全米初「ヘロインを安全に打てる施設」がNY市で開設。その理由とは?

ニューヨーク市では11月30日、全米初の公的認可された「違法薬物を『安全に』摂取できる施設」が運営開始されることが発表された。デブラシオ市長が書面で発表し、地元紙のニューヨークタイムズやデイリーニュースなどが報じた。 この施設は「過剰摂取防止センター(Overdose Prevention Center=OPC)」というもの。マンハッタン北部に位置するイーストハーレム地区とワシントンハイツ地区の2箇所に置かれる。この施設内では、ヘロインなどの薬物中毒者が、監視下で逮捕されることなく薬物を摂取することができる。 アメリカをはじめ世界各国では近年、ハードドラッグのオーバードース(過剰摂取)や依存症による死者数が急増し、社会問題となっている。 ニューヨーク市の発表では、昨年1年間だけで、薬物の過剰摂取による死者数は全米で9万人以上、市内では2000人以上に上った。また今年1〜3月の間だけでも596人が死亡している。これは2000年に記録が始まって以来最多となっており、これらの死因に絡んだもっとも一般的な薬物はオピオイドだという。過剰摂取防止センターを開くことで、年間130人の命を救うことができると見られている。 「安全に」ヘロインを打てる施設、なぜ必要? ハードドラッグ系の薬物中毒者は通常、室内や路地裏、公衆トイレなど隠れた、そして決して清潔とは言えない場所で違法薬物を摂取することが多いが、最近は路上でも堂々と打つ姿が市内でも確認されている。 非営利団体のピュー慈善信託の発表によると、過剰摂取防止センターのような監視された環境は「安全で清潔な場所」と見なされており、そのような場所を提供することで、中毒者(患者)を更正・治療プログラムへと導き、薬物の過剰摂取を防いで、死亡のリスクを減らす効果があるとされている。 このような施設は、世界中で昨今高まるオピオイド危機(麻薬系鎮痛剤の過剰摂取問題)に対応するため、隣国カナダのバンクーバーなど27都市に存在するという。 デブラシオ市長や市の最高保健当局長はこの日の声明で、「過剰摂取防止センターは、オピオイド危機に対処するための安全で効果的な方法だ。ニューヨークもこういったより賢いアプローチにより、問題解決に向かう先行事例都市になることを誇りに思う」と述べた。 2箇所の過剰摂取防止センターは共に非営利団体が運営し、市は資金を提供するシステムだが、直接運営にはタッチせず、人員の配置などもない。また施設では、オピオイドの過剰摂取や急性中毒のためのナロキソンや清潔な針などは提供されるが、薬物自体は患者が持参する仕組みだ。コロナ禍によりしばらくはオンラインが主体の運営となりそうだ。 これまでもデブラシオ市長は市内に同様の施設を開設したい考えを示してきたが、クオモ前知事やトランプ前大統領によって阻止されてきた。市長の任期満了まであと4週間となった今、深刻化する違法薬物への対策として大きく舵を切った形だ。 一方で、このような施設の運営で北米をリードしてきたカナダのブリティッシュコロンビア州などでは、相変わらず過剰摂取による死者数が伸び続けている事例がある。また、このような施設を作ることにより中毒者とドラッグディーラーがその地域にさらに集まり、治安が悪化する事例も報告されている。 こういったことから、施設の有効性については疑わしいという声、施設の開設は薬物乱用を助長するだけであり、麻薬の乱用の根本原因にこそ焦点を当てるべきだと反対する声も出ている。また、このような施設の開設自体が連邦規制物質法に反するものだとし、反発を唱える市議会議員もいる。市長の置き土産とも言えるこの大胆な対策が、この後どのような影響を街に与えることになるだろうか。 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

