432パークアベニュー:57丁目の『Race to the Sky』NYイチの高層コンドミニアムがマンハッタンの摩天楼を変える

ニューヨークで一番高い住居用ビルとして、2015年春の完成へ向け着々と建設が進む「432 Park Avenue」。建物の完成予想図やペントハウスからの眺望が、先日取材陣に公開され話題となっている。 建設場所は、マンハッタンの『お金持ちの象徴』であるパークアベニュー、56丁目と57丁目の間。 全長1396ft(約426m)と、エンパイアステートビル(1250ft=約381m)やクライスラービル(1046ft =約318m)よりも高く、高層階からはそれらのアイコンビルを見下ろすことができる。 マンハッタン内はもちろ んのこと、お隣のブルックリンやクイーンズ、ニュージャー ジー州、そして天気の良い日はロングアイランドまで見渡せるとか。 同ビルのPRを手掛ける、PRCo社のジェシカ・ヘンリーさんによると、着工した2011年当初より 投資家や富裕層の間で話題になっており、住居スペース104世帯のうち、現時点で半分以上がす でに契約済みだという。 ペントハウスは10世帯分あり、うち7世帯が契約済。1世帯分がフロア全体(8400ft2、約781.2m2)を占めるため、どのペントハウスからも 360度の絶景が楽しめる。 ちなみにペントハウスのお値段は最高95億ドル(約110億2000万 円)と、気が遠くなるようなお値段! まだ入居可能なものは、82.5億ドル(約95億7000万円)と76.5億ドル(約88億7400万円)の部屋だ(ちなみに月々の共益費だけでも、毎月1万6000ドル、約180万円弱)。 ニューヨークの不動産事情は最近どうなのか、国際不動産連 盟FIABCIの次期会長で、老舗不動産会社「Brown Harris Stevens」社のダニエル・グロセンバッチャーさんに話を聞 いてみた。 ダニエルさんによると、「不動産需要に対して供 給が追いついていない状態で、それがさらに不動産市場を活 気付けている」とか。また「2016年にはこのビルを越え る高さの高層ビルが、そこから目と鼻の先(57丁目とブロードウェイの角)に建設される予定」と言う。ほかに、57丁目 の5番街と6番街の間にも同様の高層ビルが建設予定だ。 これらの現象は、「57丁目の『Race to the Sky』(空に向かった競争)」と呼ばれている。今後、摩天楼の景色が変わっていくのはもちろんのこと、ミリオネアやビリオネアという 『超』富裕層がこの周辺に移り住むため、周辺の店なども劇的に変わっていくだろうと予想される。 日本人がアメリカで不動産を持つことについて、当地で「滝 田不動産」を経営する滝田佳功(よしのり)さんに話を聞くと、「絶対にアメリカで持つべき」と力説。「日本の不動産 は購入した瞬間から目減りしていき、投資家の間では20年も 経つと価値がゼロになるとも言われている。それに対し、目 減りをしないのがアメリカの不動産」と言う。 「20年後には 2倍、3倍にまで膨れ上がるため、投資家は明らかにアメリカへと目が向いている。また両国の税法などを利用し、相続や 税金対策として考えることもできる」。この国で不動産を持 つ利点をこのように語っているように、もし不動産購入を考 えているのなら、アメリカで購入するべきだというのが専門家の見方だ。 さて、気になる「432 Park Avenue」のウェブサイトを見てみると、そこの住民になった気分でパノラマ風 景を確認でき、購入なんて夢のまた夢だとしても充分楽しい。しばしのミリオネア気分に浸るのも良いだろう。 街や風景を変える起爆剤となる同ビルだが、これらの変化を受け付けない住民も中にはいるようだ。周辺住民からは「こんな高過ぎるビルをセントラルパークの近くに建設して、公園内に影を作られるのは困る」という不安や苦情も出ている。 いい意味でも悪い意味でも、このビルがしばらく話題の中心となるのは確かだろう。 (*すべてのデータは、2014年10月現在) > 432 Park Avenue Luxury Apartments…