地、ブルックリンにある「Upstate Stock」のオーナー、ブラム・ロビンソンさん。ブラムさんの店は、キルティング倉庫だった古い建物を改造して作った、クリエーティブで個性的なアパレルとカフェの混合店だ。アパレルコーナーには、ローカル産の雑貨も置いている。 ブラムさんがオリジナルブランド「Upstate Stock」を立ち上げたのは、今から5年前。今ではアメリカはもとより日本でも販売されるほど人気となった。そんな中、店の手前入り口側に、カフェスペースを併設したのは昨年のことだった。 ▽高騰する賃料 なぜカフェを併設したのか、理由を聞いてみた。 「主な理由はレンタル(賃料)だよ」とブラムさん。アパレルだけの売り上げでは、ブルックリンの高い賃料を賄うのが難しいのだという。 ニューヨークでは不動産価格が高騰し続けている。ブルックリンも例外ではなく、賃料の高さは、経営者には頭の痛い問題だ。 ブラムさんの店の賃料を尋ねることはできなかったが、「LoopNet.com」という、店舗用空き物件情報を調べられるウェブサイトによると、ブラムさんの店から徒歩5分圏内にある、角に面した、同じようなロフトタイプの店舗用リース物件は、1スクエアフィート(約0.093平方メートル)につき月5ドル。その物件の実際の広さは1400スクエアフィート(約130平方メートル)だから、月の賃料は約7千ドル(約79万円)だ。今のブルックリンの賃料のだいたいの相場が分かってもらえたと思う。 ▽頭ひねる経営陣 混合店には、個人店と大手企業の2種類が存在する。ブラムさんの店のような個人経営の店ではファイナンシャル的な理由が主なようだが、大手企業が混合店を開く場合、そのほとんどは、企業の生き残りをかけたマーケティング戦略と話題作りが理由にあるようだ。 例えば昨年、マンハッタンの14丁目に米大手銀行「Capital One」がカフェを併設し、「Capital One bank Cafe」としてリニューアルオープンし話題になった。 また、表向きは質屋だが、店の奥にあるドアを開くと豪華なレストランバーになっている人気店「Beauty & Essex」も、飲食とナイトライフ事業を全米展開する大手の「TAO Group」が経営している。 賃料が高く、競合店も多いニューヨーク。混合店は、経営陣が頭をひねって生み出した、この街で生き残るための試行錯誤のカタチなのだ。(ニューヨーク在住ジャーナリスト、安部かすみ=共同通信特約) Kyodo 47 News(2017.7.25)【世界から】「NYで急増する「混合店」企業生き残り、話題作り」より転載(無断転載禁止) 類似記事: TSUTAYA T-SITE(2017.7.29)「質屋レストランに銀行カフェ? NYで話題の混合店がおもしろい」より転載(無断転載禁止)ウェブサイトのコピー   ウェブサイトのPDF

“世界のベストレストラン50”の頂点がNYにファストカジュアル店をオープン。話題の「メイドナイス(Made Nice)」って?

先日、とあるニューヨークの高級レストランが2017年度の世界一に選ばれた。世界のトップレストランを決める毎年恒例の「World’s 50 Best Restaurants」で栄えある1位に選ばれたのは、マンハッタンのノマドエリアにある高級レストラン「イレブン・マディソン・パーク(Eleven Madison Park Restaurant)」である。 世界一のレストランがハイエンドの次に目指したもの さすがは世界最高峰。お値段も一流クラスで、テースティングメニューは1人295ドル(税別、チップ込み)。旅行中はいろんなことに挑戦してみたい気分になるから、ハイソサエティーなニューヨーカーに混じるのもよい経験だろう。しかし、食事のみで300ドル越えとなると、なかなか簡単に踏み切れるものではない。 しかし!諦めることなかれ。2017年4月、姉妹店のファストカジュアル・ダイニング店がオープンしたのだ。お店の名前は「メイドナイス(Made Nice)」。 この店はオープンキッチン・スタイルで、商品をカウンター越しに受け取るシステム。テーブル席もあるので店内でも食べられるし、トゥーゴー(持ち帰り)もできる。特筆すべきは、イレブン・マディソン・パークと同じ食材とテクニックで作った良質のものを、ニューヨークでは破格の10ドル代で楽しめるということだ。 また、ファストフード店ではなく「ファストカジュアル店」なのもミソ。ニューヨークのファストフードは、おいしくない、早くない、健康によくない、それほど安くない……など悪名高く、一部の層で不人気になりつつあるが、そこで誕生しているのが、おいしくてスピーディー、リーズナブルで健康にも良い、メイドナイスのようなファストカジュアル店だ。トレンドとして近年、ニューヨークで注目されている。 高級食材のカウンター販売で高いコスパが実現 ランチメニューの人気ナンバー1は、ハンガーステーキとブロッコリーの「Khao Salad」(15ドル)。また、マネージャーのカークさんの一押しは、蒸し煮したチキンとインド系のバスマティライスの「Chicken Rice」(14ドル)や、カリフラワー、豆腐、クスクスの「Curry Cauliflower」(11ドル)。 特に「Curry Cauliflower」は、イレブン・マディソン・パークで6年間にもわたって人気のあるメニューと“ほぼ同じ”内容らしい。試してみたが、おこげがほんのり香るカリフラワーはほどよくジューシーで、クスクスと一緒にミッスクされているココナッツやレモングラス、クレソン、アーモンド、グレープなどとの相性もバッチリだった。 ランチメニューは常時9種類そろっている。季節の素材を使うため、シーズンごとに変化し、いつ行っても週に何度通っても飽きない工夫がされている。また、午後5時以降はディナーメニュー(22ドル)もプラスオン。ブルックリン産の地ビールやニューヨーク州産のローカルワインは、昼夜共にあり。この夏ニューヨークを訪れることがあれば、ここはもうマストでしょう! Made Nice Eleven Madison Park (文・写真:安部かすみ fromニューヨーク) ■取材国:アメリカ 安部かすみ(あべ・かすみ) 2002年に渡米し、在ニューヨークの新聞社でのシニアエディター職を経て、2014年からフリーの編集者、ライターに。ニューヨークから食やエンタメ、テック系などのトレンドを発信中。編集者歴は日米で20年。 HP Global Press Blog Twitter TSUTAYA T-SITE(2017.6.10)「“世界のベストレストラン50”の頂点がNYにファストカジュアル店をオープン。話題の「メイドナイス(Made Nice)」って?」より転載(無断転載禁止) ウェブサイトのコピー

アマゾンがリアル書店をニューヨークにオープン【初日レポート】

シアトルで2015年スタートした、アマゾンのリアル書店「Amazon Books(アマゾンブックス)」が、5月25日(木)ニューヨークにもオープンした。同社はこれまで、数々の個人経営店を閉店に追い込んできた存在だとも言われているが、今度は自社の実店舗をオープンさせた形だ。