オミクロン株、米上陸も時間の問題…心配をよそにNY次期市長が「アフリカ家族旅行」で物議

ニューヨークで再び非常事態宣言 次から次に出現する新型コロナウイルスの変異株に、人々は「またか」と意気消沈気味だ。 南アフリカで最初に見つかった変異株「オミクロン」に関して、アメリカでも一気に話題を席巻し始めた。つい数日前の感謝祭(25日)の集まりでは誰一人とて話題に持ち出すことはなかった変異株が、ここ2、3日で一気に人々の新たな関心事として浮上している。 オミクロン株は現時点(29日朝)でアメリカ国内では未確認だが、NBCニュースによると、すでに5大陸にわたる少なくとも15ヵ国で確認されている。隣国カナダも含まれており、アメリカ国内で検出されるのも「時間の問題」と見られ、警戒が強まっている。 今月8日アメリカはワクチン接種完了を条件に、これまで渡航が禁止されていた国からの外国人の入国を再許可したばかりだったが、バイデン政権は水際対策として、アフリカ南部8ヵ国からの入国を禁止するなど先手の対応に着手した。対象国は南アフリカ、ボツワナ、ジンバブエ、ナミビア、レソト、エスワティニ、モザンビーク、マラウイで、これらの国に過去14日以内に滞在した外国人は、アメリカに入国できない。 ニューヨーク州でも感染再拡大を受け、ホークル知事が26日、再び非常事態を宣言した。非常事態は12月3日から来年1月15日まで有効で、期間中は病床と医療従事者を確保するため、緊急でない手術を制限したり、パンデミックに備えて物資を調達したりすることが可能になる。 同州は今年6月、1å¹´3ヵ月に及ぶ非常事態を解除したばかりだった。しかし州内の陽性率は再び4%を超えており、デブラシオ市長も29日、ワクチン接種済みの人々を含むすべての市民に対して、屋内での活動時におけるマスク着用を再勧告した。 この時期「スピリチュアルな旅」でアフリカへ? そんな中、ある人物の言行が物議を醸している。 次期ニューヨーク市長、エリック・アダムス氏(61)である。同氏は29日、以前より予定されていたアフリカ、ガーナへの家族旅行について、取りやめないことを記者団に語った。滞在は12月8日までの予定だ。 オミクロン株の感染拡大を懸念し旅行を取りやめる人も出ている中、同氏は地元紙デイリーニュースからの「渡航における心配はないのか」という問いに対して、「私は何も恐れていない」と答えた。 渡航の目的は、奴隷がアフリカからアメリカに連れて来られて400年以上が経過した今、市長に選出されたらアフリカを訪れると決めていたという。その理由として「祖先が奴隷船で連れて来られてから400年後、私は最重要都市の一つの市長になろうとしている。その祈りのため、そしてスピリチュアルな浄化のため」とした。 当初、ガーナに先駆けヨーロッパ旅行も計画していたようだが、オミクロン株の拡大によりそちらは中止とした。一方でガーナへの「スピリチュアル旅行」は変更しないということのようだ。 同氏はブルックリン区の特に犯罪率の高いブラウンズヴィル地区出身で、以前は警察官として勤務し、2014年よりブルックリン区長を務めるなど、叩き上げの人物として知られる。来年1月1日からは、ニューヨーク市で史上2人目の黒人市長として就任することが決まっている。 ガーナはアフリカ大陸の西部に位置し、渡航禁止となった8ヵ国には含まれていないものの、APによると少なくとも1回のワクチン接種済みは人口の18%に止まるなど、接種率の低さが指摘されている。 オミクロン株の世界的な拡大が懸念されているこの時期に「なぜ国外、しかもアフリカへの渡航を押し通すのか」「これが次期市長にふさわしい行いか」など、素養を疑問視する声が出ている。 関連記事 1å¹´3ヵ月ぶり「非常事態」が解除 NYはいま【昨年との比較写真】 米入国にワクチン接種義務化。健康上の理由で接種できない人は今後どうなる?… 専門家に聞いた 入国は「ワクチン接種者のみ」……どうなる?海外旅行。(フィガロ) Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

日本ブームは続く!コロナ禍「アニメNYC」にファン大集結。「鬼滅の刃」英語声優登壇、三浦建太郎追悼も

アニメや漫画に代表される日本のポップカルチャーの大祭典、アニメNYC(ANIME NYC)が19〜21日の3日間、ニューヨークのジャヴィッツ・センターで開催され、全米中のアニメや漫画ファンがコスプレ姿で集結した。 今年はコロナ禍での開催ということで、入場するにはワクチン接種証明書とマスク着用が義務付けられたが、例年以上の来場者が訪れ、特に初日の開始時間には入場するのに数時間待ちの列ができた。 当地での「鬼滅の刃(Demon Slayer)」は相変わらずの人気だ。劇場版の声優3人を迎えた20日のトークイベントには、会場に入りきれないほどファンが押し寄せた。 このイベントを楽しみに、そして自らも竈門炭治郎のコスプレ姿で訪れた、ジェンド・カステリオさんは、子どもの頃「NARUTO -ナルト-」を見て育った。「会場の中は、自分の格好がノーマルに見えるほど、多くの人が同じコスチュームを着ていてびっくりしました」と嬉しそうに語った。 「昨年はイベントが中止となりとても残念だったが、今年はその分楽しみます」と言うのは、「ブルーアーカイブ(Blue Archive)」のシロコのコスプレ姿のリチャードさん。2年ぶりに有観客で行われたこのイベントを、誰よりも心待ちにしてきた。 来場者に「一番好きなアニメや漫画作品」を聞くと、即答で「ベルセルク(Berserk)」「NARUTO -ナルト-」「モブサイコ100(Mob Psycho100)」という答えが多く返ってきた。 会場内にはベルセルクの作家で、今年5月に54歳の若さで亡くなった三浦建太郎氏の追悼コーナーも設けられ、多くのファンが悲しみのメッセージを寄せた。 ほかにも来場者に話を聞くと、好きなアニメや漫画として、「鬼滅の刃(Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba)」「天空の城ラピュタ(Laputa Castle in the Sky)」「ノラガミ(Noragami)」「魔入りました!入間くん(Welcome to Demon School! Iruma-kun)」「シリアルエクスペリメンツレイン(Serial Experiments Lain)」「ハンター×ハンター(Hunter x Hunter)」「ビースターズ(BEASTARS)」など、さまざまな作品の名も上がった。 期間中、アニメ監督の荒牧伸志氏のパネルディスカッションとサイン抽選会、漫画家やイラストレーターのブース、ビデオゲームから百人一首までさまざまなゲームができるブース、カレーや弁当などの日本食販売コーナーも好評だった。 (動画もアップしました) Text and photo by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

ヘルズキッチンを東京で例えるならば?治安は実際どうなの?犯罪発生率を徹底的に調べてみた

これまでニューヨークの中では、どちらかというとそれほどスポットライトが当たるエリアではなかったヘルズキッチン。しかし小室眞子さんと圭さん夫妻がこの地区に新居を構えたことで、日本から一気に注目を集めることとなった。 ヘルズキッチンを東京で例えるならば・・・ ヘルズキッチンについては、さまざまな憶測が飛び交っている。まず一部の報道にあるような「おしゃれ地区」というのは本当か? 近年はジェントリフィケーションが進み、特にハドソン川沿いにはいくつか高層ビルも新築されるようになった。しかし今でもヘルズキッチンに多くあるのは築100年前後の古い低層ビルで、住民も最近流入した新顔というよりは昔からずっとこの地で暮らす人たちだ。まるで下町のような雰囲気といったところか。 ニューヨークを代表するような店や若者が集まったり、最先端の文化が発信されたりしているおしゃれ地区とは異なり、米不動産大手コーコランの松村京子さんは「気取りのない雰囲気」と表現する。東京で表すならば? 「どちらかと言うと、中野区のようなイメージが近いかもしれません」 治安、本当のところは? 治安に関して、大事件だけを切り取った一部の報道を見て心配する声が聞こえてくる。 ヘルズキッチンは隣接するタイムズスクエアのきらびやかな都会の陰に隠れ、これまで雰囲気がそれほど良いとは言えなかった・・・。しかしそれは、地下鉄車両が落書きだらけで、タイムズスクエアが売春婦やポルノショップで溢れる風俗街の一面もあった時代の話だ。 90年代半ばから、当時の市長、ルディ・ジュリアーニ氏が掲げた治安改革により、タイムズスクエアが世界的観光地へと様変わりし、それと同時にヘルズキッチンの治安も改善された。近年は、手付かずだった更地の再開発も進められている。 またこの界隈は、ブロードウェイのショウが始まる夕方以降から賑わいを見せ始める。観光客で人通りが多いため、目立った犯罪はそう多くは聞こえてこない。 その一方で、「今でも汚くて治安の悪い通りもある」と地元住民は言う。「パンデミックでホームレス風の人が増え、物乞いをされた」「怪しい雰囲気の場所もあり、歩く際は注意をしている」という声も聞こえてきた。 パンデミック以降、市内で増えたアジア系の住民をターゲットにした犯罪も、この地でいくつか発生した。 例えば今年3月、65歳のフィリピン系女性が昼間、通りを歩いていたところ、見ず知らずの38歳の男からすれ違いざまに殴る蹴るの暴行を受けた。さらにショッキングだったのは、事件が発生した通りの前にあるアパートメントビルのドアマンが、女性を助けるどころか見て見ぬ振りをし、ドアを閉めたことだ。その一部始終が監視カメラに記録され、人々を震撼、​​憤怒させた。 その2ヵ月後の5月には、31歳の台湾系の女性が友人と夜道を歩いていたところ、ホームレスの女にハンマーで襲われて怪我をする事件も発生した。 また人種は不明だが、つい先週も62歳の男性が早朝の路上で、集団暴行を受ける事件が起きたばかり。 実際に筆者がヘルズキッチンで危ない目に遭ったことは一度もないが、都会に近い分犯罪やいざこざも多いのかもしれない。ここに居を構えるならば、通りや時間帯によっては十分注意が必要になってくるだろう。(どの地域でも言えることだが) 統計で見えてきたもの ニューヨーク市内の犯罪率については、NYPD(ニューヨーク市警察)による戦略管理システム「コンプスタット (CompStat)」を参照することでだいたいの傾向がわかる。NYPDはコンプスタットを基に、警官の数や配置を決定し、犯罪削減のための戦略を立てているのだ。 そのコンプスタットで、ヘルズキッチン地区は「ミッドタウンノース管区」として位置づけされている。事件発生数の統計は以下の通り。 ミッドタウンノース管区 上半分で、最近(11月8日〜14日)の傾向がわかる。 上半分の右側はそれらを2年前、11年前、28年前と比較した数字。これを見るといずれも、犯罪数は減少傾向にあることがわかる。 ほかに注目すべきは下半分だ。 2020å¹´ 殺人件数4 レイプ件数14 強盗件数136 …などで総数1701件 この数字が多いか少ないか、比較対象がないとなかなか判断が難しいだろう。 ちなみにニューヨーク市内でもっとも治安がよいとされているエリアの1つ、マンハッタンのサットンプレイス(Sutton Place)地区のある第17警察管区はどうか。 第17警察管区(最新版) 2020å¹´ 殺人件数0 レイプ件数13 強盗件数64 …などで総数953件 逆に、市内でもっとも犯罪率が高い傾向にあるのはブロンクス区で、昨年から今年6月にかけて、もっとも重犯罪率の高かった管区はいくつかあるが、その中でも1つの例として、第44警察管区の統計はどうか。 第44警察管区(最新版) 2020å¹´ 殺人件数14 レイプ件数35 強盗件数414 …などで総数2318件 結局のところ、ヘルズキッチン地区の事件の発生率は市内で飛び抜けて高いということではないが、犯罪発生率が低いほかの地区に比べると繁華街に近い分、やや高めの傾向にあるようだ。 またヘルズキッチン地区と一言で言っても、実際には割と広範囲に及んでおり、傾向としては、ヘルズキッチンの北部より南部の方がより犯罪発生率が高いようだ。 コンプスタットではいずれの管区も1990年と2020年を比べると、20年の方が犯罪率が減少していることがわかる。一方でこれはヘルズキッチンに限らずニューヨーク全体で言えることだが、昨年以降、タイムズスクエアやグランドセントラル駅、人気のステーキ店など、観光客が多く集まる人気スポットでも、銃撃殺傷事件がたびたび発生しているのもまた事実だ。 決して恐れすぎる必要はないが、夜間や人通りの少ないエリアを歩く際は十分な注意が必要になってくるだろう。 関連記事 小室夫妻で大注目「ヘルズキッチン」てどんな街?住みやすい?在住者が教える「地元とっておき情報」 【NY治安悪化】タイムズスクエア、ピーター・ルーガー … 人気観光地で連続の発砲事件…

アンディ・ウォーホルのあまり知られていない話。レベレーション=隠してきたものとは?Andy Warhol: Revelation

アンディ・ウォーホルと言えば、マリリン・モンローやキャンベルのスープ缶のシルククリーン画を、きっと誰もが思い浮かべるだろう。 だが、この企画展にはそれらの代表作はない。 あるのは、宗教画のマリア様、十字架、最後の晩餐(The Last Supper)、スケルトン、母ジュリアの肖像画など。ポップアートの巨匠としてはあまりこれまで目にしなかったものだ。 この企画展を訪れるまで知らなかったけど、彼の両親は敬虔なビザンチンカトリック教徒(byzantine catholic)で、今でいうスロバキアから20世紀初頭にアメリカに渡ってきた労働者階級の移民一家だった(アンディはペンシルベニア生まれ)。経済的に決して豊かではなく、また移民として言葉もわからないから肩身の狭い生活だったが、家族(特に母親)は彼の才能に着眼し、アート活動を支援した。 アンディは、ニューヨークでアーティスト活動を本格化させるにあたり、本名(アンドリュー・ウォーホラ、Andrew Warhola)を短くして名乗り、移民の労働者階級出身であることを隠した。 生涯にわたって自身も教会に通ったが、実は彼はゲイだった。 ニューヨークでは、カトリック教とは相反する、今でいうLGBTQの交友(セックス、ドラッグ、ロックンロールの)関係も広がっていった。 これもちろん現代の話ではなく、1928年生まれで、50年代以降にアメリカで花開いた芸術家の話。(アンディがもしまだ生きていたら93歳) 当時のニューヨークといえど、ジェンダーアイデンティティ(Gender identity)とかLGBTQとかの言葉がない時代ですから、芸術家として、一人の人間としてこの国で生きていく中で、時に本当の自分を隠し、偽り、愛する母親を傷つけたくないがための葛藤や苦悩があったことだろう。私の想像を絶するものだが、それをバネに彼は時代を超越し、死後も愛される偉大なアーティストに大成した。 どんな天才だって、どんなセレブだって、人に言えないことあるよね、ウンウン。そのほうが人間らしくていいわ。 企画展は11/19からいよいよスタート。来年6/19まで開催。 #WarholRevelation Andy Warhol: Revelation(アンディ・ウォーホル:レベレーション展) 11/19, 2021~6/19, 2022 Brooklyn Museum200 Eastern Pkwy, Brooklyn, NY 11238 Text and photos by Kasumi Abe 安部かすみ 無断転載禁止

小室夫妻で大注目「ヘルズキッチン」てどんな街?住みやすい?在住者が教える「地元とっておき情報」

ニューヨークに移住したばかりの小室眞子さんと圭さん。到着早々、米英のタブロイド紙が2人の新居について報じた。 移住前、2人の新居は閑静な高級住宅地、アッパーウェストサイドにある家賃80万円の2ベッドルームになるのではないかという憶測が飛び交っていた。しかし英デイリーメールの第一報や米ニューヨークポストの続報によると、2人が移り住んだのはヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)地区にある、2017年に完成したばかりの高層アパートで、1ベッドルームタイプだという。 その住居ビルの高層階からはハドソン川を眼下に望み、セントラルパークやタイムズスクエアなどが至近の好立地だ。報道によるとビル内には、バーベキューや卓球などができる屋上デッキのほか、ジム、スパ、ヨガスタジオ、ビリヤードやゴルフシミュレーター、書斎なども完備されているラグジュアリーな建物という。 家賃はフロア(何階に位置するか)、間取り、広さなどによって異なるが月4300ドル(約49万円)からあり、1ベッドルームは4809ドル(約55万円)から、2ベッドルームは7085ドル(81万円)からのようだ。 1ベッドルームの物件とは? 通常の1ベッドルームとは、リビングルームのほかに個室のベッドルーム(寝室)のある住居タイプを指す。 ベッドルームがない(壁で仕切られていない)住居をストゥーディオ(スタジオ)と呼び、ベッドルームが2つある住居は2ベッドルーム、3つあれば3ベッドルームと呼ぶ。グレードの高い住居ビルは、来客用とは別に、ベッドルームごとに専用バスルームが併設されていることもある。 ヘルズキッチンってどんなネイバーフッド? ヘルズキッチンはマンハッタン区ミッドタウンの西側、セントラルパークからは南西側に位置する地区。(当初候補地として噂されたアッパーウェストサイド地区はそれより北方で、セントラルパークの西側に位置する) ヘルズキッチン地区にある住居の多くは規制により、ウォークアップ(エレベーターなし)の低層ビルが多い。すぐ南には再開発地区のハドソンヤードがあり、近年新築の高層ビルが周囲に増えつつある。 徒歩圏内には(ヘルズキッチン地区ではないが)セントラルパーク、ブロードウェイミュージカルの劇場街、カーネギーホールやMoMA(近代美術館)などの文化・芸術施設、複合商業施設のあるコロンバスサークル、これからの季節はクリスマスツリーで有名なロックフェラーセンターなど、ニューヨークを象徴するものが点在している。 筆者にとってヘルズキッチンと言えば、最初に頭に浮かんでくるのはレストランロー(Restaurant Row)だ。 レストランローとは多国籍な飲食店が連なる、46丁目と8番街と9番街の間にある通りのこと。劇場街に近いため、人々は観劇前後にレストランローや9番街に立ち寄って空腹を満たす。 筆者が知らないこともあるかもしれない。大手不動産会社のコーコランに勤務する松村京子(けいこ)さんにヘルズキッチン地区について尋ねてみた。 松村さんは、「ニューヨークの文化を代表するようなところはなく、超便利でも超高級でもなく、なんとなくちょこちょことある感じの地域」と表現する。「特徴としては、気取りのない雰囲気ということかもしれません。人気エリアと違い、好んで移り住む若者はそれほど多くないですが、2人にとってはそれがよかったのかもしれません。フォーダム大学ロースクールも近くですから小室さんがこの辺に慣れているのでしょう」。 松村さんは中でも、9番街が特にオススメと言う。「決しておしゃれな雰囲気はないが、ハイチやタイなど国際色豊かな安くて美味しいレストランがそろっていて、毎年開催されるストリートフェスティバルには必ず足を運ぶほどです」。また余談だが、当地のLGBTQの人々が集まるのはチェルシー地区などだが、「近年ヘルズキッチンは大人のゲイの人々に大注目されているんです」と、地元ならではの情報も教えてくれた。 実際に住んで見えてくる街の魅力もあるかもしれない。ヘルズキッチンに長年住んでいる日本人にも話を聞いた。 ニューヨーク在住歴30年で、18年住んでいるヘルズキッチンでは子育てもしてきた​​箏奏者の石榑雅代さんは、「とにかくどこに行くにも便利で、非常に生活がしやすい場所です」と太鼓判を押す。 日本人も最近増えていると感じるそうだ。「特に子連れの若い人をやたらと見かけるようになりました。公園でよく見るので、きっと近所に住んでいるのでしょう」(石榑さん) ニューヨーク在住歴40年、ヘルズキッチン歴8年のコーディネーター、青木はじめさんによると(住んでいる南西部からは)最寄り駅がやや遠く、中には汚くて治安の悪い通りもあるそうだが、それでも「すぐ近くにハドソン川やそれほど店が密集していない場所があって解放感がある。それでいて密集地にも近い利便性が魅力」と語る。 ズバリ、日本人にとって住みやすいエリアかどうかについては、「個人的にはとても住みやすく気に入っています」(石榑さん)。「日本人でも好みは人それぞれでしょうが、日本食レストランも多く日本の食材も調達でき、都会の生活に慣れている人にとっては良いエリアだと思います」(青木さん) 最後に在住者として、ニューヨークで新生活を始めたばかりの小室夫妻へメッセージを聞いた。 「生活の変化に対応するのは大変なことだと思いますので、周りが静かに見守って差し上げてほしい。素敵な新婚生活をお祈りしています」(青木さん) 「庶民には決してわからない苦労がたくさんあると思いますが、幸せになる権利があるし幸せになってほしいです。自分で決めた人生ですし他人は関係ないです。周りのいろんな意見を気にしすぎず、ただただ自分の目標に向かって進んでほしい。年齢的に自分の子どものような彼らの門出を心から応援したいです」(石榑さん) 「人種の坩堝ニューヨークでの結婚生活、最初は戸惑うこともあると思いますが、在住の日本人も含めニューヨーカーは寛大です。2人でいればさまざまな苦労を乗り越えるエネルギーが必ず湧き出てくる、ニューヨークはそんな街です。ここが2人の第二の故郷となり、人や文化と共に好きになってくれたらニューヨークが大好きな先輩として嬉しい限りです」(松村さん) Text and photos by Kasumi Abe(Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

東京五輪女王が再V 意外なセレブも参加!NYCマラソン50周年記念大会(動画あり)

美しく気持ちの良い秋空の下、第50回目となる記念すべき「2021å¹´TCSニューヨークシティマラソン」が11月7日、ニューヨーク市内で開催された。 このマラソン大会は毎年11月の第一日曜日に行われているもので、スタテンアイランドをスタートし、ゴール地点のマンハッタンまで市内5つ、すべての区を走るルートが特徴だ。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、初の中止を余儀無くされたため、今年は2年ぶりの開催となった。 公式ウェブサイトによると、今年の参加ランナーは世界中から集まった3万3000人の選手だった。また観客は、毎年100万人規模の市民が沿道に集まる。2年ぶりとあり、多くの人が今大会を楽しみにしていたようで、選手に声援を送り鼓舞激励した。 女子勝者は、東京五輪の金メダリスト 今大会の優勝者は、プロ男子の部がAlbert Korir(アルバート・コリル)選手でタイムは2時間08分22秒、プロ女子の部はPeres Jepchirchir(ペレス・ジェプチルチル)選手でタイムは2時間22分39秒と、共にケニア勢が独占した。 ケニアと言えば、今年の東京オリンピックのマラソン競技でも男女共に金メダルを獲得しマラソン強国として知られる。特にジェプチルチル選手は、東京オリンピックで金メダルを獲得しており、今大会で再Vとなった。 車椅子プロ男子はマルセル・ハグ(Marcel Hug)選手、同プロ女子はマディソン・デ・ロザリオ(Madison de Rozario)選手が共に勝利した。 また、ほとんどの観客はその存在に気づかなかったが、ほかにも意外なセレブやプロスポーツ選手も参加した。 ニューヨークタイムズによると、クリントン元大統領の長女のチェルシー・クリントン(Chelsea Clinton)氏(写真上)を始め、プロ女子サッカー、アビー・ワムバック(Abby Wambach)元選手(写真下)、ローレン・ホリデー(Lauren Holiday)元選手、レスリー・オズボーン(Leslie Osborne)元選手、レーシングドライバーのライアン・ブリスコー(Ryan Briscoe)選手、スーパーモデルのクリスティー・ターリントン(Christy Turlington)氏、俳優のケニー・オハラ(Kelli O’Hara)氏ら、数多くの有名人も完走した。 筆者がブルックリン(スタートから15kmの地点)で撮影した動画。 50th Anniversary of NYC Marathon 第50回ニューヨークシティマラソン ランナーが多過ぎて、1人の有名人も見つけられず…。日本からも富安央選手、山口遥選手、車椅子の渡辺勝選手らが出場したが分からなかった。近くの人は友人でさえ見つけるのに苦労していた。 ほかに今大会では、ある男性ランナーも話題になった。 ラリー・トラックテンバーグ(Larry Trachtenberg)氏は16歳だった1970å¹´9月、同大会の記念すべき初回に参加し完走した55人のうちの1人だ。67歳となった彼は50周年の記念すべき今大会で再チャレンジし、走り切った。 現在西海岸に住んでいるトラックテンバーグさんだが、住み慣れた故郷を幼少期の思い出と共に走り抜け、感慨もひとしおだったようだ。50年前と今大会を比較し、米メディアにこのように語った。「昔はこぢんまりとした静かな大会だったが、今ではすっかり一大ショーになったね」。 今大会の盛り上がりはすっかりコロナ前に元通り、「アフターコロナ」のスポーツ世界大会の様相だった。ニューヨーク州内では前日の6日時点で新規陽性者が未だ1日4600人を超えているが、屋外ということもあり観客の中にマスクをしている人はほとんどいなかった。 仮装姿の人、自国の旗を振っている人、音楽のリズムに乗って楽しそうに踊りながら走っている人、高齢で足を引きずりながら(人によっては杖をつきながら)それでも歩を進め続ける人…。2年ぶりに見たさまざまなランナーの勇姿に、再び元気とエネルギーを与えてもらった。 Text, photo and video by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

NYワクチン接種義務に抗議。義務化初日に休職の市職員9千人が都市に及ぼす影響

ニューヨークは1日、市職員に対して義務付けられた新型コロナウイルスワクチンの接種期限を迎えた。 デブラシオ市長は定例記者会見で、ワクチン接種義務化に反対し接種を拒否する職員約9000人がこの日、無給休暇を取得したと明らかにした。 市の職員は、警察から公園管理まで全体で約37万8千人いるとされ、そのうちの91%以上の職員は、少なくとも1回の接種を受け、勤務を続けている。 また休職中の9000人とは別に、医学的または宗教的な理由のために接種ができないとして特別免除申請をした職員は1万2000人とされ、一時的な接種義務の免除を認められ勤務を続けている。 市が職員への接種義務を発表した10月20日から今月1日まで、接種率の増加は顕著だった。例えば、市消防局(NYPD)消防士は58%から77%、救急隊は61%から88%、市警察(NYPD)は70%から84%、衛生局(DSNY)は62%から83%に接種率は増えた。 現在ニューヨーク州での全体の接種状況はこちら。18歳以上の87%以上が少なくとも1度の接種を受けている。 市ではこれまで、医療従事者と教育者に対してもワクチン接種を義務化した。今回の義務化もそうだが接種数が伸びたことで、専門家からは「なぜ義務化を早めなかったのか」「発表から期限まで日数がもう少し長ければ、より増えたかもしれない」などという声も聞こえてきた。 休職している9000人は多いように聞こえるが、市職員全体の6%以下にあたる数字だ。 休職の理由として、その多くはワクチン接種を期限までに受けていないことがあるが、中には義務化への抗議のため病欠(仮病)を取っている職員もいるようだ。また、ワクチンをギリギリに接種し副反応により休んでいる職員も含まれると見られている。 休職者としては決して少ない数字とは言えないが、市民生活への混乱は今のところ特に見られない。デブラシオ市長は「警察も消防も通常通り機能し、市のオペレーションに混乱は見られない」と強調し、「休職中の職員はいつでも(ワクチン接種を受けることを条件に)復職を歓迎する」と述べた。 過去記事 当地では副業を持つ職員もいるくらいなので、本職を離れている間は副業に専念している人もいるかもしれない。 仕事掛け持ちOKのアメリカ副業事情。消防士×レストランシェフの二足の草鞋はアリ?ナシ? 一方、市長の発言とは裏腹に、休職による労働者不足から、市内350の消防署のうち18の消防署がこの日、閉鎖したことも伝えられている。 ニューヨークタイムズによると、18という数字は普段と比べて特段多いとは言えないという。また、現状で大きな混乱は見られないといえども、こうした状況が長期化した場合、市民生活への影響は避けられないのではないかと懸念する声もある。 一部のエリアによっては、清掃業者によるゴミの回収が停滞しているとも報じられている。労働者不足は、今後数週間で大きな「問題」として現れてくるかもしれない。 また、昨年突然コロナ禍となり感染が拡大する中も、休みなく市民のために働きヒーロー視されてきたエッセンシャルワーカーに対して、このような処遇は許されるのかと疑問視する声も市民からは上がっている。 過去記事 米入国にワクチン接種義務化。健康上の理由で接種できない人は今後どうなる?… 専門家に聞いた 入国は「ワクチン接種者のみ」……どうなる?海外旅行。(フィガロ) NY屋内活動に「ワクチン接種証明」義務づけ 全米初の試みが始まったが・・・街の様子は 全米の4人に1人が「ワクチン打たない」反ワクチン運動や職場訴訟も(動画あり) Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

北米の先住民族 … 意外と知られていないNYとの繋がり。ネイティブアメリカンの足跡を辿る

先住民族を傷つける心ない言動や差別は、21世紀となった今も世界各地で起こっている。 日本では少し前、テレビの情報番組でお笑い芸人が先住民族のアイヌを茶化す表現をし、大問題になった。問題の表現は、先住民族の名前を動物に例えるというもので、以前からたびたびアイヌ民族に向けられてきた差別的なものだった。テレビ局は再発防止に向け、問題が起こった背景を検証しアイヌ民族や視聴者に対して謝罪した。 アメリカでも先ごろ、カリフォルニア州の高校で、教師が授業中にネイティブアメリカンの格好をし、トマホーク(斧)を振りかざすポーズをした動画が拡散され炎上した。問題の動画は、ネイティブアメリカンの生徒が撮影したものだった。生徒にとって教師の言動はネイティブアメリカンの文化に対しての攻撃的な描写として映ったという。教師はその後、休職処分となっている。 これらはほんの一例だが、いずれのケースも先住民族への配慮が足りず、知識や理解の欠如から起きたことだろう。 ネイティブアメリカン文化遺産月間を間近に控えた25日、先住民族の理解を深めるため、ニューヨークにあるスミソニアン協会の一つ、国立アメリカ・インディアン博物館(National Museum of the American Indian)では、企画展「ネイティブニューヨーク」が新設された。マンハッタンからナイアガラの滝まで12箇所において、テリトリーとして何らかのゆかりがあった秘話や、知られざる暮らしぶりなど、先住民族の歴史の足跡が展示されている。 例えば、今では高層ビルが立ち並ぶマンハッタン島も昔は緑が生い茂り、ネイティブアメリカンの人々の暮らしがあった。 17世紀になり、オランダの入植者が土地の所有や譲渡についての知識がなかった先住民族と、60ギルダー(24ドル相当)の価値の物品(ビーズや衣類など)で取引したのがマンハッタンだ(入植者側の解釈は「購入した」、先住民族側は今後もさらなるギフトがあると勘違いし、誤解が発生)。 オランダの植民地となってから、ここは新たなアムステルダム=ニューアムステルダムと呼ばれ、その後イギリス人の手に渡ることになり、新ヨーク=ニューヨークに改名された。 現在全米で、連邦政府が認めたネイティブアメリカンの部族の数は574とされている。そして多くの部族は、もともとの土地(ネイティブニューヨーク)から他の土地に強制的に追いやられた。 同博物館の学芸員で歴史家のガブリエル・タヤック(Gabrielle Tayac)氏によると、ニューヨーク州に現存するネイティブアメリカンは約10部族で、ニュージャージーエリアも含めるとそれ以上になると言う。 タヤック氏はこれまで、現存するすべての居留地を訪れ、ネイティブアメリカンの理解を深め、人々に啓蒙し、差別などの問題に積極的に取り組んできた。「正しい知識や理解をすることが、問題の解決に繋がる」と語る。 同博物館のアソシエイトディレクター、デビッド・ペニー(David Penney)氏も、「ネイティブアメリカンの歴史と文化は依然として不正確な情報とステレオタイプなイメージの影響を受け続けている」と言う。それでこの特別展では、単なる歴史紹介だけでなく、先住民族の歴史が現代生活や人々とどのようにリンクし影響をもたらしているか、身近なテーマと共に示すことにした。 展示を見て周ると、例えば現在のブロンクスやマンハッタン北部周辺でもともと暮らしていたレナペ(デラウェア)族は、オランダやイギリスからの入植者、後にアメリカ政府から次々に土地を収用され、ニュージャージーやペンシルベニア、北はカナダ、西はカンザス、オハイオ、オクラホマなど遠くへと追いやられたことがわかる。 展示品の一つに、西へ西へと追いやられ1850年代にはカンザスに居留していた時のショルダーポーチがある。自然を模した柄でカラフルな色合いが特徴だ。当時、その周辺で大陸横断鉄道の建設が予定されると、居留地を売り渡すように再び強要され、今度はオクラホマに移動を強いられた。ポーチに埋め込まれたビーズの葉っぱのデザインは、タヤックさんによると「もともとそれらの土地では見られないような植物の柄なんですよ」と言う。もちろんカメラも辞書もない時代のこと。 代々にわたって自分たちの意志に反して幾度となく移動を迫られ、未開の居留地に押し込まれる中、これまで自分たちのいたネイティブの土地や自然の記憶をいつまでも失わないようにと、子や孫の世代に語り継いでいったのだ。この柄1つにも、そんな琴線に触れるエピソードが秘められているのだった。 また、先住民族の人々は現代、強制移住を強いられた先の土地で、差別とはまた別の問題にも晒されている。 28日付のニューヨークタイムズによると、テリトリーの98.9%を奪われたネイティブアメリカンは移住した先々(例えばアリゾナ州など)で、気候変動の脅威に晒されているという。(近年、異常気象による熱波、干ばつ、大規模な山火事などは、アメリカで深刻化) イェール大学の博士課程に在籍するポール・バーン・ブロウ氏は記事の中で、解決するための最善の方法として、「奪った土地を返還すること」と述べている。 いつの時代も、被害を受けやすいのは、社会的に脆弱な立場に置かれている人々だ。今すぐに大きな援助ができなくても、正しい歴史を一人一人が学んでいくことで、いずれ大きな前進に繋がっていくことになるかもしれない。 企画展「ネイティブニューヨーク」は、この先10年単位で続いていく。いつかニューヨークを訪れることがあれば、この展示に足を運んでニューヨークとネイティブアメリカンの繋がりについても考えてみてはどうだろうか。 「展示では、コミックの技法やインタラクティブな方法で、大人から子どもまで楽しく学べるように工夫しました。日本ならアイヌ民族と言うように、それぞれの国の先住民族についても考え、思いを馳せるきっかけになれば嬉しいです」(タヤック氏) 毎年11月はネイティブアメリカン文化遺産月間(National Native American Heritage Month)です。 参考資料 An ‘offensive’ high school teacher caught on video wearing a fake Native American headdress and waving air tomahawks has gone on…